農林水産省の「担い手推進メールマガジン」のコラムです。
農家の方々が経営発展していく中で、このまま農家(非法人の家族経営の農家。以下、農家と略します。)で良いのか、それとも法人化した方が有利なのか、といった問題に直面することがあると思います。また、昨今では、法人税の議論も目を引きます。
さて、今回は、税制面における農家と法人農家との簡易比較を行ってみました。
個人には所得税、法人には法人税が適用されており、それぞれ違う法律に基づくものなので、一つ一つ税率を取り上げて比較すること自体、あまり意味がないと思えます。
しかし、法人化は税制面で有利といわれる中で、仮に同じ所得規模の場合どの程度有利なのか、具体的な金額水準は気になるところです。
そこで、農家と法人農家(資本金が1000万円で役員報酬が総所得金額の8割の家族経営の法人)について、所得金額が200万円から1000万円まで段階的に納税金額を試算し、どちらが税制的に有利なのか比較してみました。
その結果、所得金額が少ない時には農家の方が法人農家に比べ納税金額が少ないのですが、今回のモデルでは、所得金額が約450万円のところで農家と法人農家の納税金額がほぼ同じ金額になりました。ここを分岐点として農業所得が増加するほど法人農家の方が農家に比べ納税金額が少なくなり、所得金額が1000万円では、法人農家の方が農家に比べ約50万円ほど納税金額が安くて有利との試算結果になりました。
これは、農家では経費にならない農業者の給与を、法人農家では役員報酬として経費に計上したことが大きく寄与したものです。もちろん役員報酬には役員個人に対して所得税等が課税されますが、それらをも含めた試算結果です。
なお、この給与所得控除には、一定の制限が設けられていますので、税理士などの専門家に相談するのが良いでしょう。
以上の結果を見て思ったより差がないとか、やはり法人農家の方が有利だとか、ご感想はそれぞれかとお察しします。地域の担い手として確固たる経営体に発展していくためには、法人化は大切なステップの一つと考えますが、このような税制面だけを見て法人化の良し悪しを結論付けたり、法人化に踏み切ることは避けるべきです。
機会を見て法人化のタイミング等についても少し考えてみたく思います。
■ ご意見・ご質問はこちらへお願いいたします
農家の方々が経営発展していく中で、このまま農家(非法人の家族経営の農家。以下、農家と略します。)で良いのか、それとも法人化した方が有利なのか、といった問題に直面することがあると思います。また、昨今では、法人税の議論も目を引きます。
さて、今回は、税制面における農家と法人農家との簡易比較を行ってみました。
個人には所得税、法人には法人税が適用されており、それぞれ違う法律に基づくものなので、一つ一つ税率を取り上げて比較すること自体、あまり意味がないと思えます。
しかし、法人化は税制面で有利といわれる中で、仮に同じ所得規模の場合どの程度有利なのか、具体的な金額水準は気になるところです。
そこで、農家と法人農家(資本金が1000万円で役員報酬が総所得金額の8割の家族経営の法人)について、所得金額が200万円から1000万円まで段階的に納税金額を試算し、どちらが税制的に有利なのか比較してみました。
その結果、所得金額が少ない時には農家の方が法人農家に比べ納税金額が少ないのですが、今回のモデルでは、所得金額が約450万円のところで農家と法人農家の納税金額がほぼ同じ金額になりました。ここを分岐点として農業所得が増加するほど法人農家の方が農家に比べ納税金額が少なくなり、所得金額が1000万円では、法人農家の方が農家に比べ約50万円ほど納税金額が安くて有利との試算結果になりました。
これは、農家では経費にならない農業者の給与を、法人農家では役員報酬として経費に計上したことが大きく寄与したものです。もちろん役員報酬には役員個人に対して所得税等が課税されますが、それらをも含めた試算結果です。
なお、この給与所得控除には、一定の制限が設けられていますので、税理士などの専門家に相談するのが良いでしょう。
以上の結果を見て思ったより差がないとか、やはり法人農家の方が有利だとか、ご感想はそれぞれかとお察しします。地域の担い手として確固たる経営体に発展していくためには、法人化は大切なステップの一つと考えますが、このような税制面だけを見て法人化の良し悪しを結論付けたり、法人化に踏み切ることは避けるべきです。
機会を見て法人化のタイミング等についても少し考えてみたく思います。
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