鳥巣清典の時事コラム1571「バウンズ・アクションは”筋肉のクロスオーバー”=大竹辰郎氏」
大竹辰郎&鈴木孝子組のラテン・レクチャー
跳ねたボールは弾む事を分かっていない
底辺中の底辺の話をします。多くの方がよく分からない話。バウンズ・アクションというのがサンバの定義にあります。ナチュラル・ロールとか、バウンズ・アクションがないのもあります。だけど基本的にはボルタとかバウンズ・アクションが入っている。
では「バウンズ」とは何でしょう? バウンズー弾むんです。ここから床に向かってボールを投げるとボン、ボン、ボンと弾むことをバウンズといいます。
競技選手をボールに例えると非常に不思議な動きが出る。ボールを落とします。上がってこない。時間が経ってから「おーっ」と戻ってくる。ボールは床に付いている時間より空中にいる時間が長いんです。これも皆さんよく分かっていない。踊っている所だけ地球の重力がかなり重くなってくるんです。かなり上がるのが大変みたい。
バウンズ・アクションは「ニー(膝)アクション」
では、どういうふうにすれば良いか簡単に説明します。勘違いしちゃいけないのはーーこれは教科書にも書いてあるのですがーー基本的には「ニー・アクション」。「ニー」って分かります?「お兄さん」とかじゃないですよ(笑い)。
「膝」です。膝が曲がったり、伸びたりすること。この運動で表現する。ところが、これはべーシックという事と関係なく、海外とかあるいはコーチャーにボサノバを教わると、膝を最初に教えてくれるようなコーチャーが少ない。最初に教えてくれるのはヒール上げ。で、骨盤を「前へ」と教えてくれる。そうすると、ただの変質者になる(笑い)。
必要なのは、膝がちゃんと曲がって伸びるという運動をすること。そして「バウンズ」というのは、ボールが高い所から来るように上から降りて来る運動なんです。跳ね返って戻る。これは膝の運動なんです。ヒールというのは、そんなに上げる事を考える必要はない。
バウンズというのは、必ず膝の運動だという事を忘れないで下さい。
バウンズ・アクションは「筋肉のクロスオーバー」
曲がったり、伸ばしたりーーそのとき我々は脚力を使います。人間、降りる時は無意識のうちに前の股を使う。上がる時は、持ち上げようとうしろの筋肉を使う。
バウンズ・アクションは、前の筋肉を使いながら降りていく。いちばん下に行く前にうしろの筋肉で次へ行こうとする運動をクロスオーバーさせる。降りる⇒伸ばそうとする筋肉が、曲げながら、すぐ上げる。すると動きがボン・・ボン・・ボン・・になる。違うのは、ボンはいボンはいボン・・。
曲がったり、伸ばしたりする運動が止まらずにーーこれはもう筋肉の使い方です。そこにアンクルは入ってきません。ボタ・フォゴを踊る時も、足が抜ける時に初めてヒールが上がる。
曲がったまま押し上げる。膝の運動で踊り始める。そうするとプッシュの力が強いので無意識に移動がスムースに出来る。ラテンはプッシュ、床をつかむーーそこが原点。
【鳥巣注】
9月は、サンバ。
「バウンズ・アクション」は、脚力の強化にはなりそうですが”難敵”です。
クロスオーバー。
「脚の前の筋肉を使いながら降りていく⇒降りる前に後ろの筋肉を使いながら上がる」
意識をしながら筋肉に指令を出して動くとけっこう効いてきます。