”個性を大切に”と”褒める”は逆相関？ その②
”個性を大切に”と”褒める”は逆相関？ その②前回は個性とは何か？という視点で個性について深掘ってみました。今回は褒めるとはどういうことなのか？褒めることが個性に影響を与えるのか？について考えてみようと思います！まず大前提として褒めるためには何らかの"基準"が必要です。例えばボクシングをイメージしてください。リングの上で二人のボクサーがボクシングのルールで決着を付けます。勝者は賞賛され更に勝利を重ねることで多くの人に褒め称えられます。このように褒めるためにはまず"強い" "弱い"といった評価の土台となる"概念"が必要です。次に・ボクシングのルール・過去に自分が見た試合・対戦した相手・評論家や世間での評判など自分の中に蓄積された情報を評価するための"基準"に置き換えて自分が期待した以上かどうか計測し期待以上であれば褒めます。ここで言いたいのは褒める土台となる"概念"も計測に用いる"基準"もあなたが自在に生み出せるということです。つまり褒めるという行為は一見相手ありきのように見えつつもあなた次第ということです。極端な話相手が何であってもどんな状態であっても何をしでかしたとしてもあなた次第で褒めることができるということです。可愛いと感じる基準は人により異なります。上手だと感じる基準も凄いと感じる基準もです。人を褒める際に相手の個性を尊重していますか？相手の価値基準で考え相手の目線に立って相手になりきって褒めていますか？もしそうでなければ褒めることと個性を大切にすることは別次元で語られるべきです。少し意地悪なことを書きます。あなたは天才ですか？凡才ですか？もし仮にあなたが凡才だとしあなたのお子さまが天才だとすれば凡才が天才を正しく評価できるのでしょうか？そもそもあなた中にある概念と基準は子どもを評価するに値する立派なものなのでしょうか？ピカソもゴッホもいずれも天才と評される画家です。ボクには彼らが天才かどうかわかりませんがもしかすると彼らを天才だと評している人も彼ら本人から言わせると何もわかっていないのかもしれません。人には個性があります。故に何かを評する基準は千差万別です。もっといえば評価の土台となる概念さえも人によって異なります。とはいえ評価の妥当性はさておき足が速いことを褒められそれがキッカケとなり走ることが楽しくなり更に速く走れるようになるかもしれません。そして将来世界的なランナーになるかもしれません。これは"才能"という名の"個性"を伸ばした例といえると思います。ただ運動神経がよくても運動することが好きではない子もいます。君は走るのが速いからという理由だけで陸上部に入部させたりマラソン大会に出場させることを"個性を伸ばす"とはいわないだろうと思います。褒めて伸ばせる個性は才能くらいです。なぜならば"伸ばす"という言葉が評価ありきで成り立つ言葉で"才能"もそもそも誰かの生み出した"概念"であり"基準"によって計測することを前提として生み出されたものだからです。もっと言えば"天才"という"概念"でさえボクたちが勝手に生み出した"虚像"でしかないということです。では天才は存在しないのでしょうか？ボクはそう思いません。天才は紛れもなく存在しています！天才とは多くの人が捕らわれこだわっている"概念"に縛られずに生きる人たちのことだとボクは考えています。でもそんな人がいるのでしょうか？います。それは赤ちゃんです。すなわち人は誰もが天才として生まれてくるのです。ところが残念なことに世の中は凡才で溢れかえっています。なぜしょうか？概念を押しつけられ評価に晒されるからです。つまり褒められるからです。褒められることを望み褒められる行動を繰り返すことにより天才が凡才へと育つのです。一部の人だけがサッカーの天才音楽の天才数学の天才と凡才の捕らわれている概念の中で期待値を超えて天才と評されることがあります。しかしそれは実に希有な存在なのです。なぜなら凡才にでも理解できるギリギリの存在でなければならないからです。実に絶妙なポジションでなければ天才とは言われないのです。バカと天才は紙一重といいます。まさにその通りです。凡才が理解できる線を1mmでも越えてしまえばバカと呼ばれてしまうのです。走るの速いね！凄いね！速く走れた方がいい足が遅いのはダメだという価値基準の押し付けです。可愛いね！そのリボン似合ってるよ！顔は綺麗な方がいいブスとダサいのはダメだという価値基準の押し付けです。その子の本質人間性とは一切関係ありません。しかし人は人を評価しけなし、褒めるのです。褒める方法が紹介された本やセミナーがあります。褒め方を学び練習して技術を高め褒めて褒めて褒めまくる人がいるということです。なぜそこまでして"褒める"のでしょうか？自分の思い通りに誘導したいからではないでしょうか？ 子どもの運動神経は良いほうがいい。 勉強はできたほうがいい。 可愛いほうがいい。 格好いいほうがいい。 清潔なほうがいい。 正義感が強いほうがいい。 責任感が強いほうがいい。 競争心が強いほうがいい。 我慢強いほうがいい。そんな自分本意の期待を子どもにしているから褒めるという技術を駆使して何とか誘導しようとしているのではないでしょうか？もうお気付きかと思います。これは”褒める”という技術を用いて子どもを”おだてている”のです。ここまで言うくらいですからボクは子どもたちのことを褒めません。一度も褒めたことがありません。天才性を失うことは人生の大きな損失であると考えるからです。ありのままの自分で生きて欲しいからです。子どもたちが誰かの役に立った誰かを喜ばせた時には起こったことを整理して言語化しその結果どんな気分になった？と尋ねます。ありがとうって言われてとても嬉しかった！笑ってくれてボクも楽しくなった！そんな言葉を聞くとそうか！それはよかったね！神さまもきっと喜んでくれているよ！と伝えます。感謝される喜びを知り更にもっと多くの人の役に立ち地球や宇宙の安寧を実現したいと望むのであれば既成の概念を取り払い天才性を大いに発揮しなければなりません。より大きな貢献をしより大きな感謝を受けることで魂は強く美しくなり同じ魂レベルの人を引き寄せます。するともっと嬉しいことありがたいことが更に巡ってくるようになります。多くの同志を得て更に大きな貢献を果せるようになるハズです。それがこの世の真理だとボクは信じています。子どもたちにもそう伝えています。ありがとう！っていってくれて本当にありがとう！！！子どもたちがそんな人生観を持って人生を全うしてくれることを心の底から望んでいます。
