鳥巣清典の時事コラム1581「マイナス金利 国が借金してももうけられる事態に」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム1581「マイナス金利 国が借金してももうけられる事態に」

 マイナス金利 国が借金してももうけ得られる事態に
 NHK3月15日

 
日銀が導入したマイナス金利政策の影響で、今月、財務省が行った10年物の国債の入札で、落札利回りが初めてマイナスになり、国が借金をしてももうけを得られる事態が生じています。
 財務省は今月1日、金融機関を対象に新たに発行する満期までの期間が10年の国債の入札を行いました。この国債は額面100円、表面利率は年0.1%、つまり年間10銭の利息がつくもので、満期まで保有すると101円を得られます。
 これに対し、平均の落札価格は101円25銭、つまり満期まで保有すると25銭損する価格で落札され、この結果、平均の落札利回りはマイナス0.024%と、10年物の国債で初めてマイナスとなりました。
 この入札で発行された国債は合わせて2兆3992億円で、利回りがマイナスになったことで、国は元本や利息を支払ってもおよそ60億円のもうけを得られることになります。
 このように、マイナス金利の影響で国債の利回りがマイナスになると、国は借金に当たる「国債の発行」で逆に得をする事態が生じます。
 ただ、各金融機関が損をする価格、マイナスの利回りでも国債を買うのは、大規模な金融緩和で国債の大量購入を続ける日銀に、その後より高い価格で買ってもらえると期待しているためです。
 これは日銀にとって利益の減少につながりかねず、そうなれば国が日銀から受け取る「納付金」が減ることにもなり、マイナス金利が国の財政に及ぼす影響は全体的にとらえる必要があります。


■浜矩子語録
 今の状況の中でマイナス金利の政策をやるという事は、人々を痛めつけるだけであって。
 あとは国債の金利がマイナスになるという。実はこれを本当は狙っていたのかもしれない。もしそうだとすれば、確信的、犯罪的対応だと思います。いずれにしても、とても大問題だと思いますね。
(「時事放談」2月21日)

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日銀総裁「マイナス金利の効果、今後実体経済に波及」

 NHK3月15日

 

 日銀の黒田総裁は、金融政策決定会合のあと記者会見し、マイナス金利政策の導入で住宅ローンの金利が低下するなど、すでに金利面での効果は表れているとして、こうした効果が今後、実体経済に波及していけば前向きな評価を受ける政策だという考え方を示しました。
 この中で、黒田総裁は「マイナス金利政策の導入後、企業への貸し出しの基準となる金利や住宅ローンの金利ははっきりと低下していて、金利面では政策の効果はすでに表れている」と述べました。
 また、預金金利の引き下げなどで個人の資産運用に悪影響を及ぼすのではないかとの指摘に対し、「金融政策の効果は経済全体としての国民所得、GDP=国内総生産に与える影響という観点から議論する必要がある。国民活動に幅広くプラスの影響をもたらす政策だと考えている」と反論しました。
 そのうえで、黒田総裁は「マイナス金利政策は日本では初めての経験で、企業や家計からさまざまな意見が出ていることは認識している。ある程度の期間はかかると思うが、今後、実体経済や物価に波及していくと考えているので、マイナス金利の評価もポジティブなものとして定まっていくと考えている」と述べ、政策の効果に自信を示しました。