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さ、今日は最近になって非常にリクエストの多かった
『洗濯マグちゃん』
という商品についてかずのすけによる検証記事を書いていきたいと思います。
今回はガチ検証なので化学の話も結構出てくるため、ちょっと難しい部分もちょこちょこあるかもしれませんが、
興味をお持ちの方も多いと思いますので是非最後までお付き合い頂けると嬉しいです(*^_^*)ゞ
◎洗剤いらずの洗剤!?【洗濯マグちゃん】とは
主婦の方を中心に昨年ごろからかなり流行っているみたいで、
実際にご利用中の方も居られるのではないでしょうか。
こちらが『洗濯マグちゃん』という商品。
お隣は『ベビーマグちゃん』というアイテムですが、
デザインなどが多少変わるものの基本は同じものです。
- 消臭・洗浄・除菌
- 部屋干しの嫌な臭いをスッキリ解消!
- 洗濯物と一緒に入れるだけで洗浄力アップ!
- 洗剤を使わない優しいお洗濯
などなど色々書いてあります。
『ご家庭の水道水がアルカリイオンの水素水に変身!』
というね、なんというか非常に気になることが書いてあるのですが…。笑
あとベビーマグちゃんの商品説明も見てみましょう。
- 自然環境にやさしいお洗濯
- 化学物質を使わない
- アルカリイオンの水素水が汚れと臭いを落とします
- 衣類にやさしい、人にやさしい、地球にやさしいお洗濯
などなどね、
まさにほとんどの消費者が好きそうなことがいっぱい書いてあります。
ちなみにこの時点で僕的には凄く引っかかるところが沢山あるんですが、、
それは追々記事後半で説明したいと思います(;^_^A
どういう風に使うかというと
パッケージを開けるとこういうものが入っていまして、
これを普段のお洗濯物と一緒に洗濯機に入れて洗うだけ
というとてもお手軽で簡単なアイテムです。
お洗濯物と一緒に干せば何度も使えます。
(乾燥機はNG)
洗剤と一緒に使うと洗浄力や除菌・消臭効果がアップして、
洗剤を入れなくても洗剤同等の洗浄力を発揮できる…という噂。
↓メーカーの資料
ちなみに洗濯マグちゃんは結構価格の変動が激しくて、
ひとつ1000円~2000円くらいを行ったり来たりしていますね。
ただ1回で300くらい使える(メーカー談)らしいので、洗剤と比較して長く使えて経済的という声も。
実際に洗剤いらずで洗剤同等の洗浄力を発揮できるなら確かに便利ですし、
不要な成分が入っていないので残留物も少なくなり、
肌に優しいというのも十分考えられます。
ここに書いてある通りの商品であれば、
非常に画期的でまさに次世代の洗剤とも言えるかもしれません。
◎マグちゃんの洗浄メカニズムは?
そういうわけで期待を込めて色々検証してみたいと思います。
最初はマグちゃんの洗浄メカニズムについてです。
これは皆さんもとても気になっていると思いますが…、、
まずメーカーは、
「ピュアマグネシウムがご家庭の水道水を水素水のアルカリイオン水に変身させる」
「この水は還元水だから臭いや汚れを除去できる」
という説明をしていますが、
個人的にはとても気がかりな説明ですね…。
特に2行目にまとめた部分。
この説明は合っているようでいてなんだか合っていないような気がします。
(間違っているとも言いにくいのがまた難しいところですが)
まともなサイエンティストならこういう説明は絶対しないように思いますね。
というわけで順序立てて説明していきます。
ではとりあえず…
マグちゃんを切ってみましょう。笑
ズバッと。
すると、中からこんなものが出てきます。
一見すると小石かなんかにも見えますが、
これはとある「金属」の粒です。
まぁ『マグちゃん』という名前からして分かると思いますが、
金属の【マグネシウム】の粒だそうです。
次に、
このマグネシウム粒に「水」を入れてみます!
普通家庭では水道水を使うのが一般的ですので、今回は水道水のみしか使いません。
あとこのマグちゃんは「洗濯マグちゃん」一個分のマグネシウムを全部入れています。
ここに水200mlを注ぎました。
ご覧のように「気泡」が発生します。
この気泡ですが、何かというと『水素』です。
あの悪名高き水素水(笑)で有名な「水素」ね。
化学反応式は↓こんな感じで。
Mg+2H2O→Mg(OH)2 + H2↑
マグネシウム + 水 → 水酸化マグネシウム + 水素
『水酸化マグネシウム』という成分と、『水素』が発生しています。
なので、実際に『水素』が発生していますし、
水素が多少水に溶けているとも考えられます。
つまりこの水が「水素水」であるということは一応間違いではありません。
(あと水素水=アルカリイオン水という話はこれまでに何度もしていますね。)
実際に水を金属マグネシウムと反応させるというのは「水素水」の作り方の1つでもあります。
ただし個人的に問題があるな、と感じているのは、
あたかもこの発生している水素が、洗浄メカニズムのルーツであるかのように記載されている点です。
水素の本来の性質を考えると、
ここで水素が水に溶けることはほとんどなく、洗浄に加担するとも考えにくいです。
水素というのは非常に水に溶けにくい気体で、
このように気泡として目に見えているのが何よりの証拠なのです。
すぐに水中から飛び出していき、空気に混ざると直ちに酸素と反応して水となります。
(発生している水素はほとんど何の役にも立ちません。)
また、この程度の水素量では大した還元力を持たないので、
この微力な還元作用によって洗浄をするというのは、どう考えても無理でしょう。
ゆえに、「水素水だから洗える」というのは説明としては誤りで、
もし実際に洗えるとしたら別のメカニズムがあると考えるべきです。
まぁ化学に詳しい人はすぐに分かると思いますが…
本当の洗浄メカニズムは水素とは別に発生する生成物
『水酸化マグネシウム』
が関係していますよね。
まず最初に水を入れた直後の水道水のpHを測ってみると…
ほぼ中性であることが分かります。
これをマグネティックスターラーという機械で攪拌しながら10分ほど待ってみます。
(↑磁石の力で勝手に混ぜてくれる機械です。)
このくらいでpHを計測してみると、
ご覧の通り、水道水のpHが9.5くらいになっています。
これは弱アルカリ性の数値です。
水素と一緒に発生する『水酸化マグネシウム』がアルカリ性の成分なので、
水道水がどんどんアルカリ性に傾いていくわけですね。
つまり、
マグちゃんの洗浄メカニズムは「水素水のアルカリイオン水だから」…ではなく、
「生成した水酸化マグネシウムによって水がアルカリ性になるから」
というのが正しいと僕は考えます。
もうちょっと待つともしかしたらpH10くらいまでは上がるかもしれませんが、
僕がやったときは予備実験でもこのくらいでした。
200mlでこれなので水30L入れた時にここまで上がるのかどうかは不思議に思います。苦笑
あと場合によって「気泡も出ないしpHも全然上がらない」というパターンがあると思うのですが、
この原因と対策は別の記事に回そうと思います。
◎洗濯マグちゃんで油汚れはホントに落とせるのか?
で、
「なぜアルカリ性だと油汚れを落とせるのか?」
という話ですが…
それは
▶重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダで油汚れを洗ってみよう!その①<実験編>
▶重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダで油汚れを洗ってみよう!その②<解説編>
こちらの記事にまとめていますが、
簡単に言うと
「アルカリ成分と油脂が反応して『加水分解反応』が起こって界面活性剤(セッケン)が微量に生成、界面活性剤の乳化作用により汚れを落とす」
という感じです。
こういうメカニズムによる洗浄を『アルカリ洗浄』と僕は呼んでいます。
つまりマグちゃんで洗浄ができるのは、
セスキ炭酸ソーダなどのアルカリ剤によるアルカリ洗浄と全く同じメカニズムだと言えます。
ただ、この反応が起こるにはそれなりに強いアルカリ性が必要でして、、
上の記事だとpH=9.8のセスキ炭酸ソーダではギリギリ加水分解が起こっていたようです。
pH=9.5のマグちゃんではどうでしょうか?
実際に同じ実験をやってみようと思います。
オリーブオイルを用意して、
そこに、200μL=0.2mlのオリーブオイルを滴下します。
しっかり攪拌して…
流水でしっかり流していきます!
結構がっつり流しましたよ!!
どうだ!!!!
ドン!
ドン!!
ドドン…!!!?
…
…う~ん…。。。
モヤッと(笑)
昔やった実験の『重曹』(pH=8.2)よりは落ちている気がします(^_^;)
(▶重曹・セスキ炭酸ソーダ・炭酸ソーダで油汚れを洗ってみよう!その①<実験編>参照)
でもセスキ炭酸ソーダに比べたら全然落ちてません。
炭酸ソーダ(pH=11.2)↓はもっとキレイに落とせます。
という感じで、
重曹と比較すれば多少は落とせているのですが、
それでも普通の洗剤と比較して十分な洗浄力があるとは到底思えない結果になりました。
洗剤だったら炭酸ソーダよりもキレイに落とせるものも多いです。
そもそもメーカーが提示している洗浄力試験の資料は洗浄試験の方法が記載されておらず、再現性が無いのでなんとも言えない資料だと感じました。
(「洗浄率」ではなくて「分解率」という表現が非常に気になるし、僕の研究室でやっている洗浄試験だと洗浄率が40%を下回る市販洗剤はありませんでした。一般的な石鹸や高級アルコール系(陰イオン)洗剤では平均的に70%程度の洗浄率になります。)
洗剤と一緒に洗うと30%洗浄力がアップするのは、
洗剤に含まれる陰イオン界面活性剤はアルカリが強くなると洗浄力がアップするものなので、
当たり前と言えば当たり前です。
これについては他のアルカリ剤でも同じことが起こります。
というわけで、『油汚れへの洗浄力』に関しては
何も入れないよりは多少マシだが、
市販洗剤同等の洗浄力を持つとは考えにくい
と僕は思います。
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