財務省主計局インタビュー36「2020年P・B黒字化のためのギャップ足りない分は6・5兆円です」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

財務省主計局インタビュー36「2020年P・B黒字化のためのギャップ足りない分は6・5兆円です」

 財務省主計局インタビュー②。

Image

P・B黒字化のためのギャップは6・5兆円、足りない分です

鳥巣
 2020年までにあと4年と迫ってきました。その前に消費税が現在の8%から10%に上がる。
財務省
 そういう事になっています。
鳥巣
 それが実現されたとして、そのうえで内閣府が発表したプライマリー・バランスの黒字化へ向かう。
財務省
 1月21日に行われた諮問会議の資料があります。ギャップは6・5兆円です。これが足りない分です。
鳥巣
 「6・5兆円」というのは、結果だけ分かっていれば良いんですかね。6・5兆円の出し方が非常に難しい。計算方法を内閣府さんに聞いて教えて貰っても「・・分かりました。もう結構です」と言うくらい、まず分からない。
財務省
 内閣府で使っている中・長期試算モデルというのは、式はウエブ上で公表されています。しかし、あれを一般の方に理解してほしいというのは酷だと思います。

2017年以降は”骨太”だけで具体的にはまだ未定

財務省
 端的に申し上げますと、これは計量モデルなので、経済と財政の要素がそれぞれ相互にリンクしているような形になっています。歳出を増やせば成長率が増える。成長率が増えれば税収が増えるみたいな、連立方程式で解いているようなものになっている。
 1つ申しておきますと、これは先の話でーー2016年に関してはもう予算案が国会審議されておりますのでーー2017年以降は何も決まっておりません。例えば公共事業費関係だったら物価で伸ばします。社会保障費関係だったらーー高齢化の範囲に収めるという目標があるのですがーーそれも物価だったり賃金だったり、高齢化の変化をそのまま伸ばしておりますので、過去の実態からすると歳出の伸びがやや過大かなというのが財務省としての考えです。計算の方法については、細かく把握してもらう必要はないかなと思います。

歳出抑制ー向こう3年間、社会保障の伸びは1・5兆円に

鳥巣
 「6・5兆円」という数字が出てきました。これをどう充当していくのか、その考えを聞かせて下さい。
財務省
 昨年の6月に閣議決定した『骨太の方針2015』。そのなかの第3章に「財政再生健全化政策」というものがあります。そこでは成長の分野ではこうやる。歳出の分野ではこうやる、というものが色々書いてあります。
 「歳出」では国の一般歳出ーー歳出総額から国債費と地方交付税等を除いた総額になりますがーーそれの伸びを3年間で1・6兆円にします。そのなかでも社会保障費は年間0・5兆円、3年間で1・5兆円にしましょう。以上のような3つ目安を定めております。これらを踏まえて平成28年度予算では全部守られている形になっています。
 
これを当面3年間、3年後に見直す事になっています。当面3年間は遵守していって、どうなるか。3年後にもう1度ーー例えば内閣の中・長期試算になるかもしれませんがーーアップ・デート(=新しくする・更新する)した状況をみて中間レビュー(=論じる)する事になっています。
 このままでは届かない、まだ足りないという話になればーー歳出なのか、歳入なのか、両方かもしれませんがーー追加的に何らかの措置を講ずるという事を政府として閣議決定しているところです。