20年度国債発行は33兆円を超した
東京新聞は12月7日に「税収下振れ6兆円台後半 08年度、国債発行33兆円」〔共同〕を掲出。
記事は、20年度の国の一般会計税収が当初見積額から6兆円台後半の大幅な下振れとなり、新規国債発行額が33兆円規模に膨らむと報じる。景気後退で企業業績が急速に悪化し、法人税収が減少することが響いたもので、年明けの通常国会に提出する第2次補正予算に盛り込むと記事は伝える。編成作業が大詰めを迎える21年度予算でも国債発行額が4年ぶりに当初から30兆円を突破するのが必至で、一段と厳しいやりくりを迫られとのこと。20年度の税収は当初見積額の約53兆6000億円を大きく下回り、47兆円前後にとどまり、国債は1次補正で追加発行し、2次補正で税収減の穴埋めのほか、公共事業などを上積みし建設国債を追加発行するのも加わって、当初予算から合計で約8兆円膨らむとのこと。国債発行額が小泉政権以来の歳出抑制路線の象徴だった「30兆円」を上回るのは、17年度以来3年ぶりで、景気後退は長期化する懸念が強まっており、21年度も法人税収の回復は期待薄で、経済対策で政策減税も実施するため、税収が一段と落ち込む恐れがあり、一方で歳出増加圧力が高まり、政府も必要なら財政出動をためらわない構えのため、当分は国債発行額を抑制するのは難しそうと記事は評する。
愛知県も21年度は交付団体へ
毎日は12月4日に「<愛知県>4年ぶり交付団体転落へ 景気悪化で税収大幅減」〔月足寛樹、丸山進〕を掲出。
記事は、愛知県が21年度、急速な景気悪化による税収の大幅減少で、地方交付税を受けない不交付団体から交付団体に転落する見通し担ったと報じる。複数の県幹部が3日、明らかにしたもので、今年度、16年ぶりに黒字に転じた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字化も確実とか。不交付団体は現在、都道府県では東京都と愛知県だけで、愛知が交付団体となれば4年ぶりとのこと。愛知県はトヨタ自動車をはじめ製造業の好業績に支えられ、今年度、県税収入を過去最高の1兆3600億円と見積もったが、トヨタが09年3月期の連結営業利益見通しを前期比73%減とするなど状況は一変しており、来年度の税収が2700億円落ち込む見通しとか。地方自治体は、翌年度に見込まれる収入(基準財政収入額)が必要な支出(基準財政需要額)を上回るとみなされれば不交付団体となり、愛知県は今年度、1700億円上回ると計算され3年連続の不交付団体となったものの、21年度は収入額が需要額を下回るのがほぼ確実とのこと。
RCCの9月中間期決算は233億円の黒
日経が11月28日に掲出した「整理回収機構の9月中間、純利益233億円」は、整理回収機構(RCC)が28日発表した2008年9月中間決算が、純利益が233億円で、旧住宅金融専門会社(住専)の債権を回収する「住専勘定」で貸倒引当金の戻り益が発生したことが主因と報じる。債権の買い取り額を上回って回収できた分を預金保険機構に納付する額は358億円の見込みとか。内訳を見ると、住専勘定が226億円の黒字、破綻金融機関や健全金融機関から買い取った債権を回収する「整理回収銀行勘定」が6億円の黒字で、RCC全体としては795億円の資産超過だが、住専勘定は1536億円の債務超過が続いているとのこと。
財投制度の後始末のために240億円
日経が11月28日に掲出した「財務省、294団体に補償金免除 地方向け財投繰り上げ償還で」は、財務省が28日に、「財政投融資」の枠組みで国から高金利で資金を借りている地方自治体など294団体に対し、繰り上げ償還に必要な補償金を免除すると発表したと伝える。過去に年5%以上の利息で借り入れた団体が対象だが、自治体の金利負担を軽減するのが目的で、免除総額は240億円程度の見込みとか。財投は前倒し償還する場合、支払うはずだった利息分を国へ補償金として自治体が返済するルールを設けているが、19年度から地方財政を支援するための3年間の特例措置として補償金の免除制度を導入しており、19年度は1346団体が同制度を利用して繰り上げ返済し、補償金の免除額は2476億円程度に達しているとのこと。
財政投融資特別会計の積立金を取崩しへ
日経が11月22日に掲出した「財投特会、積立金取り崩し 財務省検討 経済対策の財源に」は、財務省が、定額給付金の支給などを盛り込んだ追加経済対策の財源をまかなうため、財政投融資特別会計の積立金(10兆円)の一部を取り崩す検討に入ったと報じる。財政規律が悪化するとして積立金の使用に反対してきたが、財源が足りないことから「一時的ならやむを得ない」との方針に転換したもので、経済対策を裏付ける今年度第2次補正予算案の編成と並行し、特例法案を策定すると記事は伝える。追加経済対策に必要な財政支出は5兆円で、本来なら国債償還に回すはずの財投特会の余剰資金や建設国債の増発でまかなう計画だったが、補正予算案の編成過程で1兆円以上の財源が不足することが判明し、経済対策に充てる赤字国債は発行しないとも決めていて、新たな「埋蔵金」に手を付ける必要が出てきたとの由。
道路特定財源の一般財源化に伴う1兆円の行方
朝日は11月18日に「「1兆円」公共事業限定の交付金で地方へ 自民PT調整」を掲出。
記事は、道路特定財源の一般財源化に伴って1兆円を地方に回すとした麻生首相の指示をめぐり、自民党のプロジェクトチーム(PT、谷垣禎一座長)が、道路整備も含めた公共事業に使い道を限定した交付金を創設し、地方に配分する案をとりまとめる方向で調整に入ったと報じる。12月上旬に結論を出す方針と記事は伝える。首相は7日、一般財源化された道路財源の地方配分について、「自由に使える地方へのカネが増えることが基本だ」と述べ、使途を限定しない考えを示したが、この首相指示については、現在の臨時交付金7千億円を含めた総額なのか、別に1兆円の新たな枠を設けるのかでも、政府・与党内で意見が分かれており、最終決着まで迷走しそうと記事は評する。現在、道路特定財源のうち3.3兆円は国、2.1兆円が地方の税収。国の税収のうち、地方の道路整備に充てる地方道路整備臨時交付金7千億円と補助金6千億円が地方に回されており、国交省は「一般財源化されると、臨時交付金という仕組みはなくなる」(金子国交相)として、地方に配分されるのはあくまでも総額1兆円と主張いるが、総務省は1兆円の別枠を設けたうえで、財源不足の自治体に手厚く配分され、使途が限定されない「交付税」を想定しているとのこと。PT内では「交付税にすると自治体の借金返済に充てられ、地域活性化につながらない」(幹部)などの意見が出ており、PTでは交付金とした場合、国交省の裁量で配分できる予算ではなく、地域活性化を担当する内閣府の予算とする案も検討されているとか。
土地公社の先行取得の売却損
共同が11月15日に掲出した「時価で売却、損失325億円 17府県市公社の塩漬け土地」は、11府県と6政令指定都市の土地開発公社が、公共事業用に取得したものの塩漬け状態の土地を16年度以降、帳簿上の価格(簿価)より安い時価で民間などに売却し、累計で325億円の損失を出したことが共同通信社の調べで分かったと報じる。多くは1990年代に自治体の要請で先行取得した土地であり、損失額が最も大きいのは横浜市公社で累計損失が156億円に達していて、府県では大阪府公社の107億円が最大とか。
退職手当債の問題点を伝えたつもりの報道
朝日は11月14日に「団塊公務員の退職金は借金頼み 44道府県4200億円」〔野沢哲也〕を掲出。
記事は、団塊の世代が定年退職期を迎え、退職金を支払いきれなくなった自治体が借金に頼り始めていると報じる。今年度は都道府県のうち44道府県が借金を計画しており、総額は4200億円を超えることが朝日新聞の集計でわかったとのこと。借金が事実上解禁された2年前と比べて2.5倍という急増ぶりで、退職金減額など身を削る動きは鈍く、安易に将来へツケを回す自治体の対応に批判も出ていると記事は評する。退職金のための借金は「退職手当債」といい、自治体が発行する地方債の一種で、もともとは定年前の早期退職を勧奨した公務員への退職金支払いに限って認められてきたが、職員の大量退職時代を迎えたため、総務省は地方財政法を改正し、18年度から定年退職者への支払いにも解禁した経緯がある。17年度の退職手当債発行は、都道府県では岡山県の30億円だけだったが、18年度に33道府県、1709億円へ急拡大し、19年度はさらに43道府県、3947億円に広がっており、20年度は44道府県が計4284億円を予算に計上しているとのこと。今年度の発行予定額が最も多いのは兵庫の395億円で、千葉の250億円、神奈川の226億円が続いており、兵庫県は退職金総額のほぼ半分を退職手当債でまかなう予定で、「阪神大震災の復興で発行した県債の返済負担が重いうえ、国と地方の三位一体改革で地方交付税を減らされたため、やむを得ない」(財政課)と説明しているとか。大阪府は、橋下徹知事が打ち出した「府債発行ゼロ」の原則を受けて今年度当初予算への計上を見送ったが、補正予算に185億円を盛り込んでいるとのこと。発行を予定していないのは東京都と鳥取、島根両県で、それぞれ「都税収入で賄える」(東京)、「退職者数が極端には増えていない」(鳥取)、「退職手当債発行に伴う返済は地方交付税で補填されず、なるべく避けたい」(島根)としているとか。総務省の統計では、都道府県職員の定年時退職金は平均で2700万~2800万円台となっていて、地方公務員は民間企業と比べて定年まで勤める人が多く、退職金の支払額を見通しやすいが、支払いに備えた積み立てなどは義務づけられていないとのこと。総務省は「退職手当債の発行は、今後10年間の人件費削減によって元利返済の財源を確保できる範囲で許可している」と説明しているが、退職金の減額は求めていないと記事は評する。22府県は退職手当債の返済期間を最長30年としており、将来金利が上昇すると途中の借り換えなどで利払い負担が増え、返済総額が人件費の削減分を上回る可能性もあると記事は締め括っている。引用しているコメントもスゴイ。土居丈朗・慶応大准教授(財政学)の話として「将来の世代は退職した公務員からは何の恩恵も受けないのに、税負担を迫られる。退職手当債は問題の多い借金だ。団塊世代の大量退職は以前から予測できたのに、備えてこなかった自治体や総務省の責任は大きい。民間企業のように、退職金の財源を毎年積み立てていく制度を早急に作る必要がある。」と伝えているが、民間企業は別に退職金の財源を毎年積み立てているのではなく、利益処分を少なめにしているだけなのだ。退職手当引当金計上の話を現金主義の公会計の話に持ち込むと混乱するだけなのに。常時赤字の自治体にもっと早く借金させて積み立てておいた方が良かったとでも言うのだろうか。
裏金づくりにかかわった公務員の罰則
産経が11月12日に掲出した「裏金づくりの公務員に罰則 自民部会了承」は、自民党内閣部会が12日、党本部で会合を開き、架空の領収書を作成させるなど裏金づくりにかかわった公務員を罰則する「不正経理防止法案」(仮称)や会計検査院の機能を強化する会計検査院法改正案などの議員立法を了承したと報じる。自民、公明両党の「与党会計検査院に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・林芳正前防衛相)が取りまとめたもので、PTが来週にも法案を作成した後、与党は野党と協議の上、早ければ今臨時国会での提出を目指すとか。
自治体融資向けの地方共同出資機構
日経が11月7日に掲出した「総務省、自治体融資機構設立へ検討会」は、総務省が7日、地方自治体に長期・低利で融資する金融機構の設立に向けた検討会の第1回会合を開いたと報じる。同機構は追加経済対策に盛り込まれた地方向け支援策の一つで、年内に具体的な計画を作るとか。とりまとめ役の神野直彦地方財政審議会長(東大教授)は検討会後の記者会見で「自治体融資のための地方共同出資機構は、地方にとって戦前からの悲願だ。既存の地方公営企業等金融機構の活用を含め、分権の視点で具体策を練っていきたい」と抱負を述べたとのこと。