三千院

 

 

天台宗  門跡寺院  三千院

 

 

山号 : 魚山

宗派 : 天台宗

寺格 : 門跡寺院

本尊 : 薬師如来

創建年 : 延暦年間(782年 - 806年)

開基 : 最澄

別称 : 三千院門跡、梶井門跡、梨本門跡

 


所在地 : 京都府京都市左京区大原来迎院町540

 

 

山号は魚山。
本尊は薬師瑠璃光如来。
もと円融院または円徳院といった。
梨本房、梶井門跡とも称し、妙法院、青蓮院、毘沙門堂、曼殊院とともに天台宗五門跡の一つ。
788年(延暦7)伝教大師最澄が比叡山根本中堂を創建したとき、
東塔南谷の梨の大木の下に仮堂をつくったのが始まりと伝える。
860年(貞観2)承雲が堂塔を整備して梨本門流の一寺となる。
1086年(応徳3)には山麓の東坂本梶井里に御願寺円徳院が設けられて、
東塔の本坊円融坊に対する里坊とされた。
堀河天皇の第2皇子最雲法親王が皇族入寺の初めで、
1130年(大治5)第14世となり梶井の宮と称した。
その後、承任(18世)、尊快(20世)、尊覚(21世)、最仁(22世)らの法親王の入寺が続き、
門跡寺院となった。
1156年(保元1)大原寺(大原の来迎院、勝林院などの総称)を管轄することになり、
魚山の声明を統管し、現在の地大原に政所を設置した。
鎌倉時代、里坊は東坂本から京都に移され転々としたが、
応仁の乱で船岡山にあった堂舎が焼失したのち、大原に移った。
徳川綱吉は寺領1064石を寄せ、現在の上京区梶井に里坊をつくった。
明治維新後、大原政所が本殿と定められ、寺号も三千院となった。
本堂の往生極楽院は1148年(久安4)真如房尼(藤原実衡(さねひら)の妻)の建立した
常行三昧堂で、堂内に安置する阿弥陀三尊、脇侍の観音・勢至菩薩の跪坐する姿は
来迎のようすを表したものとして著名である。
ほかに不動明王像、救世観音半跏像、慈覚大師伝、四天王縁起残巻、古文孝経、
性空上人伝記遺続集、帝王系図などを蔵する。
境内には聚碧園と有清園の二つの名園がある。

 

『参道』

 

『由緒書』

 

『境内案内図』

 

『御殿門』

 

『宸殿』
大正15年(1926)、宮中の行事であった御懺法講の儀式を行うために造られたもので、
御所の紫宸殿を模した造りになっている。

 

『宸殿庭園』

 

『聚碧園』
客殿の庭園、聚碧園は池泉観賞式庭園で、東部は山畔を利用した上下二段式とし、
南部は円形とひょうたん形の池泉をむすんだ池庭を形成しています。
江戸時代の茶人・金森宗和による修築と伝えられています。

 

『往生極楽院阿弥陀堂(本堂)』
三千院の歴史の源とも言える簡素な御堂です。
平安時代に『往生要集』の著者で天台浄土教の大成者である恵心僧都源信が父母の菩提のため、
姉の安養尼とともに建立したと伝えられます。
往生極楽院に祀られている阿弥陀三尊像はお堂に比べて大きく、堂内に納める工夫として、
天井を舟底型に折り上げていることが特徴です。

 

『妙音福寿大弁才天』
京の七福神のうちの一つ

 

『金色不動堂』
護摩祈祷を行う祈願道場

 

『観音堂』
身丈3メートルの金色の観音像が祀られており、
御堂両側の小観音堂には三千院と縁を結ばれた方々の小観音像が安置されています。
平成10年に建立

 

『売炭翁石仏』
石仏は高さ2.25メートルの単弁の蓮華座上に結跏跌座する、定印阿弥陀如来で、
おそらく「欣求浄土」を願ったこの地の念仏行者たちによって作られたもので、
往時の浄土信仰を物語る貴重な遺物です。
またこの場所は、昔、炭を焼き始めた老翁が住んでいた「売炭翁旧跡」と伝えられることから、
この阿弥陀さまを大原では親しみをこめて、売炭翁石仏と呼ぶようになったと伝わっています。

 

『わらべ地蔵』

 

『わらべ地蔵』

 

『勝手大橋』

 

『有清園』
宸殿より往生極楽院を眺める池泉回遊式庭園で、中国の六朝時代を代表する詩人・謝霊運の
「山水清音有(山水に清音有り」より命名されました。
青苔に杉や檜などの立木が並び、山畔を利用して上部に三段式となった滝を配し、
渓谷式に水を流して池泉に注ぐようになっています。

 

『朱雀門』
極楽院を本堂としていた頃の正門にあたります。
その様式は藤原期の様式とも言われていますが、江戸時代に再建されたものになります。

 

『西方門』

 

『円融房』
三千院開創以来の仏教・国文・国史、門跡寺院特有の皇室の記録や
史伝等、中古・中世・近世にわたって書写され蒐集された、典籍文書を多数所蔵しております。

 

<周辺散策>

 

 

『大原陵』
拝所から見て向かって右手に後鳥羽天皇の陵となっている「十三重塔」、
左手に順徳天皇の「円丘」があります

 

『実光寺』
実光院は魚山 勝林院を本堂に頂く僧坊の一つ

 

『勝林院』
長和2年(1013年)円仁より数えて9代目弟子の寂源により、
法儀声明念仏三昧の根本道場として建立されました。

 

女ひとり歌碑』
1965年、永六輔作詞

 

 

門跡寺院とは
古くより皇室と関わりのある、格式高い特別な寺院のことです。
門跡とは、一般の僧侶とは違い、皇族その他の出身者が住職をつとめる寺院をいいます。
全国20万あまり言われるお寺の中で、たった17ヶ寺しかない貴重な寺院です。

 

輪王寺   東京都台東区上野 東叡山輪王寺 天台宗
輪王寺   栃木県日光市山内 日光山輪王寺 天台宗
圓満院   大津市園城寺町 天台宗
青蓮院   京都市東山区粟田口 別称粟田御所 天台宗
毘沙門堂 京都市山科区 天台宗
曼殊院   京都市左京区一乗寺 別称竹内門跡 天台宗
三千院   京都市左京区大原 別称円融院梶井門跡 天台宗
妙法院   京都市東山区東大路七条 別称日吉門跡 天台宗
聖護院  京都市左京区聖護院 天台宗
実相院   京都市左京区岩倉 別称岩倉門跡 天台宗
滋賀院   大津市坂本 天台宗
仁和寺   京都市右京区御室 真言宗
大覚寺  京都市右京区嵯峨大沢町 通称嵯峨御所 真言宗
随心院   京都市山科区小野 通称小野門跡 真言宗
勧修寺  京都市山科区勧修寺 別称山階門跡 真言宗
三宝院   京都市伏見区醍醐東大路 真言宗
知恩院   京都市東山区 別称吉水禅房 浄土宗