「北の国から`95秘密」の後半。
大竹しのぶが出演していたんだ。
大竹しのぶも若い。
22年前っておいくつくらいなのかしら?
まさか自分の娘の不倫相手の奥さんだ!なんて思わないから父さん、お茶だしちゃうし・・
住所、教えてしまうし・・。
大竹しのぶのこのシュチエーションってかなりシビアなんだけど・・
富良野の雪景色で綺麗に浄化されているのがなんというか、かんというか・・・
娘が不倫しているか?電話かけさせる電話がテレカの電話ボックスだし・・
(父さんの家には固定電話もないけど・・・)
このあたりは確実に22年前だ。
今だったらその場で携帯からかけろ!って世界なのだろうか・・・
そっちのほうが怖いわ。
そしてもう、涙なくしては観れないシーン。
落石に行った父さんが蛍に会って・・・
娘が不倫しているのを知っているけど・・
「幸せならいい。」と攻めない。
攻めるどころかお相手に鮭買ってしまう。
そして、
「蛍~!いつでも富良野に帰ってこい!」
と叫ぶ。
もう、ここは泣くしかない。
蛍も泣く。
「わかっているの。1人の時にはわたしいつも自分を攻めているの。
でも、どうしようもない・・」
と・・・。
どんなときでも親だけは娘の見方だ。という父さん。
そうなのだ。
純がよそ様の娘を傷つけても「謝っちゃえばいいや」と言えても自分の娘だとそうはいかない。
(それでも父さんなりの誠意は全財産を相手にお金にして渡したのだけどね・・・)
今後の蛍の展開はわかっているけど・・・
親って切ない。
子どもの頃とは違った心配が子どもが大人になると出てくる。
それは子どもが小さい頃より実は深刻な問題が多いんだよね。
本当に、、、
そしてシュウちゃんとの吹上温泉での混浴シーン。
このシーンの宮沢りえはまさに天女だよね!!!!
髪の毛が凍結するくらい寒い中でこの表情・・・・。
でも語っている会話は淋しいものだ。
「もう父さんには会えないかもしれない。
わたしの過去を純くんがひっかかっているの。
話したくない過去・・・」
と暗に父さんとの「さよなら」なんだよね。
シュウちゃんは前にも
「昔を消せる消しゴムがあったらいいのに・・」という。
このセリフにはわたしも同感したのだけど、歳を重ねると昔を消し過ぎてわたしには歴史がなくなってしまうからもういいや!と思えるようになった。
そのあたりが歳を重ねると開き直れるというか?
強くなるというか??
複雑だ。自分でも。
れいちゃんはお嫁に行く。
しかし、れいちゃん。
あんた、反則だよね!!
結婚式の当日の早朝に元彼?に電話で告白って!!!
れいちゃん的には自己完結なのかもしれないけど・・・
そこで電話するのは純ではなくて結婚する相手ではないのか???
「心に鍵をかけてお嫁にいく。
10年後、わたしには子どもがいて、純君もこどもをつれて札幌か富良野か?
どこかで会えたらいいね・・・」
っていわれたほうも複雑だろうが!!!
これって旦那さんは打算で選ばれた相手なのだろうか?(かっこよさそうだったけど・・・)
挙式当日の朝って、感傷に浸っている場合ではないよ!!
現実的には!!!!
これは純にとっても迷惑な話だけど・・・
なかなか、映画の「卒業」のようなことはできないのだ。
純でなくたって!!!
例え「卒業」のように略奪してもその後が幸せになれるとはかぎらないし・・。
れいちゃんとの思い出がこのウェディングドレスですべて集約されてお終いになるという。
本当に絵のように美しい。
その帰ってきた直後に父さんから「シュウちゃんに会いにいけ!」と問い詰められるって・・。
タイミング的にも最悪だわね。
この日はれいちゃんのことだけにしておいてほしい。ってわたしだって思う。
でもまわりはそんなこと知らないからね。
手をゴシゴシ洗う純に父さんが
「お前の汚れは石鹸で落ちる。
だが、石鹸で落ちない汚れはどうなるんだ?
歳をとったら汚れまくりだ!」
というセリフのほうが「過去を消す消しゴム」より説得力あるわ。
歳を重ねると確かに消せない汚れで真っ黒です。
だから、それごと受け止めてくれないと無理ってことなのですわ。
シュウちゃんの場合はたった一つの過ちではないか・・・
今はAV女優ではないんだから・・・
自分の中でも消せない汚れになっているのはわかるけど。
息子を説得する父さん。
父さんをつきとばす息子。
でも、それを見つめる正吉くんに目がいってしまった。
正吉くんにはこうやって説得に来てくれる父親はいない。
だから、こうやって「一緒にいってやるから!」と息子のために世話をやきにくる父親の姿を見て何を感じていたのだろうか?
怒ったり、かまってくれる親がいるだけでスゴイことなのだ。
だから、自分にはそんな存在がいないのに目の前で悪態ついている純をどのような目でみつめていたのか?
そっちのほうに目が行ってしまった。
なんとかこの「秘密」ではシュウちゃんとの関係をとりつなぐ。
わたし的には、純くんにはシュウちゃんと一緒になってほしかった。
どうして?シュウちゃんと別れてしまったのか?忘れてしまったけど、シュウちゃんと父さんとの関係が好きだった。
シュウちゃんが夢見ていた夢みたいな夢。
スーパーで油こしの紙を買ったり、小鳥のえさをかったり、彼の靴下を買ったりして、時々父さんのところにクッキーを焼いてくるという小さな平凡な夢。
これって実は、つまらない平凡な夢のようで一番、難しい夢なのだということが歳を重ねたわたしにはわかる。
このように小さなつまらない日常の幸せの積み重ねって実は、夢見るほどのことではないようで、現実では本当に難しいことなのだ。
少なくともわたしもそうだったから。
だからこそ、シュウちゃんと純くんには一緒になってほしかったが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。
ゴミで始まった恋。
蛍に渡した鮭。
そんな鮭がゴミ捨て場にまるまる捨ててある。
ゴミ。
これ、かなりのキーワードになっていたんだね。
秘密においては。。
そして、未来への問いかけだったんだわ。
こんなにも社会問題が提示されていたなんて思わなかった。
「北の国から」。
シーンとシーンの間に挟まれる美しい富良野の風景。
野生の動物たちの姿。
自然はそのままなのに人間の世界だけ変わっていく。
そして、来週は「`98 時代」へとつながっていく。
3年間の時間があって観ていたものを1週間に短縮されてしまうと・・・・
時代の変化に追いついていけない。
わたし・・・。
「北の国から」シリーズももう、終わりが見えて来て・・・
春がくるころには「北の国から」は観れなくなってしまう。
このボリュームはかなりのものだわ。
作り上げられた時間も実際に長いし・・・・。
来週もオンタイムは観れないのだろうな。
わたし。
鈴 真由