Timeless/MUCC
1. サイレン
2. G.G. -Timeless Ver.-
3. under the moonlight
4. 99
5. リブラ -Timeless Ver.-
6. 想 -so-
7. ガーベラ -Timeless Ver.-
8. 死の産声
9. 耀 -yo-
10. 路地裏 僕と君へ -Timeless Ver.-
11. Timeless
12. 空 -ku- (JaQwa Remix)
25周年イヤーの締め括りとなるMUCCのフルアルバム。
四半世紀の活動の中で、様々なコンセプト、様々な音楽性でアルバムを制作してきた彼ら。
その歴史においても、一風変わった位置づけになりそうなのが、この「Timeless」でしょう。
過去にリリースされたアルバム8作品を再現するライブツアー「Timeless」を敢行。
本作は、ライブアルバムの形ではなくオリジナルアルバムとして、このライブツアーの成果をパッケージしようとする意図が見られるのですよ。
収録内容は、当時の空気感を再表現しようと制作された会場限定シングルから6曲、ツアー中に演奏して現代に蘇らせた再録曲4曲、deadmanとのカップリングCDに収録された「死の産声」の11曲に、新曲としてテーマ曲となる「Timeless」を加えたもの。
既存の概念から引っ張ってくるとしたら、新曲1曲を加えたベストアルバムと捉えることもできそうです。
ただし、会場限定シングルは、このアルバムに収録することを目的にバランスを調整してきた節もありますし、再録曲にしても、ツアーで成長した、化けたという情報が欠けていたら、きっと不思議な選曲と映っていたはず。
工夫なくライブ音源を持ってくるのではなく、安易に当時の楽曲を並べるのでもなく、オリジナルアルバムとして再配置して、ツアーにおける楽曲の成長を見届けようという試みが、ここではバチっとハマっていて、個性として輝いていました。
過去の楽曲が含まれるという点で、全体的に原点回帰的。
歌謡曲ライクな楽曲が多く収録された印象で、深みが出てきたサウンドに、哀愁がマシマシです。
トレンディ感のある「under the moonlight」や、パンキッシュなテイストでノスタルジックに攻める「耀 -yo-」など、シングルリリース時は2曲目に甘んじた楽曲たちも、アルバムではポテンシャルを発揮。
リードトラックかのようなインパクトを放っていて、総括的な「Timeless」までの流れを作っていますね。
構成の妙、展開の巧さを見るに、やはり、本作は表現したいものがあったうえでのオリジナルアルバムなのだな、と。
そして、「Timeless」は清涼感のあるイントロから、エモーショナルに広がっていくミディアムナンバー。
オーケストラ風のアレンジが華やかで、培ってきた哀愁メロディを掬い上げるように、次のステージへと運んでいます。
ラストの「空 -ku-」はリミックスが施されており、古き良きボーナストラックといった風格。
こういう細かい仕掛けも、「Timeless」シリーズの締めくくりにはふさわしいのかもしれません。
新たな発想で、クロニクルを表現した1枚。
<過去のMUCC(ムック)に関するレビュー>
T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-
THE END OF THE WORLD
シャングリラ