脈拍 / MUCC | 安眠妨害水族館

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脈拍(初回生産限定盤B)(DVD付)/ムック

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1. 脈拍
2. 絶体絶命
3. CLASSIC
4. KILLEЯ
5. BILLY×2 ~Entwines ROCK STARS~
6. りんご
7. EMP
8. 故に、摩天楼 (ALBUM MIX)
9. 秘密
10. コミューン
11. 勿忘草
12. シリウス
13. 孵化
14. ハイデ

MUCCの約2年半ぶりとなるフルアルバム。
シングルから引き続き、L'Arc~en~Cielのkenさんがプロデュースを担当しています。

結成20周年を迎え、その先へ。
そんな想いを込めて届けられた本作は、過去を総括しつつ、現代シーンを突っ走る彼らを象徴しているよう。
芯を持った"何でもアリ"っぷりを発揮していました。

トップバッターの表題曲、「脈拍」がインパクト絶大。
ずっしり暗くシリアスで、サウンドもヘヴィー。
近年はエレクトロ路線も定着してはいるけれど、やはりこれを期待しているリスナーも多いことでしょう。
ムックらしいムックが来た!と、退廃的な世界観にワクワクを駆り立てられる。
原点回帰かとも思わせます。

ただし、それだけでは終わらない。
「KILLEЯ」はメタルサウンドで中期の頃の雰囲気で、「EMP」はメジャー初期のヘヴィロック志向が強かった時期を彷彿とさせる。
「BILLY×2 ~Entwines ROCK STARS~」なんかは、ミニアルバム「T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-」などで示したダサカッコいい方向感の延長線上ととれるかな。
どことなく、初期の昭和歌謡的なメロディが多めに散りばめられている気もしますね。
至るところで、その時代、その時代のMUCCっぽさが垣間見えるのですよ。

もちろん、ただ焼きまわしたのではなく、最近の流行をちゃっかり取り入れ、興味があるものは何でもやってしまうMUCCの神髄ここにあり。
特に、「りんご」のようなレゲエロックを彼ら流に落とし込んだ楽曲や、王道的な疾走メロディ「シリウス」などで、その要素は見て取れる。
「シリウス」のギターソロ、確実にkenさんが乗り移っているでしょ、これ。

総合的には、「鵬翼」、「極彩」あたりが好きな人にはハマるかと。
「THE END OF THE WORLD」の進化系と言っても通用しそう。
常に極端に振り切れている印象があるMUCCだけれど、アプローチが異なるだけで、目指している音楽は実は普遍的だったりするのかもしれません。
そんなことを改めて気付かせてくれる、節目にぴったりな1枚。

<過去のMUCC(ムック)に関するレビュー>
T.R.E.N.D.Y. -Paradise from 1997-
THE END OF THE WORLD
シャングリラ
カルマ
6
COVER PARADE
鵬翼
朽木の灯
葬ラ謳
痛絶
アンティーク