絶対に受けたい授業「国家財政破綻」 -12ページ目

鳥巣清典の時事コラム1588「英国では歩き方やマナーを学ぶために社交ダンスは小学校の必須科目」

 2016年3~4月は「タンゴ」。
                                                                         
「タンゴ」の画像検索結果



 私はキャリア3年目で、「見よう見まねで先輩たちに付いていく」事で精一杯。そのなかでも、いつか活用できたらと、ここにデーターを蓄積しています。

 
YouTubeで見つけた『Тango ABC』ーー女の先生が、2人の男女モデルを使って分かりやすく教えます。およそ1時間50分。



1、ツーウオークスーーーーーーーーーーー10分
2、オープン フィニッシューーーーーーーー13分
3、プログレッシング サイド ステップーーー16分
4、プログレッシング リンクーーーーーーー19分
5、クローズド プロムナードーーーーーーー22分
6、ロックターンーーーーーーーーーーーーー26分
7、オープン リバース ターン
    レディス アウトサイドーーーーーーーー29分
8、バック コルテーーーーーーーーーーーー33分
9、オープン リバース ターン
    レディス ラインーーーーーーーーーー36分
10、プログレッシブ サイド ステップ
    リバース ターンーーーーーーーーーー40分
11、オープン プロムナードーーーーーーー46分
12、ロック バック オン R・F・ーーーーー49分
13、ナチュラル ツイスト ターンーーーー52分
14、ナチュラル プロムナードターンーーー56分
15、プロムナード リンクーーーーーーー1:00分
16、フォーステップーーーーーーーーーー1:02分
17、バックオープン プロムナードーーー1:05分
18、アウトサイド スイブル(メソッド1)-1:08分

19、フォールアウエイ プロムナードーー1:13分
20、フォーステップ チェンジーーーーーー1:16分
21、ブラッシュ タップーーーーーーーーー1:20分
22、フォールアエイ フォーステップーーー1:24分
23、オーバー スエイーーーーーーーーー1:27分
24、ベーシック リバースターンーーーーー1:30分
25、ザ・チェイスーーーーーーーーーーーー1:34分
26、フォールアウエイ リバース &
     スリップ ピボットーーーーーーーー1:38分
27、ファイブ ステップーーーーーーーーー1:41分
28、コントラチェックーーーーーーーーーー1:44分
  

 【鳥巣注】

 最初に、先生が「ウイズ ミュージック」の声。
1、男女が音楽と共に踊ります。
2、男性モデルが実際にコマごとに形を見せます。
3、男性モデルがフットワークを見せます。先生が「HH(ヒール・ヒール) BH H BH」などと声を出します。
4、先生がモデルの動きに合わせて「SQQS QQ」などとタイミングをカウントします。
5、女性モデルがコマごとに形を見せます。
6、女性モデルがフットワークを見せます。先生が「HH(ヒール・ヒール)」などと声を出します。
7、音楽に合わせて男女が踊り、先生が「QQS QQ」などと声を出します。

 英国では小学校の頃からダンスは必修科目。歩き方やマナー、そして女の子のエスコートの仕方も学ぶとか。上記のビデオなどはーーイギリス人ではなさそうですがーー教科書的にしっかりと教えようという伝統の雰囲気があります。


【鳥巣注②】

 さらに教科書的なのが『Basic Figures Тango』。男女が同じ音楽で、同時に離れて踊るという特徴のある外国のビデオです。

【鳥巣注③】

 日本の場合は、プロや競技用のビデオに比べ、ベーシックを教えてくれる教科書的なビデオが少ないような気がします。70歳代は戦後のダンスブームで多少なりともフロアで踊った経験がある人も多い。逆に現代の若い人たちは、映画やテレビでは楽しんで見ていても、社会人の間はさすがに踊る時間は取りにくい。
 よけいに高齢者向けの家庭で学べるベーシックビデオが求められます。その中で『60歳代後半、70歳代、80歳代』や『ダンス入門ーちょこっと○○(例:クイックステップ)が踊れたら』等の題名で「ナイトダンススクール」のビデオを
YouTubeで見る事ができます
 私は初級レベルで中級クラスのダンス教室に通っています。種目によっては初めて習うものがあり、そういう時には初級用のビデオを見て学習するのに便利です。

【鳥巣注④】

 10代の男子に圧倒的な人気を誇る漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で、『背すじをピンと!~鹿高競技ダンス部へようこそ~』がスタート。
「僕も1年前から習っていますが、かなり苦戦をしています。ハッキリ言って、自分にはできない(笑)。特に男性は、いろいろと考えることが多すぎますし、やることが多すぎますよね。でも、こうしたもどかしさや相手に伝わった時の喜びは、作品の中にしっかりと入れたいなと思っています」
(漫画家の横田卓馬さん)



 若い世代のなかから社交ダンスブームが来るのか楽しみですね。


 

鳥巣清典の時事コラム1587「小川和久氏『木ばかりを見ないで、森を見ましょう』

 小川和久(静岡県立大学特任教授)の講演。演題は「世界の平和をフィクションで語るなかれ」<2016年4月2日>。

「小川和久」の画像検索結果

 但し以下はメモなので正確性については保障できません。

1、北朝鮮
 
 一見、北朝鮮は日本人には無軌道のように見える。しかし、あの国にはきちんとした戦略目標がある。北朝鮮が追い求める着地点とは何か? それはインドやパキスタン、イスラエル等ーーとくにインド。冷戦期は中立非同盟路線ーー実態はソ連寄りーーのインドと、パキスタンを軍事パートナーとしていたアメリカ合衆国との関係はよくなかった。ところが冷戦終結を契機に印米関係は改善を見せ始める。
 インドが1998年に核実験を強行した際にはアメリカをはじめ西側諸国から経済制裁を受けたが、現在では経済軍事交流をはじめとして良好な関係を築いている。インドはNPT(核不拡散条約)に入らなかったのにーーまさにアメリカのダブルスタンダード
(=矛盾する2つの基準の使い分け)
 北朝鮮も、この成功モデル獲得を狙い続けている。アメリカが「核保有国として認めよう」と言ってくれた暁には、中国やインドのように経済発展へと進むのがシナリオ。
 だから、北朝鮮の瀬戸際外交に日本人はいちいち過激に反応する必要はない。「木ばかりを見て森を見ない」日本人と言われてしまう。

2、中国

 中国もーー日本人から見れば、東シナ海や南シナ海での中国の動きは過激に映る。しかし、私は幾度となく中国大使館の武官と出会いを重ねてきたが、彼らは「中国がいかに抑制的かを理解して欲しい」という事を語る。日本人は、領海侵犯、レーダー照射、異常接近、防空識別圏などの問題があるので、にわかには信じがたい。
 しかし国家首脳が考えているのは、とにかく”国民に弱腰と取られたくない”という思い。全てのパフォーマンスが、その戦略的着地点を目指すアクション。
 尖閣諸島の問題の事実上の棚上げをめざし、日米との戦火を避けるのが大前提。南シナ海でも、国際ルールに基づく公海上の米国の行動を黙認していこうとしている。

 中国人ーー漢民族のメンタリティは”正面対決”は避ける。一方で、迂回しても、目的を遂げようとする。こういう漢民族に対処するには、日米豪は協力して動く事で、中国の思うままにさせない事が肝心。

3、世界

 以上のように、世界は国家間の戦争が起きにくい状況になりつつある。その一方、非国家主体のISとの戦いが起こっており、協力して対応しようとしている。そういう2つの大きな流れを見て行かなければならない。

4、日本

 日本では、「集団的自衛権」について国論が分かれる。しかし戦後、米国の同盟国で攻撃された国はないーー朝鮮、ベトナムは内戦、フォークランドは域外ーーという歴史的事実がある。戦争を避けようとするなら、独走も防ぐ集団的自衛権を強化した方が平和の可能性は高くなる。

5、日米同盟

 戦後、アメリカの戦略は、日本とドイツの封じ込め。未だ以て、日本もドイツも片足は義足さえ履かせて貰えず、仕方なくアメリカの肩に寄りかかっている。アメリカは日本に基地を置き、喜望峰までを網羅している。「おカネを出しても日本の基地を手離したくない」とアメリカに思わせたら大成功。その逆は(
日韓の核武装を容認する発言をする)トランプみたいな奴の登場。核武装中立の考え方につながる。そうなると、カネもかかるし、他国からの干渉が強くなりリスクが高まる。

【鳥巣注】

 「現在のように年間5兆円で世界最高の防衛力を獲得できる他の方法があるのなら教えて欲しい。仮に自力防衛に切り替えたら、年間の防衛予算は20兆円余りに跳ね上がり20年間は続く。そんな負担に耐えられるだろうか。日本国憲法の前文に書かれている『
恒久の平和を念願』達成しようとするなら、日米安保をその実現のためにいかに活用するかを考えるべき」
 小川氏の考え方は、いつもながら理にかなっている。「森を見ている」人です。

【鳥巣注②】

 ただし、トランプが述べるアメリカの現実(=力の衰退)が、日本が「集団的自衛権」の選択へと急速になびいた原因だという事も分かっておく必要があるでしょう。


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PS

 上京して銀座で行われた「出版を祝う会」に出席した清水教授。とんぼ返りした伊勢の方から、早速メールが届いていました。

<伊勢市長に本を贈呈。市長からは『地域の事をお願いしますね』との言葉を頂きました。>

『津波避難学』(すぴか書房)は徐々に浸透しています。



内内容紹介

そのとき、あなたはどうしますか?
「とにかく逃げろ!」はまやかしです。
逃げられない災害弱者もいるのです。生き延びるために、
津波避難における大原則と「正しい避難のしかた」を知りましょう。
東日本大震災の事実を見直すと、尊い犠牲から学ぶべきことがたくさん見えてきます。
巨大な地震・津波には勝てない。いつ起るか予測もできない。でも、絶望する必要はありません。
本書を読めば、「負けない」ために、誰にでも実行可能な方法があることがわかります。津波避難学は災害弱者の希望を引き出す科学なのです。自然の制圧をめざす科学ではありません。いま生きている人間の視点で、危急存亡の「難を避ける」ための最善を追求しています。最優先は命が助かることです。それを可能にする地域をめざしましょう。防災対策は地域づくり。主役はあなた自身です。

内内容(「BOOK」データベースより)

そのとき、あなたはどうしますか?「とにかく逃げろ!」はまやかしです。逃げられない災害弱者もいるのです。生き延びるために、津波避難における大原則と「正しい避難のしかた」を知りましょう。東日本大震災では、どのようなことが、なぜ起ったのか。その事実を見直すと、尊い犠牲から、学ぶべきことがたくさん見えてきます。防災対策は地域づくり。主役はあなた自身です。


 

鳥巣清典の時事コラム1586「平成28年度予算成立 一般会計総額で過去最大」

平成28年度予算 参院本会議で可決・成立

3月29日 HK


一般会計の総額が過去最大の96兆7000億円余りとなる新年度・平成28年度予算は、29日の参議院本会議で、自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立しました。

一般会計の総額で過去最大の96兆7218億円となる、新年度・平成28年度予算案は29日昼すぎ、参議院予算委員会で自民・公明両党などの賛成多数で可決されたあと、夕方開かれた参議院本会議に緊急上程されました。
本会議では討論が行われ、自民党は「デフレ脱却、経済再生への取り組みを加速させ、景気回復を確実なものとするためには、新年度予算を速やかに執行することが重要だ」と述べました。
これに対し、民進党は「アベノミクスの失敗を放置し、効果の検証や反省も不十分なまま編成された予算は断じて認められない」と述べたほか、共産党も「国民の暮らしの願いに応えず、格差と貧困をさらに深刻にする予算だ」と指摘しました。
このあと採決が行われ、新年度予算は、自民・公明両党のほか、日本のこころを大切にする党、新党改革などの賛成多数で可決・成立しました。
成立した新年度予算には、「一億総活躍社会」の実現に向けて、保育所などの受け皿を新たに増やすための整備費用や、幼稚園や保育所の保育料の軽減策、それに特別養護老人ホームを増やすための整備費用が盛り込まれています。
このほか、TPP=環太平洋パートナーシップ協定も踏まえ、農家の競争力を向上させるため、耕作放棄地を集約して意欲ある担い手の農家に貸し出す、いわゆる「農地バンク」の事業費も計上されています。
また、防衛費は、島しょ防衛を強化するため、新型輸送機オスプレイの導入経費などが盛り込まれ、初めて5兆円を超えました。

予算の主な内容は

予算では一億総活躍社会の実現に向けて、「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」につながる子育て支援や介護サービスの充実を図っています。
具体的には、保育所の整備費用などとして2748億円。保育士などの待遇改善のための費用として177億円。「特別養護老人ホーム」などの整備費用として423億円を計上したほか、所得が低い世帯を対象にした幼稚園や保育所の保育料の軽減策の費用として126億円増額しました。
主な項目では、「社会保障費」は今年度より1.4%、金額で4412億円増えて、31兆9738億円となりました。
「公共事業費」は、防災・減災対策やインフラの老朽化対策などを進めるため、今年度とほぼ横ばいの5兆9737億円。
「文化、教育、科学技術関連予算」も、ほぼ横ばいの5兆3580億円でした。
「防衛費」は今年度より1.5%増えて5兆541億円と初めて5兆円を超え、島しょ防衛を強化するため、新型輸送機オスプレイや機動戦闘車を導入する経費などが計上されました。
また、「ODA=政府開発援助」も、中東やアフリカ地域のテロ対策の技術協力などに重点的に取り組むため、今年度より1.8%多い5519億円が計上され、平成11年度以来、17年ぶりの増加となりました。
一方、地方自治体に配分する「地方交付税」は、1.6%、金額で2547億円減って15兆2811億円となりました。
このほか、国債の償還や利払いに充てる「国債費」は、過去に発行した国債の残高が増えていることから1614億円増え、23兆6121億円となりました。
一方、特別会計では、東日本大震災の復興関連では3兆2469億円が計上されました。被災者の心のケアや生活再建の相談支援などを拡充するため、「被災者支援総合交付金」に220億円を計上しました。
新年度予算では税収の増加が見込めるため、国債の新規発行額が今年度より2兆円余り減って34兆4320億円となっていますが、歳入全体に占める割合は35.6%と、3分の1以上を借金に頼る厳しい財政状況が続いています。

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PS①

 『さようならライオンバス~また会う日まで~』に行ってきました。童心に戻り、多摩動物公園で半日を過ごしてきました。コアラやユキヒョウ、インドサイなどに会いながら起伏のある園内を歩いているとふくらはぎが鍛えられます。
 熟年になってからの動物園ーーなかなか良いものでした。


鳥巣清典の時事コラム1585「本田悦朗氏『早い段階で消費税増税の凍結宣言を』」

『ウェークアップ! プラス』(日本テレビー3月15日)のゲストに内閣参与の本田悦朗氏。

「ウェーク』(日本テレビ」の画像検索結果


辛坊治郎
 1つだけ聞きたい。本田さんは安倍総理の側近で内閣参与。本田さんの意見で、消費税はもう上げるなというのは承知しております。本田さんの見立てとして安倍さんは消費税を10%先送りにすると思いますか?
本田
 あのぉ・・(苦笑)。総理のご判断なので、私の口から総理の本心を代弁するのはあまり適当ではないと思いますが。

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 安倍総理はーー私は来年4月の消費税増税は凍結すべきだと考えておりますけども。浜田参与も同じご意見です。ただ「予定通りやったほうが良い」という方もたくさんいらっしゃいますので。特に財務省はほとんど連日総理に具申されておられますので。いろんな意見を聞いて最終的に、いま報道された国際金融の分析会合の専門家の意見。そして最終的にG7の伊勢志摩サミットでどういうコミュニケが出せるか。そのためにはG7でコンセンサスを取らなければいけませんが。その中で日本が議長国としてどうやって先進国グループでリーダーシップを発揮できるか。そういった事を総合的に判断すべき。
辛坊
 その決定は上げるにしろ、先送りにするにしろ、サミットの前ですか後ですか。
本田
 後だと思います。私の意見では、来年4月の増税があるから今の消費の低迷につながっているので。なるだけ早い段階で「消費税増税を凍結する」という宣言を出された方が良いと思います。

鳥巣清典の時事コラム1584「両陛下、宮城県女川町を震災後初めてのご慰問」

両陛下、宮城県女川町を震災後初めてのご慰問
産経新聞2016年3月17日

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 東日本大震災の被災地を見舞うため宮城県を訪問している天皇、皇后両陛下は17日、津波で甚大な被害を受けた女川(おながわ)町を震災後初めて訪れ、内陸部に新設されたJR女川駅や周辺に整備されたテナント型商業施設など、復興の象徴とされる街並みを見て回られた。

 商業施設は昨年12月、女川駅と漁港を結ぶエリアに開業。両陛下は生花店やダイビングショップなどの店内に立ち寄りながら、店主らをねぎらわれた。

 「みなとまちセラミカ工房」では、地元の女性10人が震災後に製作を始めた色鮮やかなタイルを販売。皇后さまは、代表の阿部鳴美さん(55)に「女性が働く場所を作ってくださってありがとう」と笑顔で声をかけられた。

 これに先立ち、石巻市の県水産会館では、震災で死亡・行方不明となった組合員392人を祭る県漁協の慰霊碑に拝礼された

両陛下、女川を初訪問 石巻も、慰霊碑に拝礼
朝日新聞 3月17日

 宮城県を訪問中の天皇、皇后両陛下は17日、女川町を初めて訪れ、東日本大震災の復興状況を視察した。両陛下は被害の大きかった町を気にかけ、かねて訪問したい意向を示していた。
 両陛下はJR女川駅から海側に広がる商業施設「シーパルピア女川」を歩き、商店主らに「みなさんお元気で?」「復興が進むよう願っています」などと声をかけた。さらに、集まった人たちに近づき、皇后さまは「待っていてくれてありがとう」と笑顔を見せたり、子どもの手を握ったりして触れ合った。

 皇后さまは今年の年始にあたり、被災したJR石巻線の開通について「春風も沿ひて走らむこの朝(あした)女川(をながは)駅を始発車いでぬ」と詠んだ。この日、両陛下は女川駅を遠目に見ながら、須田善明町長の説明を受けた。

 これに先立ち、両陛下は石巻市の県水産会館に立ち寄り、犠牲になった漁業関係者の慰霊碑に拝礼した。近くの仮設住宅などから集まった人たちも一緒に頭を下げていた。

鳥巣清典の時事コラム1583「早朝いきなり清水教授がNHKで『おはよう日本』」

 本日(3月17日)早朝、前触れもなくNHK『おはよう日本』に清水宣明教授。
 清水教授らがドローンを地域防災に活用しようと英虞(あご)湾で実証実験をしていることをレポートしていました。とにかく真摯な教授。ヒトや社会のためになる事は脇目も振らずにプロジェクトを前進させます。私はそういうところを尊敬し信頼して、今日までお付き合いをしてきました。

 地元では”地域防災”の専門家として著名人の清水教授。検索すると伊勢志摩では、以下のような記事も出ていました。
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防災「弱者のために」 伊勢 愛知県大清水教授講演

看護の視点から地域防災対策について語る清水教授=伊勢市の新開公民館で 
看護の視点から地域防災対策について語る清水教授=伊勢市の新開公民館で

 伊勢市御薗町新開の新開公民館で15日、地元住民向けの防災講演会があり、愛知県立大看護学部の清水宣明教授が看護の視点からの地域防災対策を語った。
 
 新開自主防災隊の主催で、隊員や住民ら約60人が参加。清水教授は明和町在住で、専門は感染制御学や微生物学などだが、地震や津波防災にも詳しい。
 
 清水教授は、東日本大震災の事例や南海トラフ巨大地震の想定で津波浸水面積が広大な伊勢志摩地域の特徴などを解説。「災害弱者のためにすることこそが防災対策」と強調し「災害弱者でもすぐに逃げ込めて、第一波を乗り切れる場所を町内会単位で考える必要がある」と主張した。
 
 震災被災地の避難所で、働いてはいないが看護師資格を持つ住民(潜在看護師)が避難者の心の支えになった例も挙げ「潜在看護師に地域レベルで普段から活動してもらうのも効果的」と話した。
(中平雄大)

(2014年6月16日 中日新聞朝刊広域三重版より)

[2014.06.16]

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愛知県立大教授・清水宣明さん /三重

毎日新聞
町に合った避難対策を 清水宣明さん(55)

 高齢者や子ども、妊婦、障害者ら「災害弱者」の視点を生かした防災対策が、南海トラフ地震で大きな津波被害が予想される伊勢市や志摩市などで広がりを見せている。中心となって取り組む愛知県立大学看護学部の清水宣明教授(55)は「けがや病気になれば、誰もが弱者になり得る。『避難』とは難を逃れることで、津波の際に遠くへ逃げることが必ずしも正しいとは限らない。まずは自分が住む町のことを知って対策を立てれば、弱者を含め、各人にとってより良い避難策が見えてくる」と説く。【小沢由紀】

     清水教授は専門である感染制御の分野で、明和町内の小学校でのインフルエンザの流行の仕組みを研究。2013年4月に同大に着任した。

     「感染制御とは危機管理の一つ。インフルエンザの感染制御対策も災害対策も同じで、まずは地域の現状を知ることから始まる。工学的な視点ではなく、人間を主体にした対策が重要」と、小学校を基点とした地域社会の災害対策にも取り組み始めた。 

     小学校を対策の核にするのには訳がある。地域の将来を担う「子どもたちを守る」というスローガンを掲げると、「遠くへ逃げろ」という一般的な避難のうたい文句に「そんなによう逃げん。わしらはもうええんや」と諦めていた高齢者たちも、「子どもたちのためなら」と前向きな姿勢に変わるという。実際、伊勢市東大淀地区の宅老所で、清水教授が自ら収集した地域の緻密なデータをもとに、「近くても高い所へ」という避難への考え方を説くと、高齢者たちは「近くでも逃げられることが分かってとても気が楽になった。町の子どもたちを守るために、私らも一緒に頑張らなあかん」と考えるようになったという。

     こうして学校や自治会、老人会関係者など地域が一つにまとまって災害対策がスタート。現在、取り組みが進んでいるのは、伊勢市と志摩市の沿岸部で、各地域のさまざまな立場の人が、町中を一緒に歩き、建物の形状や高さ、道幅などを地図に落とし込む作業を進めている。まずどこに何があるかを知り、自分が逃げられる場所を把握するためだ。今後は、調べた情報を地域住民と共有して、一人一人の避難策を考えていく。

     「まだまだ取り組みは始まったばかり。私はデータを提供するだけで、対策の主役は町の皆さん。一緒に勉強しながら、少しでも地域に貢献できれば」と控えめな清水教授。津波から人々の命を守るため、地域を駆け回る日々が続く。


     《メモ》

    しみず・のぶあき

     栃木県鹿沼市出身、群馬大大学院医学系研究科博士課程修了。飛行機の操縦のほか、数年前に神職の資格を取得するなど幅広い趣味を持つ。現在、大分県の宇佐神宮の神職も務めており、今年5月、74年ぶりに行われた遷座の儀の神事に、宮内庁の臨時掌典職出仕として奉仕した。

    〔三重版〕

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    <まる見えリポート>伊勢志摩の地域防災 ドローン活用へ実験

    2016年1月18日(月)

    【実証実験で使われているドローン。画面は、ドローンで撮影した志摩市志摩町和具地区の上空映像=鳥羽市池上町の鳥羽商船高専で】

    【実証実験で使われているドローン。画面は、ドローンで撮影した志摩市志摩町和具地区の上空映像=鳥羽市池上町の鳥羽商船高専で】

     伊勢志摩地域で、住民と地域防災の専門家が連携し、小型無人機(ドローン)を災害現場で活用するための実証実験が進んでいる。実験に協力している自治会は、被災状況の確認や家屋に取り残された住民の捜索などでの活躍を期待しており、導入を検討中。専門家は「避難生活では『状況が分からない』ことが多大なストレスを生む。どんなにひどい被災状況でも、人は現実を知れば前に進める」と指摘している。

    (伊勢志摩総局・倉持亮)


     実証実験は、災害弱者支援を専門とする愛知県立大学(名古屋市)看護学部の清水宣明教授(感染制御学)と、鳥羽商船高等専門学校制御情報工学科の江崎修央准教授らが中心となり、昨年から始まった。

     伊勢市東大淀町(おいずちょう)のまちづくり協議会と、志摩市志摩町和具の自治会の協力を得ながら両地区で、どのコースを飛ばせば、集落の被害情報が得やすいかなどを調べる試験飛行に取り組んでいる。両地区での実験は、今年夏ごろまでに終える予定。清水教授によると、地域独自で被災状況を確認しようとする試みは、全国的にも珍しいという。

     ドローンは、落下事故や犯罪への利用が危険視される一方、小回りが利く機動性から、災害現場での活用方法が全国的に検討されている。昨年の東日本豪雨では、国土地理院がドローンを飛ばし、被災状況を確認。撮影した映像を同院のホームページや動画投稿サイト「ユーチューブ」に上げた。

     清水教授らが伊勢志摩地域で検討しているドローンの運用は、広範囲の被災状況を調べるものではなく、各集落単位で活用する方針。使用するドローンは一台約二十万円で、自治会などが購入できるものを選んだからだ。このドローンには高解像度のカメラ(4K解像度)が搭載されており、一台で半径二キロ四方をカバーでき、二十五分ほどで調査を終えられるという。

     ドローンをめぐっては、昨年十二月にドローンの飛行ルールを規定した改正航空法が施行され、空港周辺や人口密集地、高度百五十メートル以上の上空を飛ぶ際は、国土交通大臣の承認が必要となった。東大淀地区は、陸上自衛隊明野駐屯地が近くにあるため、実証実験の際は、国交相へ飛行許可願を出すという。

     災害時の運用では、住民が避難所に逃げた後、道路の寸断や家屋の倒壊など、地区の被災状況の確認や、逃げ遅れた人がいないかなど、捜索・救出活動での活躍に期待を寄せる。撮影した映像はインターネット上の情報共有サービス「クラウド」に上げることで、誰でも見られるようにする予定だ。

     落下事故の危険性についても考慮している。江崎准教授は「事故原因の大半は、手動操作の誤り」と指摘し、生徒らが、ドローンを自動飛行させるためのプログラムを開発している。また、バッテリーが一定値以下になれば、ドローンは飛ばした場所に自動で戻ってくるため「自動飛行で落ちることはまずない」と強調する。

     清水教授は「東日本大震災では、避難生活のストレスで多くの人が体調を崩した」と述べた。その上で「ドローンは地域の新たな目。高齢者が多い地区でも自分たちで被災状況を確認できる。『知らない、分からない』ことが最も恐ろしく、知ってしまえば人は前に進める」と力を込める。

     今後は、行政の協力が得られれば、伊勢や志摩の各自治会にドローンを配備し、各地区の情報が市の災害対策本部へ集められるような仕組み作りも検討していきたいという。

     元自衛官で東大淀地区まちづくり協議会の向井芳夫事務局長(65)は「大型の自衛隊機では低空飛行ができないので、小回りが利くドローンは災害時の情報収集において非常に有効。実証性が確認できれば、なるべく早期に購入すると共に、市や消防、警察、自衛隊などの防災担当者を集めた勉強会も開き、運用方法を検討していきたい」と語った。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~

    PS①
    『津波避難学』(すぴか書房)は、清水教授の研究を多くの人に知ってもらうきっかけとなる事でしょう。強く出版を勧めた私も本望の仕上がりとなっています。私もさっそく出版社に追加注文を出したところです。



    序章 東日本から西日本へ次に備えるために
    第1章 津波を起こす地震のしくみ
    第2章 「とにかく逃げろ」では助からない人たち
    第3章 東日本大震災で実際に起こったこと
    第4章 災害中の避難 
    第5章 みえてきた地震・津波対策の問題点 
    第6章 津波避難の大原則 
    第7章 避難の計画と行動の実際 
    第8章 避難場所で命を守る
    第9章 動きだした地域での災害弱者対策
    終 章 主役は地域、そしてあなた自身です

    鳥巣清典の時事コラム1582「東日本大震災から5年、『津波避難学』の教訓は東日本から西日本へ」

    『おはよう日本』で「”最短2分で津波”避難を諦めない対策は」(3月15日朝)。

     東日本大震災から5年を経て、次に心配されているのが南海トラフ地震。国から南海トラフ地震防災対策推進対策地域に指定されたのは1都2府26県の707市町村。
    政府が発表した、南海トラフ地震の驚愕の被害想定は最悪「死者32万人」。

    「南海トラフ地震」の画像検索結果

     その1つ、和歌山県串本町の串本幼稚園などの地域がルポされていました。
    串本町は、紀伊山地を背に潮岬が雄大な太平洋に突き出した本州最南端の町です。

    和歌山県串本幼稚園。の地図

    ーー串本幼稚園では東日本大震災以降、毎日のように高台への避難訓練を行うようになりました。いざという時に自分で判断し逃げる力を養って欲しいからです。
    「全員そろうまで1分37秒でした」(「お~っ」の歓声。先生が「速かったね」とホメる声。)そのあと先生が「自分の命は」と言うと、子どもたちが一斉に「自分たちで守る!」。
    ーーしかし高齢者の中には数分の間に津波が来るというあまりにも厳しい想定に避難を諦める人も出ています。Gさん(81歳)です。避難場所である高台までの距離はおよそ500メートル。10分以上かかる道のりです。「3分の1くらいですね」。Gさんは89歳の夫と2人暮らし。津波が来れば自分たちは避難できないと思うようになりました。「ここでおろねって。もう逃げる事が出来ないから、おって覚悟を決めとこねという話をした事もあるんですよ。ま、最終的になるようになれっていう事やね」(Gさん)。
    ーーお年寄りの中に広がるあきらめ。どうしたら自ら逃げる力を強くしてもらえるのか。町にとって大きな課題でした。防災を担当してきたHさんです。Hさんは東日本大震災の被災地でいち早く津波から逃げた事で命を救われた人の話を聞いてあきらめない事の大切さを痛感しました。
    「もう私はここで死んでもいいや」というあきらめの気持ちを持って貰う事によって可能性がゼロになってしまいます。絶対に私たちは、あきらめる訳にはいかないんですね」(Hさん)
    ーーまず取り組んだのが、津波を避ける事の出来る避難場所の確保です。厳しい財政状況の中でいま町の中にある民間のビルを活用する事にしました。家からすぐの所に避難場所があれば、あきらめずに逃げて貰えるはずだと考えたのです。
     十分に耐震性のある高い建物が限られるなかでビルの所有者の協力を得てこれまでに4つの建物を避難場所に指定しました。今も1つでも多くの避難場所を増やそうと取組を続けています。
     目を付けたのは5階建のホテル。ここなら10メートルの津波が来ても住民が避難できます。避難場所になれば多くの人が出入りします。会社や顧客の情報流出など防犯上の理由から受け入れをためらう経営者が多い中で夜間にも避難出来る場所を探していました。
    「これだけの広さがあったら、ここだけでも50人かそこら・・」。半年にわたって続けられた交渉。ようやく今月中の指定に目途がつきました。あらたに200人分の避難場所を確保する事が出来たのです。これで計算上では、この地区の住民の半数以上2000人余りにビルへと避難して貰う体制が整えられたのです。
     さらに町ではカバーできない避難タワーのような施設の建設も急ぎ住民全員が避難をあきらめないための対策を進めるようにしています。
    「1秒でも早く、1メートルでも高く、行動を起こす。そういう意識を高めてもらう事に力を入れていきたいと思いますね」(町担当者)
    ーー住民が主体となって避難をあきらめないための取組を推し進める地区も出てきました。町の中心部から西に5キロ離れた有田地区です。津波が内陸1キロまで到達し、およそ100人が巻き込まれる怖れがあるとされています。
     区長のIさんです。山が迫る地形を避難に利用できないかと考えました。「高台に移動できるというのは山しかない。どこでも駆け上がれるという状態を作っておかないと」。
     自宅が山に接しているY子さん(83歳)。これまでは直接上がれる道がなく100メートル以上遠回りしなければなりませんでした。そこでこの地区では町に要請し新たに避難用の階段が整備されました。Y子さんは、わずか1分で高台に逃げられるようになったのです。「高い所にあったら、年寄りにはいちばん助かります」(Y子さん)
    ーー避難路を自分たちで整備する取り組みも行っています。山から丸太を切り出して手すりなども設置。「命の道」と呼んでいます。東日本大震災以降の5年間に整備した避難道は23本。地区ではこの避難路を確保して地域ぐるみで訓練を重ね命をあきらめないための取組を続けたいとしています。
    「1分の差ですね。1分がものすごく大事になる。ここらをどう縮めていくのか。とりあえず助かる。とりあえず逃げ切る。それしかないですね」

     取材にあたったТ記者。
    ーー2分で逃げるというのは、かなり難しいですよね。
    「ただ串本町に最短2分で津波が到達するというのは、あくまで最悪の場合です。地震の規模が小さかったり震源地が遠かったりすれば避難する時間は必ずあるんです。リポートでは、避難をあきらめて覚悟を決めたという女性を紹介しましたが、この女性もすぐ近くに避難できるビルが出来た事で”夫と一緒に避難したい”と話をしてくれました。」
    ―ー東日本大震災の被災地では高台移転も行われていますが、そういった取り組みは行われているのでしょうか。
    「高台移転は住民の命を守るうえで重要な考え方だと思います。しかし高齢者を中心に、いつ来るか分からない津波のために住み慣れた家を離れたり、中心部から離れた高台に家を新築したりするのは難しいと考える人も少なくありません。そうした中、発想を転換してそもそもお年寄りが高台で過ごす時間を増やそうとする取り組みを始めた自治体もあります。串本町のすぐ側にあり同じように津波が来ると想定される太地町では宿泊施設として使われていた高台の建物を購入し来年度から運用したいとしています。ここには温泉もあり、お年寄りにも快適に過ごして貰えます。普段からここに集まって貰えれば地震が起きても津波に襲われず安全に過ごして貰える時間が長くなると町では考えたんです
    ーーそして何よりも住民が「あきらめない」という気持ちを持つ事が大事ですよね。
    「とにかく避難をあきらめなければ必ず生き抜くチャンスはあるという事です。まずは私たち自身が必ず助かる、必ず生きるという意識をもって命をあきらめない事が大切だと思います」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    PS①

     この日、私のもとに1冊の新刊本が出版社より届きました。
     タイトルは『津波避難学』(すぴか書房)。著者は、清水宣明・
    愛知県立大学看護学部教授。三重県伊勢地域に住まい、南海トラフ地震・津波対策に関わるなかで、災害弱者の視点に立った科学的な「避難学」を追求。地域で100回を超える勉強会や講演会を重ね、現在具体的な対策づくり(地域との共同研究)が進行中。毎日新聞地方版にコラム「看護の視点からの地域の災害弱者対策を」を連載中の教授です。

    内容紹介

    そのとき、あなたはどうしますか?
    「とにかく逃げろ!」はまやかしです。
    逃げられない災害弱者もいるのです。生き延びるために、
    津波避難における大原則と「正しい避難のしかた」を知りましょう。
    東日本大震災の事実を見直すと、尊い犠牲から学ぶべきことがたくさん見えてきます。
    巨大な地震・津波には勝てない。いつ起るか予測もできない。でも、絶望する必要はありません。
    本書を読めば、「負けない」ために、誰にでも実行可能な方法があることがわかります。津波避難学は災害弱者の希望を引き出す科学なのです。自然の制圧をめざす科学ではありません。いま生きている人間の視点で、危急存亡の「難を避ける」ための最善を追求しています。最優先は命が助かることです。それを可能にする地域をめざしましょう。防災対策は地域づくり。主役はあなた自身です。

    著著者について

    愛知県立大学看護学部教授。1959年栃木県鹿沼市生まれ。山形大学理学部卒業後、成人T細胞白血病ウイルス2型(HTLV-II)の遺伝子構造の世界初の決定プロジェクトに参加。1986年群馬大学医学部博士課程進学、エイズウイルスの研究に取り組む。1990年、医学博士。1993~1994年フランス(パリ)のコシャン分子遺伝学研究所留学。群馬大学医学部講師を経て2013年4月より現職。2009年の新型インフルエンザ流行を機に感染制御研究を開始、小学校内の流行進行の仕組みと学級閉鎖の効果を解明。その後、地域の健康と安全へとテーマを広げ、三重県伊勢地域で南海トラフ地震・津波対策に関わるなかで、災害弱者の視点に立った科学的な「避難学」の必要性を痛感。地域で勉強会や講演会を重ねる(すでに100回を超える)。現在、具体的な対策づくり(地域との共同研究)が進行中。毎日新聞地方版にコラム「看護の視点からの地域の災害弱者対策を」を連載。




     私は清水教授とは以前より知り合いなのですが、今回は出版社との縁を結ぶ事になりました。そういう教授との絆もありこの1年間、脱稿までを見守ってきただけに、完成に感慨もひとしおです。
     この本が必ずや、大地震・津波被害対策に役に立つ事を願ってやみません。

    鳥巣清典の時事コラム1581「マイナス金利 国が借金してももうけられる事態に」

     マイナス金利 国が借金してももうけ得られる事態に
     NHK3月15日

     
    日銀が導入したマイナス金利政策の影響で、今月、財務省が行った10年物の国債の入札で、落札利回りが初めてマイナスになり、国が借金をしてももうけを得られる事態が生じています。
     財務省は今月1日、金融機関を対象に新たに発行する満期までの期間が10年の国債の入札を行いました。この国債は額面100円、表面利率は年0.1%、つまり年間10銭の利息がつくもので、満期まで保有すると101円を得られます。
     これに対し、平均の落札価格は101円25銭、つまり満期まで保有すると25銭損する価格で落札され、この結果、平均の落札利回りはマイナス0.024%と、10年物の国債で初めてマイナスとなりました。
     この入札で発行された国債は合わせて2兆3992億円で、利回りがマイナスになったことで、国は元本や利息を支払ってもおよそ60億円のもうけを得られることになります。
     このように、マイナス金利の影響で国債の利回りがマイナスになると、国は借金に当たる「国債の発行」で逆に得をする事態が生じます。
     ただ、各金融機関が損をする価格、マイナスの利回りでも国債を買うのは、大規模な金融緩和で国債の大量購入を続ける日銀に、その後より高い価格で買ってもらえると期待しているためです。
     これは日銀にとって利益の減少につながりかねず、そうなれば国が日銀から受け取る「納付金」が減ることにもなり、マイナス金利が国の財政に及ぼす影響は全体的にとらえる必要があります。


    ■浜矩子語録
     今の状況の中でマイナス金利の政策をやるという事は、人々を痛めつけるだけであって。
     あとは国債の金利がマイナスになるという。実はこれを本当は狙っていたのかもしれない。もしそうだとすれば、確信的、犯罪的対応だと思います。いずれにしても、とても大問題だと思いますね。
    (「時事放談」2月21日)

    「浜矩子」の画像検索結果

    ~~~~~~~~~~~~~
    日銀総裁「マイナス金利の効果、今後実体経済に波及」

     NHK3月15日

     

     日銀の黒田総裁は、金融政策決定会合のあと記者会見し、マイナス金利政策の導入で住宅ローンの金利が低下するなど、すでに金利面での効果は表れているとして、こうした効果が今後、実体経済に波及していけば前向きな評価を受ける政策だという考え方を示しました。
     この中で、黒田総裁は「マイナス金利政策の導入後、企業への貸し出しの基準となる金利や住宅ローンの金利ははっきりと低下していて、金利面では政策の効果はすでに表れている」と述べました。
     また、預金金利の引き下げなどで個人の資産運用に悪影響を及ぼすのではないかとの指摘に対し、「金融政策の効果は経済全体としての国民所得、GDP=国内総生産に与える影響という観点から議論する必要がある。国民活動に幅広くプラスの影響をもたらす政策だと考えている」と反論しました。
     そのうえで、黒田総裁は「マイナス金利政策は日本では初めての経験で、企業や家計からさまざまな意見が出ていることは認識している。ある程度の期間はかかると思うが、今後、実体経済や物価に波及していくと考えているので、マイナス金利の評価もポジティブなものとして定まっていくと考えている」と述べ、政策の効果に自信を示しました。

    鳥巣清典の時事コラム1580「タンゴの鉄則=肩(かた)は踵(かかと)にコネクトする」

     タンゴ

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     YouTubeでタンゴを検索してみました。
     『タンゴの鉄則~三輪嘉広・知子組』

    「三輪嘉広・知子」の画像検索結果

    ■基本編①「肩(かた)は踵(かかと)にコネクトする」


    (男性)
     タンゴの中で肩はずっと踵(かかと)につながっています。肩から真下に踵を持つような感覚で押さえています。左も押さえてます。回るときもこの肩が踵につながったまま踵でこの肩が回る意識で回転します。
     動きはじめると、どうしても肩と踵がつながらなくなる。踊っているなかで肩の方がどうしても踵と外れてしまっている。こういう状態というのが、非常にバランスが崩れて、相手のバランスを崩してしまっている。これが良くない。必ず肩は踵につなげていく、コネクトしていく。これを意識してずっと踊ることが大切です。

     自分の肩をうしろに置いたまま歩きます。男性が肩のうしろに手を当てて、女性が(その手の代わりに)サポートして持つ。このままで踊ります。これが自由に踊ってしまうと、どうしても肩がすべってしまう。肩と身体がズレてしまいやすい。
     自分の肩から手が伸びて踵を押さえているーーこの意識をずっとずっと保って踊ってください。

    (女性)
     女性も同じく肩から股(もも)にぴしっとつながっている意識で。そして男性はちょっと女性の肩を持ってサポートして踊ります。

     悪い例=組んだときに女性が自分から自分の肩から離れていってしまう。こうすると2人の関係がルーズに遊んでしまう。必ず肩は踵にコネクトする意識を忘れないで踊るようにします。

     左肩も右肩も常に踵にコネクト、つながっている意識で気を付けて下さい。肩はとにかく踵にコネクトする―ータンゴを踊っている間、ずっと忘れないで気を付けて下さい。



    ■基本編②「左と右の力は均等」


     タンゴの中で組んだときの力は左右同じではないんです。ところが
    左のエネルギーと右のエネルギー。これを均等にしておかなければならないという原則があります。
     自分を中心にして右の方に引っ張る。左の方に引っ張る。この手の位置は変わっても、自分の中で左と右は均等に引っ張っている。そして、この均等をいつも崩さない。
     相手がどうしてもポジションを変えようという時とか、左右の均等を乱して踊っている非常に多い。ところが、左右均等にして保っておくと形がクリアに踊ることが出来ます。

     良い練習方法を教えます。ゴムチューブを使います。手の位置は均等でなくても、左右に引っ張る力、これを均等にします。例えばクローズド・プロムナード。いつも左右対称に均等に引っ張りながら踊ります。
     左右均等に引っ張っていないと乱れてしまう。これが非常に良くありません。ヒモが無くても左右均等に引っ張った意識で踊ります。右と左のバランスが崩れることによって2人のポジションが乱れてしまう。そうならないように常に左右を均等に保っていられるようにしてみて下さい。

     どんなステップも左右均等です。


    ■基本編③「内股と脇で軸を作る」


    タンゴを踊るときに2本の軸があります。左足の内側の股関節の線と右足の内側から内股~関節を通る線。常に2本の軸、ここが大事。右の軸があって、左の軸があって。常に右と左の内股から脇への軸を意識することが大切です。
     ただ、いくら軸を意識しても、軸が揺れてしまう乱れてしまう人が非常に多い。こういう時の、軸にしっかりした作り方をご紹介します。

     軸の作り方=まず左足に男性は立ちます。そして相手のパートナーの方に内股と脇を揉むように押さえてもらう。弱いと崩れてしまう。1ミリも動かないように、崩れないようにピシッと留めておく。押されても、ぐーっと押されるのを我慢する。そうすると内側にぴしっと、抑える軸の力が入ります。そうすると一緒に踊ったときに軸がぴしっとする。
     左と右、同じ人というのは少ない。どちらかの方が極端に弱い人が非常に多い。弱い足の方に乗った時にどうしても崩れる。
    ですから軸を安定させると、いつもと比べて踊った感じが全然違うなというふうに感じる人が多い。

    【鳥巣注】
     昨年11月~12月ワルツをやっている最中、「こんなに左足が弱いのか」と実感して、つま先立ちを繰り返した時期がありました。現在はタンゴですからつい忘れがち。左足トゥ(つま先)で立つ練習も継続しなければなりません。

     軸をしっかりした状態で踊ると軸を崩さないで踊ることが出来ます。軸がないと、いろんなアクションをした時にズレてしまう。これがタンゴの安定感を作れない原因に。しっかりと内股と脇で軸を強化する。これによってタンゴが劇的に素晴らしく変わります。


    ~~~~~~~~~


    ◆ステップ編「ヴェニーズ・クロス」

    ○男性のポイント
     ここでも「内股と脇で軸をつくる」を使います。そして右足に乗ります。ここで内股と脇で軸をつくり乗ります。しっかり軸をつくりながら次のステップーークロード・フィニッシュに入ります。
     いつも軸を作りながら、その軸をきちんと保ちながら移動していく。これがスムーズに踊るポイントになります。とくに左足から右足に内股からずっと足が回ります。ここで内股と脇のぴしっとポイントを押さえて、そして左足の足だけが回っていきます。

     悪い例=足と上半身が同時に同じだけ回転しているとぴょこぴょこなってしまう。

     ですからスライドしていくような動き。内側から押さえて、足だけが回ってきます。内股で軸を作って、左の軸がスライドしていく。そして内股から押さえて、足だけがかわる。
     上半身をスライドさせる意識で、足と上半身の時差を作ります。

    ○女性のポイント
     「左と右の力は均等」を意識します。QQーーとくに、ここのところ。そしてQQS。クローズする時も必ず左右の力を均等にして下さい。
     弱くなってしまう原因として、QQと左の引っ張る力が弱くなるケースが多くなっています。QQSーーこの時に左の力が弱くなってしまう方が多いので気を付けて下さい。

     悪い例=QQと・・左右の力が均等でない場合、相手に力がとられてしまう。スピードがかかればかかるほど、男性が中の方へ入ってしまいますので、それに気を付けて踊って下さい。

     男女ともに前に進む事に気を取られ、それを保とうとすると、自分の中心に対して左右対称にぴしっと張る意識が薄れてしまう。左右の力を保つ意識を忘れないで下さい。非常によく使うステップですので、しっかり練習してみて下さい。

     

     

     



    鳥巣清典の時事コラム1579「ダンスは私の活力源ーー3月は『タンゴ』」

     

    タンゴ

    「タンゴ」の画像検索結果


    3月は、タンゴ。


    1)ウォーク~リンク~クローズプロムナード~バックコルテ~サイドステップ~ベーシックリバースターン


    ■サイドステップ
     まずは男性と女性が足をそろえたところからスタートします。男性は左足、女性は右足を、それぞれ1歩進めます。その後、次の足を出すときに、男性は出した足に対して1度そろえるようにしてからサイド。女性も同じくそろえるようにしてからサイドへ移動してください。

    ■ベーシックリバースターン
     回転をしながら進むことが可能なステップです。このステップでとくに注意したいのが3歩目。男性の足はロックーー交叉します。女性の足はクローズーー足を閉じる。このロックとクローズの差は、内回り、外回りの差にかかわってきます。男性は外回り、女性は内回り。この外回りと内回りの差で足がロックしたり、クローズしたりということになってきます。
     男性はロック(交叉)、女性はクローズ(そろえる)と覚えてください。

     そしてタイミングは、このステップは2種類のタイミングのとりかたがあります。1つは、QQエンド QQSです。ゆっくりタイミングをとることで小節は2小節かかります。QQSここで1小節、QQSこれで2小節。こう取ることでゆっったりと踊ることが可能になります。
     またQQエンド QQSと踊ることによって1・5小節の内におさめて踊ることも可能になります。こうすることによってスピーディーなスピード感が出せるようになります。
     タイミングはどちらを選択してもかまいませんが、どちら方が自分に合っているかを判断してしっかり取り入れるようにしてください。


    2)ウォーク~リンクPP~プロムードターン~PP~クローズド~オバースエイ~戻して~クローズドプロムナード

    ■オーバースエイ



    □男子
     オーバースエイをシャッセからのオーバースエイとキックからのオーバースエイをカウントして踊ってみます。”オーバースエイ”というのは、読んで字のごとく、オーバーなスエイのことです。タンゴは基本的にスエイはないのですが、ピクチュアポーズとしてオーバースエイを使います。
     そのときに、オーバーなスエイだからといって、ホールドが傾いてしまう方がよく見受けられる。そうではなくて、ホールドは床に対して水平を保つように意識します。
     そのなかでオーバーなスエイというと身体でオーバーにスエイします。

     男性のポイントは、みなさん視線が下を向いてしまうことが多いので、必ず上に向かってプレゼンテーションして下さい。下に向かうとどうしても肘まで下がってしまいますので、必ず視線は上です。
     右ホールドも、よく落ちてしまう人がよくいます。そうではなくて、水平を保ったまま、むしろプレゼンテ―ションする方向へリリースする感じです。外へ射出する感じ。左の方も外へ射出。右の方も外へ射出。
     みなさんオーバースエイのときにラインを出そうとし過ぎて足をビーンと延ばしてしまう人も多い。ラテンとかではこういったラインもきれいなのですが、モダンでは一切そういうのはありません。ですのでオーバースエイのときは、膝は前に曲げるような形で、女子の方に両膝を差し出すような形でラインを出します。
     そうすると、かかとも足首も床からかなり高く上がりますので、ラインとしてはきれいな形になります。膝を前にすることで足首が伸びてきれいなラインをとります。
     膝を前にする。そのときに右足のトォ(つま先)は床を強く押さえます。これはよく「アンカー」と呼ばれるのですが、船の碇(いかり)という意味。碇を下ろしておくと、海がどんなに揺れていても船はずっとその位置に留まることが出来るのでアンカーと呼ばれます。
     ですので、
    ①膝を前の方
    ②床をその分抑えるーーそうすることでラインが出てくる
    ③そのときに肘は落ちないようにリリース
     
     ポイントとしては、「目線」「肘の高さ」「膝」「アンカー(碇)」。これをポイントとして踊ってみて下さい

    □女子
     女性も同じことが言えます。ラインを出そうとし過ぎて頭だけで回ってしまったり、あとは欲張り過ぎてボディがーーとくに左サイドが落ちてしまう。こういう方がよくいらっしゃる。やはり女性もプレゼンテーションとしては、上に花を咲かせていきたい。そうしますと、まずは右の前方。それからシェイプを変えるときにも必ず左の斜め上。下に向かってしまうとボディが折れて頭が回り過ぎてしまう。男性とも重なってしまう。あくまで左の斜め上にプレゼンテーションするようにします。
     あと、そのときに男性と同じく、女性としても左側のつま先、インサイドエッジをアンカーとして捉えることできれいなカーブが描かれて頭が伸びていきます。上に向かって伸びていきます。

     「QQS、S」ーーこのとき男女ともにトゥ(つま先)のインサイドエッジを床をずっと押さえながら寄せてきて、最後の瞬間「S(スロー)!」。そしてPPになります。

    白石智樹・香織組「タンゴ集中講座

    3)ウオーク~オープンリバースターン~ビニイズクロス~チェック~戻して~5ステップ~PP

    4)サイドロック~リバースターン~シャッセ~ランジ~オーバースエイ~スピン~バックホイスク~PP~クローズドプロムナード

    5)ウオーク~チェス~プロムナードターン~ロック2回~ストップロック~レフトホイスク~アウトサイドスピン~サイドロック~フォラウエイ~ビニイズクロス~チェック~ランジ~オバースエイ


    **********

    PS

     昔と違って現在は、「退院したあとでも運動をして下さい」というのが病院の方針です。とくにリハビリ科では、積極的に勧めます。「ダンス? いいじゃないですか。やって下さい!」。ですから検査入院から退院した翌日には、ダンスをやってみました。案の定、活力が戻った気がしました。ダンスは私にとって、なくてはならないものになってきたようです。

     にしても、ダンスはきちんとやろうとすると、とてつもなく難しい。K先生も言っていましたーー「薄皮を重ねるように上手くなっていけば良いんです」。焦るな、慌てるな、そうやって何があっても亀のように1歩1歩前に進む気持ちが大事だということでしょうね。