誰かの妄想 -18ページ目

産経症・ネトウヨは感情的にアイリスが嫌い?


なりふり構わず、批判、・・・というか誹謗。



【産経抄】 (2007/2/22)
 中国語の「歴史」というのは、ヒストリーの日本語訳から借用したという話は含蓄がある。漢語にある「史」が、本来の意味は役人がつける帳簿だときては、ハハーンと納得できる(岡田英弘『世界史の誕生』)。中国の正史はすべてが官製なのだ。


★・・・。日本でも「正史」は官製でしょうよ。民間が作れば、それは「外史」なわけで。コラム書く前に辞書とか引いた方がいいと思うぞ。
★中国では、日本と違い役人登用にあたって身分は重視されなかった(科挙の結果を重視)ため、優れた著述者が役人になることが多かったわけで。だから「「史」が、本来の意味は役人がつける帳簿」と言っても、文化の違い以上に何も思うことはないですね。思うとすれば、それは中国蔑視の下地があるからじゃないですかね。


 ▼中国政府の上に共産党があり、ここは対外宣伝工作の司令塔になる。いまや社会主義市場経済という金満大国だから、カネの使い方も尋常ではない。欧米の大学に中国講座をつくり、奨学金も潤沢につぎ込む。ワシントンで開催の中国フェスティバルには、主賓のパウエル元国務長官に30万ドルの講演料を出したそうだ。


★「中国政府の上に共産党があり、ここは対外宣伝工作の司令塔になる。」なんか、意味不明だが、中国の広報活動のことを産経は「対外宣伝工作」と呼ぶらしい。ちなみに中国語の「工作」って、作業とか業務とかその程度の意味で、諜報活動とかを指すわけじゃないからね。
「金満大国だから、カネの使い方も尋常ではない」日本が高度成長・バブル期に何をやってたか、はもう忘れたらしい。


 ▼ついには、資料誤用に満ちた『レイプ・オブ・南京』の著者アイリス・チャン氏の胸像を名門スタンフォード大学にまで納入してしまった。チャン本がいかに誇張と歪(ゆが)みに満ちているかを批判したのは、この大学の歴史学部長デービッド・ケネディ教授だったはずだ。


★よっぽど気に入らないんだねえ。

★書いた内容に誤りがあるのと、全体的な事実の紹介したことによる功績とは別だろう。
★野口英世の研究成果には疑問もあるけど(梅毒スピロヘータの純粋培養)、海外に野口英世を記念した建造物を立てても誰も文句は言わないでしょうに。


 ▼胸像の送り主は、共産党の対外宣伝部門と連携する中国人権発展基金会である。情けないのは、この胸像が学内のフーバー研究所の閲覧室に展示されたこと。研究所の名を冠した保守派の雄、フーバー元大統領も草葉の陰で泣いていよう。


「共産党の対外宣伝部門と連携する中国人権発展基金会」産経新聞社は外務省の後援でイベントを行ったことがありますが、これは対外諜報活動ですか?違いますよね。でも「外務省の対外宣伝部門と連携する産経新聞社」というと、ずいぶんイメージが変わります。
「フーバー元大統領も草葉の陰で泣いていよう。」相変わらず、死者を政治利用するわけですね。靖国と同じだ~。


 ▼基金会の幹部は、これまでの対日歴史批判が「欧米など第三国への宣伝を重視しなかった」との反省があるという。どうしたわけか大手ネット企業の副会長までが、チャン本を教科書に映画「南京」を制作した。観客は白人に狙いを絞っているという。


★アメリカに言われると、即座に表記を修正する靖国神社の対応を見れば、日本のウヨクの歴史観の歪みを訴えるのに、直接よりも第三国に知らせた方が効果的なのは確かでしょう。
「チャン本を教科書に映画「南京」を制作した」まだ言ってる。産経はレオンシス氏にインタビューして、「チャン氏の死亡記事をみたことが制作のきっかけになったのは事実だが、同書については史実的に不正確な記述が多いと聞いている。この映画は同書に基づいて作られたものではない」との回答を得ているのに、なお教科書にした、などというをコラムに載せている。2007/1/26に産経新聞自身の記事 に載せているにもかかわらず。


 ▼日本人は相手が誰でも生前の悪行を水に流し、八百万(やおよろず)の神に加えてきた。東シナ海の向こうは違う。反日がいまの政治に都合よい限りは歪めてでも使う。真の「歴史」を鑑(かがみ)として、誤りはその都度たださねばならない。


★「日本人は相手が誰でも生前の悪行を水に流し、八百万(やおよろず)の神に加えてきた」宗教観を間違ってますよ。悪人すら神に加えたのは、たたりを恐れたからであって、悪行を水に流したわけじゃないんですけど。
★「反日がいまの政治に都合よい限りは歪めてでも使う。」→反中がいまの政治に都合よい限りは歪めてでも使う。
★「真の「歴史」を鑑(かがみ)として、誤りはその都度たださねばならない。未だに日中戦争・太平洋戦争の誤り(戦略上の誤りではなく、戦争を選択したと言う政治上の誤り)を認められない産経が何を言ってんだか。


(2007/02/22 05:16)


嘘までついて、故人を誹謗中傷する産経。やれやれ。





産経症・論理の破綻

誤解とかそういうこと以前に、論理が破綻してます。

民衆を煽動するなら、もう少し利巧でないとダメな気がしますが・・・


【正論】日本大学教授・百地章 国旗・国歌問題への誤解を正す


 ■「思想・良心の自由」の意味から考察

 ≪疑問の多い地裁判決≫  

 今年も卒業のシーズンが近付いてきた。卒業式といえば、これまで年中行事のように繰り返されてきたのが、日教組や高教組などによる妨害活動であったが、平成11年の国旗国歌法制定以来、国旗掲揚、国歌斉唱をめぐる混乱は全国的に収束に向かっていた。ところが昨年9月、東京地裁が国旗掲揚に際しての起立や国歌斉唱の強制は憲法違反であるとする判決を下したため、日教組などは再び勢いづいていると聞く。

 判決は、教職員に対して起立や国歌斉唱等の義務を定めた東京都教育長の「通達」は、国旗に向かっての起立や、国歌斉唱をしたくないという思想、良心を持つ教職員に対してこれらの「行為」を無理やり命ずるものであって、「思想・良心の自由」の侵害に当たるとしているが、これは疑問である。

 「思想・良心の自由」とは、通説によれば宗教上の信仰に準ずるような世界観、人生観、主義、主張など人格の形成にかかわる内面的な精神作用が、公権力によって侵害されないことをいう。つまり憲法が保障する「思想・良心の自由」とは、具体的には(1)特定の思想・信条等が、公権力によって強制されてはならないこと(2)思想・信条等を理由として、差別や不利益的な取り扱いがなされてはならないこと(3)思想・信条を強制的に表明させられないこと(沈黙の自由)-を指す。

 ≪自由の侵害と制約は別≫

 ここから言えることは、第1に「思想・良心」とは「内心作用」のすべてを指すわけではなく、単なる不快感などはこれに含まれないということである。第2に、法令や適正な職務命令に基づいて一定の「行為」を命ずることと「思想・良心の侵害」とは別だということである。例えば、校長が教職員に国歌斉唱を命じたとしても、それはあくまで「外部的行為」を命ずるだけであって、思想・信条は問題にしていないから、思想、良心の自由の侵害とはならない。教職員が内心においてどのような思想・信条を抱いていようとも、それは自由だからである。このことは、福岡地裁判決(平成17年4月26日)も認めている。


★「このこと」って、どのこと?ちなみに判決骨子はこんな感じです。
■判決の骨子
 一、国旗と国歌は強制ではなく、自然のうちに国民に定着させるというのが国旗国歌法の制度趣旨で、学習指導要領の理念でもある
 一、入学式や卒業式で国旗への起立、国歌斉唱を強制する東京都教育長の通達や各校長の職務命令は教育基本法に反し、思想・良心の自由を侵害する行き過ぎた措置
 一、原告教職員に国旗への起立、国歌斉唱、ピアノ伴奏の義務はなく、都教育委員会はしないことを理由として、いかなる処分もしてはならない
 一、職務命令による精神的苦痛への賠償は一人三万円を下らない

★「このこと」=「職員が内心においてどのような思想・信条を抱いていようとも、それは自由」か?わざわざ福岡地裁判決を持ち出すまでもなく、当然のことだぞ。
★「「外部的行為」を命ずるだけ」なんてことは、判決の骨子を見る限り、書いてないね。


 第3に、思想、良心の自由の「侵害」と「制約」とは別であって、憲法が禁止しているのは「侵害」である。つまり、思想・良心は、それがいかに反倫理的、反国家的のものであったとしても、内心にとどまる限りは絶対的に保障される。しかし、それが外部的な行為となって現れる場合には、他の権利や自由と同様「内在的制約」や「公共の福祉による制約」を受ける。


★国旗への起立、国歌斉唱、ピアノ伴奏を拒否することが、反倫理的、反国家的行為かね?拒否したら公共の福祉に反するのかね?


 それゆえ、法律が国民に対して一定の義務を課している場合には、たとえそれが自らの思想・信条と異なるものであったとしても、国民はそれに従わざるをえない。例えば、納税など不要であるとの思想の持ち主がいたとしても、当然納税の義務を果たさなければならない。逆に、もし国民一般に課せられた法的義務を、思想、良心の自由を理由に拒否することを認めたら、国家秩序は崩壊する。


★法律が憲法に反する場合は、憲法が優先するのはご存知?そもそも今回の判決は「学習指導要領」に対して「国旗と国歌は強制ではなく、自然のうちに国民に定着させる」のが理念であり、したがって、国旗への起立、国歌斉唱の強制は法的根拠を持たないと、法の番人が判断したことを示しているわけだ。
もし、この判決に不服なら、「国旗国歌法の制度趣旨、学習指導要領の理念は、国民に対し国旗と国歌を強制することであって国旗への起立、国歌斉唱の強制は法的根拠をもつ」と主張すべきであろう。もっともこの場合、国旗国家法の違憲性が問われることになるだろうが。


 ≪「心の教育」をめぐって≫

 このように「思想・良心の自由」といえども、決して絶対的なものではない。ところが「思想・良心の自由」が持ち出されると、たちまち腫れ物に触るようになる。例えば国旗・国歌や愛国心の問題になるとすぐに「思想・良心の自由」の侵害にならないかなどといった話に発展してしまうわけである。これは「内心に触れる」ことと、「思想・良心の自由の侵害」とは別問題であることが、正しく理解されていないことによる。


★「ところが「思想・良心の自由」が持ち出されると、たちまち腫れ物に触るようになる小泉の靖国参拝とかか?
★確かに、小泉の靖国参拝は、「行政の最高責任者による宗教行為」と「個人の思想・良心の自由」とは別問題であるにもかかわらず、自民党政権や産経やネトウヨに正しく理解されていないようだ。


 「心の教育」ということがいわれるが、教育とは本来、精神的な営みであって、子供たちの心の襞(ひだ)や琴線にふれ、子供たちに感動を与えることこそ、真の教育といえよう。例えば、中学校学習指導要領の道徳教育では「父母、祖父母に敬愛の念を深め」るよう教えることになっているが、これらの徳目を子供たちに教え、身に付けさせようとすれば、当然、子供たちの内心に触れていかなければならない。しかし、そのことと「思想・良心の自由」の侵害とは全く別問題である。


★えーと「思想・良心は、(中略)内心にとどまる限りは絶対的に保障される」んじゃなかったのか?「子供たちの内心に触れていかなければならない」ってことは、子供たちの内心は保障されないってことか?


 今回の教育基本法改正によって、新たに「国を愛する態度を養う」ことが、教育の目標として定められ(第2条)、国会では、安倍総理らによって「心」と「態度」は一体のものであり、「国を愛する態度」を養うためには、「国を愛する心」をしっかり教えることが必要であるとの答弁が繰り返されている。それゆえ今年こそ、全国で厳粛な卒業式が挙行され、国旗掲揚、国歌斉唱が整然と行われることを心から期待している。(ももち あきら)


★「「心」と「態度」は一体のものであり・・・破綻してるぞ上で「思想・良心は、それがいかに反倫理的、反国家的のものであったとしても、内心にとどまる限りは絶対的に保障される」と言ったよね?言ったよね?
「心」と「態度」な一体なら、「外部的な行為」の強制は「内心」の強制とイコールでしょ。

★結局、内心を強制したいんじゃねーか。


(2007/02/18 05:02)


とりあえず、思想統制を行い思想・良心の自由を奪おうとする本心を、美辞麗句で隠そうとして失敗した文章の一例とみなしていいでしょうかね。


妄想に取り付かれたニュース、というかニュース価値があるか?これ?

神経質にも程がある。何考えてんだろうね~。


単に、かつて中国が被った戦争被害について、欧米に紹介した人物を記念するためのものでしょ?

日本の原爆被害を欧米で訴え、反核運動に貢献した人物がいたら、日本だってそういうことをするんじゃない。(しなけりゃ冷たい)

寄贈の意図」だの「中国共産党の対外宣伝部門と連携した活動や人事異動も確認されており、同部門の外郭組織とみられている」だの、ほんとに印象操作に余念がありませんな。

世の中には、もっと大切なことがあると思いますけどね。


ところで、日本のNPOが外務省の広報と、協賛で何かのイベントを企画したら、そのNPOは諜報機関まがいの扱いを受けるんですかね?



なぜ?米名門大にアイリス・チャン像 中国対外宣伝組織が寄贈 (産経新聞2007/2/19)

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 【ワシントン=山本秀也】1937年(昭和12年)の南京事件を描き、多くの資料誤用が指摘された「レイプ・オブ・南京」の著者アイリス・チャン氏(故人)の胸像が、米カリフォルニア州の名門スタンフォード大学に寄贈された。贈ったのは人権、歴史問題で対外宣伝工作にあたる中国の組織「中国人権発展基金会」。「30万人の大虐殺」を掲げた南京の事件記念館に置かれているチャン氏像とまったく同じもので、寄贈の意図をうかがわせている。

 大学関係者らによると、胸像(台座を含む高さ2メートル)の寄贈式は今月1日、学内のフーバー研究所で双方の代表やチャン氏の遺族、駐サンフランシスコ中国総領事館員が出席して行われた。寄贈後、像は研究所の閲覧室に展示された。

 フーバー研究所は口述記録など政治・歴史資料の収集で知られる。チャン氏の遺稿類も寄せられており、式典でリチャード・ソーサ副所長は「像と遺稿を長くとどめることは研究所の栄誉だ」とあいさつした。

 ただ、寄贈の経緯についてソーサ氏は「自分が関与した段階では、すでに受託に合意していた」と説明を避けた。

 胸像は中国人作家、王洪志氏の作品。王氏は2005年に「南京大虐殺記念館」に建てられたチャン氏の立像も制作しており、太平洋を隔てた2つのチャン氏像はおそろいのものだ。

 チャン氏像の制作を依頼し、南京の記念館とスタンフォード大に寄贈したのはいずれも中国人権発展基金会。1994年に設立登記された中国の「民間団体」とされる。中国の人権問題で国外の批判に反論し、中国政府の取り組みを宣伝している。姉妹組織の中国人権研究会とともに中国共産党の対外宣伝部門と連携した活動や人事異動も確認されており、同部門の外郭組織とみられている。このほか基金会は、南京事件に関する中国側の宣伝活動に加わった元日本兵、東史郎氏への支援など対日歴史問題にも関与していた。

 対外宣伝関係の古参幹部で基金会の常務副会長を務める楊正泉氏は05年9月付の文書で、チャン氏像を南京の記念館とスタンフォード大に寄贈する決定(04年12月)を明らかにしていた。

 この文書の中で楊氏は「レイプ・オブ・南京」が米国でベストセラーになった宣伝効果を絶賛した。過去の対日歴史批判が「欧米など第三国への宣伝を重視しなかった」ことで「日本政府に国際的な圧力を感じさせられなかった」と反省している。こうした文言から、チャン氏像の寄贈が、米国を巻き込んだ対日批判活動の象徴であることが浮かび上がっている。

(2007/02/20 01:44)


産経症・国語教育の不足がこんなところに!

一発ネタ?


【主張】首長マニフェスト 地方選も政策本位で競え
 耳障りは良いが曖昧(あいまい)なだけの選挙公約はもうたくさん。聞きたいのは具体的な政策目標だ-。そんな有権者の思いを受けて候補者が掲げ始めたのがマニフェスト(政権公約)である。それが4月の統一地方選から自治体の首長選挙でも配布できる見通しとなった。

(後略)


★「耳障りは良い」・・・この用法は間違いです。「耳障り」は悪い意味でしか使いません。多分「耳あたりが良い」と言いたかったのでしょうが、常日頃、国語を重視を主張している産経がこういうミスをするのは、何かの冗談ですか?

産経症・豊かで美しい日本の歴史以外は目に入らない人々。眼科に行ってください。

やはり、この年だと、もう現代仮名遣いを覚えることは出来ないらしい。(参照
ついでに日本史の知識も怪しそう。

老いたな、こぼり。


いや前からだけど。



【正論】東京大学名誉教授・小堀桂一郎 「建国記念の日」を本来の形で祝う

 ■豊かで美しい日本の歴史を見つめる

 ≪民間と政府が別々の式典≫

 「国民の祝日に関する法律」の改正とその附則としての政令の制定といふ形で「建国記念の日」が2月11日に定められたのは、昭和41年6月のことだつた。その翌年に、新制定又は復活した明治6年来のこの祝日を初めて祝つてから本年で40年が過ぎた。

 あの年以来「建国記念の日奉祝会」といふ民間団体が連年建国記念式典を開催してこの記念日の意義を広く世に訴へる活動を今日まで続けてきてをり、東京での「建国記念の日中央奉祝式典」をはじめとして全国各地での民間有志による祝典の開催は、現在ではますます賑(にぎ)やかな模様で、筆者の貧弱な情報収集力では到底全容を把握しきれない。

 民間のこの動きに対し、政府も重い腰を漸(ようや)く上げた形で、昭和53年から59年にかけて総理府、文部省、自治省等が順次この式典の開催を「後援」するといふ姿勢を見せる様になつてゐた。然(しか)し、昭和59年中曽根内閣の時に、政府は式典の意義から「神武建国」を謳(うた)ふ表現を削除し、また「天皇陛下萬歳」の三唱をやめて「日本国萬歳」に切り替へよ、との異様な要求をつきつけ、これを政府「後援」の条件とするに至つた。そこで、紛糾の結果昭和63年以降建国記念の日を祝ふ式典は政府後援の「国民式典」と民間主催の「奉祝中央式典」との2つに分裂し、都内での開催も2カ所で別個にといふ妙な事態となつた。政府後援の「国民式典」は平成17年には式典ならぬコンサートのみの開催となり、18年には全面的に取りやめとなり、つまり20年足らずで雲散霧消した。


★建国記念日に天皇陛下万歳と三唱するのは、将軍様マンセー、と言うのと同レベルですな。いや別にいけない、とは言いませんが。
★とりあえず、小堀氏は北朝鮮がうらやましい、ということは理解しました。


 ≪教育的な意味で重要な日≫

 政府が肩入れする形での奉祝式典の消滅を、筆者はそれほど嘆かはしいとしてゐるわけではない。ただ、さういふものだつたか、と思ふだけである。負け惜しみではなく、この日が「国民の祝日」の一環である以上、現在の「日本の建国を祝う会」に代表される民間有志主催の奉祝式典が今後も長く続けばそれでよいと思ふ。むしろ式典の開催母体やその祝意表現の形式をめぐつての不純な政治的駆け引きが消えたその分だけ、この記念日の意義をその本来の形に近づけ得るよい機会をかち得たと考へればよい。

 本来の形とは何か。別段難しい問題ではない。この日を、我が国の歴史についての関心を高める、教育的な意味に於いて重要な日だ、と認識することである。


★建国神話と歴史をごっちゃにしちゃ駄目だよ。


 日本民族が国家形成の意思を抱いたのは、海彼(かいひ)の大陸に於いて前漢が滅び後漢王朝が勢を揮(ふる)ひ始めた頃、或いは少し遡(さかのぼ)つて漢の武帝といふ高名な皇帝の覇権が東アジア世界に広い政治的変動をもたらす様な刺激を及ぼし始めたのを受けてのこと、と筆者は漠然と考へてゐる。一方国家といふ名の政治制度ではない自然発生的民族文化の担ひ手としての大和民族の歴史は、近年の考古学的発掘の成果によつて、遙(はる)かに古い昔に始まつてゐたと見る傾向が顕著である。それらの学術的研究成果が神話時代からの物語伝承の新たな裏付けとなる関連の諸例を見るにつけ、民族の歴史の蒼古(そうこ)の過去に向ける我々の興味の拡大・深化はその尽きるところを知らない。


「と筆者は漠然と考へてゐる」ああそうかい、としか言いようがないなあ。
「我々の興味の拡大・深化はその尽きるところを知らない」勝手に我々とくくらないで欲しいんだけど。個人的には先史時代にそれほど興味はないなあ・・・。


 また口誦伝承と文字による記録が確立して以降の民族の先祖の物語にしても、文献的研究の精密化とそれを普及せしめる出版事業の隆盛ぶりを見れば、日本人は元来歴史好きであり、史癖は佳癖である、と断言した先学の言葉通りだとの感想がわいてくる。


「日本人は元来歴史好きであり」別に日本人に限らんだろう。水戸光圀が大日本史を編纂し始めた動機は、日本には中国みたいな通史がないからじゃなかったっけ?よく知らんけど。


 高等学校の地理歴史教科で国史が必修科目とされてゐないといふ現状を知つた時の筆者の驚きは前回の本欄(昨年12月15日付)で筆にした通りだが、その様な教育制度上の欠陥を補ふに足るだけの、民間の出版文化の充実といふ強みを我々は保有してゐる。


「民間の出版文化の充実といふ強みを我々は保有してゐる」その強みを使ってトンデモ歴史観を垂れ流してわけだ。産経を通して。迷惑な話だなあ。


 ≪愛国心の涵養といふ目標≫

 建国記念の日を国史への興味を広く喚起するための教育的意味をこめた祝日として捉へ直すには、政府が奉祝行事から全面的に手を引いてしまつた現在こそがむしろ好機到来である。


★要するに、資本力のある方が、自分の歴史観を押し付けることができる、ということが言いたいのかな?
★まあ、「プライド」にせよ、「南京の真実」にせよ、資本力がないとできないプロパガンダ活動ではありますな。いや、「南京の真実」は公開前なので、留保しておくか。


 教育基本法の改正を待望した人々の熱心な願ひであつた愛国心の涵養(かんよう)といふ目標を筆者も内心に共有するものではあるが、ただそれをあからさまに口にするのは何となく憚(はばか)られる。その代りに推奨したいのが、国史への一般的関心の喚起である。元来、我が国は法と秩序の安定を基礎としてといふ点で、実は世界の人々の羨望(せんぼう)の的となるに値する、豊かで美しい歴史を形成してきたのだ。この基本的な知識が、特に青少年の間に浸透してゆくならば、そのことだけで愛国心の涵養といふ教育目標は十分に達せられるだらうと考へてゐる。(こぼり けいいちろう)


「ただそれをあからさまに口にするのは何となく憚(はばか)られる。」愛国心を押し付けると言うことに対する拒絶反応は理解しているらしい。なんか詐欺師みたいなやり口だな。
「元来、我が国は法と秩序の安定を基礎としてといふ点」えーと、いつの時代を指しているのかな?安定していたとすれば、まあ江戸時代なんかは比較的安定していたといえるけど、林子平や高野長英など弾圧された知識人や一揆に対する対応など、権力者の押し付ける一方的な秩序しかなかったのでは?
「豊かで美しい歴史」武烈天皇 なんかどうだろう?美しい?
★日本は日本の特色ある歴史を持っているわけだが、それは他国に比べて優れているとか「世界の人々の羨望(せんぼう)の的となるに値する」とかの問題じゃないでしょ?
★それぞれの国がそれぞれの歴史を持っており、それは別に優劣の付けられるような物ではないと思いますね。
★個人的には、日本の歴史は日本ならではの特色ある歴史だと思いますが、他国にだって特色はあると思ってます。日本だけでなく他国の歴史を知ることによって、その違いを学ぶことは非常に興味深いことだとも思います。「世界の人々の羨望の的」かどうかなんてことには、興味ありません。「世界の人々の羨望の的」でなければ愛国心をもてない、と言う人は、そもそも愛国心と言う物をわかってないのでしょう。
★大体ね、自分の妻が他人もうらやむような美女でなければ愛せませんか?自分の子供が他人の子より優れた神童でなければ愛せないのでしょうか?小堀氏にとっての愛ってそういうものなのでしょうか?
★都合の悪い史実を隠蔽して植えつけた「愛国心」にそれほど意味があるのでしょうか?そういうのを「愛国心の涵養」というの?ならやんない方がいいと思いますね。


(2007/02/11 05:07)


幸吉丸、当て逃げの話

2007/2/13時点で、「日本以外の漢字」と言う証言があって、ネトウヨさんたちのお祭が始まりましたが、2007/2/14には、日本の鹿児島のフェリーとほぼ断定?されて、盛り上がる前にお祭は収束しました。



「幸吉丸」の乗員、相手の船体に「日本以外の漢字」見る (読売)


フェリー側「当て逃げとは残念な表現」 宮崎の漁船転覆 (朝日)


それでもいくつか、中国だ、韓国だ、と非難する論調が残ってますね。そのうち消されるかもしれませんが。

ただ、実際「乗組員3人は「大型船に衝突された。船体に漢字が見えたが、日本の漢字ではなかった」と話しており」と報道されており、事実なら当然、中国・台湾・韓国・北朝鮮あたりを想像してしまうわけですから、そういったネトウヨ的論調は、よほど行き過ぎたもの以外非難するつもりはありません。


気になるのは報道の方で、実際に是沢幸広氏(船長)、山中道夫氏(乗組員)、林洋平氏(カメラマン)のいずれかが日本以外の漢字だと思い込んだのか、彼らに質問した人が誘導したのか、まあそういうことが気になります。


いずれにせよ、必ずしも当事者証言がそのまま信用できるわけではない、ということですね。


歪曲?

JANJAN、いい記事もあったはずだが、こんな記者も紛れ込んでいる、ということか。

古い記事だけど、引用。


(以下引用)

見過ごせない中国の歴史的事実歪曲! 2005/08/10

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 「世界征服をもくろむ帝国軍に対し、我が国の軍隊が果敢に戦ったことが、帝国軍を我が国に足止めをして、結果的に帝国軍の世界征服の野望を打ち砕くことになった」

 これは、どこかのSF映画のストーリーではない。中国を代表する新聞『人民日報(日本語版)』が、8月5日に掲載したばかりの「歴史上の人物が見た中国の戦場(1)~(3)」で示した歴史認識である。


★まあ、世界征服までいくと国家規模での具体的な計画なんぞはなかろうが、1930年代当時の陸軍の中枢にいた石原莞爾(満州事変の立役者ですね)は「世界最終戦論」(WIKI参照)などを披瀝しているわけで、全く火のないところの煙とも言えないわけですよ。


 歴史上の人物が見た中国の戦場(1)には、こんな記述がある。

 「1940年に、ヒトラーが西ヨーロッパを席巻した際、日本も東アジア、東南アジア、南太平洋の国々を含む『大東亜共栄圏』計画をまとめ、(中略)日本軍どドイツ軍がインド洋で合流し、イギリス・ソ連を壊滅させて、世界を支配下に置くという目的はこのようにして打ち砕かれた」

 これを読むと、「大東亜共栄圏」計画は、ドイツとともに世界を支配下に置くという陰謀のような印象を受ける。だが、「大東亜共栄圏」計画そのものは、そのやり方自体は極めて稚拙で、理想を現実化する能力に全く欠けていた点はあるにせよ、目的は、「アジア各国を列強の植民地支配から解放、独立させ、EUのような対等な国家連合を実現させること」だった。100歩譲歩しても、日本が世界を支配下に置くなどというものではない。日本の世界征服を中国が足止めしたという認識は、明らかに歴史的事実の歪曲である。


★「「大東亜共栄圏」計画そのものは、(中略)、目的は、「アジア各国を列強の植民地支配から解放、独立させ、EUのような対等な国家連合を実現させること」だった。」はぁ?
★軍事・政治・外交で、一方通行の干渉を受けるような関係は対等とは言わんでしょ?満州国なんて、次官クラスの人事は、関東軍の了解が必要で、関東軍は天皇直属ですよね?現代日本の次官人事に関して中国人民解放軍の了解が必要になったら、対等だとはまさか思わんでしょ?
★「日本が世界を支配下に置くなどというものではない。」確かにね。世界ではなく東アジアを支配下に置くための構想ですね。「八紘一宇」なんて言葉を考えればよくわかる。
★「日本の世界征服を中国が足止めしたという認識は、明らかに歴史的事実の歪曲である。」世界征服を東アジア征服と置き換えれば、歪曲とは言えませんな。実際、遅くとも1937年7月以降は日中は交戦状態なわけで、1939年9月の欧州戦争勃発、1941年12月の太平洋戦争勃発、以降、日本軍地上兵力の過半を中国大陸に貼り付け続けたわけですし。イギリスもアメリカも先にナチスを叩くという方針だったので、その間、中国が日本を押さえ続けることが重要だった、というのもまあ事実です。
★第二次大戦での中国の役割を過大に評価することはないですが、さりとて過小に評価するのもどうかと思います。


 歴史上の人物が見た中国の戦場(2)ではビルマ戦線での中国軍の活躍が書かれているが、ビルマ戦線自体が中国への補給路を断つことが目的であって、世界征服とは関係がない。それにビルマ戦線で活躍したのは蒋介石の軍隊であって、その蒋介石の軍隊に対してスティウェル自身が必ずしも高い評価を下していたわけでもない。


「世界征服とは関係がない。」単純にそうとも言い切れない。蒋介石との和平も全く模索されなかったわけではなく、もし日本と蒋介石が講和していたら、日本軍のインド侵攻だって全く考えられないわけじゃない(まあ、補給能力など制約が多く無謀なのは自明だが、・・・でもインパール作戦とかやったしなあ・・・)。
「ビルマ戦線で活躍したのは蒋介石の軍隊であって」ええ、その通りですけど、元記事は別にそれを否定していないですよ?単に中国軍と書いてあるだけで、蒋介石の国民政府軍か毛沢東の共産党軍かわかりにくいですけど、戦史に詳しい人なら「中国遠征軍」とあるだけで判断できますよね?
「蒋介石の軍隊に対してスティウェル自身が必ずしも高い評価を下していたわけでもない。」それもその通りなんですが、元記事のどこに、スティルウェルが高い評価を下した、なんて書いてあるんですかね?


 歴史上の人物が見た中国の戦場(3)に至っては、「1934年3月、日本天皇は、中国東北地方を前進基地とし、ソ連の極東地域全体を攻略し、中国東北地方や内モンゴルとひとまとめにして、日本が欧米・アジアを争奪し、世界の支配権を握るための戦略基地とする計画を承認した」とは、一体、どんな歴史的事実に基づくものなのか。

 これが「田中上奏文」を根拠とするものであれば、それが中国側による偽書であるとの見方が定着している。ただ、それにしては1934(昭和9年)3月というのが分からない。これは満州国に帝政が実施された時期だが、今も中国は「田中上奏文」を歴史的事実と強弁し、満州国の帝政実施を、その世界侵略の第一歩だと言いたいのだろうか。


★まあ、天皇が承認した云々のくだりは、おそらく指摘どおり「田中上奏文」を根拠としているのでしょうね。「中国側による」かどうかはともかく、偽書であるのは間違いないと思います。
★ただし、1934年3月は、柴田氏も記述している通り満州国の帝政実施の時期であり、中国側から見れば日本側の侵略行為で成立させた傀儡国家の首班に辛亥革命で倒した皇帝を据え、さらに帝政に移行したわけであって、国民革命を推進してきた国民党にとっても共産革命を目指す共産党にとっても、反革命の象徴となるイベントではあります。
「今も中国は「田中上奏文」を歴史的事実と強弁し」とまでは、元記事には記述されてません。
「満州国の帝政実施を、その世界侵略の第一歩だと言いたいのだろうか」第一歩かどうかはともかく、アジア侵略の大きな一歩の一つであることは確かでしょう。


 また、「1936年11月、日本軍は綏遠を攻撃し、南西からソ連を迂回しようと試みたが、傳作義将軍が部下を率いて抵抗したため、失敗に終わる」とあるのは、内蒙古の王族である徳王率いる軍勢が支那軍と衝突した綏遠(すいえん)事件をさしていると思われるが、この事件には日本の関東軍は一切関与していない。


「この事件には日本の関東軍は一切関与していない。」徳王の率いる内蒙古軍政府ですが、これは関東軍主導で作られた傀儡政府ですね。


 ところが、当時から中国側は、この背後に関東軍がいるとして、抗日気勢を高める材料として使ってきた。これさえも今も史実として書き込む、中国の歴史認識とはいかがなものだろう。


★内蒙古軍政府が関東軍の傀儡であることをいきなり否定するのもどうかと。


 最後に、「『日本はどうして、長年温めてきたソ連侵略計画を最終的に実行しなかったのか』――軍事専門家の劉庭華は、やすやすと実行できないようソ連が警戒していたこともあるが、最も根本的な原因は、中国の戦場が日本軍を牽制していたためと考える」とあるが、敗戦当時、日本が最後に和平案を託したのはソ連だった。そのソ連が最後には日本を裏切って参戦したことは、日本人なら誰でも知ることである。それが中国軍の頑張りにより、日本が対ソ開戦を見送ったとは、明らかに自己に都合のいいように歴史的事実をねじ曲げているとしか言いようがない。


★なんだかね、関東軍特殊演習とかはきれいさっぱり忘れてるんだろうなあ。
★もともと日本陸軍は対ソ戦を主眼に戦力を整備してきて、満州国建国で対ソ緩衝地帯を得ることが出来たわけですよ。そこで満足していればよかったんだけど、中国北部と満州の境界が気になって、今度は満州国と中国との間に緩衝地帯を求め始めるわけですな。
★その結果、日中戦争がおこるわけで、もともと対ソ戦を見据えていた石原莞爾などは、中国との戦争にのめりこむのに反対だったわけですが、陸軍部内で対中強硬派が主流になってしまい(石原が満州でやったことを中国でやっているだけだ、と言われて、ぐうの音も出なかったらしいです)泥沼化していきます。
★その後はもう中国から抜け出すことも出来ず(これは別に陰謀などではなく、日本の軍・政府の組織的な欠陥による)、米英にまで戦争を仕掛けることになってぼこぼこにされていく、と。四面楚歌の中、どうにか有利(面子を保ったまま)に戦争を終わらせたい、と考えた挙句が、ソ連を仲介にした和平交渉。

★日中戦争開始まで、ずーっと最大の仮想敵国だったソ連に、です。
★ドイツが不可侵条約を無視した無通告攻撃により大損害を出している時に背後で軍事力をちらつかせた(関東軍特殊演習)日本が、です(この時、日ソ中立条約があったにもかかわらず)。
★まあ、どの面下げて、と言う感じですが、しょうがない。他に和平斡旋できるような国がない。何せ世界中を相手に戦争してたんだから。
★またタイミングも既にドイツ相手に攻守逆転して一路ベルリンに迫っている状況下で、ソ連に和平を仲介してくれ、と頼んだのが、「敗戦当時、日本が最後に和平案を託したのはソ連だった」という箇所にあたります。
「ソ連が最後には日本を裏切って参戦したこと」関東軍特殊演習が日ソ中立条約を死文化させた、と言う見方もありますが。
「中国軍の頑張りにより、日本が対ソ開戦を見送ったとは、明らかに自己に都合のいいように歴史的事実をねじ曲げているとしか言いようがない。」中国が日本と講和(ほとんど降伏に近い条件で)していれば、日本軍は再び対ソ戦に再配備されたでしょうし、独ソ戦に参戦した可能性もありますわな。「ねじ曲げてる」とまでは言えません。


 自ら歴史的事実を歪曲している国に、日本の歴史認識を批判する資格があるのだろうか。日本が自己の歴史を反省することも大切だが、お互いの真の理解のためにも、中国の明らかなプロパガンダには、日本政府も確固とした意志を示すべきではないか。この文章が日本語で書かれている以上、中には信じてしまう人間もいないとは限らないからである。


「歴史認識を批判する資格があるのだろうか」私には柴田氏自身にその資格があるのか非常に気になるところ。
「日本政府も確固とした意志を示すべき」それがプロパガンダだとお話にならんけど。
「日本語で書かれている以上、中には信じてしまう人間もいないとは限らない」同感です。なので、南京大虐殺はなかった、みたいなプロパガンダに乗せられる人が後を絶たないわけですな。やれやれ。


(柴田忠)

ちなみに参照している人民日報はこれ
http://www.people.ne.jp/2005/08/05/jp20050805_52466.html
http://www.people.ne.jp/2005/08/05/jp20050805_52467.html
http://www.people.ne.jp/2005/08/05/jp20050805_52468.html

もともとが短い記事だし、まあそういう見方もあるかもね、と言うくらいの内容。歪曲とまでは言えない気がします。
いったい、柴田氏はなんでこんなに噛み付いているんだろう?


タミフルと異常行動



タミフルとの因果、審査せず 高校生死亡、厚労省が却下 2月5日8時0分配信 産経新聞


インフルエンザの特効薬であることを考えると、難しい問題・・・、とは言えません。

副作用として異常行動が起こりうるなら、そういう注意を十分持って投薬すればいいわけですから。薬なんて、何らかの副作用はつき物で、要はその副作用をコントロールできるかどうかです。


まず、異常行動とタミフルとの間に確かな因果関係があったのか?について。

こういう質問すらナンセンスですね。通常、医薬品の評価の場合、投与後に発現した症状(有害事象といいます)は、”明確に因果関係が否定された場合”以外は、全て副作用として扱います。

もし、申請前の臨床試験で被験者死亡例があれば、重篤な有害事象として因果関係を念入りに調べることになります。例えば、風邪薬の被験者が交通事故死した場合でも、軽々しく因果関係なしとはされません。少なくとも治験医師の判断が必要だったはず。


タミフルの場合、既に認可されているので市販後の安全性調査の段階だと思います。

治験中と市販後試験の大きな違いに、投与患者の年齢層、対象例数、投薬環境などが挙げられます。タミフルの治験ではどうだったかわからないのですが、多くの治験では、20歳以上の被験者が対象となり、あまり幼少の被験者は対象になりません。
また、治験は必要最低限の症例数で行われるため、発現率の低い有害事象は治験で評価しにくいと言えます。タミフルは投薬対象を非常に広く取ってますよね。つまり、治験での少人数のサンプルからは予想できないことも起こり得るということです。
最後に治験は、比較的設備の整った施設で行われ、何かあった場合の対応がしやすいし、医者も治験薬ということで予期しない副作用など十分注意しますが、市販後の場合は、普通の施設で認可後の薬を用いるため、薬品の添付文書にある副作用以外は余り注意できません(まあ、タミフルの場合は異常行動の恐れとかが後に追加されたけど)。


そして、市販後の場合、薬と有害事象の因果関係は投薬医師によってまず判断されます(製薬会社でも判断します)。治験の場合のようにその薬品に熟知した医師が判断するわけではないのが重要な相違点です。そうした場合に備えて、薬品には添付文書があり、起こり得る副作用などの注意書きがあって、医者はその添付文書を見て処方するわけです。


タミフルは現在では、若年者での異常行動の副作用の可能性は指摘されていますが、記事にある岐阜県下呂市の男子高校生の事件は「異常行動のおそれ」について添付文書に記載される前に起こっています。処方した医師も、タミフルと異常行動の関連に気をつけていたかどうかは疑わしいのではないか、と思います。「「タミフルとは別の薬の副作用による自殺企図」と判定」が正しいかどうか、しかも断定できることなのかどうか(タミフルが完全に代謝されて体内から排出されるのに十分な時間経過後ならともかく)は疑問です。
また、「自殺企図」の「副作用」がある「別の薬」が何なのか、も気になるところです。少なくとも高校生に処方される薬であることは間違いないでしょうし。


「タミフルには16年6月以降、添付文書に「異常行動、幻覚、妄想があらわれることがある」と記載。一方で厚労省研究班は昨年末、タミフルを服用した場合と服用しなかった場合で、異常行動を起こす割合に統計学的な差はなかったとする調査結果を発表している。

まあ、ホントに差がないのかも知れません(あくまでも統計的な差なので、集めたサンプルが偶然、差を示さない可能性もあるにはありますし)けど、サリドマイド(非常に効果の高い睡眠薬だが、妊婦が服用すると奇形児が生まれやすいという副作用がある。問題になった1970年ごろ製薬会社側は、サリドマイドと奇形児に統計的な因果関係はない、と主張した。)のような前例もあるので無批判には受け入れにくいですね。


サリドマイドの時は、統計学の増山教授や吉村助教授(当時)が統計学的な反論を行って因果関係が示されてます。このとき、増山教授は製薬会社側に安全性の基礎資料が残っていないことを批判してます。

新GCPの下(市販後だからGCPじゃないかも?GPMSPだっけ?)、厚労省研究班が統計学的な差はなかった、と判断した基礎資料は公開されているもの、と期待したいところですが、どうなんでしょうね?


タミフルとの因果、審査せず 高校生死亡、厚労省が却下
2月5日8時0分配信 産経新聞


 インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後に戸外に飛び出し、トラックにはねられて死亡した岐阜県下呂市の男子高校生=当時(17)=の父親が、同薬と死亡との因果関係を審査するよう厚生労働省に申し立て、実質的な審査なしに却下されていたことが4日、分かった。

 父親は「薬害タミフル脳症被害者の会」代表の軒端晴彦さんで、厚労省を相手に却下処分の取り消しを求める訴訟を起こすことも検討している。軒端さんが同日、名古屋市で開かれた集会で報告した。

 高校生は軒端さんの長男で、平成16年2月にA型インフルエンザと診断され、医師から処方されたタミフルを服用。直後に自宅から国道に飛び出し、大型トラックにひかれて死亡した。

 独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」は昨年7月、副作用被害救済制度に基づき「タミフルとは別の薬の副作用による自殺企図」と判定。軒端さんは不服として、厚労省に審査を申し立てた。

 軒端さんによると、不服申し立てに対する同省の決定は昨年12月27日付で「副作用被害救済制度で既に遺族一時金などが支給されており、判定による申立人の利益侵害はない」とした。

 軒端さんは「長男が自殺する理由はなく、副作用の原因がタミフルではないという根拠も不明」と話している。

 タミフルには16年6月以降、添付文書に「異常行動、幻覚、妄想があらわれることがある」と記載。一方で厚労省研究班は昨年末、タミフルを服用した場合と服用しなかった場合で、異常行動を起こす割合に統計学的な差はなかったとする調査結果を発表している。

産経症・あなたに愛国心を持て、とは誰も言っていないよ

何にせよ、強制するもんじゃないよね。愛国心は。

なので、上坂くんが愛国心を持てない、というなら持たなきゃいいんじゃない?


【正論】ノンフィクション作家・上坂冬子 これで愛国心を持てというのか

 ■今こそ北方領土への姿勢を明示せよ

 ≪孤立無援で罪に問われ≫

 昭和天皇のお言葉を書き残し、「富田メモ」で注目された元宮内庁長官富田朝彦夫人から手紙をいただいた。

 さきごろ私は『これでは愛国心が持てない』(文春新書)を出版したばかりだが、その読後感である。読者第1号が富田夫人とは思いがけなかったので興奮した。


「『これでは愛国心が持てない』(文春新書)を出版」まあ、上坂氏が愛国心を持とうが持つまいが、どうでもいい話なのだが、勝手に他人を愛国心を持ってないなど、と決め付けて非難することがなければよろしい。


 かつて愛国少女だった私が、「愛国心を持てない」と公言するにはそれなりのわけがある。昨夏に日本の領海で日本漁船がロシアの警備艇に銃撃され、漁師1人が死亡、船長以下3人が拿捕(だほ)された事件が、公平な決着のつかぬまま忘れられそうなのが納得いかない。現地を訪ねて関係者に会い、尻込みする船長を説得して事の真相を聞き出した私は、日本政府が国民の命や権利に対してこんな態度なら「愛国心が持てない」と思って一冊にまとめたのである。


「昨夏に日本の領海で」ロシア側主張では違ってると思うんだが・・・。
「日本政府が国民の命や権利に対してこんな態度なら」香田さんが人質になったときの日本政府の対応については、同感です。


 そもそも北方領土とロシアとの国境はまだ決まっていない。なのに日本人がまるで国境を越えて密漁したかのように扱われて殺害され、謝罪も補償も受けていないのだ。身柄を拘束された船長はロシアの裁判を受け、日本円で214万円の罰金を自己負担で支払って釈放されている。日本政府は、その法廷に弁護士も通訳も送っていない。モスクワの大使館やサハリンの領事館から職員が出向いたわけでもなく、還暦を控えた船長は孤立無援のまま相手国のいうなりに罪状を認めるしかなかったのである。


「そもそも北方領土とロシアとの国境はまだ決まっていない。」ちょっと待て、あんたさっき「日本の領海で」と言ったろう。決まってないなら領海とは言えないでしょう。なんかもう支離滅裂だな。


 いったい、これで「北方領土は日本固有の領土です」といえるのであろうか。


★まあ、実際違うし。(参照:「産経症・北方領土はみんなボクのもの論」


 富田夫人は、私の本を読むまで「こんな悲しい問題があることに気づかなかったのを恥じる」と述べたばかりか、ジャーナリズムも「納豆の捏造(ねつぞう)番組」など取り上げている場合だろうかと厳しい筆致で問いかけ、同時に事件を忘れそうになっていた自身をも責めるかのような文面が便箋(びんせん)3枚に綴(つづ)られていた。

 ≪「北方領土の日」に期待≫

 まもなく2月7日の「北方領土の日」である。例年通り東京・九段会館で「北方領土返還要求全国大会」が開かれるが、今年は何が何でも出席せずにいられないと思っていたら、案内状が届いた。


★ふーん、よかったね。


 何が何でもと思った理由は2つある。

 1つは、日本人漁師の射殺事件が全国大会でどう扱われるのか、あるいは扱われないのか興味津々だからだ。

 もう1つは領土問題の元締めである外務大臣が、先日、4島という数にこだわらず総面積で二分する案を口にして関係者を騒然とさせた点に関心があったからである。この通り言ったとすれば大問題だ。日本政府は一貫して4島返還を求めてきており、これはいわば国是である。面積で折半すると日本領は3島プラス択捉(えとろふ)島の半分という中途半端な形となるばかりか、従来の論議を一変させねばならぬ。麻生外相は、そういうつもりではなかったと前言を取り消したが、議事録を見るかぎりまぎらわしい発言ではあった。


「日本政府は一貫して4島返還を求めてきており」前も言った けど、これです。一貫してません。


 これに反して安倍首相は、4島一括返還論のはずだ。何しろ安倍首相の父上の安倍晋太郎氏は外務大臣時代にこの問題にことのほか熱心で、在任中欠かさず国連総会で北方領土に言及した一般演説を行っている。父上の秘書役をつとめていた安倍首相は遺志を継いで、2島返還だの総面積の半分だのという考えは持っていまい。九段会館には首相と外相が揃(そろ)って出席予定だから、スピーチを聞き比べてみたいと私は手ぐすね引いて楽しみにしているのだ。


「安倍首相の父上の安倍晋太郎氏は~」日本も北朝鮮みたいな世襲王朝になってきましたね。マスゲームみたいに美しい国。よかったですね。私の趣味ではありませんが。


 ≪4島一括返還という鉄則≫

 4島一括の鉄則をゆるめる考えは麻生外相の発案ではなく、北海道大学スラブ研究センターの学者の考えといっていい。簡単にいうと、ロシアと中国も川をはさんで長年にわたる領土問題をかかえてきたが、スラブ研の人々は平成17年に解決するまでの過程を詳しく研究してきたから、日本も鉄則にこだわらずとも、と考えたのだろう。


★「北方領土問題―4でも0でも、2でもなく 」(中公新書)の著者の岩下明裕氏のことですかね?適確で現実的な解決策を指摘していると思いますが。


 しかし帝政ロシアと中国清王朝の条約に始まり、そのあと中華民国、満州国が関係していま中華人民共和国のものとなった地域と、日本の北方領土とは問題の質がちがう。私には、中露の解決が日露の領土問題に応用できると思えない。


「私には、中露の解決が日露の領土問題に応用できると思えない。」上坂氏は別に国境問題の専門家と言うわけでもないでしょう?岩下氏は、日露国境問題も中ロ国境問題もよく調べている専門家だと思いますが。
「問題の質がちがう」どう違っていて、その違いが解決策にどう影響するのかを具体的に指摘しない限り、感情論としかとれませんねぇ。


 それにしても著書の反響の第1信が81歳の富田夫人だったことで私は勇気百倍である。女同士はこんなときに他の追随を許さぬほど強烈かつ一途となる。


★で、富田夫人から手紙が来たことはわかったんだけど、その内容は上坂氏の見解を支持するものだったの?「「こんな悲しい問題があることに気づかなかったのを恥じる」と述べたばかりか、ジャーナリズムも「納豆の捏造(ねつぞう)番組」など取り上げている場合だろうかと厳しい筆致で問いかけ、同時に事件を忘れそうになっていた自身をも責めるかのような文面」これだけでは何とも判断できないですね。なんかあたり障りのない部分としか思えないけど。


 今年の「北方領土返還要求全国大会」こそ、国家としての態度を明示してもらいたいと、かつてないほどの期待をこめて大会を待ちこがれているのは私だけではあるまい。(かみさか ふゆこ)

(2007/02/05 05:12)

★まあ、ネトウヨの皆さんは待ちかねているかもね。


産経症・人の振り見て...

ほんと、ネトウヨ並みになったよな。産経。

最近、日中戦争やその直前の時代の本を読んでいるのだが、こー言う論調って1930年代ころの日本の論調とよく似てるんだよね。歴史から全く学ばない、というか何と言うか・・・。


【産経抄】
 過去の出来事は、時間というベールに包まれているがゆえにさまざまな解釈が可能だ。織田信長を希代の英雄としてか、あるいは無慈悲な独裁者として描くかは作家の自由だ。だからこそ小説や映画のタネは尽きない。

 ▼近松門左衛門やシェークスピアも実際に起きた事件や史実をもとに多くの作品を書き残したが、観客はフィクションとして楽しんでいる。だが、自らの政治目的を達成するためフィクションを史実のように後世に伝えようとする輩も少なくない。


「自らの政治目的を達成するためフィクションを史実のように後世に伝えようとする輩」って、都合の悪い証拠には目をつぶって南京事件がなかったかのように伝える東中野氏のことですか?


 ▼たった12年前の阪神大震災でも自衛隊への悪意から平気でうそをつく政治家もいる。社民党の阿部知子衆院議員は、メールマガジンで「自衛隊が国による命令を受けて救援に向かったのは、数日を経てのことだった」と書いた。実際は兵庫県知事の救援要請と村山富市首相の決断が遅れたため、正式な出動に手間取ったが、発生直後から自衛隊は救援活動を開始していた。


★無知だとは思うが、悪意からのうそ、とどうして断定できるのだろう?
★阪神大震災での自衛隊と村山首相については、Apemanさんのところの議論が興味深い。http://homepage.mac.com/biogon_21/iblog/B1604743443/C1634184641/E20070127190950/index.html


 ▼米国でも日本への悪意からとしかいいようのない決議案が下院に提出されたという。日本政府にさきの大戦の慰安婦問題で「明確な形で歴史的責任を認め、謝罪する」よう求めたものだ。


★余計な発言をする議員がいるから、米国でも問題にされたわけですね。
産経やネトウヨにとっては、牛肉も食べ、米軍再編費用も出して、イラク戦争に真っ先に賛成し、ここまでアメリカ様に尽くしているのに、こんな仕打ち、ひどい!ひどいわ!(島木譲二調)、と言う感じなのかな?


 ▼決議案では「日本軍の強制売春」があったとし、原爆投下を棚に上げて「残酷さと規模において前例がない」と弾劾している。こんなしろものがまかり通るのも14年前に当時の河野洋平官房長官が、ろくに調べもせず日本軍の強制性を認め、謝罪談話を発表したからといえる。


★河野談話をもう一度よく読んでみよう。(参考記事「従軍慰安婦問題・論点のすり替えは産経がやっているように見えるのだが。」


 ▼歴史の捏造(ねつぞう)を許せば、われわれの名誉は末代まで汚される。日米が歴史問題で離間して喜ぶのは誰か。安倍晋三首相は「河野談話」の見直しを含め先頭に立って採択阻止に動いてほしい。「主張する外交」がホンモノかどうかが試されているのだ。

(2007/02/02 06:51)


「歴史の捏造(ねつぞう)を許せば、われわれの名誉は末代まで汚される。」ええ、全く同感です。だから産経さん、止めて下さいね。
「「主張する外交」がホンモノかどうかが試されているのだ。」主張するにしたって、虚実見境なしに主張したら、いかんでしょう。もう少し大人になってください。