使用する写真は、全東京写真連盟主催の2007年2月11日の府中郷土の森での撮影会のものです。
使用カメラは EOS 5D。撮影時間は午後2時。天候は晴れ。モデルは、塩谷麻公さんです。
jpg+Raw で撮っています。
最初に問題のオート・ホワイトバランスで撮っています(クリックで拡大します)。
これだけを見ると、別に問題ないように見えます。しかし、前に述べた撮影前の目視での確認では、こんなにアンバー(暖色)よりではありませんでした。冬場の撮影ですので、寒色よりであるはずです。これでは秋の夕方近くで撮影されたように見えます。
加えて、木の幹を見てもらえば分かりますが、順光気味なので空がもっと青く写るはずです。
そこで、晴れに合わせて、ホワイトバランスを太陽光(5200K)で Raw 現像しました(クリックで拡大します)。
実際に撮影現場で確認した色味と同じようになりました。
撮影者としては、これはこれで良いのですが、
1.撮影現場では太陽光が時折雲に遮られ光の強さが不安定であった。
2.モデルの立ち位置が日陰なので、理論的に色温度の上昇が考えられる。
3.順光気味のアングルなので、レフの効果が弱い。
4.カラーバランスを見るために画面のグレー(に近い)部分を見ると、木の幹が少し青くなっている。
5.肌色をチェックすると、気持ち少し青いようにも見える。
以上のことから、色温度指定モードで(経験と勘で)5500K で Raw 現像しました(クリックで拡大します)。
若干空の青さが薄れましたが、多くの人が違和感の感じない色味になったと思います。
原色系の服の純度も高く、本来の鮮やかさになっています。
以前エントリーした内容通り、オートホワイトバランスでは、特定色である服の色(反射光)を光源の色と判断して補正するみたいですね。
因に、色温度指定モードでオートホワイトバランスと同じになるように調整してみましたが、おおよそ 6500K 付近が最も近い結果になりました。特定色の補正(色調補正)をしているので、全く同じにはなりませんが。
人物撮影で重要な要素の1つに肌色があります。それぞれを拡大画像で見てみましょう。
オートホワイトバランス
太陽光(5200K)
色温度指定(5500K)
肌色には個人差がありますが、モデルの塩谷麻公さんの肌は白く透明感があります。
加えて季節が冬なので、(日焼けサロン、南半球への旅行等へ行かなければ)一年で最も白いはずです。
そう考えると、太陽光(5200K)のものが最も記憶色に近いです。
しかし、背景等画面全体を見ると、5500K の方がカラーバランスがより良いように思えます。
如何でしょうか?
僕は帰宅後画像を確認した時、フィルムの方が綺麗に撮れる(より予想したように撮れる)のではないかとショックを受けた記憶があります。
それ以降オートホワイトバランス機能に疑問を持ち始め、現在では、判断するのに余裕があるモデル撮影では、色温度指定モードで撮影しています。
瞬時の動作が求められるスナップ写真や、ミックス光源下での判断に困る場合では、オートホワイトバランスは有効だと思います。状況に応じての使い分けが必要ですね。
ホワイトバランスに関しては、ひとまずこれで終わりにします。