2026年2月14日(土)、今年も「高円寺演芸まつり」の一環として、座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)で座・高円寺寄席の第一弾「おしくら饅頭、四派でドカン」が開催された。私はここ数年、毎年欠かさずこの公演を聴きに行っているが、もしかすると、この企画は今年が最後になるかも知れない。

何故なら、この会館自体は杉並区のものだが、館の運営は区がNPO法人に委託しており、その運営委託先のNPO法人が来期(2026年4月~)から別の法人に交代するらしい。そうなると「高円寺演芸まつり」自体は継続しても、当館での「座・高円寺寄席」自体が継続するかどうか分からないのだ。
演芸好きの私は寄席の定席である新宿「末廣亭」の会員で、年に何回も寄席に足を運んでいる。その私が何故「四派でドカン」に拘るかというと、落語協会、落語芸術協会、立川流、円楽党、つまり東京演芸界を構成する四派が同じ高座に上がる唯一無二の特別な企画だからである。(*1)
上野の「鈴本」は落語協会のみだし、新宿の「末廣亭」などは落語協会と落語芸術協会が10日交替で主催しプログラムを組む。最近は落語芸術協会主催の中で立川流と円楽党も1枠ずつ割当てているが、四派を代表する噺家が一人ずつ、同じ高座に上がる落語会は、ここ高円寺寄席しかないのだ。
1番手は落語協会から林家彦いち。落協はずっとこの彦いちである。彼は新作の名手であり、今日も小学生男子が父親と電車に乗る噺。座っていると前に立つオバサンやら青森のお兄さんやらが話しかけてくるネタでドカンドカンと笑わせる。もはやこの人が喋ればなんでも可笑しく聴こえてくる。
2番手は立川流から立川談笑。昨年は吉笑だったが、この企画で立川流は(地元が杉並だからだろうか)ずっと談笑だった。2年ぶりとなる談笑は今日もマクラ(*2)でたっぷり笑いを取った後、あり得ない超粗忽者を扱う古典「堀之内」を、聴衆に考える暇を与えないくらいテンポ良く演って笑わせる。
3番手は落語芸術協会から滝川鯉昇。芸協は毎回違う人を送り出して来たが今年は初めて前回と同じ鯉昇の連投だ。マクラはクマ騒動を落語4団体に例えたり「寝起きに無性にどんぐりが食べたくなる」と自身の睡眠状態をクマの冬眠に例えたりで笑わせてから古典の「茶の湯」を達者に演じた。
トリは円楽党(5代目三遊亭圓楽一門会)から三遊亭萬橘。この企画では円楽党はずっと三遊亭兼好だったが彼が同じ座・高円寺寄席の「噺三昧、これぞ大磐石」という企画の方に移ったため、昨年から萬橘が務めている。二人とも円楽党のエース級だから、さすがに面白い!私は二人とも大好きだ。
この企画では「出演順は楽屋に到着した順」という不文律があるらしいが、萬橘は2番目に到着したのにトリにされた経緯をマクラにして笑わせてから、古典「大工調べ」を披露。棟梁の長口上の啖呵で万雷の拍手を取りながらもドッカンドッカンの大爆笑で「流石、大トリ!」と会場を唸らせた。
という訳で今年も全員面白くて大満足だった!この企画、会場が座・高円寺でなくても構わないので、来年以降も是非継続して欲しいと一ファンの私としては切に願うばかりである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー*1:本件については下記ブログご参照。
・落語四派は高円寺でだけドカン | Saigottimoのブログ
・今年も落語四派高円寺でドカン | Saigottimoのブログ
*2:落語の本題(噺)に入る前の導入部分。ここで聴衆の受け具合などを見て本題の噺を決めたり、噺を楽しむための予備知識を仕込んだりオチ(サゲ)への伏線を張ったりする。
Saigottimo






























