【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】聞かせてよ愛の歌を | シナリオ・センター大阪校 鳩子の日記

【シナリオを書いているあなたへのお手紙 for you】聞かせてよ愛の歌を

 ラジオドラマを書いていたころ、ラジオだからキザでも抽象化できるとばかりの勝手なご都合で、歯の浮いたセリフを羅列していました。でも最近、シャンソンの歌詞をみて、いろいろ考えています。日本人ならこんな風に率直に愛を伝えない。特に男性から女性への愛の言葉というと、禁欲的な日本。寡黙であることが美意識へ。ジャズを演っていた知人がシャンソンを歌う人のことを、変な歌を歌う、変な奴、といっていましたが、「お仏蘭西では、シェー!」と笑わせていただいた赤塚先生は天才としかいえません。むかしながらのシャンソンの歌詞をみていると現実離れした恋愛至上主義が感じられ、むず痒くなり、では現代にマッチする愛の言葉はどのようなものなのか… 別れ話で傷ついた男の子が、キレて女の子を殺傷する時代、言葉にたずさわるわたしたちは、愛の言葉に耳をとぎ澄ますべきではないかと思います。

 最近、ZAZというシャンソンの歌手にはまっています。1980年生まれのZAZは伝統的なシャンソンも、オリジナルも歌っていますが、たくましくて、元気いっぱいで、時代錯誤の恋愛至上主義が感じられません。バイオリン、音楽理論、合唱、ピアノ、ギターを学び、カンフーを学び、ジャズ、バスク、キューバ、ラテン、アフロ、クラシックなどの音楽の影響を受け、さまざまな経緯のあとモンマルトルでストリート・ミュージシャンをしていたところ、「ジャジーでハスキーヴォイスの歌手を募集中」というインターネット上の広告に応募して、その才能が音楽プロデューサーに発掘された人なのですが、まだ若い彼女が、なんとたくさんのことを学んできたのかと驚かされます。無駄も、遠回りも、人生にはない。たくさんのことを貪欲に学ぶべきですね。

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