今まで質疑してきた内容をふまえ、委員会最終日に以下のような意見を表明しました。

 

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市民ふくしフォーラムとして、2019年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計および後期高齢者医療会計の決算の認定に反対し、意見を表明します。

 

まず、今回の決算における後期高齢者医療会計の不適切な会計処理は、年度がまたがる時期の処理方法を誤るという非常に初歩的なミスであり、練馬区という大きな組織でこのような問題が起こったことは残念です。組織として再発防止のための取り組みを十分に行なうよう求めます。

また、現在、新型コロナウイルスの状況下、様々な施策において従来の方法にとらわれない柔軟な対応が求められます。DVなど暴力の被害に遭った女性、生きづらさを抱えた女性への支援は、従来の売春防止法に基づく「保護」に重きを置いた支援が制度の基本となっており、当事者の思いや生活を主体に支援を進めるには不十分ですし、生きづらさを抱えた男性の支援という点はもっと支援メニューが少なくなります。

現在、生きづらさを抱えた人のサポートとして重要な位置を占める生活保護制度も、当事者の生活を主体とした支援になっているか、不断の検証が必要です。コロナウイルスによる生活課題がある今、改めて区としてもこうした制度的課題の検証をすべきです。

そして来年度は障害者制度、介護保険制度の改定の時期でもあります。緊急時に弱い立場に立たされる人が置き去りにされない施策の充実を求め、以下、各款について意見を述べます。

 

・新型コロナウイルスの状況下、今のところDVに関する相談は増加しておらず、潜在化している課題があると考えられる。サポートを必要とする人に提示できる支援メニューの充実について区としても努力し、国にも婦人保護に関わる制度的改善を求めること。

テニスコートの利用について、区民一人一人の豊かな地域生活の充実という観点から、より公平な活用と使い勝手の改善ができるよう検証を進めること。

・出生した子が嫡出か否かを記載させることをはじめ、戸籍制度の中に改善されていない婚外子差別が残されている。特に区の運用では改善できない点について国に対して制度の是正を求めること。

再生可能エネルギーは区民にとって身近な環境問題として捉えられるような啓発のしかた、補助金のあり方を工夫して進めること。

勤労福祉に関する施設の今後のあり方の検討にあたっては、ハード面のあり方の検討だけではなく、働く人への情報提供、相談の場というソフト面の支援について、現在の社会状況、働き方の現状を踏まえた検証をし、施策の充実を図ること。

ビジネスサポートセンターにおけるセミナーは、その人の状況に合わせたアフターフォローの充実を図ること。また、コロナの状況下でも、サポートが受けやすいセミナーの方法の工夫をすること。

・生活保護申請後、保護費が支給されるまでの間実施される法外援護緊急たすけあい資金の貸し付けは、貸付額の基準を明確に当事者に示し、透明性のある運用をすること。

介護認定審査会はコロナを機にリモート実施もされているが、今後も専門職の臨機応変の対応に有効活用できるよう、より工夫しながら実施すること。

ケアプラン点検は給付の抑制につなげるのではなく、当事者主体の観点からの介護支援専門員の支援という立ち位置を明確に実施すること。

手話通訳の養成・派遣について、コロナ禍においても滞ることのないよう実施すること。

鉄道駅のホームドア設置について計画通り進められるよう西武鉄道との丁寧な協議を進めること。

交通安全対策は、高齢者の歩行中の重篤な事故が起こる実態をふまえ、区内に設置されている注意喚起の看板の設置場所を事例として挙げながら注意すべき点を案内するなど啓発のしかたの工夫を進めること。

不登校対策として実施してきたタブレットの活用のノウハウを生かした支援体制の充実を図ること。コロナウイルスの状況下での不登校対策の充実を図ること。

緊急事態宣言時の学童クラブに児童館の職員を派遣して交流を図るといった、コロナの影響を受けた取り組みが今後に活かせるものにつながる工夫をさらに進めること。

・子育ての負担を軽減し親子が安心して地域で生活できる支えとなるショートステイ事業の充実を図ること。