財務省主計局インタビュー35「2022年団塊の世代が75歳以上になり始める前に対策を」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

財務省主計局インタビュー35「2022年団塊の世代が75歳以上になり始める前に対策を」

 財務省主計局へインタビューに行ってきました。「2020年プライマリー・バランスの黒字化」達成目標等について聞きました。

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財政の持続可能のためにP・Bの黒字化が政府の目標


鳥巣
 2020年のプライマリー・バランス黒字化達成について解説をお願いします。
財務省
 プライマリー・バランス(=「P・B」=基礎的財政収支)をなぜ目標にしているかといいますとーー平成28年2月財務省発行の小冊子の『日本の財政関係資料』にも載せていますがーー債務残高GDPなる指標を見て頂くと、他の主要先進国に比べて圧倒的に悪い。
 結局、財政が持続可能かというのは、その国の経済規模に見合った債務残高をある程度維持しなければならないというものがあるんです。理論上で考えた場合、債務残高対GDP比を安定的に持続的にするためには、まずプライマリー・バランスを黒字化しなければいけない。目的から手段を逆算していくとそういう事になる。
 それでここ10年、20006年以降プライマリー・バランスの黒字化というのを政府として掲げてやっています。


2022年団塊の世代が75歳以上になり始める前に対策を

財務省
 2020年といいますのは、2022年になると団塊の世代が75歳以上になっていき始める。そうなる前に健全化のメドを立てなければいけない。かつ先ほど申し上げた理由により、2020年のプライマリー・バランスの達成化を目標にやっているところです。
鳥巣

 やはり「団塊の世代」問題がクローズアップされてくる。「2025年問題」ともマスコミは指摘している。

【2025年問題】


 1947~49年に生まれた団塊の世代が後期高齢者になることで起こる諸問題。2025年の後期高齢者数は人口の5人に1人にあたる約2200万人。社会保障費は14年度に比べ約29%も増えると見込まれる。これまで国を支えてきた団塊の世代が、社会保障サービスを受ける側に回るため、医療、介護などの需要が高まり、財源確保や介護・医療従事者の人手不足などが問題になると見られている。



1人当たりの単価が75歳を境に医療4倍 介護9倍に

財務省
 「75歳以上」で何が問題になるかといいますと、例えば医療・介護でいいますと、1人の単価が75歳を境に医療で4倍、介護9倍になります。国の財政に対する負担が圧倒的に増加し始める。この前に何か手を打っておかなければならないという事情があります。

鳥巣
 武見さん(自民参議院議員)なんかテレビに出られて、よく訴えている。

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【武見敬三議員の発言】

「医療費61兆円のうち28兆円、45%が高齢者の医療費は国民の医療費でまかなわれる。約半分が75歳以上の後期高齢者のために使われる時代がやってくる。どうやって制度そのものを持続可能なものにするか。とくに大変なのが(団塊の世代による増加する)後期高齢者の医療費の増加にどう対応するかなのです」