シナリオ・センター大阪校 鳩子の日記 -3ページ目

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】たそがれまえ

水やり三年五年、というほど植物の水やりはむずかしいそうです。

草花ごとにちがい、あわせての水やり。日に一度なら朝。どばどばやってはダメだそうで、二度目やるならたそがれまえ。日中、陽をうけて蒸した土を、そっと鎮めて夜を迎えるためだそうです。テレビ番組のベランダー、面白いですね。変なおじさんがベランダの草花にはまっている様子。可愛らしくて、ちょっと気色わるくて…
 
 部屋で添削をする日には、気分転換にベランダで草いじりをします。

枯れた葉や花びらを摘みながら、アスファルトの熱を冷やすような風をのんびりうけていると、心のなかにも、さわさわ爽やかな風がながれます。草花も手をいれすぎると、もうごめん、と喋りかけてくるようなので、たそがれまえには草花のみに夢中にならず、気もそぞろにさまざまなことに想いをはせます。


 朝はていねいに水をやり、たそがれまえには蒸した土の熱を冷まし… これは人とのおつきあいとも似ているのかもしれません。

相手にあわせてていねいに、陽をうけたなら咲きほこり、たそがれまえには蒸した心をそっと冷やし… そんな女の人に出会えるのなら、男に生まれ変わりたいものですが、たいてい夕方から夜になるほどヒートアップする、怖い女の人が多いようですね。

深夜にはアルコールですっかり眼が坐り… わたしのことかもしれません。草花に学びましょ。


 先日、或るお歳を召した婦人の句を描きためた和紙の手帳をみせていただきました。

常ひごろ、なにかと自然に触れるにつけ、詩情をあらわすたしなみというのは、すばらしいものと思いました。そこからはゆとりあるやさしさが育まれます。

自然から詩情をたしなむ心もまた、作家に求められて然るべきものとあらためて…


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】備前小町の裸婦像

 この季節は煌めく新緑から活力をいただきます。たわわに舞う藤棚の里をおとずれました。藤まつりたけなわ、多くのお客さんが花びらを傷つけまいと傘もささず小雨にうたれ、しだれて揺れる藤をめでていました。

 備前焼きの小さなお店をみつけました。狭い国道に佇むそのお店は、店頭に大きな笑い入道のオブジェが三体飾られていました。いわゆる壺や花器の作品よりも、ユーモラスで芸術的なオブジェが目立ち、個性派らしい印象をうけます。上がり框のお座敷の手こね場と、引き戸の小さなお店が並んでいます。

「ごめんください、ちょっとみせてください」
 と無人のような奥に声をかけると、九十くらいの綺麗なお婆ちゃんがでてこられました。備前は竹下夢二の古里ですが、そのお婆ちゃん、夢二の美人画にでてくる女の人が歳を重ねられたように、瓜実顔の綺麗な方でした。友だちへのお土産をとさがしながら、ちらほら作品をみていると、太陽の塔のようなオブジェ等、使い目的のないアート作品が多いのが特徴で、それもいかにも芸術家然としたものでなく、なんともユーモラスなのが魅力的でした。備前焼きの人間国宝作家展へいったことがあり、そのときうけた印象からはそのお店の作品は異なり、封建的な日本芸術界にもしかすると反抗されたのか、作者の勇気にエールを送りたい気持ちになりました。

 壁に備前で焼かれた女性の裸婦像がかけられていました。作家はおそらくお亡くなりになったお爺ちゃんで、裸婦は目の前で包装してくださってる備前小町にちがいない。どんな恋をされたのかしら。ふたりこの焼き物のように笑顔を絶やさず、きっとすごく愛しあっていたのだろうな… と空想しながら、「またきてね」と微笑んだくださったお婆ちゃんから、ステキな活力をいただきました。

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】悪女ケート

 長篇を描くときには、主要人物三代の履歴書を作らなければならないといいますが、履歴書作りに充分な時間をさいていますか? 先日、映画「エデンの東」の人物を原作から紐といてみました。旧約聖書の「カインとアベルの物語」に基づいた人物構成は、カイン型人物、アベル型人物と、理路整然と整理されています。そのためブレを起こしていないことが、とても勉強になりました。

 なかでもジェームス・ディーン演じる次男が逢いにいった、いかがわしい居酒屋の実母ケートが、わたしは秀逸に感じます。なぜならケートはその時代でこそうまく立ち回れなかった悪の権化ですが、現代なら女性のだれしもが求める自由の権化であるからです。ケートは映画では少ししか登場しませんが、原作では思いきりハラハラドキドキさせてくれます。この人がでてくるページはグイグイ読みすすむ、そんな小説ってありますね? 「風と共に去りぬ」のレッドも同じくです。シナリオも小説も人物の魅力と、人物構成への目論見が肝ですね。「エデンの東」では、何代にも及ぶ必然的キャラクターの他の人物群に対し、ケートは、「良心の欠けた怪物として生まれる」と非情に大胆な設定で、そのコントラストが物語をぐいぐいすすませます。15歳で教師を自殺に追いやり、16歳で家族を焼死させ、売春業の男のかこわれ者になった彼女が男からズタズタの傷を負って棄てられている処を、ジェームス・ディーンの父のアダムに救われ夫婦に。ところがうまくいくはずもなく子どもたちをさっさと棄ててまたしても居酒屋へ。このケートの悪女像には評論家のあいだでも賛否両論あるようですが、わたしは断然、悪女ファンです。なりたくてもなれないものへの憧れと、同時に表裏一体の恐れが、フィクションの醍醐味だから。  

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】聞かせてよ愛の歌を

 ラジオドラマを書いていたころ、ラジオだからキザでも抽象化できるとばかりの勝手なご都合で、歯の浮いたセリフを羅列していました。でも最近、シャンソンの歌詞をみて、いろいろ考えています。日本人ならこんな風に率直に愛を伝えない。特に男性から女性への愛の言葉というと、禁欲的な日本。寡黙であることが美意識へ。ジャズを演っていた知人がシャンソンを歌う人のことを、変な歌を歌う、変な奴、といっていましたが、「お仏蘭西では、シェー!」と笑わせていただいた赤塚先生は天才としかいえません。むかしながらのシャンソンの歌詞をみていると現実離れした恋愛至上主義が感じられ、むず痒くなり、では現代にマッチする愛の言葉はどのようなものなのか… 別れ話で傷ついた男の子が、キレて女の子を殺傷する時代、言葉にたずさわるわたしたちは、愛の言葉に耳をとぎ澄ますべきではないかと思います。

 最近、ZAZというシャンソンの歌手にはまっています。1980年生まれのZAZは伝統的なシャンソンも、オリジナルも歌っていますが、たくましくて、元気いっぱいで、時代錯誤の恋愛至上主義が感じられません。バイオリン、音楽理論、合唱、ピアノ、ギターを学び、カンフーを学び、ジャズ、バスク、キューバ、ラテン、アフロ、クラシックなどの音楽の影響を受け、さまざまな経緯のあとモンマルトルでストリート・ミュージシャンをしていたところ、「ジャジーでハスキーヴォイスの歌手を募集中」というインターネット上の広告に応募して、その才能が音楽プロデューサーに発掘された人なのですが、まだ若い彼女が、なんとたくさんのことを学んできたのかと驚かされます。無駄も、遠回りも、人生にはない。たくさんのことを貪欲に学ぶべきですね。

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】ハルカスのじゃりん子ちゃん

 或る夕暮れどき、天王寺動物園から古い商店街を阿倍野まで散歩しました。商店街ではお孫さんづれの真っ赤なほっぺをしたお爺ちゃんが、カラオケ酒場のカウンターでおなかの底から大声で歌っていました。この「カラオケ酒場」というのがこの周辺では人気のようです。大声をだすのは健康的だし、お孫さんもマイクをお爺ちゃんから奪いとって歌うなんて、なんてほのぼのとした下町なのだろうと思いました。そして阿倍野へ。ハルカスがそびえて新しい街にさま変わりしたかのようでも、やはり昔ながらの下町風情がいたるところに残っていました。ずいぶんの距離を歩いたので喉を潤しにちいさなバーへはいりました。そこにもいたのです、じゃりん子ちゃんが。カウンターで水割りやカクテルのグラスを傾ける大人たちにまじって並び、すんなりおさまりきっている、五、六歳の女の子。若いホステスさんのお客さんが、
「うち、はよ帰らな、あかんねん、こども、おるし」
 というと、じゃりん子ちゃんはすかさず、
「ほぉ、こども、おんの? しらんかったわ、何歳や?」
 とボケとつっこみのような絶妙の返しをその後、連発。ちかぢか、必ずや吉本からスカウトされると、周囲の大人たちみんなが笑ってしまいました。こどもが、「ほぉ、こども、おんの」というのが可笑しいし、浪花のおっちゃんの口癖のようで、一杯呑みながらホステスさんの悩みでもいっちょ聴いたろやないか、という態度もそのまま浪花のおっちゃん。浪花のおっちゃんとは、横柄でも、やさしい。それを的確に真似る、さすが、じゃりん子チエのふるさと周辺。たのもしさを感じました。
 これから創造されていく次世代のために、人情や言葉へのこだわりを持ちたいものです。


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】うぬぼれ鏡

 あけましておめでとうございます!

 昨年、友だちから萌えるような楓色のギターをプレゼントしてもらい、わたしの宝物になりました。ギターの練習をして過ごすうちに、シャンソンの言葉と心に惹かれ、シャンソンのことを調べていました。そしてあいまに越路吹雪さんの残された日記やエッセイを綴った本を読みました。パリへシャンソンの勉強に逗留された、お若いころの日記集です。エディット・ピアフのステージにうちのめされ、自信とうぬぼれのはざまで、ご自分だけの歌唱を創造していこうと悩み苦しみ、たちむかわれた強い志に、心をうたれました。ギターの教則本に、こうありました。

「なにごとにおいても自信を失ったが最後、成功はおさめられなくなってしまう。しかし、うぬぼれ、すなわち慢心は芸を滅ぼす。自信とうぬぼれ、これは紙一重のものであり、その紙一重がわからぬものは大成できない」

 と厳しいお叱り。これは初心の精神にもつながることで、自分が初めたときからどのあたりへ到達しているのかを正しく計ることの大切さですね。自信とは自分の能力や価値を確信すること。うぬぼれとは自分を実際以上にすぐれていると思うこと。でも、自信だけのシナリオは面白くないと、ついへそまがり。たとえうぬぼれが滑稽であろうと、敢えて挑んでいるシナリオは面白い、と堂々巡りしてしまうのは、お正月のワインの呑みすぎでしょうか?

 むかしアンティーク家具屋さんでヨーロッパのうぬぼれ鏡をみつけたことがあります。等身大の、見えるか見えないかの、ボォッと霞んだ鏡。玄関に飾って、でかけるまえにこの鏡に自分を映すと、一日中しあわせの錯覚に酔っていられるかもしれない、そんな気持ちになりましたが、けれど現実が…

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】秘密は歴史を作る

 紅葉盛りの有馬温泉へむかい赤湯の熱を肌にさしこむようにうけて、パワーをもらいました。

有馬は日本三古湯のひとつ。赤い鼻緒の下駄を鳴らして滝川の小路をすすむと、夜露にしめったオゾンの香りに時代劇の登場人物のような気持ちになり、かけ流しの露店風呂に身を沈めると、地下深い岩盤の割れ目から湧きでる自然の威力に、新たな意欲を得て文化を創造してきた、歴史上の人たちの人生への挑戦に、畏敬の念を感じました。



 大阪神戸から一時間もあれば赴ける有馬ですが、かもしだす空気に魅力を感じるのは秘密的な処です。

谷崎潤一郎も『細雪』『猫と庄造と二人のおんな』『春琴抄』等の小説に有馬を描いています。手塚治虫の『アドルフに告ぐ』に登場する有馬芸者、絹子は印象的です。

秘密めいたことが、坂のある温泉街の路地と湯けむりのなかですすめられてゆく… 歴史は秘密で作られる、そんなことを考えるとわくわくします。


同じように魅了されたのは、愛知県の蒲郡です。天守閣とレトロな仏蘭西料理レストランを併せもつホテルの迷路には隠れ部屋もあったと伺い、わくわくしました。


秘密にまみれた現実生活などはおくれませんが、物語には非現実性がたいせつです。

庶民凡人では遭遇し得ない秘密を追ってみたくて、わくわく興味が湧きでてきます。

 この秘密性も時代とともにさま変わりしてしまったのが、物語を作る上では残念です。

とうてい互角になれない秘密や欲深さ、そのようなものが昔のフィクションでは底に蠢く動機であったのが、このところはスケールが小さく均等になり、さっぱり面白くありません。

人の欲望でドラマが作られるのに、欲がなければどう作ればいいのかといえば、結局、変わった現代人をスケッチするほかに方法はありません。でもそれは面白くないのです。

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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】越前ふたたび 虚の笑い 実の笑い

 越前お能の里をふたたび訪れました。面打ちの先生と奥様は囲炉裏で、地もとのお餅のはいったお善哉をことこと炊いて迎えてくださいました。奥様も面打ち作家であられるとのこと。控えめな柔和さに、学ぶことしきりです。

 大自然のもとで創作とむきあっている方々に惹かれます。もうおひとりはながらくお世話になっている染め師の先生です。いずれの方も使命を全うされながら、きびしい自然と戦っていらっしゃる強い志をおもちと、尊敬いたします。

 わたしが尊敬する上方文学者、喜劇作家は井原西鶴です。西鶴は51歳で亡くなっています。大坂・難波に生れ、15歳頃から俳諧師を志し名をなし、34歳の時に妻を亡くし1000句の追善興行。40歳のときに『好色一代男』を出板して大ヒット。作家へ転進します。西鶴の作家人生は40歳から50歳の10年間。そこで面白い形跡なのですが、デビュー当時は「虚の笑い」で大ヒットしたものの、晩年は「実の笑い」を描き、あまり多くの人には受けいれられなかったそうです。「虚の笑い」とは今の言葉でいうならば、デフォルメ、カルカチャライズされた笑い、ということとでしょうね。「実の笑い」とはリアリティの角度から掘りさげられた笑いということでしょう。「実の笑い」の方が文学性としては上質なぶん瞬時の驚きはなく、大衆受けしなかったのだろうと思います。シナリオのジャンルのなかでも喜劇が一番むずかしいといいますが、笑いとは奥が深いものです。


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】海を渡るブルース

 秋の夜なが、どんな風に過ごされていますか? わたしがはまっているのはインドのお香です。一日の熱をクールダウンするのにお香は最適。いい気持ちになりシタールとタブラの音色を聴きます。それからこのごろ、「yuji hamaguchi from katsuura」というCDを聴いています。和歌山県勝浦在住のギタリスト濱口祐自さんのCDです。マグロのはえなわ漁を生業とする家系の濱口さんはご自身もマグロ漁船に乗り込みパプアニューギニアまで行かれた経験もおありです。地元で「竹林パワー」という名前の音楽サロンを運営され、自主制作のCDも作り、独学でギターを弾いてこられた、現在、還暦を迎えられたブルースギタリストです。トレンディ一色や、若者だけが共有する文化が好ましくないわたしとしては、弦のデリケートなつまびきから、音楽を超えた一人の人生が感じられ、心地よく聴いています。

 ずいぶん前に船旅でグアムとサイパンへ行ったことがあります。太平洋の航路は壮大なものでした。サイパンのすこし手前では大時化がつづき、船のなかを歩くことも困難で、食事もテーブルに並べられないほどの揺れよう。やっとサイパンに着くと、すぐ近くに日本の小さな漁船が停泊していました。なにげなくお魚を食べているものの、遠洋漁業の漁師さんは聴きしに勝るご苦労をされていることに感心しました。それでも海はわたしにたくさんの癒しと活力をくれました。濱口さんが夜空のもと、船でギターをつまびかれたのかどうかはわかりませんが、彼のギターの音色からは、あたたかみと郷愁を感じます。

 fromどこか… といったインディズシナリオが、人のハートに届くことがあるかもしれませんね。


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【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】日本海を渡る猫

お盆休みに隠岐の島を訪れました。

鬼太郎ロードのある境港から約二時間半フェリーに乗り、ちょっとした船旅気分を満喫しました。

常に利用しているお客さんが多いようで、乗るや否やみんな列を作り、船室で仮眠をとるための毛布や枕を借り、すぐさまぐぅぐぅ眠ります。

二時間半は長いし、日によっては波も高いようなので、とにかく眠りに就くのが得策のようです。一時間ほどで済む高速フェリーも出ていますが、郷に入れば郷に従う普通コースが、とても面白い経験になりました。



 もう島がみえてきたころデッキにでると、籠に猫をつれてきた初老のご夫婦がいました。

やっと籠からだしてもらって鎖につながれた猫ちゃんは、あれ、ここ、どこにゃーん? といわんばかりにデッキのいたるところの匂いを嗅いでいました。

潮の香りといっしょにお魚のいい匂いもしていそうです。

島がもう目の前に迫り、もう一度、籠に入れようとご夫婦がトライされましたが、いやにゃーん、いやにゃーん、と訴えてなかなか入りません。

そら、いやですよね。ご主人さまのことは信用しきっているものの、籠の中なんて。

他に大型犬を二匹つれてきている若夫婦もデッキの端に犬をつないでいて、犬たちは気持ちよさそうに波風をうけていました。

お里帰りなのか旅なのか、かたときもいっしょに居たいペットは本当に家族ですね。



 日本の終末医療についてお医者さまが書かれていましたが、日本では人生の最期への考え方が遅れているとのこと。外国では、ホスピスも2DKほどの広さのホテル形式の処があり、家族やペットも患者さんといっしょに長期滞在できるそうです。

人生の最期にいっしょに居たい人やペットと、ごく普通に暮らせる、そのようなシステムも近くない未来、日本のいたる処にできることを願います。 

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