鳥巣清典の時事コラム1583「早朝いきなり清水教授がNHKで『おはよう日本』」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム1583「早朝いきなり清水教授がNHKで『おはよう日本』」

 本日(3月17日)早朝、前触れもなくNHK『おはよう日本』に清水宣明教授。
 清水教授らがドローンを地域防災に活用しようと英虞(あご)湾で実証実験をしていることをレポートしていました。とにかく真摯な教授。ヒトや社会のためになる事は脇目も振らずにプロジェクトを前進させます。私はそういうところを尊敬し信頼して、今日までお付き合いをしてきました。

 地元では”地域防災”の専門家として著名人の清水教授。検索すると伊勢志摩では、以下のような記事も出ていました。
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防災「弱者のために」 伊勢 愛知県大清水教授講演

看護の視点から地域防災対策について語る清水教授=伊勢市の新開公民館で 
看護の視点から地域防災対策について語る清水教授=伊勢市の新開公民館で

 伊勢市御薗町新開の新開公民館で15日、地元住民向けの防災講演会があり、愛知県立大看護学部の清水宣明教授が看護の視点からの地域防災対策を語った。
 
 新開自主防災隊の主催で、隊員や住民ら約60人が参加。清水教授は明和町在住で、専門は感染制御学や微生物学などだが、地震や津波防災にも詳しい。
 
 清水教授は、東日本大震災の事例や南海トラフ巨大地震の想定で津波浸水面積が広大な伊勢志摩地域の特徴などを解説。「災害弱者のためにすることこそが防災対策」と強調し「災害弱者でもすぐに逃げ込めて、第一波を乗り切れる場所を町内会単位で考える必要がある」と主張した。
 
 震災被災地の避難所で、働いてはいないが看護師資格を持つ住民(潜在看護師)が避難者の心の支えになった例も挙げ「潜在看護師に地域レベルで普段から活動してもらうのも効果的」と話した。
(中平雄大)

(2014年6月16日 中日新聞朝刊広域三重版より)

[2014.06.16]

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愛知県立大教授・清水宣明さん /三重

毎日新聞
町に合った避難対策を 清水宣明さん(55)

 高齢者や子ども、妊婦、障害者ら「災害弱者」の視点を生かした防災対策が、南海トラフ地震で大きな津波被害が予想される伊勢市や志摩市などで広がりを見せている。中心となって取り組む愛知県立大学看護学部の清水宣明教授(55)は「けがや病気になれば、誰もが弱者になり得る。『避難』とは難を逃れることで、津波の際に遠くへ逃げることが必ずしも正しいとは限らない。まずは自分が住む町のことを知って対策を立てれば、弱者を含め、各人にとってより良い避難策が見えてくる」と説く。【小沢由紀】

     清水教授は専門である感染制御の分野で、明和町内の小学校でのインフルエンザの流行の仕組みを研究。2013年4月に同大に着任した。

     「感染制御とは危機管理の一つ。インフルエンザの感染制御対策も災害対策も同じで、まずは地域の現状を知ることから始まる。工学的な視点ではなく、人間を主体にした対策が重要」と、小学校を基点とした地域社会の災害対策にも取り組み始めた。 

     小学校を対策の核にするのには訳がある。地域の将来を担う「子どもたちを守る」というスローガンを掲げると、「遠くへ逃げろ」という一般的な避難のうたい文句に「そんなによう逃げん。わしらはもうええんや」と諦めていた高齢者たちも、「子どもたちのためなら」と前向きな姿勢に変わるという。実際、伊勢市東大淀地区の宅老所で、清水教授が自ら収集した地域の緻密なデータをもとに、「近くても高い所へ」という避難への考え方を説くと、高齢者たちは「近くでも逃げられることが分かってとても気が楽になった。町の子どもたちを守るために、私らも一緒に頑張らなあかん」と考えるようになったという。

     こうして学校や自治会、老人会関係者など地域が一つにまとまって災害対策がスタート。現在、取り組みが進んでいるのは、伊勢市と志摩市の沿岸部で、各地域のさまざまな立場の人が、町中を一緒に歩き、建物の形状や高さ、道幅などを地図に落とし込む作業を進めている。まずどこに何があるかを知り、自分が逃げられる場所を把握するためだ。今後は、調べた情報を地域住民と共有して、一人一人の避難策を考えていく。

     「まだまだ取り組みは始まったばかり。私はデータを提供するだけで、対策の主役は町の皆さん。一緒に勉強しながら、少しでも地域に貢献できれば」と控えめな清水教授。津波から人々の命を守るため、地域を駆け回る日々が続く。


     《メモ》

    しみず・のぶあき

     栃木県鹿沼市出身、群馬大大学院医学系研究科博士課程修了。飛行機の操縦のほか、数年前に神職の資格を取得するなど幅広い趣味を持つ。現在、大分県の宇佐神宮の神職も務めており、今年5月、74年ぶりに行われた遷座の儀の神事に、宮内庁の臨時掌典職出仕として奉仕した。

    〔三重版〕

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    <まる見えリポート>伊勢志摩の地域防災 ドローン活用へ実験

    2016年1月18日(月)

    【実証実験で使われているドローン。画面は、ドローンで撮影した志摩市志摩町和具地区の上空映像=鳥羽市池上町の鳥羽商船高専で】

    【実証実験で使われているドローン。画面は、ドローンで撮影した志摩市志摩町和具地区の上空映像=鳥羽市池上町の鳥羽商船高専で】

     伊勢志摩地域で、住民と地域防災の専門家が連携し、小型無人機(ドローン)を災害現場で活用するための実証実験が進んでいる。実験に協力している自治会は、被災状況の確認や家屋に取り残された住民の捜索などでの活躍を期待しており、導入を検討中。専門家は「避難生活では『状況が分からない』ことが多大なストレスを生む。どんなにひどい被災状況でも、人は現実を知れば前に進める」と指摘している。

    (伊勢志摩総局・倉持亮)


     実証実験は、災害弱者支援を専門とする愛知県立大学(名古屋市)看護学部の清水宣明教授(感染制御学)と、鳥羽商船高等専門学校制御情報工学科の江崎修央准教授らが中心となり、昨年から始まった。

     伊勢市東大淀町(おいずちょう)のまちづくり協議会と、志摩市志摩町和具の自治会の協力を得ながら両地区で、どのコースを飛ばせば、集落の被害情報が得やすいかなどを調べる試験飛行に取り組んでいる。両地区での実験は、今年夏ごろまでに終える予定。清水教授によると、地域独自で被災状況を確認しようとする試みは、全国的にも珍しいという。

     ドローンは、落下事故や犯罪への利用が危険視される一方、小回りが利く機動性から、災害現場での活用方法が全国的に検討されている。昨年の東日本豪雨では、国土地理院がドローンを飛ばし、被災状況を確認。撮影した映像を同院のホームページや動画投稿サイト「ユーチューブ」に上げた。

     清水教授らが伊勢志摩地域で検討しているドローンの運用は、広範囲の被災状況を調べるものではなく、各集落単位で活用する方針。使用するドローンは一台約二十万円で、自治会などが購入できるものを選んだからだ。このドローンには高解像度のカメラ(4K解像度)が搭載されており、一台で半径二キロ四方をカバーでき、二十五分ほどで調査を終えられるという。

     ドローンをめぐっては、昨年十二月にドローンの飛行ルールを規定した改正航空法が施行され、空港周辺や人口密集地、高度百五十メートル以上の上空を飛ぶ際は、国土交通大臣の承認が必要となった。東大淀地区は、陸上自衛隊明野駐屯地が近くにあるため、実証実験の際は、国交相へ飛行許可願を出すという。

     災害時の運用では、住民が避難所に逃げた後、道路の寸断や家屋の倒壊など、地区の被災状況の確認や、逃げ遅れた人がいないかなど、捜索・救出活動での活躍に期待を寄せる。撮影した映像はインターネット上の情報共有サービス「クラウド」に上げることで、誰でも見られるようにする予定だ。

     落下事故の危険性についても考慮している。江崎准教授は「事故原因の大半は、手動操作の誤り」と指摘し、生徒らが、ドローンを自動飛行させるためのプログラムを開発している。また、バッテリーが一定値以下になれば、ドローンは飛ばした場所に自動で戻ってくるため「自動飛行で落ちることはまずない」と強調する。

     清水教授は「東日本大震災では、避難生活のストレスで多くの人が体調を崩した」と述べた。その上で「ドローンは地域の新たな目。高齢者が多い地区でも自分たちで被災状況を確認できる。『知らない、分からない』ことが最も恐ろしく、知ってしまえば人は前に進める」と力を込める。

     今後は、行政の協力が得られれば、伊勢や志摩の各自治会にドローンを配備し、各地区の情報が市の災害対策本部へ集められるような仕組み作りも検討していきたいという。

     元自衛官で東大淀地区まちづくり協議会の向井芳夫事務局長(65)は「大型の自衛隊機では低空飛行ができないので、小回りが利くドローンは災害時の情報収集において非常に有効。実証性が確認できれば、なるべく早期に購入すると共に、市や消防、警察、自衛隊などの防災担当者を集めた勉強会も開き、運用方法を検討していきたい」と語った。

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    PS①
    『津波避難学』(すぴか書房)は、清水教授の研究を多くの人に知ってもらうきっかけとなる事でしょう。強く出版を勧めた私も本望の仕上がりとなっています。私もさっそく出版社に追加注文を出したところです。



    序章 東日本から西日本へ次に備えるために
    第1章 津波を起こす地震のしくみ
    第2章 「とにかく逃げろ」では助からない人たち
    第3章 東日本大震災で実際に起こったこと
    第4章 災害中の避難 
    第5章 みえてきた地震・津波対策の問題点 
    第6章 津波避難の大原則 
    第7章 避難の計画と行動の実際 
    第8章 避難場所で命を守る
    第9章 動きだした地域での災害弱者対策
    終 章 主役は地域、そしてあなた自身です