ロックの踊り子・南まゆさんについて、2019年6月結の大阪東洋ショー劇場の模様を、三周年作「おとひめ」を題材に、「ストリップの浦島太郎になれれば本望だ」という題名で語ります。

 

 

2019年6月結の大阪東洋ショー劇場に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①青山ゆい(東洋)、②西園寺瞳(ロック)、③桜庭うれあ(ロック)、④伊東紅蘭(ロック)、⑤南まゆ(ロック) 〔敬称略〕。今週は伊東紅蘭さんのデビュー。

 

南まゆさんとは前回2月中の東洋から約四カ月ぶりの再会になる。最近はこのペースで東洋に出演してくれている。

今回の出し物は、1回目はミュージカル映画の名曲‘Singin' in the Rain’を着物姿で踊るという斬新な作品「amekoi」、2,3回目は三周年作「おとひめ」、4回目は松田聖子メドレーのアイドル作品「サマドル」の三個出し。まゆさんの作品は全部観たいので嬉しい三個出し。まだ観てない作品はいくつあるのかなぁ~気になるところ。

 

三周年作「おとひめ」は3月頭の川崎ロックで初披露された。

今回は、この三周年作「おとひめ」を詳しく紹介したい。

衣装、構成、選曲、振付、どれをとっても流石周年作だと思わせられる。どの先生が作ったのか興味が湧きました。「選曲は自分で、振付は二曲目のダンスまで雅麗華先生に付けてもらってます」。選曲も奥が深いので後ほど別途参考としてまとめて話させてもらいます。

まずは、ステージ内容です。次の通り。

冒頭「ひとつお願いがあります。この玉手箱は絶対に開けてはいけません。きっとですよ。」という台詞が流れる。この瞬間に浦島太郎の話だと分かる。

豪華絢爛な水色の衣装で海の化身・乙姫が現れる。

なにより頭の飾りが素晴らしい。二つの黒い丸を左右に置き、周りをサンゴ礁のような玉串を渦巻き状に飾り立てる。その上に、水色と黄緑の波状の葉がたくさん立てられる。こんな豪華な髪飾りを見たことがない。

  水色の衣装は、長い振袖の付いた着物。襟元、長い袖部、帯、足の裾が青い。足元は銀のハイヒールを履く。

 音楽に合わせて、乙姫はまさに鯛や平目の舞い踊り。

 一曲目は、遊佐未森の「海」。独特の緩やかなビブラートと強弱のウェーブの歌声がいい。

歌詞も演目に合い味わい深い。♪「渚は珊瑚の砂浜寄せて返す 遥かな調べ誰もいない朝の海潮の香り 風に吹かれて いつでも ここにおいで私の腕の中へ 海から届いた言葉は胸に沁みて 涙がひとつ・・・」

 ここで暗転、音楽が変わり、着替える。

 次は上下セパレートの軽装になる。銀色のブラに、スカート部は茶色の鳥がプリントされた縦布を腰に巻き付けているので素足がちらちら見える。頭の飾りはそのまま。

 羽扇子を二つ持って、音楽に合わせて軽快に踊る。

 なんと二曲目は、ジャズの名曲中の名曲「It Don't Mean A Thing」を女性三人組The Pink Champagne Sistersが歌う。スイングジャズの特徴的な掛け声「Doo wah」を何度も繰り返すリズムである。最高に「のり」がいい。ここで、この曲を持ってくるのは選曲の妙だ!すごいよ!!!

  また、暗転、音楽が変わり、着替える。

 水色の花とたくさんの銀の葉の刺繍されてある豪華な白い襦袢姿になる。頭の飾りはそのまま。

 ここで、赤い紐で結んである黒い玉手箱を取り出して、浦島太郎に渡す場面がある。いよいよ乙姫と浦島太郎の別れとなる。

 三曲目は、CHARAの「タイムマシーン」。CHARAの切ない歌声が別れの辛さを歌い上げる。この歌詞が意味深。♪「なんてひどい夢だったのかしら 『変わらない愛だ』なんてさ うまいなぁ、ひどい、ひどい人だ今以上 人をキライにさせないで下さい 恋人はもうこない 時代はもどらないよね タイムマシーンは来ない・・・」

 そのまま盆に移動。

 近くに来たので、改めて衣装とアクセサリーを拝見。純金のイヤリングが長く垂れる。白い首輪。右手首にガラスのブレスレットが二本。右手中指に純金のリング。左手人差し指に純金のリング。手のマニキュアがピンクに煌く。とてもおしゃれだ。

 そしてベッド曲は、元ちとせの「ワダツミの木」。これまた本演目にぴったりの選曲である。奄美大島出身の元ちとせさんの、島唄特有のこぶしや裏声をうまく使った「グイン」という歌唱方法が、南国の海を彷彿させる。そして歌詞の切ない想いが、元ちとせさんの歌声から伝わってくる。

 ここで一旦歌が終わり、舞台に戻り、暗転する。

 スポットライトが舞台の上の玉手箱を照らす。玉手箱には白い煙が立ち込める。そこで幕が下りる。おそらく、浦島太郎が乙姫との約束を破って玉手箱を開けてしまったのだろう。

 以上のようなステージ内容である。

 

 以下に、演目「おとひめ」を観た契機に、童話「浦島太郎」を自分なりに考察してみました。

まず、あの玉手箱には何が入っていたのか?

あの玉手箱には、浦島太郎の時間が入っていました。浦島太郎は地上にいるときに比べて遥かに多くの時間を竜宮で過ごします。童話では三日間とされていますが実際は300年経っていました。その時間はなくなったわけではなく玉手箱に貯まっていきました。その玉手箱を開けてしまうとそれまで貯まった時間が一辺に浦島太郎に戻ってしまいます。だからたちどころに白髪になって死んでしまうのです。

太郎としてはそんな厄介なものをもらいたくないですよね。しかし、その時間(玉手箱)は元々浦島太郎のものなので乙姫は浦島太郎に返さなければならなかったのです。

 

次に、玉手箱を渡す乙姫の気持ちを考えてみましょう。

乙姫はその三日間で浦島太郎に恋をしました。このままずっと一緒にいたいと思いました。そのことを太郎にも告げました。それなのに、太郎は残してきた母親のことを案じ、地上に帰ることを選択します。太郎は絶世の美女である乙姫の求愛を断ったわけです。故郷に帰ったら、太郎は他の女性と結婚することにもなるでしょう。自分との縁はそこで絶たれます。乙姫はそれが許せなかったのでしょう。

乙姫は三日の間に太郎の性格をつかみます。心の優しい人であることは分かりました。乙姫も太郎のそこに惚れました。しかし、楽しいことについつい心を許してしまう軟弱なところがあることも見抜いていました。

だから「絶対に開けてはいけません」と釘を刺しましたが、そう言われれば開けてしまう太郎の心理を知っていました。童話『鶴の恩返し』で「絶対に奥の部屋を覗いてはいけません」と言われても覗いてしまった男と同じですね。また、せっかく戻った故郷に母親はおらず、全く別の土地となり知人もいなくなった太郎は途方に暮れ、寂しくてたまらなくなるでしょう。思わず、玉手箱を開けてしまうのもいたしかたありませんね。

乙姫は事の結末を知っていました。太郎が玉手箱を開けて白髪になり死んでいくことで、永遠に太郎を自分だけのものにできたのです。浦島太郎は乙姫の乙女心を弄(もてあそ)んだ罰として死の裁きを受けたことになるのです。

あの玉手箱は、開けずにいたら、竜宮城に戻ることのできるタイムマシーンでした。でも、太郎はそれを自ら放棄してしまったのです。

 

「浦島太郎」は、楽しい時間と引き換えに大切なものを失いました。しかし、それが彼の業なのでしょう。運命として受け入れるしかありませんね。いや、のほほんと人生を過ごすより、三日間だけでも最高に楽しい時間を過ごせれば本望じゃないでしょうか。

私もストリップを観るために大切な何かを失うのだ(既に失っている)と思います。でも、それでいいんです。まゆさんの笑顔、まゆさんのキレイな裸体を見れれば、いつ死んでもいいと思ってます。大好きな踊り子さんとほんのひとときが過ごせれば命さえ惜しくない。ストリップの浦島太郎になりたい。そう思ってストリップを楽しんでいます。

 

 

 最後に、いつもの癖で、ストリップ風(?)に「浦島太郎」をアレンジした童話を考えてみました。まゆさんにプレゼントさせて頂きます。笑って読んで下さい。

 

 

2019年6月                            大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

エロ童話『浦島太郎の玉手箱』 

~南まゆさん(ロック所属)の三周年作「おとひめ」を記念して~

 

 

 ご存知、浦島太郎のお話です。

 浦島太郎は助けたカメに連れられて竜宮城に行きました。

 竜宮城にはそれはそれは美しい乙姫様がいました。太郎は一目惚れ。こういう女性(ひと)を絶世の美女というんだろうなと心底思いました。

 太郎は、亀を助けた御礼として酒宴を催してもらいました。たくさんの海の幸とお酒を振る舞われ、そしてタイやヒラメの舞い踊り。その酒宴は三日三晩も続きました。その間、乙姫様はいつも浦島太郎の側に寄り添ってお酌の相手をしてくれました。太郎にはまさしく夢のようなひとときでした。

 三日後、太郎は乙姫様に言いました。「ついついご厚意に甘えて、たいへん長居をしてしまいました。家では年老いた母親が心配していると思います。そろそろ御暇乞(おいとまご)いさせて頂きます。」

 乙姫様は太郎のことを気に入り、太郎の手をとり、太郎の目を見詰めながら「貴方さえ宜しければ、このままずっと竜宮城で暮らして頂きたいと思っていました。でも、貴方様のご事情もありますでしょうから致し方ありません。でも、また是非戻ってきてほしいです。私に会いたいと思いましたら、いつでもいらして下さいね。」と声をかけてくれました。

 太郎はとても喜びました。

 乙姫様は太郎の反応を見て大層喜びました。そして、「私のことを思い出しましたら、この玉手箱を開けて下さいね。」と言って、小さな箱をお土産に持たせてくれました。

 

 太郎は、また助けた亀に連れられて元の漁村に戻っていきました。

 元の生活は味気なく退屈なものでした。太郎はすぐに竜宮城の乙姫様のことを懐かしく思い出しました。そして、お土産に頂いた玉手箱を開けました。

 すると、中には乙姫様の使用済みの下着が入っていました。太郎は驚きました。手にとって広げると微かに沁みの痕跡があります。思わず、その下着を鼻孔に押し当て匂いを嗅ぎました。強烈な匂いに頭がくらりとしました。これがあの大好きな乙姫様の匂いです。そう思うと太郎は卒倒しそうになりました。太郎は股間に手を伸ばし激しくオナニーを始めました。美しく優しい乙姫様の笑顔が目に浮かんできます。太郎は夢の中を彷徨いながら果てました。

この世にこれほどの快感があるだろうか。大好きな乙姫様の匂いに包まれてのオナニーは最高でした。

 太郎は仕事もせず、飽きずにせっせせっせとオナニーに耽りました。

 いつの間にか、太郎は痩せ細り、頭は白髪頭になり、まるで老人のようになりました。太郎は「あぁ~こんな姿になってしまったからには、もう乙姫様に合わせる顔がないなぁ」と悲観にくれました。

 

 一方、亀の話をします。

 助けた亀はそのご恩返しとして浦島太郎を竜宮城に連れていきましたね。

 ところが、太郎が乙姫様といちゃいちゃしていた三日間、ずっとほったらかしの状態でした。さすがの亀も堪忍袋の緒が切れそうになりました。

 そのため、村に帰るまでの面倒はみましたが、それ以降は太郎の前に現れませんでした。

 太郎は、海に向かって「亀さんよー、戻ってきておくれよー」と何度も叫ぶのでした。

 

 太郎は、乙姫様に会えない憂さを晴らすために、ますますオナニーに励みました。

 あまりにも、匂いを嗅ぎ過ぎたのか、下着の匂いはどんどん薄れていきました。

 薄れていく匂いの中で、太郎は静かに息を引き取りました。眠るように死んでいった太郎の顔には笑みが浮かんでいました。まさしく大往生。めでたしめでたし

 

                                    おしまい

 

 

【付録】南まゆさんからのお返事

(ポラ) 「レポートありがとうございます。童話も面白かったです(笑) ストリップ劇場って少し竜宮城っぽいですよね。」

 

(手紙) 「Amekoi」と「サマドル」も曲名描きますね。リスト作っておきます。

●「Amekoi」雨の日に恋をしたり、雨の日に出会ったり、ロマンティックな演目ができました。幸せな気持ちになってもらえたら嬉しいです・・・

 

1曲目、Singin in the Rain    Gene Kelly

2曲目、Can’t Take My Eyes off You君の瞳に恋してる 歌手不明(カバー)

3曲目、Heaven    Do (←You Tubeでしか出てきません)

4曲目、How Long Will I Love You   /Sam Sweeney & Ben Coleman Jon Boden

                 映画アバウトタイムより

OP おどるポンポコリン E-girls

 

●「サマドル」翼裕香お姐さんから引き継ぎました。裕香姐さんはすみっコぐらしが好きです

1曲目 夏の扉

2曲目 白いパラソル

3曲目 パイナップル・アイランド

4曲目 小麦色のマーメイド

5曲目 青い珊瑚礁

 

 

 

【補足】

 選曲について、私なりに調べたので、少し補足させて頂きたい。

 

 一曲目の遊佐未森の「海」について。

 私は遊佐未森さんを初めて知った。ネットで調べたら、次のようなプロフィールが紹介されてあった。

遊佐 未森(ゆさ みもり、1964年2月20日 – 現在55歳)は、宮城県生まれの女性シンガー・ソングライター。88年にシングル「瞳水晶」でデビューし、翌年発表のシングル「地図をください」が日清"カップヌードル"のCM曲に起用され一躍人気を博す。その後も"聴いて幸せになれる音楽"をテーマに、透明感あふれる歌声でアイリッシュ・ポップスなどをベースに癒し系の楽曲を展開。また、海外アーティストとの共演も多い。デビュー25周年を迎えた2013年に、キャリア集大成となる2枚組ベスト『VIOLETTA THE BEST OF 25 YEARS』をリリース。

 仙台出身と聞いて興味をもった。私も大学と単身赴任で仙台に通算9年住んでいたので、仙台は私の第二の故郷である。彼女の経歴を眺めた。年齢も私と近い。「2012年、東日本大震災チャリティーである『花は咲く』プロジェクトに参加。」「2005年より、さとう宗幸、稲垣潤一、中村雅俊、かの香織、山寺宏一、小川もこら、宮城県出身のアーティストと共に‘みやぎびっきの会’を結成し、年1回ほど宮城県で合同のコンサートを行っている。」私が仙台に住んでいた頃に興味を引かれた歌手がずらりと並んでいる。なのに、遊佐未森さんのように素晴らしい歌手を知らなかったなんて恥ずかしくなった。また彼女を輩出した音楽の都・仙台を誇りに思った。遊佐未森さんのことを教えてくれた南まゆさんに感謝したい。

 

 次に、二曲目の「It Don't Mean A Thing」。作詞:Duke Ellington 作曲:Irving Mills。

ジャズ界の最重要人物の一人、デューク・エリントンの代表作と言うだけでなく、ジャズそのものの永遠のテーマソングと言っても良い曲。1932年ころの歌。エッセンスが見事に詰まったこの曲はそれ故に多くの演奏者に好まれ、ステージを盛り上げる為の特効薬としても、採り上げられてきました。

エドワード・ケネディ・デューク・エリントン(Edward Kennedy "Duke" Ellington、1899年4月29日 - 1974年5月24日)は、アメリカ合衆国 ワシントンD.C.出身のジャズの作曲家、ピアノ奏者、オーケストラリーダー。20世紀最大のジャズ・ポピュラー界の音楽家と言われている。映画『或る殺人』の音楽でグラミー賞3部門を獲得したほか、合計9回グラミー賞を獲得している。

この曲では"Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing!" つまり、スウィングしなけりゃ意味がない!と唄っています。

スイング・ジャズとは1930年代が全盛で1950年代の始め頃まで人気の有ったSwing music(スイング・ミュージック)又はBig Band jazz(ビッグバンド・ジャズ)と呼ばれる主にダンスホールで演奏されたノリノリの独特なジャズの演奏スタイルのことです。

村上春樹が書いた「意味がなければスイングはない」という本がある。また、少し前にヒットした矢口史靖監督の「スウィングガールズ」(フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ 04年)のラスト近くにこんな決め台詞がありました。「全ての人間は2種類に分けられる。スウィングする者としない者だ」ジャズファンは皆頷いたことでしょう。スイングとはそれ程ジャズにとって欠かせない大事なものです。

 

 次に、三曲目のCHARAの「タイムマシーン」。作詞:CHARA. 作曲:名越由貴夫

Charaデビューから22年。通算17 枚のオリジナルアルバム(約200 曲)から厳選された12 曲のニューアルバム「JEWEL」収録。2013年11月13日発売。

CHARA(ちゃら、1968年1月13日 - 現在51歳)は、日本のミュージシャン、女優、音楽プロデューサー。本名非公開。 埼玉県川口市出身。ユニバーサルミュージック所属。血液型はAB型。1996年、岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』に主演。劇中に登場するバンド「YEN TOWN BAND」名義でのシングル「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」は初のオリコンシングルチャート1位を獲得。また、同作で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。1997年、アルバム『Junior Sweet』がオリコン初登場1位を獲得し、ミリオンセラーを記録。

私生活では、1994年の春、岩井俊二監督の映画『PiCNiC』で共演した俳優の浅野忠信と出会い、交際を始め、結婚。一男一女を持つ。2009年、14年余りの結婚生活にピリオドを打った。

 この「タイムマシーン」のMVには浅野忠信も登場する。二人が別れてしまったからこそ余計に胸にしみます。あんなにお似合いの2人だったのに・・・

人の気持ちと気持ちが離れていく…あんなに好きだったのになんで、あの頃と同じように想わせてくれないのだろう…時代の流れは色あせるように心まで薄れていく。最後には形まで消えていく虚しさだけを残して。

 

 四曲目の、元ちとせの「ワダツミの木」。元ちとせの1枚目のシングル。2002年2月6日発売。作詞・作曲・編曲:上田現

元 ちとせ(はじめ ちとせ、1979年1月5日 - 現在40歳)は、日本の歌手、奄美民謡歌手(唄者)。旧姓の本名同じ。 鹿児島県大島郡瀬戸内町(奄美大島)出身。アリオラジャパン・オフィスオーガスタ所属。

この曲は、オリコンシングルチャートでは初登場19位を記録。4週目に週間TOP10入りしてからもロングヒットを続け、発売から約2ヵ月後の4月22日付で同チャート1位を獲得した。 同年の新人アーティストとしては驚異的な売上となり、2002年デビューの歌手としては最大のヒットとなった。

作詞を手がけた上田現によると、歌詞の内容は「ある女性が、人を好きになるあまり花になってしまう」物語であるという。その歌詞の切ない想いが、元ちとせさんの歌声から伝わってくる楽曲です。

ちなみに「ワダツミ」というのは神話に登場する「海の神」のことです。なので「ワダツミの木」というのは存在しないもの、つまり造語でした。ところが、奄美大島中南部の山すそに生育するクロタキカズラ科クサミズキが奄美大島固有の種であることが京都大学の研究グループによって明らかとなり、2004年に同島瀬戸内町出身の元ちとせのヒット曲にちなんで、ワダツミノキと命名された。このクサミズキが奄美大島特有のものだったのと、元ちとせさんが奄美大島出身だったことから命名されたわけです。発売当時は存在しなかった架空の「ワダツミの木」が今では実在しているなんて、とても神秘的ですよね。