ベートーヴェン:ピアノソナタ集(3/4)第17,18,21番 ソロモン(1940's-50's) | クラシックCD 感想をひとこと

クラシックCD 感想をひとこと

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。
一言二言で印象を書き留めておきたい。
長い文章だと、書くことが主になってしまう。
その時の印象を大切に。

仲道郁代さんのコンサートに行く前に、予習として聴いたCDをもう一枚。ベートーヴェンの第18番のソナタは、このCDしか持っていませんでした。19,20に至っては、1枚も無し(笑)。全集とか買わないと、単品で時々買っている状況では、19,20はなかなか聴かないですね。

【CDについて】

作曲:ベートーヴェン

曲名:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 op31-2 テンペスト (22:01)

   ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 op31-3 (23:22)
   ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 op53 ワルトシュタイン (23:08)

演奏:ソロモン(p)

録音:1940年代後半から1950年代半ば

CD:ORG 3014-7(レーベル:EMI、発売:音楽之友社/東芝EMI)4CD

 

【曲に関して】

バートーヴェンのピアノ・ソナタ。聴かない曲は極端に聴かないのですが、このCDの中でも、第18番は今まであまり聴きませんでした。第17番や、第21番は学生時代によく聴いた思い出があります。今回のお目当ては、第18番。これをじっくり聴いてみようという訳です。

 

【演奏についての感想】

このCDは、レコード芸術誌の企画として、当時CD化されていなかった往年の名盤を、雑誌と連携して配布するというもの。レコ芸は今月発売分が休刊号であることを考えると、いまや隔世の感があります。さて、その中にあったソロモンのベートーヴェンのピアノ・ソナタ選集。ソロモンは途中で障害を負って引退されたので全集は完成していませんし、このCDセットも録音されたすべてが入っている訳でもないようです。

ソロモンは吉田秀和氏が大々的に取り上げ、その著作にもよく紹介されています。世代的にはホロヴィッツやゼルキンの1歳年上ということになります。演奏については、優れた技巧をもち、潔癖な演奏(音を濁らせない?)が印象的で、構造が綺麗に透けて見えるほど、多声の弾き分けが上手かったとWikiにはあります。

さて、聴いてみると、スタジオ録音ではありますが、あまり録音が良くないですね。そして、端正な演奏かと思ったら、かなり緩急の変化も大きくはっきりさせた、情熱的な演奏に思えます。ワルトシュタインなどかなりのスピード感を感じました。一方で、構造をうまく弾き分けるというためかどうかはよく解らないのですが、テンペストとかはちょっと変わった演奏にも思いました。3つの中では、ワルトシュタインが最も情熱的で印象的でした。

 

【録音に関して】

40年代から50年代にかけてのモノラル録音。今一つもどかしい音で、高音もかなりきついです。この時代相応ということなのでしょう。

 

【まとめ】

第18番を聴くために取り出してきましたが。今や歴史的録音なので、曲を知るために聴くという目的にはどうか…というところです。あくまでもソロモンのピアノを聴くという事だと思います。今回4枚組の1枚を聴いたので、他の3枚も続けて聴いてみないと…。

 

購入:不明、鑑賞:2023/06/02(再聴)