今回は、H29年5月中の渋谷道劇における、新條希さんとRUIさんとのチームショーの模様を話します。

 

 

先月4月結のライブシアター栗橋での渋谷道劇大会、最後の土日4/29(土)と30(日)の二日間限定で、栗橋所属のRUIさんが特別参加で、新條希さんとのチーム「Bitter chestnuts」の新作は披露されていた。

ひとつは先に紹介した「RUI先生」、もうひとつの演目が「ゼラジャイ」。

H29年5月中の渋谷道劇で再びこの二つの演目が披露された。

今週のメンバーは次の通り。①園田しほり(フリー)、②天羽夏月(九条OS)、③立花散里(道劇)、④さつき楓(晃生)、⑤新條希(道劇)&RUI(栗橋)、⑥平野ももか(道劇)〔敬称略〕。立花散里さんのデビュー、平野ももかさんの初トリと話題も多いが、やはり今週の目玉は二人のチームショーである。

 

今回は演目「ゼラジャイ」を紹介する。

希さんから「ゼラジャイは『ライチ☆光クラブ』というマンガがテーマです。」と教えてもらい早速、ネットで検索してみる。・・・『ライチ☆光クラブ』秘密基地,Wikipedia参照

1980年代、わずか三年で活動の幕を閉じた幻の劇団、飴屋法水率いる「東京グランギニョル」があった。ちなみに、グラン・ギニョールというのは、フランス、パリに19世紀末から20世紀半ばまで存在した大衆芝居・見世物小屋で演ぜられた「荒唐無稽で」「血なまぐさい」あるいは「こけおどしめいた」芝居のことを指す。そこでは浮浪者、街頭の孤児、娼婦、殺人嗜好者など、折り目正しい舞台劇には登場しないようなキャラクターが多く登場し、妖怪譚、嫉妬からの殺人、嬰児殺し、バラバラ殺人、火あぶり、ギロチンで切断された後も喋る頭部、外国人の恐怖、伝染病などありとあらゆるホラーをテーマとする芝居が、しばしば血糊などを大量に用いた特殊効果付きで演じられた。観客動員数ばかりではなく、「顧客のうち何人が失神したか」も劇の成功・不成功を測る尺度とされた。

「東京グランギニョル」は廃墟的な舞台装置や暴力的音響、暴力的内容を特徴とし、鮮烈な独自の美意識を持った劇団であった。当時、高校生であった古屋兎丸(ふるやうさまる1968.1.25生まれの現在49歳)はリアルタイムで観劇し、大きな衝撃を受けた。

 この時の衝撃は、古屋兎丸のその後の人生に多大な影響をもたらすことになる。劇団に参加したくも果たせなかったことへの後悔を抱きながら漫画家としての研鑽を積み、二十年経った2005年、満を持して、漫画化したのがこの『ライチ☆光クラブ』である。

 オリジナル描写を加えつつ原作舞台の退廃的な世界観を強烈に描き出した本作の、壮絶ながらも美しい少年たちの物語は、連載直後より話題沸騰になり、単行本は幾度となく重版されている。古屋兎丸の最高傑作のひとつと言われている。

 

『ライチ☆光クラブ』のあらすじを紹介する。

工場からの排気と油で黒く覆われ鬱蒼とした街・蛍光町。その片隅の廃墟で無人のはずの深夜、けたたましく響き渡る笛の音、そして不気味なドイツ語の怒声。

彼らの正体は、学生帽・詰襟の学生服に身を包んだ少年たち。そこには、「廃墟の帝王」ゼラを筆頭に、九人のメンバーで作られた秘密基地が存在していた。――その名を「光クラブ」。

その秘密を見た者は、ゼラの指示を受け、彼を崇拝するメンバーの手によって残酷な罰が下される。なぜならば、彼らは夜な夜な基地に集まり、ある「崇高な目的」のために「甘美なる機械(マシン)」を創造していたのだった。

そしてある夜、ついに彼らの希望の機械「ライチ」が目覚めの時を迎える。ライチは「美しいもの」を連れてくるよう命令されるが、ライチは「美しいもの」が何なのか理解できず、違うものばかり集めてくる。そんなある日、特殊な設定を施されたライチはようやく「美しいもの」が何なのか理解できるようになり、一人の美しい少女カノンと数人の少女を光クラブに連れて来た。光クラブの面々はカノンを王座に据えて女神として崇め、次の目的に進もうとする。しかしある時、メンバーのタミヤとダフがカノン以外の少女たちを密かに逃がそうとしていたことが発覚し、タミヤは粛清として自分の手でダフを処刑することになってしまう。更にゼラと親密な仲にあった少年・ジャイボが仕掛けた罠によってゼラは疑心暗鬼に陥り、光クラブの少年達の結束は徐々に崩壊し始める。

 

登場人物を二人紹介する。

□.ゼラ「廃墟の帝王」

 光クラブのリーダー。角眼鏡を着用している。チェスの名人であり、その才気とカリスマ性を以てクラブを統括する。合理性を重んじ、チェスに例えた考え方をする。トレードマークは黒い星が描かれた手袋。

 未成年なのにライチ酒を造って母親から怒られる。

 ジャイボからの愛情アプローチを受け入れ、二人きりの廃工場で淫らな行為をしていた事もあった。

 

□.ジャイボ「漆黒の薔薇」

 女性のような容姿をもった美少年。実家は町医者で、家から麻酔を持ち出しては同級生に注射して昏睡状態にして淫らな行為をしていた事があり、ゼラとは別方向で奇矯な言動が目立ち、仲間のデンタクにも「奇人で変人」と称されていた。「きゃはっ」が口癖。男性ではあるが、女性的な印象を与え、一部行動・言動にヤンデレとしての要素が見受けられる。同じ男であるゼラに対して友情とは別次元ともいえる愛情を抱いていた。

 光クラブを崩壊へ追い込んだ張本人。全てはカノンの出現によってゼラの心が自分に向かなくなったと思った事が発端であり、カノンを始めとする「ゼラの心が向くもの」全てへの嫉妬に狂い暴走する。本気でゼラを愛していたが、ゼラからすれば最初から「玩具」に過ぎない存在だった。

その美貌と残忍かつ背徳的な行為ゆえか、古屋兎丸キャラでは一番の人気になっている。

 

以上の知識をもって、チーム演目「ゼラジャイ」を観ると、深く興味をそそられる。知る知らないで観劇の楽しさが10倍違ってくる。

作品模様は次の通り。

暗闇の中、けたたましく響き渡る笛の音が聞こえる。

RUI扮する学生帽・詰襟の学生服に身を包んだ「廃墟の帝王」ゼラが登場。角眼鏡を着用している。トレードマークになっている黒い星が描かれた手袋をしている。

赤い椅子に座る。横の丸いテーブルの上に白と黒のチェス盤。ワインカップにライチが入っている。

そこに、のぞみん扮する「漆黒の薔薇」ジャイボが現れる。髪の毛が真ん中に垂れる。まさに女性のような容姿をもった美少年である。

のぞみんが椅子に座っているRUIに絡む。キスをして、彼のズボンから一物を出してフェラを始める。

RUIが一旦姿を消す。おもむろに、のぞみんがポケットから注射器を取り出す。二三人の観客の口へ中のジュースを注入する。

そして、ポケットの中から花びらをつまんで沢山ばら撒き、楽しそうに舞い踊る。

再び、RUIも現れ、二人で絡み、ベッドショーへ。

 

今回の作品の魅力を三つの観点から考えてみた。

ひとつは、男装の魅力。

男装というのはコスプレのひとつの形態である。女性らしい可愛さとはまた違い、男装にはかっこよさがある。男から見ても惚れ惚れする。宝塚の男役をイメージしてもらえばいい。

今回の演目では、スタイルのいい二人が学ランをかっこよく決めている。しかも、よく似合っており、『ライチ☆光クラブ』という作品に登場するゼラとジャイボになりきって演じている。

もうひとつは、男性愛(Boys love)の魅力。同性愛というのは、パラフィリア(性的倒錯、性的嗜好異常)の世界。前作の「RUI先生」と同様の趣向を覚える。

同性愛といっても、レズとホモでは魅力が違う。ストリップの男性客から観ると、ホモには興味がないだろう。ホモを演じているのが女性であるから楽しいのである。

そして、もうひとつは男性愛(Boys love)を女性が演ずるユニークさ。最近、栗鳥巣さん、京はるなさん、渚あおいさん達が演ずるBoys loveが人気を博し女性ファンが急増している。男性愛(Boys love)を女性が演ずることによって女性の強い関心を惹く。

単に女性同士のレズではない、男性特有の絡みの面白さ。男性性器というのは女性にとってたまらなくかわいく憧れる関心の強い存在なんだと思う。だから異常に人気が爆発するのだろう。

 

 

平成29年5月                            渋谷道頓堀劇場にて