西武新宿線(その１・西武新宿～所沢)

西武新宿駅にて。特急『小江戸』で使用される10000系電車(右)と2000系電車(左)です。

今回より２回にわたり、東京・新宿から西部郊外へと進み、東京都から埼玉県へと入って所沢を経由して本川越へ至る

西武新宿線を紹介していきます。
第１回目は、東京の新宿・高田馬場から西へ進み、住宅街を通って複数の支線を分岐し、埼玉県へと入って所沢市へ至る

西武新宿～所沢です。

尚、新宿線は東京の郊外私鉄路線では珍しく、都心部を走る地下鉄路線との相互直通運転を実施していません。
将来的には東京メトロ東西線との相互直通運転の構想があります。

(Yahoo!地図を使用)  

路線名	区間・営業キロ	備考
西武鉄道：新宿線	西武新宿～本川越(47.5km)	軌間1,067mm

今回紹介の区間  

区間	営業キロ	備考
西武新宿～所沢	28.9km	全区間複線。直流1,500V電化

踏破達成時	2007年６月
撮影時	2010年～2014年

起点駅の西武新宿駅は、ＪＲなどの新宿駅よりやや北側の歌舞伎町の一角にあり、高層の駅ビルがそびえています。駅ビルには西武新宿PePe、アメリカン・ブルバード、新宿プリンスホテルが入居しています。尚、駅や駅周辺に西武百貨店は出店していません。
元来は新宿駅東口まで延伸する予定でしたが、様々な事情により断念し、当初は仮駅として開業したのですが結局現在の位置に落ち着いています。
結果として、新宿駅に発着するＪＲや地下鉄、私鉄路線との乗換は不便です(都営大江戸線の新宿西口駅を除く)。
また、前述の通り駅周辺は歓楽街である歌舞伎町で、昼夜問わず賑わっています。

西武新宿駅は頭端式ホーム２面３線で、乗降分離はされていません。
ターミナル駅としては小規模な部類ですが、多くの乗客が隣駅の高田馬場を利用するのでさほど混雑しないかもしれませんね。

西武新宿を発車すると市街地の中、山手線・山手貨物線の東側を主に高架線で北上し、高田馬場に到着します。尚、並行する山手線には途中に新大久保駅がありますが、西武新宿線には駅は設置されていません。

高田馬場駅にて。単式ホーム２面２線の構造です。
当駅は新宿線系統で最大の乗客数を誇るため、朝ラッシュ時の上り列車到着時は、普段は上り列車が使用しない下り線ホーム側のドアを開閉して多くの降車客を捌いています。
尚、西武新宿駅の立地が他線との乗換には不便なため、山手線との乗換は当駅が便利です。

高田馬場を発車すると神田川を渡り、一瞬だけ東京都新宿区から豊島区へと変わります。左へカーブして山手線をアンダークロスすると新宿区へと戻り、住宅街の中を地平区間で西へ走ると下落合に着きます。

下落合駅にて。妙正寺川に沿って住宅街の中を西へ進みます。

下落合を発車後は妙正寺川に沿って住宅街の中を走り、山手通りをアンダーパスする地点にある中井に着きます。中井を発車後も住宅街の中を走り、妙正寺川を渡ると中野区へと変わり、右カーブ地点にホームがある新井薬師前に着きます。
新井薬師前を発車後は中野通りと踏切で交差し、妙正寺川を渡ると左へカーブして、待避線を持つ沼袋に着きます。

沼袋駅にて。西武新宿線の23区内区間にある多くの駅前には、狭い道路の両側に商店街が形成されています。

沼袋を発車後は住宅街の中を左へ右へカーブしながら走り、環七通りをオーバーパスする地点にある野方に着きます。野方を発車後は住宅街の中を西北西へ走り、都立家政に着きます。駅名は東京都立鷺宮高等学校の前身である東京都立中野高等家政女学校に由来しています。都立家政を発車後は左へカーブして、程なくして急行停車駅である鷺ノ宮に到着します。

こちらは鷺ノ宮駅前です。延々と都市部を走りますが、高架化や地下化は他の路線と比較して遅れています(現在、中井～野方で地下化工事が進められています)。

鷺ノ宮を発車すると線形が良くなります。右へカーブして住宅街の中を西北西へ走り、杉並区へ変わると下井草に着きます。下井草を発車後はやや左へカーブして住宅街の中を走り、井荻に着きます。駅の本川越方で環八通りの本線が新宿線の下を潜り、側道が新宿線の上を跨いでいます。井荻を発車後も住宅街の中を走り、左手に「機動戦士ガンダム」などのアニメーション製作会社「サンライズ」を見て走ると上井草に着きます。駅前にはガンダムの銅像があります。上井草を発車後は練馬区へと変わり、左手に早稲田大学のグラウンドを見て走ります。

(上り列車より撮影)その後、左手に上石神井車両基地を見て走ると上石神井(かみしゃくじい)に到着します。

上石神井を発車すると、畑も残る住宅街の中を西北西へと走り、武蔵関に着きます。

武蔵関を発車後は左手に武蔵関公園などを見て走り、西東京市へと変わると東伏見に着きます。東伏見を発車後はやや開けてきて、左へカーブしながら住宅地の中を走ると西武柳沢に着きます。

西武柳沢を発車後は青梅街道をオーバーパスして市街地へと入り、旧・田無市の中心駅で西東京市役所最寄りの田無に到着します。

田無を発車すると畑の残る武蔵野台地の住宅地の中を西南西へと走り、小平市へと変わると右へカーブして花小金井に着きます。

花小金井を発車後は武蔵野台地らしい畑の多い風景の中を北西へと走りますが、途中で左へ右へ小刻みにカーブする線形になっています。その後は市街地へと入り、小平に到着します。

小平を発車すると右へカーブして東村山市へと変わり、拝島線が左へ分岐すると右手に小平霊園を見て北西へ走ります。

その後は住宅街の中を走り、地下を走る武蔵野線と交差してしばらく走ると久米川に着きます。久米川を発車後は新青梅街道をアンダーパスして、右手に東村山市役所などを見て走ります。そして府中街道と踏切で交差してから右へカーブし、北上してきた国分寺線に寄り添うと市街地へと入り、東村山に到着します。

東村山駅にて。国分寺線、西武園線が分岐しています。
東村山市は志村けんさんの出身地で、「東村山音頭」が有名ですね。

東村山を発車すると右へカーブして、西武園線が左へ分かれます。

その後は左手に丘陵地を遠望しながら住宅地の中を北北東へと走り、小さな川を渡ると埼玉県所沢市へと変わります。
左へカーブして畑も見られる住宅地の中を北上すると左側から来た池袋線をアンダークロスして、その池袋線を右に見て市街地へ入ると所沢に到着します。

所沢駅にて。新宿線の列車は西側の１番線・２番線を使用します。西武新宿方面の２番線の同じホーム反対側には３番線があり、池袋線の池袋方面列車が発着しているので、本川越方面→池袋方面、西武秩父方面→西武新宿方面はスムーズに乗換ができます。また、新宿線と池袋線の間には渡り線があり、定期列車の運行こそないものの、両線直通の臨時列車が運転される事があります。

また、所沢駅は所沢市の代表駅で、駅周辺は市街地になっています。また、西武ホールディングスと西武鉄道の本社は東口側にあります。
ちなみに所沢駅は、2012年に橋上駅舎化されました。

(つづく)

  
乗り鉄の注意点  

西武新宿線では特急ニューレッドアローによる『小江戸』が西武新宿～本川越で昼間帯は毎時１本、朝(ラッシュ時の前後)や夕方以降は毎時２本運転されます。

急行は新宿線の主力種別で、昼間帯は西武新宿～本川越と西武新宿～拝島で毎時３本ずつの運転です。田無～本川越・拝島は各駅停車となります。ラッシュ時は増発され、新所沢や玉川上水を始発・終着とする列車も運行されます。また、平日朝ラッシュ時には上りのみ全区間通過運転をする通勤急行が運転されています。
準急は主に平日朝、深夜に運転されます。平日は夕方にも運転され、運転区間は西武新宿～田無・拝島・新所沢・本川越です。上石神井以遠で各駅停車となります。

各停は昼間帯に毎時６本運転され、下りベースで２本が本川越まで行きますが、１本が新所沢止まり、３本が田無止まりです。尚、東村山～本川越では国分寺線直通の各停が毎時１本運転されます。ラッシュ時には増発され、西武新宿～上石神井の系統が多数運転されます。

使用車両は、特急『小江戸』が10000系７連、急行・通勤急行・準急は４扉車10連または８連、各停は８連が基本ですが国分寺線直通列車は６連、西武新宿～上石神井・国分寺線を走らない列車は10連で運転される場合があります。
尚、新101系や3000系などの３扉車は、現在新宿線で営業運転を行っておりません。

急行での西武新宿～所沢の所要時間は、37分前後です。本川越までですと１時間少々です。

  
のりかえ  

(西武新宿駅からの乗換路線は、特記のない限り『新宿駅』(JR駅まで徒歩10分)です)  

乗換駅	乗換路線
西武新宿駅	ＪＲ東日本：山手線(池袋方面、渋谷方面)、中央線快速、<中央・総武緩行線>
西武新宿駅	JR東日本：<埼京線、湘南新宿ﾗｲﾝ(大宮方面、横浜方面)、相鉄・JR直通線>
西武新宿駅	京王電鉄：京王線、京王新線 (新線新宿駅)
西武新宿駅	東京メトロ：丸ノ内線。小田急電鉄：小田原線
西武新宿駅	都営地下鉄：新宿線(新線新宿駅)、大江戸線(新宿駅)、大江戸線(新宿西口駅)
高田馬場駅	ＪＲ東日本：山手線。東京メトロ：東西線
中井駅	都営地下鉄：大江戸線
小平駅	西武鉄道：拝島線
東村山駅	西武鉄道：国分寺線、西武園線
所沢駅	西武鉄道：新宿線(本川越方面)、池袋線(池袋方面、飯能・西武秩父方面)

  

(参考：Wikipedia)