【知っている？
死にゆく者の
心理過程】by医学部５年生
三つ子事件簿
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「ピンポーン」
三つ子２4歳
長男陸(りく)・仏の陸
２年浪人の末
私立医学部入学 ４月から
5年生
病院研修開始
次男海（かい）・ざ・準備
W大学卒業
総合商社に勤務 3年目
寮生活 土日は家に戻ってくる
週３・４回飲み会
３男空（そら）・毒舌チャッカマン
アメリカ留学
カンザス州立大学卒業
外資系コンサルタント会社に就職
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4月
医学部 長男陸(りく)は
街のクリニックへ研修スタート
１週間経過
訪問医療もする
・
日曜日
20:00
リビングに
私と夫
長男陸（りく）と次男海（かい）
・
（医学部長男陸（りく））
今週マジで疲れた。
土日ほとんど寝てた
（私）
だね
（陸（りく））
いきなり知らないクリニック行ってさ、
午後は
自転車乗って訪問医療に行くんだよ。
知らない家に行って
「ピンポーン、はじめまして。
学生のしまやりくです。」
から入るんだよ。
マジで疲れた。
（次男海（かい））
そんなことしてんだ。
流石に大変だな。
（夫）
パパは、訪問診療よくやってるよ。
得意だよ
昨日は看護師さんがいなくて、
パパが注射したんだよねー。
（陸（りく））
マジで？パパって訪問診療もやってんの？
すげー
でね、今週訪問診療に行った
90歳の患者さんなんだけどさ
「沖縄に行きたい」って言っててね。
癌の終末期なんだけどね。
緩和治療してんだわ。
（私）
待って！
９０歳で癌の方が沖縄に行きたいって言うの？
体力ないから不安だとかないの？
そんな前向きな事言えるの？
言うんだよ。
（陸（りく））
オレ、習ったんだよね。
終末期医療の授業で
「死にゆく者の心理過程」
(参考文献：サキの学びや）
否定（否認）・怒り・取引・抑うつをくり返す
終末期になると
「受容」になるんだよ。
そうなんだ・・・。
（陸（りく））
だからね、
受容の心理状態になると
「こんなことをしたい！」って言い出すんだよね。
そこで医者は、ちゃんと聞いて
叶えてあげようとするの。
例えば、患者さんが
「白内障の手術をして沖縄旅行したい」
と言いだしたら、
医師は「５月に手術の予定を入れたので
それまで体力付けましょうね。
そして、
沖縄に行きましょうね。」
とか言うの。
でね、沖縄で患者さんが急変するかもしれないから
家族の方に沖縄での病院を探しておいてもらって
紹介状も手渡しておくんだよ。
そっかぁ。
（陸（りく））
話を聞いてゴールを設定して叶えていくことで
生命力もあがるでしょ。
人間って、何か目標があることで
生きようとするんだね。
（陸（りく））
うん。
そうそう、あと、介護の授業もやってね、
ママが見たほうがいいものがあるから
このYouTube
ばぁばを介護するときに
これ、知っておいた方がいいよ。
・
私のパソコンからYouTubeを開く
今65歳以上の4人にひとりは認知症になると言われていて
フランスで行われている新しい認知症ケア
「ユマニチュード」
人間らしく接するために
「見る」「話す」「触れる」
をして、
優しさを感情に伝える技術
子育てと似ていると思った。
三つ子母ちゃんは
子供との時間を最優先にしているけど、
最近は実の母との時間が
少なくなっているな。
電話でもしてみよう。
つづく
前回の三つ子事件簿ー医学部編ーはこちら
よみうりカルチャー自由が丘
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