10月8日と9日の決算特別委員会では、ケアプラン点検について質問しました。色々な取り組みがされているけれど、3種類あるし、なかなか分かりづらいので、整理してみるのが一つの目的でした。詳細はぜひお読みください。

また、ケアプラン点検は果たして介護給付の抑制のためのものになってはいないのか、ということを確認したかったのも大きな目的です。


〈10月8日全款補充質疑の際の質問〉

(かとうぎ桜子)

介護給付費適正化推進事業経費、地域包括支援センター運営費に関連して、ケアプラン点検について伺います。

練馬区のケアプラン点検は、2006年度に書面での点検を実施して、2007年度からは実施指導での点検が行われているほか、2015年度からはガイドライン方式による点検が始まって、2018年度からは地域ケア予防会議における点検も行われているということです。

現行で3種類のケアプラン点検がありますが、開始時期も方法も違うようです。まず、それぞれの役割の違いについて伺います。

 

(介護保険課長)

ケアプラン点検は、ケアプランが介護保険の理念である自立支援に資するものとして適切に作成されているかを確認することで、真に必要なサービスの適切な確保を図るという意味での給付の適正化と、ケアマネジメントの質の向上を目的として実施するものです。

実施指導の点検は、居宅介護支援事業所の実地指導と同時に行うもので、ケアマネ資格を有する区の介護給付調査員がその場でプランを点検し、ケアマネに助言します。

ガイドライン方式は、ケアマネ自身がまず自分のプランの自己点検をした上で、介護給付調査員がケアマネのアセスメントとケアプランの点検、助言を行い、事後に、ケアマネが振り返りを行うという形で、詳しく丁寧にやるものです。

地域ケア予防会議では、理学療法士等の多職種連携によりケースの検討を行っています。

これらの取り組みを重ねてやることで、利用者の自立支援につなげているというものです。

 

(かとうぎ桜子)

ケアプラン点検は給付の適正化のために実施するとうたわれています。

2006年の介護保険改定の頃から介護保険制度が給付の抑制の方向にあって、利用しづらくなっているという懸念もあり、そういう中で位置づけられているケアプラン点検をどのように捉えていくべきかという問題意識を持っています。

ケアプラン点検について2008年に国が出している資料を見ると、「利用者や家族の要望だけに合わせてケアプランを作成するのではなく、専門家として自立支援に資する内容かを常に考えながら、根拠のある課題の設定を意識する必要があります」という記載があります。

しかし、一方でその人の生活課題を一番よく知っているのは当事者だと思います。国の言う「専門家として検討する自立支援」とは、具体的にどのようなものと位置付けて、区として取り組んでいるのかをお聞きしたいのが、1点目の質問です。

大切なのは、本人、家族からの要望をわがままと捉えるのではなくて、言語化されていない背景にある本当のニーズをくみ取ることだと思います。そうした点について、ケアプラン点検の中でどのように評価しているかという点についても、伺いたいと思います。

 

(介護保険課長)

まず、1点目のご質問です。練馬区としては、高齢者が要介護状態になっても尊厳を保ち、その人の有する能力に応じた自立した日常生活を営めるよう、利用者の希望や状況を十分に把握し、利用者が望む利用者らしい生活とは何かを踏まえて、その人にとって最もふさわしいサービスが利用できることが、必要だと考えております。

そのために、ケアプラン点検では、利用したいサービスだけではなく、利用者やご家族がどのような生活を送りたいかをケアマネと一緒に確認し、適切なサービスを利用できるように支援していくところを注視しております。

 

(かとうぎ桜子)

コロナウィルスの状況がある中で、実地調査もやりづらい状況かと思いますけれども、どのように取り組んでいるのかお聞きします。

 

(介護保険課長)

居宅介護支援事業所での実施指導時の点検は、三密になりやすいため、ケアプランを提出してもらい紙面点検をする方法に変更いたしました。

ガイドライン方式の点検は、開始時期を遅らせ、感染対策を行った上で、7月から実施しております。

 

(かとうぎ桜子)

ケアプラン点検において、コロナの影響も、これから検証していく必要があるかと思います。

地域ケア会議のケアプランの点検ですが、生活援助中心型で利用が通常よりも多いものについて、2018年10月から届け出の義務づけと地域ケア会議等での検討が位置付けられています。この届出はどのような場合で発生するのか。地域ケア予防会議における件数や対応方法という実情を伺います。

 

(高齢者支援課長)

現在、要介護1から5の訪問介護において、国が定める基準回数を超える生活援助サービスを入れているケアプランを、ケアマネジャーから区へ提出してもらい、多職種での検討を行っています。

具体的には、理学療法士等々の多職種が一堂に会して行っています。ケースに応じて、より適したサービスに切り替えたほうがいいのではないか、サービスを増やした方がいいのではないかという議論もしているところです。

 

 

〈10月9日全款補充質疑の際の質問〉


(かとうぎ桜子)

地域包括支援センター運営費に関連して、昨日質問しましたケアプラン点検についてもう少し伺いたいと思います。

要介護1から5で国の定める基準以上の回数の生活援助を利用している方について、地域ケア予防会議において、多職種による検討をしているというご説明が昨日ありました。

しかし、そもそも生活援助だけチェックする制度のあり方は、生活援助の役割が軽視されているのではないかと懸念するところです。

訪問回数の多いケースについて、届出をする制度が抑止力として機能してしまって、本当はもっと支援が必要な状況にあるのに、ケアマネジャーがあらかじめ利用を抑制するケースが発生していないかと懸念するところですが、区としての見解をお聞きしたいと思います。

また、事業者に対して、この仕組みについてどのような説明を行っているかを伺います。

 

(高齢者支援課長)

地域ケア予防会議は、昨日も申し上げました理学療法士の他、作業療法士、保健師、管理栄養士、主任ケアマネジャー、介護サービス事業者などが一堂に会しまして、介護が必要な方においても、ご本人の持っている能力に応じて、自立した日常生活を送れるように自立支援、重度化防止の視点での助言を行うものです。

ケースに応じまして、より適したサービスに切り替えたほうがいいのではないかですとか、あるいはサービスを増やした方がいいのではないかといった議論もしています。サービスの抑制を目的とするものではなくて、その点については事業者にもご理解いただけるようにご説明をしているところです。

引き続き、多職種で連携した検証を行いまして、地域の事業者と共に自立支援、重度化防止の取り組みを進めてまいります。

 

(かとうぎ桜子)

ケアプラン点検が給付の抑制のためではなくて、介護が必要な人とその家族の支援、そのためケアマネジャーのスキルアップ支援に役立つものになるように、またこれからも進めていただければと思います。