シューマン:謝肉祭、幻想曲、トッカータ シュミット(p) (1973,75) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

先週末の仲道郁代さんのコンサートに行く前に、予習として聴いたCDです。いろいろ聴きましたが、まずは謝肉祭から。

【CDについて】

作曲:シューマン

曲名:①謝肉祭 op9  (32:55)

   ②幻想曲 ハ長調 op17 (35:18)
   ③トッカータ op7 (7:18)

演奏:シュミット(p)

録音:①1975年、②③1973年 ベルリン ブルネン・シュトラーセ・スタジオ

CD:SDS-20(レーベル:Deutsche Shallplatten、発売:新星堂/徳間ジャパン)

 

【曲に関して】

謝肉祭は、シューマンのピアノ曲集の傑作のひとつ。実らなかった恋人の出身地アッシュからとった「ASCH」に関連する音列を用いて、ほどんどの曲にこれを使用しています。その音列は、途中の演奏するにあたらない曲「スフィンクス」にて披露されています。幻想曲は、ベートーヴェン記念碑の建立のための寄付を目的に作曲されました。三楽章からなり、ソナタに近い曲で、緩徐楽章で終わる印象的な曲です。

 

【演奏についての感想】

昨年訃報が届いた、アンネローゼ・シュミットさん。かつて私の高校時代、LPを頻繁に買うお金など当然ないので、もっぱらエアチェックでいろいろな曲を楽しんでいましたが、その時に購読していたのが、「週刊FM」です。ある時、その中でクラシックの名曲名盤特集があり、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のところで、彼女の演奏が紹介され、女性でこの体力の必要な曲を弾き切るのは至難の業というような記事がありました。それを読んで以来、ブロンドの美貌でパワフルなピアニストという印象を持っていました。

実際彼女の奏でる音は、重めで力のある巨匠スタイルで、さらに音が磨かれて繊細。しかも、堅実な演奏で、あまり細かな表情付けはそれほど無いように思います。いかにもドイツの伝統的な音楽を体現するような演奏であり、当時の東独のピアニストの第一人者でもあるのでした。そんなシュミットの演奏で聴く、かつてあったドイツの音楽です。

このCDで聴く演奏もイメージのまま、どの曲も悠々たる地に足の着いた音楽を聞かせています。華やかに飾らない中から、曲本来の美しさが沸き上がってくるという演奏でした。ちなみに、スフィンクスは演奏しています。

 

【録音に関して】

シュミットの重厚で繊細なピアノの音が大変クリアに捉えられています。

 

【まとめ】

謝肉祭を久しぶりにおさらいするつもりが、幻想曲を何度も聴いてしまいました。それと、これは一時期たくさん発売された新星堂の1000円シリーズですが、名盤が多く大変お世話になりました。

 

購入:不明、鑑賞:2023/06/02(再聴)