公会計の動向 -47ページ目

愛知県は第三者機関を設置へ

 東京新聞は10月20日に「愛知県、裏金調査組織を設置へ 第三者機関は数日中に」〔中日新聞〕を掲出。

 記事は、国の補助金に絡む愛知県の不正経理問題を受け、神田真秋知事が20日の定例会見で、全庁的に裏金を含めた不正経理の実態を明らかにするため、西村真副知事をトップとする調査組織を同日夕に設置することを明らかにしたと報じる。再発防止に向け、弁護士や公認会計士など外部の専門家3人程度による第三者機関を数日中に設ける意向も表明したとか。今回、会計検査院の指摘から明らかになった裏金は、物品購入を装って納入業者にプールした「預け金」の2千万円で、ほかに県費でも預け金があったことが確実視されており、神田知事は「預け金は広い意味で裏金であり、大いに反省しないといけない」と釈明しているとか。県のこれまでの内部調査には限界があったとして、「事実関係の究明はもちろん、引き起こした原因を把握した上で、しっかりと再発防止に取り組まなければならない」と語ったとのこと。県幹部ら23人でつくる調査チームは、裏金の温床となっている預け金などの物品購入関連の事務費と、不正の横行が発覚した出先機関を重点的に調べ、第三者機関は調査チームに意見を述べて、調査を客観的、中立的なものにする役目を担うとともに、再発防止に向けた仕組みづくりのための助言をするとのこと。これまでに裏金が発覚した名古屋市や岐阜県も、役所外部メンバーによる第三者機関を設けていたとか。

国交省が公用車見直しで25億円のコスト削減

 朝日は10月17日に「公用車4分の3、運転手半減 国交省、批判受け見直し」を掲出。

 記事は、談合疑惑や保有台数の多さで批判を受けた公用車の見直し策を国土交通省が16日に発表し、これによると、台数の4分の1減、運転手つき契約の半減などで年間25億円以上のコスト削減を見込んでいると報じる。出先の反発が強かったが、改革姿勢を強調したい本省側が押し切ったと記事は伝える。国交省は出先機関や本省に計4123台の公用車を抱え、うち管理・運転業務を民間に委託している運転手つきの車が2656台に上っており、朝日新聞の調査では保有台数は農林水産省(7828台)に次ぎ中央省庁2番目で、運転手つきは他省庁の合計約400台をはるかに上回り突出しているとのこと。国交省によると、近距離の移動はできるだけ公共の交通機関を使い、部局ごとに所有していた車を共用化するなどして、22年度までに全体の23.4%にあたる963台を削減するもので、運転手つき契約は2656台から1284台(48.3%)に減らすとのこと。667万円のトヨタ・クラウンを筆頭に1353台ある300万円以上の高級車は568台を削減対象に入れ、634台はより安い車種に切り替えるとか。運転手つき契約の半減で年間20億円以上、台数の削減や車種変更で同約5億円の出費を減らせるとか。春田謙事務次官は「税金を使って仕事をしているのだから、むだな使い方があったのではないかということは反省しなければならない」と述べたとか。

財投特会の準備金を国債償還ではなく減税財源とする思想

 毎日は10月15日に「<定額減税>財源に財投特会準備金活用も…中川財務相」〔須佐美玲子〕を掲出。

 記事は、中川昭一財務・金融担当相が15日の参院予算委員会で、政府・与党の追加経済対策の柱となる定額減税の財源問題に関連し、財政投融資特別会計の準備金の活用も検討する考えを示したと報じる。中川財務相は、20年度予算で国債償還に回す予定の財投特会の準備金9.8兆円のうち、10月時点で約3兆円が未処理のまま残っていることを説明し、「(国債償還に充てるのが)法定化されたルール」としながらも「定額減税が国民の安全安心に必要というのは政府・与党の共通認識だ」と述べ、この3兆円の一部を定額減税の財源に活用することを検討することを示唆したとか。公明党の山口那津男政調会長の質問への答弁で、山口氏は定額減税の年度内実施に絡んで赤字国債増発を避ける手段として「08年度の国債償還の執行を一時的に停止し、(財投特会の準備金の)残余を使う余地がある」と政府に検討を求めたとか。

特別会計の積立金は19年度末で198兆円

 日経が10月14日に掲出した「特別会計の積立金など、07年度末に198兆円」は、政府が14日に閣議決定した答弁書で、19年度末時点の特別会計の積立金などの合計額が約198兆円だったと明らかにしたと報じる。主な内訳は年金特別会計が約138兆円、外国為替資金特別会計と財政融資資金特別会計がそれぞれ約17兆円とか。与野党の一部ではこうした特別会計の積立金や剰余金を「埋蔵金」と呼び、追加経済対策などの財源に充てる案が浮上していると記事は伝える。

金融危機対応で取得した株式の売却を凍結

 日経は10月13日に「政府・日銀、保有株売却を凍結 計2兆円分、相場下げ圧力回避」を掲出。

 記事は、政府・日銀が世界的な株価急落を受け、2002―06年に日本の金融危機対策として大手銀行などから買い取った2兆円分の株式の市場売却を当面凍結すると報じる。7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で金融安定化に向けた行動計画を打ち出したものの、週明け以降も市場が安定しない可能性があるためで、買い取り株は06年度から徐々に売ってきたが、株価の下押し圧力になるとの指摘があり、凍結で市場の需給改善につなげるとのこと。政府・日銀は日本のバブル崩壊後の金融危機を受け、02年から06年まで緊急避難的に銀行の持ち合い株などを買い取ったものの、株価下落で銀行が保有株に含み損を抱えた結果、過小資本に陥りかねなくなり、それが持ち合い株の売却を招いて株価をさらに下げる悪循環が起きていたためとの由。

中部国際空港が09年期は開港後初の赤字へ

 毎日は10月9日に「中部国際空港会社:09年3月期、初の赤字転落の見通し」〔米川直己〕を掲出。

 記事は、中部国際空港会社(愛知県常滑市)の稲葉社長が9日に同社で記者会見し、09年3月期の業績見通しについて「黒字の維持は難しい」と述べ、05年の開港以来、初めて赤字に転落するとの見通しを示したと報じる。中部空港は年初来の原油高などで旅客、貨物ともに減便や撤退が相次ぎ、航空各社が燃油サーチャージを導入したことで旅客数も減少していて、特に貨物便はピーク時の週54便(07年夏期)から同27便(08年夏期)に半減しており、黒字維持は困難な情勢となったとか。同社は5月時点では、09年3月期の業績予想を「1億円の黒字~数億円の赤字」としていたが、稲葉社長は会見で「想像を超える嵐の中にあり、これまでで最も厳しい経営環境に直面している」との認識を示し、今後についても「旅行需要の回復や運休路線の再開には相当な時間を要する。当面は厳しい環境が続く」と述べたと記事は伝える。

年金・健康保険福祉施設整理機構が売却益を計上

 日経が10月12日に掲出した「年金・健康保険料でつくった施設、売却額1000億円突破」は、年金や健康保険の保険料でつくった施設を処分する年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が売却した施設の金額が1101億円となり、発足から3年で1000億円を突破したと報じる。政府が同機構に移管した際の出資価格と比べると、289億円の売却益が出た計算になるとか。国は17年10月に発足したRFOに302施設を現物出資しており、このときに簿価を引き下げており、RFOは施設を出資価格より高く売れば売却益が出る仕組みで、RFOはこの売却益を国の年金特別会計などに納付するとのこと。

税収格差が縮小

 時事が10月11日に掲出した「税率10%化で地域格差縮小=07年度の個人住民税収-総務省試算」は、19年度の地方税収決算見込みで全体の約3割を占める個人住民税の地域間格差が縮小したことが総務省の試算で分かったと報じる。人口1人当たりで指数化したところ、最大の東京と最小の沖縄の格差は前年度の3.3倍から3.0倍になっており、同省は所得に応じて複数だった個人住民税(所得割)の税率を07年度から10%に一本化したことで都市と地方の格差が縮まったと見ていると記事は伝える。


 うーん。自治体の税収ベースでは格差縮小なのだが、低所得層の税率アップという点では個人の可処分所得ベースでは格差拡大になるんだよなぁ。

都道府県の19年度投資的経費は7年度の半分

 読売は10月11日に「都道府県の歳出47兆4883億円、9年連続減少」を掲出。

 記事は、総務省がまとめた、19年度の都道府県決算(速報)によると、歳出総額が47兆4883億円(前年度比476億円減)、歳入総額が48兆2459億円(同1923億円減)で、それぞれ9年連続で減少したと報じる。実質収支が赤字なのは大阪府だけだったとか。歳出は、建設事業などの投資的経費が7兆7361億円で前年度比約6700億円減っており、ピーク時の7年度と比較すると57・1%の減少となっていて、人件費は職員給が1403億円減少したが、「団塊の世代」の職員の退職金が2218億円増加し、全体として756億円増の15兆869億円だったとか。

生活保護の増加に合わせて不正受給も増加

 東京新聞は10月7日に「生活保護の不正受給92億円 07年度、1万6千件」〔共同〕を掲出。

 記事は、収入があることを隠すなどして不正に受給された生活保護費が、19年度(速報値)は前年度に比べ、約2億円増えて約92億円となり、件数は1300件増えて約1万6000件に上ったと報じる。生活保護の受給世帯が急激に伸び始めた9年度以来、11年間で金額、件数とも過去最高となったとか。不正受給の背景には、バブル崩壊後に、低所得者が増えるなど格差が拡大した影響で、生活保護世帯が増加していて、19年度には月平均で110万世帯を超えて過去最高となり、これに比例して不正受給も増えている実態が浮かんだと記事は伝える。不正防止に目を奪われ、生活保護が本当に必要な世帯の受給が妨げられるようなことがあってはならないとの指摘も出ていると記事は伝えてみせる。給与明細を改ざんされ、ケースワーカーが定期的に訪問しても気付きにくい例もあり、厚労省は自治体に対し、税務当局の協力を得て受給世帯の課税状況などを調べ、不正発見につなげるよう求めているとか。