ロックの踊り子・南まゆさんについて、2019年6月結の大阪東洋ショー劇場の模様を、三周年作「おとひめ」を題材に、「ストリップの浦島太郎になれれば本望だ」という題名で語ります。

 

 

 

 

三周年作「おとひめ」は3月頭の川崎ロックで初披露された。

今回は、この三周年作「おとひめ」を詳しく紹介したい。

衣装、構成、選曲、振付、どれをとっても流石周年作だと思わせられる。どの先生が作ったのか興味が湧きました。「選曲は自分で、振付は二曲目のダンスまで雅麗華先生に付けてもらってます」。選曲も奥が深いので後ほど別途参考としてまとめて話させてもらいます。

まずは、ステージ内容です。次の通り。

冒頭「ひとつお願いがあります。この玉手箱は絶対に開けてはいけません。きっとですよ。」という台詞が流れる。この瞬間に浦島太郎の話だと分かる。

豪華絢爛な水色の衣装で海の化身・乙姫が現れる。

なにより頭の飾りが素晴らしい。二つの黒い丸を左右に置き、周りをサンゴ礁のような玉串を渦巻き状に飾り立てる。その上に、水色と黄緑の波状の葉がたくさん立てられる。こんな豪華な髪飾りを見たことがない。

  水色の衣装は、長い振袖の付いた着物。襟元、長い袖部、帯、足の裾が青い。足元は銀のハイヒールを履く。

 音楽に合わせて、乙姫はまさに鯛や平目の舞い踊り。

 一曲目は、遊佐未森の「海」。独特の緩やかなビブラートと強弱のウェーブの歌声がいい。

歌詞も演目に合い味わい深い。♪「渚は珊瑚の砂浜寄せて返す 遥かな調べ誰もいない朝の海潮の香り 風に吹かれて いつでも ここにおいで私の腕の中へ 海から届いた言葉は胸に沁みて 涙がひとつ・・・」

 ここで暗転、音楽が変わり、着替える。

 次は上下セパレートの軽装になる。銀色のブラに、スカート部は茶色の鳥がプリントされた縦布を腰に巻き付けているので素足がちらちら見える。頭の飾りはそのまま。

 羽扇子を二つ持って、音楽に合わせて軽快に踊る。

 なんと二曲目は、ジャズの名曲中の名曲「It Don't Mean A Thing」を女性三人組The Pink Champagne Sistersが歌う。スイングジャズの特徴的な掛け声「Doo wah」を何度も繰り返すリズムである。最高に「のり」がいい。ここで、この曲を持ってくるのは選曲の妙だ!すごいよ!!!

  また、暗転、音楽が変わり、着替える。

 水色の花とたくさんの銀の葉の刺繍されてある豪華な白い襦袢姿になる。頭の飾りはそのまま。

 ここで、赤い紐で結んである黒い玉手箱を取り出して、浦島太郎に渡す場面がある。いよいよ乙姫と浦島太郎の別れとなる。

 三曲目は、CHARAの「タイムマシーン」。CHARAの切ない歌声が別れの辛さを歌い上げる。この歌詞が意味深。♪「なんてひどい夢だったのかしら 『変わらない愛だ』なんてさ うまいなぁ、ひどい、ひどい人だ今以上 人をキライにさせないで下さい 恋人はもうこない 時代はもどらないよね タイムマシーンは来ない・・・」

 そのまま盆に移動。

 近くに来たので、改めて衣装とアクセサリーを拝見。純金のイヤリングが長く垂れる。白い首輪。右手首にガラスのブレスレットが二本。右手中指に純金のリング。左手人差し指に純金のリング。手のマニキュアがピンクに煌く。とてもおしゃれだ。

 そしてベッド曲は、元ちとせの「ワダツミの木」。これまた本演目にぴったりの選曲である。奄美大島出身の元ちとせさんの、島唄特有のこぶしや裏声をうまく使った「グイン」という歌唱方法が、南国の海を彷彿させる。そして歌詞の切ない想いが、元ちとせさんの歌声から伝わってくる。

 ここで一旦歌が終わり、舞台に戻り、暗転する。

 スポットライトが舞台の上の玉手箱を照らす。玉手箱には白い煙が立ち込める。そこで幕が下りる。おそらく、浦島太郎が乙姫との約束を破って玉手箱を開けてしまったのだろう。

 以上のようなステージ内容である。

 

 以下に、演目「おとひめ」を観た契機に、童話「浦島太郎」を自分なりに考察してみました。

まず、あの玉手箱には何が入っていたのか?

あの玉手箱には、浦島太郎の時間が入っていました。浦島太郎は地上にいるときに比べて遥かに多くの時間を竜宮で過ごします。童話では三日間とされていますが実際は300年経っていました。その時間はなくなったわけではなく玉手箱に貯まっていきました。その玉手箱を開けてしまうとそれまで貯まった時間が一辺に浦島太郎に戻ってしまいます。だからたちどころに白髪になって死んでしまうのです。

太郎としてはそんな厄介なものをもらいたくないですよね。しかし、その時間(玉手箱)は元々浦島太郎のものなので乙姫は浦島太郎に返さなければならなかったのです。

 

次に、玉手箱を渡す乙姫の気持ちを考えてみましょう。

乙姫はその三日間で浦島太郎に恋をしました。このままずっと一緒にいたいと思いました。そのことを太郎にも告げました。それなのに、太郎は残してきた母親のことを案じ、地上に帰ることを選択します。太郎は絶世の美女である乙姫の求愛を断ったわけです。故郷に帰ったら、太郎は他の女性と結婚することにもなるでしょう。自分との縁はそこで絶たれます。乙姫はそれが許せなかったのでしょう。

乙姫は三日の間に太郎の性格をつかみます。心の優しい人であることは分かりました。乙姫も太郎のそこに惚れました。しかし、楽しいことについつい心を許してしまう軟弱なところがあることも見抜いていました。

だから「絶対に開けてはいけません」と釘を刺しましたが、そう言われれば開けてしまう太郎の心理を知っていました。童話『鶴の恩返し』で「絶対に奥の部屋を覗いてはいけません」と言われても覗いてしまった男と同じですね。また、せっかく戻った故郷に母親はおらず、全く別の土地となり知人もいなくなった太郎は途方に暮れ、寂しくてたまらなくなるでしょう。思わず、玉手箱を開けてしまうのもいたしかたありませんね。

乙姫は事の結末を知っていました。太郎が玉手箱を開けて白髪になり死んでいくことで、永遠に太郎を自分だけのものにできたのです。浦島太郎は乙姫の乙女心を弄(もてあそ)んだ罰として死の裁きを受けたことになるのです。

あの玉手箱は、開けずにいたら、竜宮城に戻ることのできるタイムマシーンでした。でも、太郎はそれを自ら放棄してしまったのです。

 

「浦島太郎」は、楽しい時間と引き換えに大切なものを失いました。しかし、それが彼の業なのでしょう。運命として受け入れるしかありませんね。いや、のほほんと人生を過ごすより、三日間だけでも最高に楽しい時間を過ごせれば本望じゃないでしょうか。

私もストリップを観るために大切な何かを失うのだ(既に失っている)と思います。でも、それでいいんです。まゆさんの笑顔、まゆさんのキレイな裸体を見れれば、いつ死んでもいいと思ってます。大好きな踊り子さんとほんのひとときが過ごせれば命さえ惜しくない。ストリップの浦島太郎になりたい。そう思ってストリップを楽しんでいます。

 

 

 最後に、いつもの癖で、ストリップ風(?)に「浦島太郎」をアレンジした童話を考えてみました。まゆさんにプレゼントさせて頂きます。笑って読んで下さい。

 

 

2019年6月                            大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

エロ童話『浦島太郎の玉手箱』 

~南まゆさん(ロック所属)の三周年作「おとひめ」を記念して~

 

 

 ご存知、浦島太郎のお話です。

 浦島太郎は助けたカメに連れられて竜宮城に行きました。

 竜宮城にはそれはそれは美しい乙姫様がいました。太郎は一目惚れ。こういう女性(ひと)を絶世の美女というんだろうなと心底思いました。

 太郎は、亀を助けた御礼として酒宴を催してもらいました。たくさんの海の幸とお酒を振る舞われ、そしてタイやヒラメの舞い踊り。その酒宴は三日三晩も続きました。その間、乙姫様はいつも浦島太郎の側に寄り添ってお酌の相手をしてくれました。太郎にはまさしく夢のようなひとときでした。

 三日後、太郎は乙姫様に言いました。「ついついご厚意に甘えて、たいへん長居をしてしまいました。家では年老いた母親が心配していると思います。そろそろ御暇乞(おいとまご)いさせて頂きます。」

 乙姫様は太郎のことを気に入り、太郎の手をとり、太郎の目を見詰めながら「貴方さえ宜しければ、このままずっと竜宮城で暮らして頂きたいと思っていました。でも、貴方様のご事情もありますでしょうから致し方ありません。でも、また是非戻ってきてほしいです。私に会いたいと思いましたら、いつでもいらして下さいね。」と声をかけてくれました。

 太郎はとても喜びました。

 乙姫様は太郎の反応を見て大層喜びました。そして、「私のことを思い出しましたら、この玉手箱を開けて下さいね。」と言って、小さな箱をお土産に持たせてくれました。

 

 太郎は、また助けた亀に連れられて元の漁村に戻っていきました。

 元の生活は味気なく退屈なものでした。太郎はすぐに竜宮城の乙姫様のことを懐かしく思い出しました。そして、お土産に頂いた玉手箱を開けました。

 すると、中には乙姫様の使用済みの下着が入っていました。太郎は驚きました。手にとって広げると微かに沁みの痕跡があります。思わず、その下着を鼻孔に押し当て匂いを嗅ぎました。強烈な匂いに頭がくらりとしました。これがあの大好きな乙姫様の匂いです。そう思うと太郎は卒倒しそうになりました。太郎は股間に手を伸ばし激しくオナニーを始めました。美しく優しい乙姫様の笑顔が目に浮かんできます。太郎は夢の中を彷徨いながら果てました。

この世にこれほどの快感があるだろうか。大好きな乙姫様の匂いに包まれてのオナニーは最高でした。

 太郎は仕事もせず、飽きずにせっせせっせとオナニーに耽りました。

 いつの間にか、太郎は痩せ細り、頭は白髪頭になり、まるで老人のようになりました。太郎は「あぁ~こんな姿になってしまったからには、もう乙姫様に合わせる顔がないなぁ」と悲観にくれました。

 

 一方、亀の話をします。

 助けた亀はそのご恩返しとして浦島太郎を竜宮城に連れていきましたね。

 ところが、太郎が乙姫様といちゃいちゃしていた三日間、ずっとほったらかしの状態でした。さすがの亀も堪忍袋の緒が切れそうになりました。

 そのため、村に帰るまでの面倒はみましたが、それ以降は太郎の前に現れませんでした。

 太郎は、海に向かって「亀さんよー、戻ってきておくれよー」と何度も叫ぶのでした。

 

 太郎は、乙姫様に会えない憂さを晴らすために、ますますオナニーに励みました。

 あまりにも、匂いを嗅ぎ過ぎたのか、下着の匂いはどんどん薄れていきました。

 薄れていく匂いの中で、太郎は静かに息を引き取りました。眠るように死んでいった太郎の顔には笑みが浮かんでいました。まさしく大往生。めでたしめでたし

 

                                    おしまい

 

 

【付録】南まゆさんからのお返事

(ポラ) 「レポートありがとうございます。童話も面白かったです(笑) ストリップ劇場って少し竜宮城っぽいですよね。」

 

 

 

 

 

H30年10月中の大阪東洋ショー劇場における、南まゆさん(ロック所属)の公演模様を、新作「miracle mayunchu」を題材に語りたい。

 

 

 

さっそく、新作「miracle mayunchu」の内容紹介。

窓の外から行進曲が流れてくる。

ひとりの少女が窓辺の椅子にもたれかかっている。窓の外では音楽隊が演奏しながら行進していました。彼女はその音楽隊が見たくて椅子に腰かけようとしていましたが、足の悪い少女にはなかなかうまくいきません。

ようやく椅子に腰かけて窓から音楽隊を応援する。三角の旗を振る。旗の表裏には「♪」と「mayunchu」の文字が見える。そう、その少女とは「まゆ姫」、そして音楽隊は足の悪いお姫様のために村人が作った「mayunchu音楽隊」でした。

まゆ姫は、白いドレスを着て、頭に銀の王冠を付けていました。耳元にはキラキラしたイヤリング。

お姫様は、ラッパやタンバリンを取り出して、窓から音楽隊を応援しました。小太鼓を打とうとしましたが・・小太鼓は無いので物まねします。

 

ここで暗転。

まゆ姫は夢の中で、自分も一緒に音楽隊に参加しました。

音楽隊の黒い制服をまとう。前に八つの金ボタンが付いた黒い上着、チェック柄の布を数枚垂らした黒いスカート。髪を後ろにひとつ結びし、茶色の羽根が立った黒い帽子をかぶる。帽子には白い線が二本入っている。

膝下の長い白ブーツを履いて行進する。最初に、先端に赤い毛が付いている緑のステッキ(楽棒)を掲げる。次に小太鼓(スネアドラム)を肩紐で吊るして、ナイスな二本のバチ捌きを披露する。

しかし、夢から醒めると、元の足の悪い自分に戻りました。まゆ姫は、こうして夢の中でmayunchu音楽隊とマーチングしている時が一番幸せでした。

まゆ姫に奇跡は起こるのでしょうか。

 

夢は願えば叶います。

ユーミンの名曲「やさしさに包まれたなら」が流れる。♪「小さい頃は神さまがいて不思議に夢をかなえてくれたやさしい気持で目覚めた朝はおとなになっても 奇蹟はおこるよ ...」最初はオルゴール曲で、そして次に今井美樹のカバー曲で今井美樹の歌声は優しくて心地いいよね!!!

フード付きの刺繍入りの華麗な白いドレスを着て、裸足で盆に移動。

ベッドショーに入る。左手首に白いパンティを巻く。

盆近くでアクセサリーを目で追う。先に話した王冠にイヤリング。ガラスのネックレスが二本輝く。手のマニキュアがピンクで、人差し指と薬指の二本だけ緑色にキラキラ輝く。

立上り曲は、Myra(マイラ)の明るい「Miracles Happen w/ lyrics」に変わる。最高の選曲だね。

歩けることを確認するポーズ。そこで盆から舞台に戻って、水色のワンピースドレスに着替える。上半身は肩出しで胸元にリボン、スカート部はふわふわで裾に白いフリル。頭には王冠と白い髪飾り。裸足で楽しく踊る。

 

すてきな作品ですね。感動しました。最初、なにか元ネタの童話があるのかと思いましたが、「ストーリーは私が勝手に考えたので元ネタは特になく・・・童話を作ってみました!」童話創作が趣味の私も共感しました。主題は「夢は願えば叶う」かなと思ったら「『願えば叶う』でもいいし、もしかしたら夢だったのかもという解釈でもOK。受け取り方は任せます。」とのまゆさんのコメントを頂く。

最初にステージを観劇したとき、アンデルセン童話「スズの兵隊」を思い出しました。この童話は、一本足のスズの兵隊人形が、同じく片足ですらりとポーズを決めている紙の踊り子に恋をして、最後は二人とも暖炉に放り込まれるという切ないストーリーですが、まゆさんの作品「miracle mayunchu」は明るい作品なのでいいですね。

 

 

平成30年10月                        大阪東洋ショーにて

 

 

 

エロ童話『スズの兵隊さん』 

~南まゆさん(ロック所属)の演目「miracle mayunchu」を記念して~

 

 

 

お姫様は、両親からスズの兵隊の人形をプレゼントされた。兵隊たちはそれぞれラッパや笛や小太鼓をもって行進していた。

いたずら好きな幼い弟が、お姫様からスズの兵隊の一体を取り上げた。「ダメよ!みんな揃わないと音楽隊にならないわ!」お姫様はそう言って、弟から人形を取り上げようとしました。

「あっ!大変!」 弟が手を放さなかったために、人形の左足が取れてしまう。

それを見たお姫様は泣きました。「私の不注意で、こんな身体にしてしまって、本当にごめんなさいね!!!」とスズの兵隊に謝った。そして、お姫様はその片足になった兵隊をいつも枕元に置いておくようになった。

 

ある日の夜、スズの兵隊の目が光る。

お姫様の夢の中に、スズの兵隊が現れた。

「お姫様、ボクです。スズの兵隊です。いつもボクのことを可愛がってくれてありがとうございます。ボクが片足になったことを気遣ってもらってますが、ボクは大丈夫です。それより、いつも大好きなお姫様の側にいられて、ボクはとても幸せなんです。」

そして、こう続けた。

「今度、お姫様が音楽隊を作るという話を聞きました。ボクも仲間に入れてもらえないでしょうか? 義足があれば、ボクも歩けます。楽器なら何でも練習しますので、一緒に行進させて下さい。お願いします。」

お姫様は喜んで承諾した。

 

朝、お姫様が目が覚めると、ベッドの傍らに立派な青年が立っていた。

「おはようございます。ボクがスズの兵隊です。」と自己紹介した。

 お姫様はスズの兵隊を連れて、義足を作らせました。そして、音楽隊に彼のことを紹介した。「この人を我々の音楽隊の一員にします。仲良くしてあげて下さい。」

「よろしくお願いします」彼はみんなに丁寧に挨拶した。

 彼は小太鼓の担当をすることになった。そして練習を始めた。最初のうちは義足が慣れず歩くのだけでも大変だったが、彼は持ち前の根性でめきめきと上達した。そして彼は音楽隊の大切な一員になっていた。

 

町の不良少年たちが、音楽隊の中にいる足の悪い兵隊をからかった。「お姫様の音楽隊に似つかわしくないやつがいるな。おまえなんかは参加する資格がないんだ。」

すると、街の人々まで「お姫様の音楽隊は高貴なもの。その中に足の悪い人を入れるのは品格が汚されるわ。」と同調し出しました。

兵隊はその心無い声に落ち込みました。

それを見ていたお姫様は叫んだ。

「今の音楽隊は彼無しには成り立ちません。彼はとても素晴らしい人です。足の悪いことを隠さず、そのコンプレックスに負けず、小太鼓にチャレンジしました。それだけの勇気を持っている人がどれだけいるでしょうか。その姿勢は私を深く感動させました。

 足の悪い彼と一緒に歩くことは恥ずかしいことではありません。むしろ誇りです。彼こそがこの音楽隊のシンボルです。そんな彼と出会ったことは幸せです。

 私はこの人と一緒に人生を歩きたいと思います。彼と結婚します!」

 お姫様の言葉に大きな拍手が湧き起こった。

 街の人々は、優しいお姫様と勇気ある青年の結婚を盛大にお祝いしました。

 

これで終わると、平凡な童話になってしまいますので、蛇足ながら、二人の夜の生活を付け加えます。

足の悪い兵隊さんの真ん中の足は驚くほど強靭でした。まるで鋼鉄のスズが入っているような硬さです。というのも、片足に行くはずの栄養分が真ん中の足に行ったからです。お姫様はヒーヒー喜びました。

 二人は子沢山になり、幸せに暮らしました。とさ

 

                                   おしまい

 

 

 

 

 

 

MINAMIさん(まさご座所属)の、H31(2019)年5月中の渋谷道劇における公演模様を、演目「ハイカラさん」を題材に語りたい。

 

 

 

おっ! 新作を出したな。MINAMIファンの私としても嬉しくなる。大正時代を舞台とした人気漫画「はいからさんが通る」みたいに袴姿で登場。まさしくタイトルは「ハイカラさん」だった。

和物ではあるが、これをアメリカンポップをバックにして演じているのが乙。

 

 

さっそく、演目「ハイカラさん」のステージ内容をおさらいする。 

最初に、漫画のハイカラさんの恰好で登場。

上半身は、白地にピンクの花柄の、振袖付きの着物。下半身は海老茶色の袴。帯は赤と黒の縞模様(しまもよう)。足元は白いブーツ。

髪は後ろにひとつ結び。ピンクの花飾りを付ける。

白い和傘を持って、音楽に合わせ踊る。

一曲目は、カナダのキュートすぎる歌姫Carly Rae Jepsen(カーリー・レイ・ジェプセン) の「Tiny Little Bows(タイニー・リトル・ボウズ)」。世界が恋する新世代ガーリーポップ!

ここで一旦暗転して、音楽が変わり、着替える。

ラフな格好で現れる。髪は花飾りを取る。上半身は肩出し、白い衣装を首の後ろで結ぶ。下半身は銀色の半ズボン。足元は先ほどと同じく白いブーツ。左手頸に銀のブレスレット。

二曲目も、続いてCarly Rae Jepsen(カーリー・レイ・ジェプセン) の曲「This Kiss」。

音楽が変わって、着替える。

まずは、黒い椅子に座って、白いブーツから白いハイヒールに履き替える。

衣装を脱いで、白いパンティだけになり、それも脱いじゃう。

そして、白い襦袢を羽織る。透け透けの白い生地に花柄がプリント。襟元が白と黒にキラキラしている。黒い帯を締める。

三曲目は、Katy Perry(ケイティ ペリー)の「Roar(ローア)」。

そのままベッドショーへ。

ベッド曲は、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)が歌う「Wildest Dreams(ワイルデスト・ドリームス)」。

ここまでビッグな女性アーティストが続いたが極めつけは最後のBeyoncé(ビヨンセ)。

立ち上がり曲は、Beyoncé(ビヨンセ)の人気曲「Best Thing I Never Had」。

 

さて、話を変えて、女性の袴姿について、少しネットで調べたので紹介します。

女性の袴姿は今では卒業式でよく見かけますね。見ていてホント素敵ですよね。日本人の男性としては、着物姿とセーラー服と並び、女性らしさを激しくそそられるファッションのひとつと言えます。

実は、この女性袴には意外な誕生物語があります。

 女性の袴姿は明治の中頃からスタートしました。女性が学校に通うようになって、制服として用いられました。

 明治維新とともに、女性にも進学の道が開かれますが、学校に通えるのはごく一部の裕福な女子でした。当時女学生はまだ約一万人ほど。机、椅子で勉強するのに着物では裾の乱れが気になる。そこで、明治の初期、彼女たちはなんと男性用の袴を履いていました。ところが、その姿は「醜くあらあらしい」と世間の批判を浴びました。男袴は男性の権威の象徴みたいなところがありますからね。明治16年、女性に対し男袴の着用を禁止した。

 そこで、一人の女性が立ち上がった。当時創設されたばかりの華族女学校に教授として迎えられた下田歌子は、やっと女性が社会へ出ていける時代になったのに着物姿に戻っては逆戻りと考えた。そこで、歌子は、宮内省で皇后に使えていた経験を活かし、女学生のための「海老茶袴」を考案する。宮中の袴を参考に、ブリーッを入れてスカート状にし、より動きやすくした。色も、宮中の未婚女性が身につける色に基づき「海老茶色」にした。

 かわいらしい着物の上に、りりしい袴を履くというコーディネート。

 中の着物は通所の場合よりも短く着付ける。そのため、足を活発に動かすことができる。そして、最大の特徴は、足が左右に分かれておらず、スカート状になっている事。

 若々しい華やかさと清らかさが同居する袴姿。人々の支持を集め、全国へと広がっていきました。

 私には、袴の女性というと人気漫画「はいからさんが通る」がすぐにイメージされる。時は大正。主人公の花村紅緒は、袴をはいて颯爽と自転車に乗り、男勝りに竹刀を振り回す。自由で闊達な紅緒は西洋気取りの「はいからさん」。当時はやりの「女学生」でした。

 大正時代、これまで家庭を守ってきた女性達が外で働きだす。女学生の数は大正末期になると30万人まで増えた。女学生が増えることによって、おしゃれの関心も高まる。彼女たちに圧倒的な人気を集めたのが少女雑誌。着物の組み合わせの参考にした。当時の女性達も大胆な組み合わせで個性的なおしゃれを楽しんでいた。これが「大正ロマン」なんですね。有名な竹久夢二などの画家が雑誌の表紙の絵をたくさん描いています。

 女性の社会進出を契機に、この頃は恋愛観もかなり自由になってきます。こうした時代の動きを背景に、女学生のハイカラファッションには夢が詰め込まれているのですね。最近、大正ロマンに憧れる女性が多いのはよく理解できます。

 

 

平成31年5月                       渋谷道頓堀劇場にて

 

 

 

 

 

『みなみんが通る』 

~MINAMIさんの第3作「ハイカラさん」を記念して~

 

 

恋せよ みなみん♪

 はいからさんが通ると思ったら みなみんだったよー

 みなみんが すてきな袴姿で颯爽と通る

 

恋せよ みなみん♪

  みなみんは  いろんな音楽を聴いて踊るのが大好き!

 洋楽も 邦楽も アニメソングも・・

 

恋せよ みなみん♪

 みなみんは  パンチラで男の人が喜ぶのも大好き

 実は大きなお尻が自慢なの・・・

 そうしたら  いつの間にかストリップのお仕事をしていた

 

恋せよ みなみん♪ 

 ステージの上は華やかだった

そこには光があり音がある

 そこには愛があり夢がある

 

恋せよ みなみん♪

 ストリップには 出会いと別れがある

 踊り子さん 従業員さん そして沢山のお客さん

 みんな一期一会

 

恋せよ みなみん♪

 ストリップは空蝉の世界

 辛いこと 悲しいこと 虚しいことが たくさんある

 でも そこが生きる場所

 

 命短し恋せよ みなみん♪

 

 

                                   おしまい 

 

 

 

 

 

 渋谷道劇のニュー・ヒロイン、新條希さんの新作「School idol project」のレポートです。

 

 

 

 

今週の希さんは二個出し。

2,4回目は、新作(5月結の渋谷で初出し)の4作目「School idol project」。

 

私は、新作もレポート&童話にしようと考えた。ところが、最初にステージを拝見したときに、曲も初めてなので全く内容が理解できなかった。さて、困った!! そこで希さんに演目の内容を解説してほしいとお願いした。希さんも、先のレポート&童話が嬉しかったのか、すぐに丁寧な返事が返ってきた。別の手紙で頂いたので感激。

 最初に、演目名とダンス曲名が並ぶ。

「新作の演目『Scool idol project』

・ダンス①START:DASH!! (高坂穂乃果(cv新田恵海)、南ことり(cv内田彩)、園田海未(cv三森すずこ) 

・ダンス②Angelic Angel(μ's)

・ベッド入ダンス③ Snow halation(μ's)

・中立ち上がりダンス④ ふたりハピネス(lily white)  」

 その後で解説が続く。

『ラブライブ!』というアニメの曲のみで構成してます。『ラブライブ!』は女子高生がアイドルグループをするというコンセプトの作品なので、作中たくさんの楽曲やダンスがあります。今回私もダンスをコピーして、踊っています。you Tubeで検索するとアニメのキャラが作中で踊っている動画が出てきます。絶対、動画見てね!! 今回の新作への私のこだわりが分かると思います。」

なるほど「START:DASH!! 」「Angelic Angel」は、振りがアニメ通りなんだ。

そして、私は彼女の助言に従い、それをインターネットで検索してみた。

「school idol project」⇒「ラブライブ」⇒「μ's(ミューズ)」次々と知識が増え出す。

30分で分かる「school idol project」の動画を観てストーリーを理解。そして、実際に声優9人が「μ's(ミューズ)」としてデビューしていることを知りビックリ★ 声優なのにみんな可愛い女の子ではないか。歌も踊りも上手い。なんとNHK紅白歌合戦にも出ているし、さいたまスーパーアリーナや東京ドーム公演までやっているではないか★ 驚きの連続。

私は自慢ではないが、AKB48の顔と名前が全く一致しない。そんなレベルなのでアニメやアイドルに全く疎い。曲は全てストリップで聴いているに過ぎない。

そんな私が、希さんのお陰で、興味をもってここまで知識を得た。ストリップのお陰で、若い女の子の興味の領域に入って行けた。

そして、童話のネタが飛び込んできた。私が求めていたのはこれだ!と実感した。

そして、童話「Strip Idol Project」が完成した。これこそ私の求めていたストリップ生き残りのための企画書である。

 

 

平成28年6月                               渋谷道劇にて

 

 

 

 

 

 

『Strip Idol Project』  

~新條希さん(道劇所属)の演目「Shcool idol project」を記念して~

 

 

1.   ストリップ冬の時代

 

 ストリップ冬の時代が始まっていた。

かつては風俗の代表であったストリップは風俗営業法施行により規制が厳しくなり、劇場数が激減。劇場としてはアイドル路線に方針転換して生き残りをかけてきた。しかし、風俗の多様化とともに、ストリップは衰退の一途をたどる。若者が直接的な刺激を求めてソープやヘルスに足が向くと、観るだけのストリップは直接的な刺激を卒業した高齢者向けとして残ってきた。それも、アダルトビデオ(AV)などの普及もあり、ストリップ人口はどんどん減ってきていた。それに伴い劇場の数は減る一方で、かつては温泉場を含め全国に200以上あった劇場は、いまや20足らずとなっている。

昨年H27年には、4月16日に埼玉の西川口テアトルミュージックが閉館。また同じ埼玉のライブシアター栗橋も五月末に閉館する予定になっていた。しかし、栗橋については、そこを本拠地にしていた林企画のメンバーが存続を熱望したこと、出演メンバーが多いロックが協力要請を受諾したこともあり、どうにか閉館の危機を免れた。しかし、相変わらず客足はよくなく、いつ潰れてもおかしくない状況が続いている。

今年H28年に入ってからは、更に大変な事態が続く。まずは地方から始まった。六月に入って仙台ロックが閉館。そして広島第一劇場が八月末で閉館を発表。この二つの地方劇場は客足が悪く、もともと採算にのっていなかった。仙台ロックは踊り子のコース確保のため本拠地の浅草が採算度外視で支援していた。また、広島第一劇場も他の風俗で稼いでいる経営者が赤字覚悟でストリップ劇場を趣味としてやっていたが、ここに至り継続の意欲が無くなる。

また来年H29年1月15日で、業界老舗の新宿TSミュージックが閉館する予定。TS系は今年H28年6月に大和ミュージックを傘下に治めたものの、業界全体として新宿の劇場が無くなるのは大きな痛手。

こうした流れは、2020年の東京オリンピック&パラリンピックに向けて加速していくものと懸念されている。実際、東京オリンピックの話が決まる前から、警察はストリップに対して定期的にガサ入れを実施、個々の劇場を順繰りに約一年間の休館に追い込んでいた。そのため経済的基盤の弱い劇場は次々と倒産する羽目になった。まさに弱い者いじめの扱いである。東京オリンピック&パラリンピックで追い打ちをかけ、ストリップ規制が強まれば、ストリップは壊滅してしまう。こうした懸念が現実化していた。観客数が少なくなって衰退していくのは時代の流れかもしれないが、警察の規制でストリップをいじめるのだけは我慢がならない。

 

 

2.ストリップの社会的存在意義

 

  ストリップは悪いことなのか?

以下に、私が考えているストリップの社会的意義をいくつか語りたい。

 そのひとつとして、なにより、ストリップは多くの社会的弱者を救う。

 恋人がおらず結婚できないでいる淋しい男性にとって、ストリップ劇場は心地よい居場所になる。結婚している男性でも、家族に相手にされなくなった人にとってはお小遣い程度で遊べる楽しい場。そうした男性弱者を救う。

 以前、ある踊り子さんが話したことを思い出す。2008年、トラックで歩行者天国になっていた交差点に乗り入れ、次々にナイフで切り付け、死者7人、負傷者10人を出した通り魔事件、いわゆる秋葉原無差別殺傷事件が起こった。加害者の加藤智大(ともひろ)(当時25歳)は元自動車工場派遣社員で、携帯ネットに「彼女ができない」とこぼす淋しい青年だった。私はこの事件が起こった直後にある踊り子が話した言葉を忘れられない。「この人、ストリップに来ていたら、こんな事件を起こさないですんだと思うわ」。

 また、今のストリップは多くの高齢者を救う。若い人はどうしても直接的な刺激を得られる風俗を求めてしまうが、性的に弱くなった50~60代の客層には若い女性の裸を眺め、女の子を適度にからかって相手してもらう遊びの場としてストリップは最適な場所。

さらに、ストリップは高齢化社会の性福祉に役立つかもしれない。高齢者にストリップで性的な刺激を与えることで、近年社会的な大問題となっている認知症の増加や、健忘症・痴呆症の予防につなげる。

 

次に、ストリップは性犯罪の防止につながる。

最近のストリップでは、パンティ・プレゼントが人気。このイベントがあるとたくさんの客が集まる。TSミュージックでは二日に一日はパンプレDayになっているほど。これにより、下着泥棒などの軽犯罪がどれほど減っているか計り知れない。他にも、性的に鬱屈した男性のストレス発散にストリップは最適。ストーカーなどの犯罪防止に大きな役割を果たしている。ストリップはギャンブルと同じく、社会において必要悪な存在と捉えることもできる。

 

最後に、ストリップを大切な文化遺産として残していくことを考えたい。

毎日、多くの外国からの観光客が浅草や新宿のストリップ劇場に押しかける。ツアーのひとつに組み込まれているわけだが、ストリップは海外にはないのでかなり興味津々そう。楽しそうに観劇している彼らの姿を見ていると、ほんとストリップに国境はない!と思わざるをえない。

ストリップは日本に昔からある大衆文化。しかし、娯楽の殿堂であったストリップも今や人気低迷。ストリップ劇場がどんどん減っている。娯楽や風俗の多様化で、ストリップ人口がどんどん減っているからであるが、もう一度ストリップの良さ・意義を見直してほしい。ストリップは単なるエロではなく、むしろアートであり、大切にすべき庶民文化である。昔は本番まな板ショーなどえげつない路線もあったが今は全く違う。相変わらずストリップを昔のエログロ路線のままと思っている人もいる。こうした誤解を解き、気楽に楽しめる娯楽場としてもっとストリップに足を運んで欲しい。

男が女のヌードを好きなのは本能。今日の疲れを癒し、明日への活力を培うのにストリップは最高の場。しかも小遣い程度で楽しめるという庶民の娯楽場なのである。

今は趣味・嗜好が多様化しているが、東京は人口が多いためストリップ・ファンも多く、たくさんの劇場が賑わっている。問題は地方。昔は地方の大きな都市には必ずストリップ劇場があった。今や100万人都市でさえ、名古屋にも博多・札幌・神戸にもストリップ劇場がないという信じ難い事実。多くのストリップ・ファンが全国を行き交えば経済的効果も大きいはずなのだが。

 

 

3.女性パワーの台頭

 

 今、ストリップ界にひとつの異変が起きている。それは、劇場への女性客の進出。

 たしかに、これまで親父だけの居場所と言われたところに若い女性が行きだしている。パチンコや競馬場などのギャンブル、酒場などの男の遊び場へ。世に言う‘親父ギャル’の登場である。男女均等法施行から女性も男性と同等に仕事をするようになったわけだから、同じようにこれまで男性だけの遊び場と思われてきた場所に進出するのもおかしくはない。しかし、いくらなんでも男の性産業であるストリップ劇場にまでかと思ってしまう。

 しかし、これには背景がある。先ほど既に触れたが繰り返す。昔のストリップは本番まな板ショーを始めとしたエログロ路線を突き進んでいたが、風営法を境にストリップはアイドル路線に変更した。そのため、かなりショーアップされた見世物となっている。浅草ロックはその代表で観光スポットになり、ツアー客のひとつのルートになっている。ストリップも日本独自の文化として認識されることは嬉しい話である。ストリップでは女性の裸体を見せるものの、エロというよりアートの世界。まさにヌードは芸術なのである。

このことを直木賞を受賞した著名な女性作家が主張している。彼女の名前は桜木紫乃(しの)さん。2013年の第149回直木賞を小説「ホテルローヤル」で受賞している。当時48歳なので今は51歳くらいか。北海道の釧路出身。私は仕事で釧路に何度も出張したので親近感を覚えた。ストリップ・ファンで札幌道頓堀劇場に通っていたという。彼女は相田樹音さんという現役のベテラン踊り子さんと大和ミュージックにて対談し、その記事が女性週刊誌に紹介された。こういう有名人がストリップの魅力をアピールしてくれるのは誠に有難いこと。

その記事を読んだ女性客が全国の劇場に顔を出すようになる。私が常連として通っている渋谷道劇にも毎日10人前後の女性客が来ている。数人のグループで来ていることもあるが、一人で堂々と観劇している方も多い。別に彼女たちがレズというわけではなく、ショーとして楽しんでくれている。中には特定の踊り子のファンになる。これは宝塚に憧れる女性ファンと全く同じ目線。いまはアイドル全盛なので、アイドルを求める軽いノリでストリップ劇場に顔を出している。

 こうなると、こうした女性客の中から「私もストリップをやってみようかしら」と思う人が出てきても不思議ではない。昨年H27年12月に引退した一宮紗賴さんのファンにとても綺麗な若い女性がいた。その方が12月結に踊り子としてデビューしたときには驚いた。葉鳴ゆりささんである。私は彼女の活躍を期待し応援してあげようと思っていた。しかし、残念なことに渋谷道劇に二週のり、その後がない。

 私が応援している石原さゆみさんにも若くて可愛い女性ファンAさんができた。今年の二月の渋谷でさゆみさんを観てファンになったらしく、渋谷の興行には必ず二三日顔を出す。私はさゆみさんの一周年イベント幹事をしたこともあり、その可愛いファンとも親しく話すようになる。一緒にステージかぶりでペンライトを持ってさゆみさんの応援をしたこともある。さゆみファンの中には直接に彼女に「絶対応援するから」と踊り子デビューを勧めた者までいた。彼らは私にも是非踊り子デビューするよう彼女の背中を押してほしいと言う(笑)。ほんと女性客の中には踊り子にしたいと思わせるチャーミングな方が多い。

 

 

4.ストリップはラブライブ!

 

 渋谷道劇に新條希さんという若きホープがいる。今年H28年2月結にデビュー。AV出身でステージ度胸があり、なにより21歳と若い。きれいなヌードを惜しげもなく見せてくれて人気沸騰中。

 H28年6月結に、四作目になる新作を拝見。(なお、新作は5月結の渋谷道劇で初出し)

演目名「School idol project」。

 私は、最初にステージを拝見したときに曲も初めてなので全く内容が理解できなかった。そこで希さんに演目の内容を解説してもらった。丁寧な手紙を頂く。「『ラブライブ!』というアニメの曲のみで構成してます。『ラブライブ!』は女子高生がアイドルグループをするというコンセプトの作品なので、作中たくさんの楽曲やダンスがあります。今回私もダンスをコピーして、踊っています。you Tubeで検索するとアニメのキャラが作中で踊っている動画が出てきます。絶対、動画を見てね!! 今回の新作への私のこだわりが分かると思います。」私は彼女の助言に従い、それをインターネットで検索してみた。

「school idol project」⇒「ラブライブ」⇒「μ's(ミューズ)」次々と知識が増え出す。

  これだ!!

  ストリップこそラブライブだ! だって、愛に満ちた生のステージを観せるのがストリップだもの。よしっ、ストリップ版の「school idol project」である「Strip Idol Project」を企画しよう! この「Strip Idol Project」はストリップ生き残りプロジェクトだ!

私の意志は固まった。

 

 

5.ストリップ版「μ's(ミューズ)」の結成

 

 私は渋谷道劇で親しくしてもらっている石原さゆみさんと新條希さんに自分の企画を打診してみた。もちろん、二人にこの企画に入ってもらう前提で。「すごくおもしろそう!」というのが二人の返事。

 この結論を受けて、私は詳細な企画と実行に入った。

 実際の「μ's(ミューズ)」と同じく、9人にしたい。私は、できるだけストリップ慣れしていないフレッシュなメンバーにしたかった。そこで劇場に来ている女性客の中からμ'sに入りたいと思う人を募ってみたいと考えた。

 実は、私は個人のブログを開設していた。ブログ名は「ストリップ・ファンタジー」。そこで私は自分で創作したストリップ童話を紹介していた。毎週一作品ずつ披露していて好評を得ていた。特に劇場に来ている女性客のかなりの数が私の童話の読者になっていた。また、そのブログで私はまじめにこれからのストリップを語ろうと声をかける。私と同じく、今のストリップの危機的状況を心配しているストファンが多かった。そこで、私の企画を紹介し賛同を求めた。予想以上にたくさんの賛同の声が上がった。

 問題は、「μ's(ミューズ)」メンバーの公募。

 ストリップ人気とアニメ人気のお陰でかなりの応募があり、すぐに選考に入った。

 一人、驚く人が公募してきた。昨年2月にTSから衝撃的なデビューをしたにもかかわらず人気絶頂の中、年末にスト界から忽然と消息を絶った天上くるみさん。今は地下アイドルとして歌手をやっていると噂されていた。彼女なら、歌のレベルも保証付だし、ストリップの経験もありリーダー的な存在になれる。迷わず選抜メンバに加えた。

 ちなみに、この企画がストリップ界最大手のロックに情報が流れ、ロックとしても全面的に賛同したいと申し入れがあった。その条件として、ロックの新人も一人加入させてほしいという。その結果、今年3月にデビューしたばかりの南まゆさんが加入することになった。

 現役の踊り子としては、石原さゆみさん、新條希さん、南まゆさん、そして元経験者の天上くるみさんの四人。残りを公募から選んだ。現役と新人を約半々の構成にしたが、あくまでフレッシュさを売りとしているので新しい顔を多くしたかった。合わせて、私は、今回のメンバーに目玉になる新星が欲しかった。それは石原さゆみさんのファンであるAさん。必死で口説いた。なかなか首を縦に振らなかったが、最終的に私の熱意が伝わり彼女は承諾してくれた。

 これでメンバーが揃った。

 

 

6.「μ's(ミューズ)」の大活躍

 

 私は彼女たちのマネジャーになり、劇場側との交渉に入った。私はこの「μ's(ミューズ)」で全国のストリップ劇場を全て制覇することを目標にした。

 合わせて、9人メンバーを、歌って踊れてストリップもできるよう纏め上げる必要があった。15年ほど前に、渋谷道劇でやっていたストリップ・ミュージカルがひとつの完成形であった。彼女たちは一ヶ月の合宿による特訓に耐え、見事なチームに仕上がった。

 

 劇場側は、私の企画に好意的だった。

 最初の興行は、石原さゆみさんと新條希さんの所属である渋谷道劇。経営者や従業員は昔のストリップ・ミュージックを懐かしみ全面的に協力してくれた。

 最初の渋谷での興行スタートは順調な滑り出し。その結果を聞きつけ、次々とオファーが入る。最初は道劇と親しいTS系列で、新宿→池袋→上野→大和と回る。そして蕨ミニで実績を重ね、関東ではDX歌舞伎を一区切りにした。

 長い公演スケジュールのひとつの山場が、関西の大阪東洋ショー劇場での公演。たくさんのお客が駆けつける。西日本最大の晴れ舞台を見事に乗り切った。引き続き、同じ関西では、広いDX東寺の劇場を満員にし、晃生でも活況を呈した。関西にファンが多い石原さゆみさんの人気も功を奏した。

さらに地方からも声がかかる。すごく嬉しかったのは閉館が決まっていた広島第一劇場での公演。西日本のファンがたくさん駆けつけて、あの広い広島が大入り。経営者がこの興行に感激して劇場経営を続けることになった。我々「μ's(ミューズ)」も定期的に広島にのることを約束した。

他の地方劇場としては、小倉A級、道後ミュージック、そして岐阜まさご座と回り、各地で盛大な歓迎を受けた。関東や関西からの遠征客の力が大きかった。

そして、最後はロック系列を回る。ロックがこの企画に賛同してくれて、ストリップ業界が完全にひとつに纏まった。新宿ニューアートを皮切りに、川崎ロック、浜劇へ。そして、ここでも嬉しいニュースが出る。閉館が決まっていた仙台ロックでも公演が決まり、仙台ロックの経営継続が決まる。

 本興行の最後は、浅草ロックで飾ることになっていた。あの広い浅草が連日立ち見の大盛況。平成21年6月に催された小向美奈子さんのロック座25周年特別興行、そして今年五月の有名AV上原亜衣さんの引退興行の入場者数記録を大きく塗り替えた。最終日には「μ's(ミューズ)」のメンバーだけでなく、長い興行をずっと遠征して応援してくれた熱烈なファン同士が抱き合って喜んでいた。歓喜と涙の最終公演となった。

 この興行を通じて、女性客が多かったことがひとつのポイント。男性のためのストリップから男女が認めるストリップへ。こうしてストリップはエロではなくアートであることが認められたのである。ストリップは大切な日本芸能としての市民権を得たのである。

 

 2020年の東京オリンピックを機に衰退していくと思われていたストリップが逆に復活の兆しを見せ始めた。

芸能界からもストリップに対する熱烈な指示者が現れた。昔、ストリップの合間に出演していた漫才コント出身者たちの存在が大きい。その中で、奥さんが元踊り子という二人、TVでの愛称:欽ちゃんこと萩本欽一さんと、今や日本を代表する映画監督になったビートたけしさんが全面的に協力を表明してくれたことが効果絶大。他にも、青春時代にストリップにお世話になったたくさんの著名人がストリップを無くしてはいけないと声を上げた。

「Strip Idol Project」は大成功で、その後も興行は続いた。

 ストリップ業界としては「Strip Idol Project」だけではなかった。この若手の活躍に刺激を受けたベテランの踊り子さんがさらにステージをレベルアップさせ、ストリップ界全体が活性化された。

 ストリップは単なる男性向け風俗から脱皮し、総合エンターテイメント産業の代表格として認知され大きく飛躍・発展することになった。

 

                                    おしまい

 

 

 

 

 

 渋谷道劇の踊り子・新條希さんについて、H29年11月頭の池袋ミカド劇場での模様を、新作「高田馬場ジョージ」を題材に、「コスプレ真骨頂」と題して語ります。

 

 

 

 

先週の上野で初出しした新作「高田馬場ジョージ」一個出し。じっくり拝見した。

内容は次の通り。

高田馬場ジョージに扮して、のぞみんが登場。ブルーのウイッグ、カラーコンタクト。

衣装が独特。トランプのスートとジョーカーをモチーフにしている。頭にも銀と黒のフードをかぶる。まさにアニメ『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』(以下キンプラと言う)のキャラクターである高田馬場ジョージのコスプレである。

楽曲のアニメで歌う高田馬場ジョージGS(cv小林竜之)の「LOVE MIX」に合わせ、ノリノリで踊る。同じくアニメに登場するグループTHEシャッフルの「恋のロイヤルストレートフラッシュ」に変わる。

のぞみんが上着を脱ぎ、ブルーのネクタイと黒いベスト、黒いズボンという軽装になる。ブルーのウイッグと笑顔がますます映える。

三曲目が、D-selectionsの「LAYon-theLINE」。この曲はTVアニメ「賭ケグルイ」エンディングテーマとしてH29年8月23日発売。なんとD-selectionsのメンバーの中に高田馬場ジョージの小林竜之がいる。

このままベッドショーに。上着は着たままで、ズボンと靴を脱ぐ。前をはだけ、青いネクタイで目隠しをして激しいオナニーが始まる。ヘアを生やし始めたのでそのエロさに思わず生唾ごっくん♪

ベッド曲は流星のキラ(cv杉田智和)の「birdcage」。流星のキラとは、アニメ『セイント・ビースト』のキャラクターで、声優の杉田智和は「賭ケグルイ」にも登場している。

 

 この演目を楽しむためには、劇場版アニメ『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』を知らないといけない。ところが、インターネットで検索して文字だけ追っても、このアニメの面白さがよく分からない。やはり実際に映画館で観ないと内容が理解できないというのが実感だね。(笑)

 このアニメはKING OF PRISMシリーズ』の2作目なる。1作目の『KING OF PRISM by PrettyRhythm』 (2016公開)。前作はキンプリと称される。これはテレビアニメ「プリティーリズム・レインボーライブ」に登場するボーイズユニット Over The Rainbow をメインにしたスピンオフ。4年に1度開かれる「プリズムキングカップ」に向けて、最も女の子の心をきらめかせた男子であるプリズムキングに選出されるべく練習を積む様子を描く。

内容は次の通り。・・・Over The Rainbow の速水ヒロ、神浜コウジ、仁科カヅキは華々しくデビューし、プリズムスタァの養成学校であるエーデルローズには彼らに憧れる新入生が続々と入学。しかし、シュワルツローズというライバルが出現し、エーデルローズは厳しい状況を迎える。さらには、コウジの作詞作曲の才能が認められ、アメリカから映画音楽制作の巨額オファーが飛び込んでくる。4年に1度のプリズムキングカップを翌年に控え、ヒロ、コウジ、カヅキは……。

ストリップでは栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさんが扮するBLで大人気を博したのが記憶に新しい。そういえば、渚あおいさんのブルーのウイッグも印象的だった。今回ののぞみんを見て、美少女が青いウイッグをするとホントよく似合うんだなぁと思ったよ♡

高田馬場ジョージは、シュワルツローズ主宰の法月仁が仇敵視している氷室聖率いるエーデルローズに引導を渡すべく、OverTheRainbowの活動休止後に空いた隙間へねじ込む形でデビューさせた5人組のプリズムスタァ「The シャッフル」のリーダーである。

前作で登場した御徒町ツルギ、五反田ココロ、鶯谷モンド、神田ミツバとともに、山手線をモチーフにした「YMT29」の人気投票による選抜メンバーである、トランプをモチーフにした「The シャッフル」を結成した。いやぁ~山手線の駅名を使うとは面白い♪

 

これ以上の詳細は分からないが、ステージの上で、高田馬場ジョージのコスプレで楽しく踊っているのぞみんを観ていると幸せな気分になる。コスプレをしているのぞみんは本当に生き生きしている。前作「恋」のときに、おじさんウケする選曲を褒めたばかりだが、来年2月に休業宣言しているのぞみんにとって残り時間が少ないので、自分でやりたい演目を精一杯演じてほしいと思う。のぞみんが楽しければ我々ファンも楽しい。残りの時間をのぞみんと一緒に完全燃焼したいと思うのみ。

最後に大きな声で叫びたい!「のぞみん、最高だぜ♪」

 

 

平成29年11月頭                             池袋ミカドにて

 

 

 

 

『蒼いうさぎ ―青い少年(?)― 』 

~新條希さんの「高田馬場ジョージ」を記念して~

 

 

 

どんよりとした朧月夜。ブルーな気分がますますブルーになるような夜だった。

私は呑兵衛横丁にある一軒の酒場で一人手酌で酒を飲んでいた。

五十を越えた中年男が一人淋しく物思いに耽って酒を呑んでいるのだから、誰も寄ってはこないはず・・・そう思っていたら、変な男の子が声を掛けて来た。

髪の毛が真っ青なのだ。染めているのかと思ったら、眉毛も青い。瞳も青い。肌が真っ白なので余計に青いのが目立つ。

私がじろじろ見るため、彼は「おじさん、ぼくは先天性の染色体異常なんだ。だから身体の毛や眼球が青いんだ。とくに病気じゃないから安心して。」と説明した。

彼は高校生みたいに若い。しかも、かわいい顔立ちをしている。男にしておくのがもったいないほどの美少年だった。ある意味、青い髪が似合っていて、よその星から来た宇宙人みたくも思えた。

「よかったら奢ってくれないかな。おじさんと話がしてみたい。」そう言って絡んできた。どうせ一人で呑んでいたから話し相手をしてもらおうか、そう思った。

 

 私は50歳を越えて事業に失敗してしまった。信頼していた部下に裏切られて、先祖代々受け継いできた家業を手放すことになった。そのため家族も崩壊した。大学に入ったばかりの娘も中退を余儀なくされ、妻は酒浸りになった私に愛想をつかして、高校生の息子を連れて家から出て行った。「俺はどうしようもないダメな男だ。もう死にたい。」と自暴自棄な気分で酒を吞んでいた。

 そんなところに、ひょっこり変な髪の男の子が現れ、酒の相手をしてくれたわけだ。ついつい愚痴をこぼしながら深酒をしてしまった。

 

 ふと、意識が戻ったら、そこはホテルの部屋だった。男の子が私をホテルに連れて来たのだ。

私には男色の趣味はない。「そうか、彼はそういう趣味なのか。まぁ~死ぬ前に、一度そういうのも味わってみるか。」ふと、そんなふうに頭を過ぎった。

 すると男の子が私に抱きついてきた。なんか若い女の子の匂いがした。今どきの男の子はオシャレだからそうなんだと思った。

唇を合わせてきた。そして私のズボンの中に手を入れ、私のものをまさぐりフェラを始めた。絶妙なテクニックに私は身をのけぞった。私は条件反射的に彼の下半身に手を伸ばした。

「えっ!? ない?」あるべきものが無かった。私の頭は混乱した。

ところが、私の思考回路を無視して、別の神経回路に快感が走り抜けた。

ぐったりした私の側に横たわって、彼は、いや彼女は話し出した。

「私はもともと女の子なの。小さい頃から、青い髪だったので‘蒼いうさぎ’と呼ばれて虐められたの。」うさぎとは可愛い象徴であるが、本来うさぎは赤い目をしているので‘蒼いうさぎ’とは差別用語なのだった。女の子ではあまりに辛すぎたので、途中から男の子になろうと決心したようだ。

「私ね、不思議な能力を持っているの。髪の毛がブルーのせいか、ブルーな気持ちの人の心が読めるの。おじさんは自殺したいと思っていたでしょ。だからビーンと感じたのよ。それで声をかけたの。

 おじさんはとってもいい人だわ。元気にしてあげたいと思ったの。」

 

私たちはホテルから出て別れた。

私は、青い少年のお陰で、ブルーな気持ちが吹っ切れた。「明日から、もう一度ゼロからスタートだ!」そう思えた。

空を見上げたら、満月になった月の中で蒼いうさぎが餅つきをしているように見えた。先ほどまで居た少年は月から降臨してきたのかな、とふと感じた。

 

                                   おしまい       

 

 

 

 

今回は、H29年5月中の渋谷道劇における、新條希さんとRUIさんとのチームショーの模様を話します。

 

 

 

今回は演目「ゼラジャイ」を紹介する。

希さんから「ゼラジャイは『ライチ☆光クラブ』というマンガがテーマです。」と教えてもらい早速、ネットで検索してみる。・・・『ライチ☆光クラブ』秘密基地,Wikipedia参照

1980年代、わずか三年で活動の幕を閉じた幻の劇団、飴屋法水率いる「東京グランギニョル」があった。ちなみに、グラン・ギニョールというのは、フランス、パリに19世紀末から20世紀半ばまで存在した大衆芝居・見世物小屋で演ぜられた「荒唐無稽で」「血なまぐさい」あるいは「こけおどしめいた」芝居のことを指す。そこでは浮浪者、街頭の孤児、娼婦、殺人嗜好者など、折り目正しい舞台劇には登場しないようなキャラクターが多く登場し、妖怪譚、嫉妬からの殺人、嬰児殺し、バラバラ殺人、火あぶり、ギロチンで切断された後も喋る頭部、外国人の恐怖、伝染病などありとあらゆるホラーをテーマとする芝居が、しばしば血糊などを大量に用いた特殊効果付きで演じられた。観客動員数ばかりではなく、「顧客のうち何人が失神したか」も劇の成功・不成功を測る尺度とされた。

「東京グランギニョル」は廃墟的な舞台装置や暴力的音響、暴力的内容を特徴とし、鮮烈な独自の美意識を持った劇団であった。当時、高校生であった古屋兎丸(ふるやうさまる1968.1.25生まれの現在49歳)はリアルタイムで観劇し、大きな衝撃を受けた。

 この時の衝撃は、古屋兎丸のその後の人生に多大な影響をもたらすことになる。劇団に参加したくも果たせなかったことへの後悔を抱きながら漫画家としての研鑽を積み、二十年経った2005年、満を持して、漫画化したのがこの『ライチ☆光クラブ』である。

 オリジナル描写を加えつつ原作舞台の退廃的な世界観を強烈に描き出した本作の、壮絶ながらも美しい少年たちの物語は、連載直後より話題沸騰になり、単行本は幾度となく重版されている。古屋兎丸の最高傑作のひとつと言われている。

 

『ライチ☆光クラブ』のあらすじを紹介する。

工場からの排気と油で黒く覆われ鬱蒼とした街・蛍光町。その片隅の廃墟で無人のはずの深夜、けたたましく響き渡る笛の音、そして不気味なドイツ語の怒声。

彼らの正体は、学生帽・詰襟の学生服に身を包んだ少年たち。そこには、「廃墟の帝王」ゼラを筆頭に、九人のメンバーで作られた秘密基地が存在していた。――その名を「光クラブ」。

その秘密を見た者は、ゼラの指示を受け、彼を崇拝するメンバーの手によって残酷な罰が下される。なぜならば、彼らは夜な夜な基地に集まり、ある「崇高な目的」のために「甘美なる機械(マシン)」を創造していたのだった。

そしてある夜、ついに彼らの希望の機械「ライチ」が目覚めの時を迎える。ライチは「美しいもの」を連れてくるよう命令されるが、ライチは「美しいもの」が何なのか理解できず、違うものばかり集めてくる。そんなある日、特殊な設定を施されたライチはようやく「美しいもの」が何なのか理解できるようになり、一人の美しい少女カノンと数人の少女を光クラブに連れて来た。光クラブの面々はカノンを王座に据えて女神として崇め、次の目的に進もうとする。しかしある時、メンバーのタミヤとダフがカノン以外の少女たちを密かに逃がそうとしていたことが発覚し、タミヤは粛清として自分の手でダフを処刑することになってしまう。更にゼラと親密な仲にあった少年・ジャイボが仕掛けた罠によってゼラは疑心暗鬼に陥り、光クラブの少年達の結束は徐々に崩壊し始める。

 

登場人物を二人紹介する。

□.ゼラ「廃墟の帝王」

 光クラブのリーダー。角眼鏡を着用している。チェスの名人であり、その才気とカリスマ性を以てクラブを統括する。合理性を重んじ、チェスに例えた考え方をする。トレードマークは黒い星が描かれた手袋。

 未成年なのにライチ酒を造って母親から怒られる。

 ジャイボからの愛情アプローチを受け入れ、二人きりの廃工場で淫らな行為をしていた事もあった。

 

□.ジャイボ「漆黒の薔薇」

 女性のような容姿をもった美少年。実家は町医者で、家から麻酔を持ち出しては同級生に注射して昏睡状態にして淫らな行為をしていた事があり、ゼラとは別方向で奇矯な言動が目立ち、仲間のデンタクにも「奇人で変人」と称されていた。「きゃはっ」が口癖。男性ではあるが、女性的な印象を与え、一部行動・言動にヤンデレとしての要素が見受けられる。同じ男であるゼラに対して友情とは別次元ともいえる愛情を抱いていた。

 光クラブを崩壊へ追い込んだ張本人。全てはカノンの出現によってゼラの心が自分に向かなくなったと思った事が発端であり、カノンを始めとする「ゼラの心が向くもの」全てへの嫉妬に狂い暴走する。本気でゼラを愛していたが、ゼラからすれば最初から「玩具」に過ぎない存在だった。

その美貌と残忍かつ背徳的な行為ゆえか、古屋兎丸キャラでは一番の人気になっている。

 

以上の知識をもって、チーム演目「ゼラジャイ」を観ると、深く興味をそそられる。知る知らないで観劇の楽しさが10倍違ってくる。

作品模様は次の通り。

暗闇の中、けたたましく響き渡る笛の音が聞こえる。

RUI扮する学生帽・詰襟の学生服に身を包んだ「廃墟の帝王」ゼラが登場。角眼鏡を着用している。トレードマークになっている黒い星が描かれた手袋をしている。

赤い椅子に座る。横の丸いテーブルの上に白と黒のチェス盤。ワインカップにライチが入っている。

そこに、のぞみん扮する「漆黒の薔薇」ジャイボが現れる。髪の毛が真ん中に垂れる。まさに女性のような容姿をもった美少年である。

のぞみんが椅子に座っているRUIに絡む。キスをして、彼のズボンから一物を出してフェラを始める。

RUIが一旦姿を消す。おもむろに、のぞみんがポケットから注射器を取り出す。二三人の観客の口へ中のジュースを注入する。

そして、ポケットの中から花びらをつまんで沢山ばら撒き、楽しそうに舞い踊る。

再び、RUIも現れ、二人で絡み、ベッドショーへ。

 

今回の作品の魅力を三つの観点から考えてみた。

ひとつは、男装の魅力。

男装というのはコスプレのひとつの形態である。女性らしい可愛さとはまた違い、男装にはかっこよさがある。男から見ても惚れ惚れする。宝塚の男役をイメージしてもらえばいい。

今回の演目では、スタイルのいい二人が学ランをかっこよく決めている。しかも、よく似合っており、『ライチ☆光クラブ』という作品に登場するゼラとジャイボになりきって演じている。

もうひとつは、男性愛(Boys love)の魅力。同性愛というのは、パラフィリア(性的倒錯、性的嗜好異常)の世界。前作の「RUI先生」と同様の趣向を覚える。

同性愛といっても、レズとホモでは魅力が違う。ストリップの男性客から観ると、ホモには興味がないだろう。ホモを演じているのが女性であるから楽しいのである。

そして、もうひとつは男性愛(Boys love)を女性が演ずるユニークさ。最近、栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさん達が演ずるBoys loveが人気を博し女性ファンが急増している。男性愛(Boys love)を女性が演ずることによって女性の強い関心を惹く。

単に女性同士のレズではない、男性特有の絡みの面白さ。男性性器というのは女性にとってたまらなくかわいく憧れる関心の強い存在なんだと思う。だから異常に人気が爆発するのだろう。

 

 

平成29年5月                            渋谷道頓堀劇場にて

 

 

 

 

                        H29.4

『しがらみ男爵とリセット少女』  

 

 

 

 これから話すのは、ありふれた中年男と不良少女とのドラマである。

 

 男は、生まれてこの方、ひたすら人間関係を大切にすることで生きてきた。実家の家族・親戚縁者を始め、学生時代の友人関係、そして結婚してからの新しい家族関係、仕事での会社関係、近隣の付合い・・・すべてにおいて人間関係を大切にすることで今まで生きながらえてきた。言い換えると、それだけ彼には取り柄が無く、一人で生きてこれなかったとも云える。もちろん、人間関係が多くなればなるほど、彼はたくさんのしがらみに絡まれることになる。

 しかし、彼はそのしがらみをも嬉々として受け入れた。いや、むしろ彼自身がひとつひとつの人間関係にこだわり、こだわり、こだわり抜いてきた。それが彼をいい人にした。彼にはいつもいい人オーラが漂っていた。

 ただひとつ、彼はある事情のため大切な人間関係を壊してしまった。それは家庭崩壊。大切な家族と別れることになった。これについてはここでは言及しないことにする。

 

 一方、少女は、家庭環境に恵まれなかった。母子家庭で、母親とも兄弟姉妹とも仲良くなかった。そのため、家出を繰り返し、不良仲間とつるんでいるような少女だった。

 彼女はかわいい顔をしていたので男がたくさん寄ってきた。適当に相手をしていても、うざくなると簡単に関係を断ち切った。粘着するような男には牙をむいた。彼女の感情の激しさや苦悩はたくさんのリストカットした傷跡からも窺いしれた。

 彼女の口癖は「おまえなんかリセットしてやる」。そう言っては、これまで親しくしていた友人でも、親子関係までも、簡単に縁切りするような子であった。

 

 そんな二人が、ひょんな事から知り合う。

 少女がコンビニで万引きしている現場を目撃した。化粧品を鞄の中に入れようとした。男は彼女の側にすり寄って「そんなことをしたらダメだよ」と耳打ちして、化粧品を取り上げた。少女はきっと彼を睨んだ。男は「これが欲しかったのなら私が買ってあげる」と言って、レジに持っていって購入して彼女に渡した。

 その後も、何度もコンビニで会った。時には不良仲間とコンビニの前で屯していることもあった。未成年なのにタバコを吸ったり、酒を飲んだりしていた。

 彼は黙っておけない性分だった。「キミたち、そんなところで屯していちゃダメだろ。親元に帰りなさい。」と注意した。すると「この前、彼女にちょっかい出したのはおまえかよ!」とすさんできた子がいた。危うく親父狩りに遭いそうになったがコンビニの前で人通りがあったので難を逃れた。

 彼は少女のことがほっとけなかった。今では縁遠くなった自分の娘と変わらない年頃であったからかもしれない。しかし、少女は冷めた目で彼を眺めていた。心の中で「おまえなんかリセットだよ」と叫んでいるようだった。それなのに、彼の性分からか、気になる人へのおせっかいは止まらなかった。

 

 いつしか少女はホスト通いを始めた。気に入った男でもいたのだろうか。いや、おそらく淋しかったんだな。誰とも心を開いて関係を持たなかったので心の中は淋しさが渦巻いていたことだろう。

 それを知った男は、少女にホスト通いを止めさせようとした。彼女の通うホストクラブの入口で彼女を待ち伏せしていたら、ホスト達に行動を遮られ、最後にはボコボコにされた。それでも彼は少女のことがほっとけなかった。

 案の定、少女はたくさんの借金をして、お金に窮することになる。

 お金のことを相談した友達の女の子が「私、ストリッパーをやっているんだけど、あなたもやってみる?」と言うので、少女は友だちのステージを観に行くことにした。

 劇場に一歩足を踏み入れたら別世界があった。まぶしいばかりの光と音、その中を華麗な衣装に身をくるみ舞い踊る。少女はステージに一目で魅了された。「好きな音楽にのって踊れるなんて最高。それでお金になるのなら喜んでストリッパーになりたい。」と思った。これまでも沢山の男性にちやほやされてきたので、容姿にはそれなりに自信があった。劇場側に申し入れ面接したら、若くて可愛い彼女の採用はすぐに決まった。

 

 少しの研修を受け、いよいよストリップ・デビュー。

 最初はかなり緊張した。慣れないダンスに苦労した。ただ不思議と、裸になって客に性器を見せることに抵抗はなかった。自分のサービスで客の顔がほころぶと嬉しかった。

 彼女はステージの上で精一杯の笑顔を作った。今までこれだけの笑顔を作ったことはなかった。明るいスポットライトの下、彼女の明るい笑顔は一段と映えた。多くの客が彼女の営業スマイルにまいった。

 デビュー週、三日目で、あのおせっかい男がやってきた。彼の顔を見つけたとき、彼女は驚いた。

 実は、彼は熱心なストリップ・ファンだった。長く劇場通いしていて、多くの踊り子さんから「みんなのお父さん」として慕われていたのだ。彼は自分の人生哲学を押し通すように、まさしく踊り子とファンとしての関係を全て大事にしていたのだ。

彼は少女のポラを買い、「これからは君だけのストリップの父になって応援してあげるね」と約束した。彼は、それから彼女の一番客としていつも彼女の側にいて、リボンを投げたり、ポラをたくさん買い、チップもたくさんあげるようになった。

 可愛い少女は笑顔を振りまき、一躍ストリップ界の人気者になった。

 ところが、客の中には下心をもって近寄ってくる者もいる。彼らは連絡先を聞きたがり、アフターに誘ったりした。少女はそういう粘着してくる男が大っ嫌い。以前の顔が蘇る。「おまえなんかリセットしてやる」てな感じで、次々と嫌なファンを切っていった。出禁処分にして二度と近づけないようにした。多少ファンを切ったところで次から次へと新しいファンが増えるので彼女の人気はびくともしなかった。

 彼女の一番客である彼はいつも側に居たため、彼女の周りのファンの出入りを常に観察できた。突然のように夢中になって通ってきては、彼女にプレゼントやチップをあげて気を引こうとしているが、突然パタリと来なくなる客もいた。彼女にリセットされたのが窺いしれた。彼女はそのことを誰にも相談しなかった。もちろん一番客の彼にも。

 彼女のステージのポラタイムには、いつもプレゼントの山で溢れかえった。OPショーではいつもチップの嵐。彼女は大喜び。

 そんな彼女を見ていて、一番客の彼は心配になってきた。手紙で「お金になびいたらダメだよ」と注意した。最初のうちは「わかった。わかった。心配しなくても大丈夫だから。」と返事が返ってきたが、次第に彼の忠告がうざくなってきた。

 ある日、決定的なことが生じた。どんどん嫌なファンを切っていくのは仕方ないことだが、一番客と仲のいい応援客まで切り出した。仲間内で「どうしたんだ」と相談したら、「彼女がどんどん冷たくなってきた」と言うのだった。「人気が出てきたら忙しくて相手にされなくなるさ。一番客の俺だってそうだよ。機嫌を直して彼女の応援をしてくれよ。」と説得しようとした。しかし、仲間はどんどん離れだした。

 ストリップの良さはみんなでお気に入りの踊り子を応援することにある。陰でアフターを誘ったりする輩は排除されて当たり前だが、ストリップを純粋に楽しむ仲間は貴重な存在。みんなで応援し盛り上げるから楽しかった。そんな仲間が一人また一人と抜けていくことには危惧を感じた。彼は「昔から応援してくれるファンのことはもっと大事にしような」と彼女に手紙で忠告した。彼女を怒らせないようにかなりオブラートに包んで話したつもりだった。

ところがそれが彼女の逆鱗に触れてしまった。「そんなことを言うんだったら、あなたももう来なくていい!」と言い出した。「お客が離れていくなら勝手に離れていけばいいわ。ファンなんてどうでもいいの。」そして「私はステージで目の前の客を喜ばせることでいっぱいなの。ファン一人一人との関係はストレスになる。私はストレス・フリーになりたいの。」という言葉が返ってきた。最後は「おまえなんかリセットしてやる」ってな感じで切られた。

 

 彼は、泣く泣く彼女の出禁処分に従わざるをえなかった。

 よく好きな踊り子さんにフラれた客の中には、逆恨みして彼女の悪口をネットに書き込む奴がいる。人間として最低の輩である。少女の場合も「性格の悪い女」「金・金・金の女」「カネゴン」等たくさんの誹謗中傷の書き込みがあった。彼は決してそんなことをする人ではなかった。ただ只、自分の真意が彼女に伝わらなかったことが悲しかった。むしろ、このままでは踊り子としての人気を保てなくなると彼女のことを心配した。

 ともあれ、大好きな少女に会えなくなった彼はショックで劇場通いを止めた。しばらくはアパートにこもり、彼女を撮った沢山のポラの整理をしつつ、彼女との思い出に浸った。

 デビュー当時はまだあどけない顔をしていた。不安や自信のなさが表情に表れていた。この頃の彼女が懐かしく、一番かわいく見える。どんどん人気が出るようになり、たしかに大人の女として綺麗になり、いい意味でストリッパーの顔になっていった。ただ、この短い期間で劇的に顔の表情が変貌しているのが判った。お金に染まったのが一番の原因だろう。

 彼は、自分ことを「ストリップの父」と慕って頑張っていた初期の頃を懐かしく思い出した。そして、あの時の彼女との思い出があれば十分だと思うようになった。

 出会った当初から、まめに付けていたストリップ日記、それから彼女とのたくさんの手紙(ポラ)の交換、それらを元に私小説を書こうと考えていた。

 

 一方、さすがのリセット少女も、これまで親身になって応援してくれた一番客を切ったことが気になった。顔を見なくなった彼がその後どうしているかと心配になる。私のことを盲目的に愛してくれていたから万一自殺なんかされたら大変!とも思った。そんなかんなで気が散りステージに集中できなくなる。

「やっぱり、私が今まで踊り子として頑張ってこれたのは一番客としての彼の支えがあったからだわ。いつも彼の視線が優しく、安心して踊ってこれた。今や、劇場における風景が一変してしまった。どうしても気持ちが落ち着かない・・・」

 少女は、彼と仲良しだったスト仲間に声をかけた。彼の安否を尋ね、そして彼に連絡をとりたいと話した。

 

 少女は彼のアパートを訪ねた。

初めて彼のアパートに来たことになる。彼は一番客になるもお互いの連絡先は教えないこと、アフターは絶対にしないこと、を自分から彼女に申し入れた。もちろん他の客ともそういうことをしてはダメだと話した。そうしないと踊り子を長く続けられないことを長年の経験で知っていた。踊り子をダメにするのは殆どが客とのトラブルによる。彼女も黙って彼の忠告を聞いていた。だから、踊り子と客の関係が続いていたならば彼は決して彼女を部屋に入れたりはしなかっただろう。

 ともあれ、彼は連絡を受けていたので黙って彼女を部屋の中に通した。

 部屋の中に入った彼女はいきなり叫んだ。

「私のことが好きでしょ⁉ 抱かせてあげる。その代り、私が言う通りにして!」

 彼は驚きながらも、黙って彼女の指示に従った。

 彼女は持ってきた自分のバックの中から、手錠や縄などの拘束器具を取り出した。彼をベッドに横たわらせ手足をベッドに括り付けた。目をぎらつかせた彼女は彼の衣類をはがして裸にし、自分も裸になって彼の上に飛び乗った。彼の顔の上に自分の秘部を押し付けたまま、彼女は彼の秘部をくわえ込んだ。彼女は激しく中心に向かって何度も何度も攻撃を仕掛けた。彼は動けないまま快感に身体をくねらせながら、ついに彼女の刺激に耐えられず果てた。

 彼女は激しい快楽で満足している彼の顔にそっとキスをし、そしてすぐに自分のバックの中からナイフを取り出し、彼の胸を突いた。彼は驚きもせず、それが当然の流れであるかのように受け入れ、表情をゆがめることなく息絶えた。彼としては彼女とのしがらみを最後まで貫き通したという、どこか満足そうな死に顔だった。

「これで全てはリセットされたわ」

 その後、二人の死体が重なるように発見されたのは数日後のことだった。

 

                                    おしまい  

 

 

 

 

 

  今回は一周年作について私なりの感想を述べてみたい。最初に拝見した頃とだいぶ本作品に対するイメージが違ってきている。

 

 一周年週の初日H27年12月21日に、初めて新作を拝見。

 内容を簡単に紹介しよう。

 三波春夫のよく透き通る甲高い歌声が流れる。「世界の国からこんにちは」は1970年の大阪万博のテーマソング。

最初に、さゆが和物の衣装で正座して登場。赤と銀で左右に煌びやかに分かれている。扇子をもって歌に合わせて「こんにちは」と客席にお辞儀をして回る。この衣装は、次のお正月公演にもピッタリだ。

次に、半袖で膝丈のコンパニオン・ルックに着替える。青と白のラインがさわやか。銀色のステックを手に持ち、水色の短靴を履いて、軽快に踊る。

懐かしい音楽が次々と流れる。「白い色は恋人の色」や「愛と風のように」。後者は日産のCMソングで、ケンとメリーのスカイラインとして人気を博した曲。

今回の作品では、TVの実況中継が曲の合間に流れるのが特徴。その中で、最初にケンとメリーのスカイラインのCM放送が入った。懐かしくて、思わずニヤッとする。

セパレートな軽装で登場。上がたくさんの糸が垂れている白い衣装で、下は水色のパンタロン。当時の懐かしいファッション。途中からパンタロンを脱いで、下も上と同じ白い衣装へ。

茶色の帽子をかぶりながら踊り、そのままベッドへ。帽子を客席へ投げる。

ベッドではインストルメント(歌のない演奏)が流れる。このメロディがとても心地よく耳に触れる。そして、立ち上がり曲が吉田拓郎の「今日までそして明日から」。アップテンポな曲に変わり、客がみな手拍子を始めた。曲の最後に、客席に預けた帽子を受け取り去っていく。

 

 なかば予想通り、大阪万博の演目だった。

 10月のDX歌舞伎で周年作品について話しているときに、さゆが大阪万博に関するものを考えていることを知った。しかし、私にはさゆの想いやイメージが全く分からなかった。大阪万博って1970年だから、さゆが生まれるずっと前のこと、なのに、なぜ大阪万博なのだろうかと不思議に思ったのを覚えている。その時点では、このテーマで確定していたわけでなく、いまだ模索中の様子だったのでこれ以上突っこまなかった。

 実際、この周年作は今までのさゆの作品イメージとかなり違う。デビュー作を除き、さゆが自分で創り上げてきた作品群には、アイドル系の王道というべきものばかり。二作目の水着ものに始まり、セーラー服もの、ウエディング、そしてクリスマスものと、エロかわ路線をまっしぐらに突き進んできた。これが可愛いさゆのイメージにぴったりヒットして人気がブレイク。六作目にあたる周年作をどうするかが大きな課題でもあった。このままアイドル路線で行くのか、少し新しい分野に挑戦してみるか。後者としてはどんなものがあるか。面白いものでいくか、かっこいいものでいくか、シリアスに感動させるものでいくか、着物でしっとり舞う和物、ダンスで魅了する等々、選択肢はたくさんある。いずれにせよ、頭を悩ますね。

 今回の演目は、面白さを追求したものかなと最初思った。おじさんウケ狙いというか、懐メロのオンパレードだからね。

 もともと、さゆの選曲はおじさんウケするとの定評がある。よく若い踊り子さんが最近のアニソン(アニメソング)を多用してくるが、我々の世代だと全く知らない曲ばかり。その点、さゆの選曲は我々が青春時代に聴いていた曲にぴったしヒットしてきて懐古心をくすぐられる。セーラー服の演目での森昌子のデビュー曲「先生」は最高だと思う。だから、今回の作品はおじさんウケ狙いの延長線かなと感じた。ただその時に思ったのが、ストリップは四十代、五十代のファン層が多い中で、この選曲はいささか古すぎるな!という点。私でさえも、聴いたことがある程度であり、青春真っ只中ドンピシャリではなかった。私より少し上の世代にはドンピシャリだったようだ(笑)。中には、「この選曲は太郎あたりがアドバイスしたものだろう。さもなければ、若いさゆみさんが知っているはずがない。」などと言う人もいた。実際のところ私も記憶がほとんど無い(笑)。

 ラスト曲の吉田拓郎は、井上陽水と並び、フォーソング界の巨匠。この二人は我々の青春にドンピシャリ。ただ「今日までそして明日から」という曲は今では拓郎の代表作として知られるが、拓郎三枚目のシングルとして1971年にリリースされた当時はそれほど売れていなかった(オリコン59位)。ようやくステージで人気が出始め、翌年1972年リリースの名曲「結婚しようよ」で完全ブレイクした。だから、ノスタルジーを掻き立てるのに何故この曲を選んだのかもよく理解できなかった。

 もっといえば、ラス前のインストルメントは懐メロではない。

 これらの懐メロの関連性が今ひとつ理解できなかった。

 

また、今回の作品ではTVの実況中継が曲の合間に流れているという話をしたが、ジャンボ鶴田と天龍が谷津嘉章に勝ったというプロレス中継まではプロレスファンとして微笑ましい懐かしさがあったものの、東京オンピック決定の場面はつい最近のもので、ノスタルジーとは全く次元が違う。なぜ東京オリンピックまで入れたのか理解できなかった。ストリップファンの中には、東京オリンピックはストリップ衰退の元凶だ!と捉えている人もいるくらいだからね。

こうした幾つかの疑問が、この作品の理解を妨げ、すっきりと客に受け入れられない要因になっている。

実際、周年作を一番観ている私や石原軍団メンバーが、この周年作を懐メロのオンパレードとしてしか受け取っていないのが現実である。

 ただ、私の場合、周年作を拝見した翌日に手紙で、演目名にするには「昭和ノスタルジー」がいいんじゃないかという感想を書き、それに対して、さゆからボラコメを頂いたので、今回の作品がクレヨンしんちゃんの映画をモチーフにしているのが分かった。「クレヨンしんちゃんの映画『オトナ帝国の逆襲』をテーマにしました。見たことあるかな?  ちょー面白いから是非見てみてね。」

 その時には、周年イベントの準備で忙しく、落ち着いて周年作の感想レポートに取り組む余裕がなかった。今回、大和に来て、改めて周年作を眺めながら色々感ずるものがあった。さゆからの「太郎さんには童話書いてもらいたいなー☆」という一言で、すぐに周年作の童話化に着手。四日にメモし、翌五日に話の構想を練り、六日目に一旦童話「ノスタルジーの囁き」は出来上がった。この童話を仕上げる過程で、この周年作が昭和ノスタルジーではなく、人への応援歌であることが理解できるようになった。翌日、少し推敲し、応援歌であることを強調するため副題を「生きる勇気」とした。そして、八日目に渡す。

さゆからの感想が嬉しかった。「童話、うれし~。すごく良かったよ。そ~人生がんばろうって応援の演目なの! うれしい~。さすがだね。」「人によってはすごく泣けるねとか言ってもらえてうれしい☆ 泣けるくらい心動かす演目つくれてうれしい。もっと頑張るぞ~。」「周年作は昭和って感じより人生賛歌みたいな。またしっかり練り直して出します。楽しみにしてて。」「オトナ帝国観た? ちょ~感動するシーンがあって絶対泣けると思うよ! 人が死なないのに泣ける映画!」次々と周年作の解説をいただく。これも童話がきっかけになってくれた。

 おそらく、モチーフとなっている映画を観て感動の涙を流した人はすぐに周年作の本題を感じ取り一緒に涙することができるのだろう。いずれにせよ、この映画を観ないことには始まらないと悟った。

 この映画はアニメを超えている。クレヨンしんちゃんという大人を小馬鹿にした主人公のキャラをうまく活かしながらも、まさにキャッチコピーの「未来はオラが守るゾ」というように型破りに未来を手に入れていく。物凄く哲学的な奥深さを持っている。

 私はすぐにドイツの児童作家ミヒャエル・エンデの名作『モモ』の時間泥棒を思い出した。とある街に「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちが現れ人々から時間が盗まれていく。皆の心から余裕が消えていく。しかし、貧しくても友人の話に耳を傾け、その人自身を取り戻させてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険の中で奪われた時間を取り戻すというストーリー。

童話『モモ』が人々から時間を奪うことで人間らしさを失っていくのに対して、『オトナ帝国の逆襲』は、あ~あの頃に帰りたいなぁという大人たちの懐古心をくすぐり、昔のニオイでもって大人たちを子供に戻してしまう。大人たちが仕事や家事等のやる気を無くしたため子供たちが大いに困る。

映画『クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲』は2001年に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズの9作目。ちなみに、この題名は、当時公開されていた映画『スターウォーズ』シリーズの「帝国の逆襲」をもじったものらしい。

あらすじを簡単に紹介する。

かつて大人たちが体験した昔懐かしい暮らしが再現された「20世紀博」というテーマパークが日本各地で開催されていた。ひろしやみさえら大人は、懐かしさに浸って20世紀博を満喫する。帰宅しても、昔懐かしいテレビ番組などに夢中になる。

この20世紀博は、ケンをリーダーとした秘密結社「イエスタディ・ワンスモア」の恐るべき陰謀であった。

ある晩、テレビで20世紀博から「明日、お迎えにあがります」という放送があり、これを観た大人たちは突然人が変わったように眠りにつく。

翌朝、町中の大人たちに異変が起きていた。大人たちは家事や仕事を忘れて遊びほうけ、まるで子供のようになってしまった。そして、お迎えの車が来て、大人たちはそれに乗り込み、子供たちを置き去りにして走り去ってしまう。

野原しんのすけ、風間トオル、桜田ネネ、佐藤マサル、ボーちゃんら子供たちが、各々の両親を取り戻すために20世紀博に乗り込む。

最初は、20世紀の懐かしさに洗脳されていた野原家のひろしとみさえが途中から目が覚める。ひろしの足のニオイで洗脳が解ける。この時の「ひろしの回想」は名場面である。心地よいインストルメントが郷愁を誘い、自然と泣けてくる。

そして、野原家が一丸となって秘密結社「イエスタディ・ワンスモア」に対抗する。

しかし、リーダーであるケンとチャコの夫婦が20世紀博の屋上にあるスイッチを押せば、また子供に戻ってしまうらしい。しかも、どんなことをしても元に戻れないらしい。夫婦がエレベーターを使い屋上に上がる。それをしんのすけが食い止めようと、必死で階段を駆け上がる。途中、何度も転び、顔が傷だらけになりながらも必死で追いかけ続け、スイッチを押すのをなんとか食い止めた。このしんのすけの姿に感動。

 

原恵一監督は「まず大阪万博ありきだった」との趣旨の発言をしている。当時の新しい未来像の象徴でもある大阪万博を異様なまでにモチーフとし、「未来に希望が無いなら一度やり直そう」というケン&チャコと、「これから自分たちが新しい未来を切り開く」という野原家の決意がメインテーマになった見事な作品である。

この映画を観ることで、初めて周年作におけるさゆの想いが理解でき、周年作がこのモチーフを見事に表現していることが分かる。人間賛歌というべき素晴らしいテーマをもっていながら、これが昭和ノスタルジーくらいにしか捉えてもらえないのがすごく残念。

この周年作には解説が要る。少なくとも演目名を「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」と明記すべきだろう。そして作品に関心のある人にはボラコメにて是非映画を観るように勧めたらいいと思うよ。

 

 

平成28年1月10日                     大和ミュージックにて

 

 

 

 

 

 

 

『ノスタルジーの囁き』 副題:生きる勇気

                    ~石原さゆみさんの一周年作を記念して~

 

 

 私はダメな男だ。事業に失敗し、会社も家庭もいっぺんに失った。信用していた部下の裏切りに遭い、会社はにっちもさっちもいかなくなった。人間不信に陥ってしまい、もう生きていてもしょうがないと思えるほどの精神状態になる。

 駅裏の路地をうつむき加減でとぼとぼ歩いていたら、ふと、ストリップ劇場の看板が見え、ふらりと中に入った。

 

 一人の若い踊り子のステージが始まったばかり。笑顔がとてもかわいかった。しかし、私は今更若い娘のヌードにどきどきするような気分になれなかった。

 ふと、耳に懐かしい歌声が入ってきた。なんと、三波春夫の「世界の国からこんにちは」。これは1970年の大阪万博のテーマソングじゃないか。なんで、こんな若い女の子がこれだけ古い曲を使っているのか不思議だった。

 それだけではく、「白い色は恋人の色」や「愛と風のように」と懐メロがどんどん続いた。後者は日産のCMソングで、ケンとメリーのスカイラインとして人気を博した曲だ。男の子として車に興味を持ち始めた頃だったので懐かしくてたまらない。

 彼女の選曲が私の心の中にノスタルジーの嵐を激しく巻き起こす。

 彼女のステージは後半のベッドショーに入いる。きれいなパイパンが見えた。若さに輝いていて眩しいほど。思わず私は見とれていた。すると、ヴァギナがかすかに開いて私は中に吸い込まれた。

 

 どれくらいの時間が経ったのかわからない。ものすごく短いかもしれないし、すごく長かったのかもしれない。そんなことはどうでもよかった。

 ふと気付いたら、そこに1970年の自分がいた。私は空中に浮かんでいるように、時空の隙間から昔の自分のことを眺めた。

 瞳をきらきら輝かせた少年。まだ眼鏡をかけてない。そう、当時の私は小学五年生。

 当時、世の中は科学技術が大きく進歩した時代で、アポロ計画で人間が月の上に一歩を刻んだ。持ち帰った月の石が大阪万博のアメリカのパビリオンに展示されていた。私は宇宙や科学に心をときめかしていた。大阪万博はその象徴。私は当時、小学校の図書館で大阪万博の写真図鑑を何度も何度も借り換えして、他の人に回さないほどにずっと一人で借り続けた記憶がある。

 図書館と言えば、当時は江戸川乱歩の少年探偵団シリーズに夢中だったなぁ。名探偵/明智小五郎と小林少年率いる少年探偵団が怪人二十面相と争うシーンに胸を高鳴らせた。その後、当然ながら次はシャーロック・ホームズや怪盗ルパンにもはまっていく。将来何になりたいかと聞かれたときは、探偵があこがれの職業でもあったなぁ~。

 66歳で亡くなった父親を思い出す。プロレスが大好きで、ふだんは仕事で遅いのに、プロレスがTV放映される日に限って早く帰ってきてたなぁ~。晩酌している父親と一緒にプロレス観戦しているのは楽しかった。

 近くにTVが置いてある。大阪万博のにぎわう模様が映し出された。水色の制服を着たコンパニオンがいる。あっ!ステージの上にいた踊り子と同一人物だ。

 なにもかにもが懐かしく思い出される。あの頃のきらきら輝いている瞳にすべての原点があるよな~。死にたいなんて考えるのは止そう。生きよう。そうして、もう一度、一からやり直してみよう!そんな気分になれた。

 

 ふと気付くと、私は盆周りのかぶり席に座っていた。

 その踊り子のベッドショーが続いていた。

 スローバラードから、吉田拓郎の「今日までそして明日から」というアップテンポな曲に変わり、客がみな手拍子を始めた。

 

 私は今日まで生きてみました

 時には誰かに裏切られて

 時には誰かと手を取り合って

 私は今日まで生きてみました

 そして今 私は思っています

 明日からもこうして生きていくだろうと♪

 

 やけに歌詞が心に響く。この歌は私への応援歌のように思えてならなかった。

 彼女は私に向かって、やさしい笑顔で手を振りながら、舞台から消えていった。

 彼女は私の心の傷を癒してくれたストリップの白衣の天使だった。

 

                                    おしまい     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、渋谷道劇の踊り子・飯島しきさんの、新作「おやゆび姫」について報告します。

 

 

 

 飯島しきさんの新作「おやゆび姫」が素晴らしい。

 童話を素材とした演目としてはトップクラスの作品である。ストーリーに沿って、丁寧に、そして精緻に仕上げている。すーっと作品に吸い込まれていき、まるでディズニーランドのアトラクションにのったときのようなファンタジックなひとときを味わえた。

 小道具もかなり凝っている。睡蓮の葉が水に流される場面も良かったし、おやゆび姫がツバメにのって盆前に来たときはユニークで笑ってしまったよ。こういう発想は昨年の子供遊戯具のキックスケーターでもあったね。

昨年の二周年前に、映画“Life of Pi”をモチーフに演目「Life of OPPAI」を観たときに感激してレポートさせてもらったのを思い出す。このときにキックスケーターを使っていたね。

 そして、先月12月21日に三周年を迎え、しきさんが脂がのってきたなぁと改めて感ずる。渋谷道劇を代表する踊り子に成長してきた。

 

 しきさんには作品に対する真摯な創作姿勢を強く感ずる。

 今回の童話「おやゆび姫」の作品を観ながら、私は25年ほど前になるが、渋谷道劇の元社長である清水ひとみさんの「劇団かぐや姫」を思い出していた。清水さんはOLから転身してストリッパーになり「元祖オナニークイーン」として人気を博した。私は当時ストリップ通いをしていなかったが評判だった清水さんのステージは何度か拝見した。清水さんは1999年に渋谷道劇が復活したときは社長として経営を担った。そのころは「ストリップ・ミュージカル」という内容でポラはなかった。

 しきさんの「おやゆび姫」を観て、これは渋谷道劇の伝統だなとしみじみ感慨深い。

 

 しきさんの今後の活躍が楽しみである。

 

 

平成26年12月                           渋谷道劇にて

 

 

 

 

 

渋谷道劇の踊り子、飯島しきさんについて「自分を知ること ~トラとインディアン娘~」と題したレポートを報告する。

 

 

 

 ステージにインディアン娘が登場。しきさんの雰囲気はインディアン娘にピッタリ。たとえばディズニーのお姫様にも様々なタイプがあるが、しきさんは自身のもつ外見の雰囲気から云えば、アラジンのジャスミン姫かポカホンタスが似合うタイプと思っていた。色白ではないので普通のお姫様タイプよりは絶対こちらが似合うはず。そのバリエーションとしてインディアン衣装は成功していた。

 ステージというのは、出し物を重ねながら、自分を知る作業を繰り返す。ステージでは今の自分を表現することはできるが、今の自分以上のものを演じようとすれば無理が生じる。だからステージは演じる場ではなく、自己表現の場なのだ。自分を高める努力は大切だが、なによりも今の自分を知ることが第一段階。インディアン娘はそのひとつの成功裡となっていた。服装や衣装というのは自分の個性にはまると美しさが引き立つ。そして、美は感動を呼ぶ!

その瞬間に、私の童心が騒ぎだした。童話の主人公としてイメージが膨らみ始めた。

 

 今回の出し物は、映画“Life of Pi”をモチーフに使っている。最近、私は映画を観ないのでこの映画を知らず申し訳ないが、インターネットで調べたら、この映画は今年(第85回)のアカデミー賞受賞作品(監督賞始め最多4部門で受賞)でとてもホットなものと分かった。副題が「トラと漂流した227日」とあるごとく、とてもショッキングなストーリー展開になっている。予告編だけ観ても、その映像美の素晴らしさが伝わってくる。

 しきさんは、トラが大好きと言う。だから、映画のストーリーにはこだわらずに、トラだけを今回の演目にとりいれた。二曲目に、子供遊戯具のキックスケーターの先にトラの大きな顔を取り付けて、軽快にステージの上を走り回る。猛獣であるトラというのは怖い顔であるのだが、改めて見ると凄く美しい。映画でもトラの顔がアップで映し出されるが、トラはなんて美しいんだろう!と溜め息がもれる。またしも、美は感動を呼ぶ!

 三曲目は、赤く薄い布をセクシーに頭からかぶり、静かにベッドへ。イスラムの女性たちが頭髪を被うようにかぶるヘジャブがイメージされる。盆の上にしかれたトラの敷物に寝そべる。敷物にはトラの頭部が付いていて、彼女は愛おしそうに戯れる。

 

 いい作品に出逢った。初めて拝見してすぐに感想を手書きして渡した。「感想ありがとうございます。太郎さん、すぐに感想言ってくれるからめちゃ嬉しいです。」

そして私は「トラとインディアン娘」と題して、童話の構想を練り始めた。初日に題名を含め童話をプレゼントすると約束した。有言実行しようと自分にプレッシャーをかけた。「めちゃんこ嬉しいです!! 大好きなトラの童話なんて。」

 しきさんは喜んでくれ、今回の作品のことを手紙で詳しく教えてくれた。「映画“Life of Pi”で、曲はコールドプレイのさんの‘パラダイス’と二曲目は不明。立ち上がりは‘Piのララバイ’。べッド曲は全てサントラです。二曲目以外は全て映画の曲よ。」「この演目はお客様のブログでの打ち間違えから生まれたんです。ブログでしきがトラ大好きって写メと映画の名を入れた「Life of Pi」のことを「ライフ オブ オッパイ」って打った方がいて、せっかくなので使わせて頂いたのです。名はギャグだけど、トラへの愛は本物よん」

 ある童話ファンの踊り子さんが、私の童話を「絵になる童話」だと評してくれたことがあった。今回のMY童話「トラとインディアン娘」は、インディアン衣装とトラの顔という二つの美が感動を呼び、色彩豊かな童話に仕上げることができた。とても満足している。

 

 私自身、今回の童話は丁寧に仕上げたいと思った。だから次の土日に時間をかけて練り上げようと考えていた。しきさんにも少し時間を頂戴ねと伝えてあった。その週の土日に仕上げられなかったら、次の大阪晃生まで持参するよ!と話していたほど。

 しかし、その週はずっと構想を考えていたので、一週間かけた次の土曜日に一応仕上がった。出来上がったら、すぐに見せたくなる。土曜日に「できたよ。まずは読んでみて!」と渡したら、「あらっ! 予定より早かったのね」と言って受けとってくれた。次の回のポラ時、満面の笑顔が返ってきた。そして本レポート冒頭のポラ・コメントが記されていた。

 大好きな踊り子さんとステージを通して感動を共にする!そして共同作業のごとく童話ができあがる。これこそストリップにおける最大の醍醐味だ。

 童話をしきさんにプレゼントできた喜びとともに、私にこの童話をプレゼントしてくれたしきさんに心から感謝する。

 

平成25年9月                           渋谷道劇にて

 

 

 

 

 

                               H25.9

『トラとインディアン娘』 

~飯島しきさん(道劇所属)の新作「Life of OPPAI」を記念して~

 

 

  森の中に小さな湖がありました。

 透き通った清い水をたたえ、月夜に照らされた湖面はきらきらと輝いていました。

 ひっそりと静まりかえった中、一人のインディアン娘が湖で水浴びをしていました。つぶらな瞳、日に焼けた小麦色の素肌、長い黒髪、張りのあるバスト、小股の切れ上がったヒップ、そしてカモシカのようにすらりと長い脚。まるでビーナスの美しさ。彼女のヌードは月影に映え、静かな水浴びの音は森から流れる木々の葉擦れの風音と共に心地よい旋律を奏でていました。

 

 彼女は、ふと気配に気づき、対岸に目を移しました。

 一匹の大きなトラが彼女のことをじーっと見つめています。彼女は一瞬、恐怖で湖水の中に身体を縮めました。小さな湖なので、トラに襲われたらひとたまりもありません。

 彼女は恐る恐るトラの目を見ました。不思議なことに、怖い気配は感じず、むしろトラの瞳には優しさが宿っていました。動物好きの彼女は、まるで猫に接するごとく、おいで!おいで!と手招きをしました。

 すると、トラは優しい眼差しを湛えたまま、静かに森の中に去って行きました。

 

 彼女は、あのときのトラの優しい眼差しが忘れられませんでした。

 そして、なぜか、いつでも自分は、あの優しい眼差しに護られているような気分になりました。トラのことを思い出すたびに心が安らぎました。

 

 インディアン娘には病気の母親がいました。

 生活費と薬代を稼ぐために、彼女は都会に出てヌード・ダンサーになろうと決心しました。プロポーションには自信があったし、多少の踊りもできました。

 彼女は懐かしい森に別れを告げるために、あの湖に向かいました。

 事件はそのときに起こりました。

 巨大なグリズリー(ハイイログマ)が彼女の前に現れたのです。彼女の背丈の何倍もあります。グリズリーは彼女に襲いかかろうとしました。そのとき一匹のトラが森の茂みから現れ、グリズリーに飛びかかりました。グリズリーは驚き、手でトラを払いのけました。そしてトラに向かって大きな声で威嚇しました。グリズリーの身体の大きさはトラをはるかに凌いでいました。しかし、トラも怯まずに、牙を剥き出しにして吠えました。

 グリズリーは巨体でトラを圧倒しようとしました。トラはグリズリーの脇腹に飛びかかり噛みつきました。グリズリーは大きな腕の爪でトラに反撃しました。死闘が続きました。

 最後は、トラの気迫に押され、グリズリーが森の中に逃げていきました。

 グリズリーが見えなくなったことを確認した途端、トラは倒れ込みました。グリズリーの爪で致命傷を負っていました。トラは命をかけてインディアン娘を護ろうとしていたのです。

 倒れたトラに、インディアン娘が駆け寄り、抱きつきました。

「ありがとう。私のために本当にありがとう。」彼女は死にかけているトラにしがみついて泣きました。

 トラは以前のように優しい眼差しで彼女を見つめ、そして静かに息を閉じました。

 インディアン娘はトラの強い愛を感じました。これまでも、いつも自分のことを護ってくれていたことを確信しました。

 

 インディアン娘は、ストリッパーになって、今ステージの上にいます。

 華麗なインディアン衣装を纏い、トラとの思い出を演じています。

 ベッドショ―では、トラの頭部がついた大きな毛皮を盆のうえに敷きます。彼女はトラの毛皮のうえに寝そべり、愛おしそうに毛皮を撫でる。指先をトラの頭部にはわせ、自分の方に顔を向けさせ、トラの顔をじっと見つめます。トラは生きているかのように優しい眼差しを湛えています。心の窓である目を通じて、二つの魂が重なり合いました。

「初めて湖で出会ったときに、あなたの素敵なヌードに憧れました。この世にこんなに美しいものがあることを初めて知りました。あれから、ずっとあなたのことを想っていました。」トラの目はそう語りました。

「ありがとう。わたしは動物にも心があることを知っていたので、あなたの気持ちはしっかり通じていましたよ。あなたのお陰でずっと安心して暮らしてこれました。本当にありがとうね。」と言って、トラの顔にキスをしました。

 インディアン娘は、トラの優しさに包まれながら、素晴らしいステージショ―を披露していました。

 

                                    おしまい  

 

 

 

 

 

今回は、H30年1月頭の大阪晃生ショー劇場における、寿恋花さん(晃生所属)のお正月公演模様を、演目「本能寺の変」を題材に語りたい。

 

 

 

早速、寿恋花さんの演目「本能寺の変」の内容を紹介しよう。

 今回の演目は映画『信長協奏曲』(のぶながコンツェルト)をテーマにしている。「大好きな映画です。インストは信長協奏曲という映画のサントラだよ。」

 最初に、インスト曲が流れる。

 恋花さんが華やかの中にも凛々しさのある着物姿で登場。長い袖。赤を基色にし銀の花柄が描かれる。黒い帯には金の斑模様。帯の裏地は緑で、緑のリボンがワンポイントで帯に付いている。

 髪は黒と赤の花飾り。黒い首輪には銀のキラキラが付いている。

柴咲コウの曲「漆黒、十五夜」に合わせて華麗に舞う。

3曲目のインストになり、黒い帯を取ると赤い帯、それも取る。内掛けを脱ぐ。

下には赤い襦袢。丈が膝上の短い型でとても斬新。しかもコルセット状の黒い帯。足元は膝上丈の黒いロングブーツ。

金銀の扇子を持ってカッコよく踊る。

次に、松田聖子の「薔薇のように咲いて 桜のように散って」

 ここで衣装を着替える。先ほどの打掛け、赤襦袢を羽織って盆に移動。

 アクセサリーを目で追う。最初にあった黒い首輪に銀キラキラ。純金の鎖のイヤリング、薬指に宝石が輝くマニキュア。

 立上り曲はインストで締める。

 

 新春早々、恋花さんのカッコよさ、華やかさが詰まった演目を拝見。彼女の今年にかける意気込みを感じた。

 

平成30年1月9日                       大阪晃生ショーにて

 

【参考】

■『信長協奏曲』(のぶながコンツェルト)は、石井あゆみによる日本の漫画。『ゲッサン』(小学館)創刊号(2009年)から連載中。第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」、7位。

 

2014年からはフジテレビ開局55周年プロジェクトとしてテレビアニメ・実写テレビドラマ・実写映画の3媒体を同時企画・随時展開する。

2014年7月よりテレビアニメが放送された。

2014年10月期より実写テレビドラマ化された。

2016年に、テレビドラマ版と同一キャスト・スタッフで実写映画公開。

 

<ストーリー>

勉強が苦手な高校生のサブローは、ひょんなことから戦国時代、天文18年(1549年)にタイムスリップしてしまい、そこで出会った本物の織田信長に、瓜二つの容貌をしていたことから、病弱な自分の代わりに信長として生きてくれと頼まれ、信長として生きていくこととなる。

当初は、周囲から困惑され裏切りや暗殺されかかるも、偶然が重なり飄々と切り抜ける。そうしたことから家中や領民に支持され、家臣の平手政秀の死をきっかけに本気で天下統一を志す。室町幕府第13代将軍の足利義輝との謁見をはじめ、尾張、美濃を制覇し京に上洛後、敵対した足利将軍家・朝倉家・浅井家・武田家など隣国大名を打ち破っていく一方、楽市楽座・産業振興・兵農分離などを推し進め、領地経営も成功し、安土城を築城して、史実の通りに天下人へ駆け上がっていく。

 

<映画>

上記テレビドラマ版と同一プロジェクトにて2016年1月23日に公開された[23]。主演の小栗ほか、主要キャストは実写ドラマ版と同じ役者たちが演じた。ストーリー面ではドラマ版の直接的な続編として「本能寺」に至るサブロー(信長)の物語に一つの区切りを付ける「最終章」となる。