公会計の動向 -43ページ目

大阪市の公営事業が苦しい

 MSN産経ニュースは1月13日に「市民病院も市バス事業も破綻一歩手前 大阪市」を掲出。

 記事は、大阪市が13日、不良債務123億円を抱える市立4病院の市民病院事業会計に、平成20年度一般会計から130億円の繰り入れを検討していることを明らかにしたと報じる。繰り入れしない場合、4病院が破綻一歩手前とされる経営健全化団体へ転落するとのこと。同じ理由で、赤字の市営バス事業も市営地下鉄事業会計から約68億円の繰り入れを検討しているが、財政難のうえ金融危機で、21年度には大幅に税収が減る見通しの市には、厳しい選択に迫られると記事は伝える。病院などの公営企業は、今年度決算から、事業規模に対する不良債務の資金不足比率が20%を超えると財政健全化法に基づく経営健全化団体とされることになっており、財政上の“黄信号”で、改善計画を策定して国提出するといった制約がつくとのこと。市は市総合医療センター▽北市民病院▽十三市民病院▽住吉市民病院の4病院を一括して市民病院事業を展開しているが、昭和63年度には約34億円だった不良債務は、市総合医療センター開院後の平成6年度に100億円を突破しており、その後も医療機器購入に伴う企業債償還などで膨らみ、経常収支は19年度だけで7億2000万円の赤字になっていて、資金不足比率は39・1%になっているとか。市は収支改善のため北市民病院を民間医療機関に移譲する計画を進めているが、それでも資金不足比率が健全化基準を大きく超えるとのこと。また、市営バス事業の資金不足比率も同年度決算で29・8%で、市交通局で単年度黒字の地下鉄事業から補助金・出資金として支援を検討しているとのこと。

タバコ税収は減少

 日経が1月12日に掲出した「たばこ税収低迷、08年4―11月6.7%減」は、たばこ税収の低迷が続いており、財務省によると、20年4―11月の累計税収(国の一般会計分)が5064億円と、前年同期に比べて6.7%減っていると報じる。健康志向の高まりで販売量が減っているためで、政府は昨年末の税制論議で、たばこ税引き上げを検討したが、反対論も根強く、21年度改正での増税を断念しており、財務省は「たばこ税収は今後も低迷が続く」とみているとか。日本たばこ協会によると、紙巻きたばこの販売数量は減り続けており、19年度で2585億本と、ピークだった8年度から約26%減少したとのこと。

本四連絡橋料金を千円にする案も検討

 時事が1月9日に配信した「本四橋料金は1000円検討=当初案より500円下げ-金子国交相」は、政府が今年度第2次補正予算案に盛り込んだ高速道路料金割り引きをめぐり、金子一義国土交通相が9日、本州四国連絡橋の通行料金について「1000円の場合どうなるのか試算しないといけない。本四連絡高速道路会社に試算させる」と述べ、1500円とした当初案からの引き下げを検討する考えを示したと報じる。連絡橋を含めた本州・四国の高速道路料金を合計1000円とするよう陳情に訪れた飯泉嘉門徳島県知事や四国選出国会議員らに明言したとのこと。

トヨタショックが愛知県にダメージを与える

 東京新聞は1月5日に「愛知県税収1兆円割れ 新年度の財源不足4900億円に」〔中日新聞〕を掲出。

 記事は、世界的な景気後退で「財政危機宣言」をした愛知県の神田真秋知事が5日、新年度の県税収入が20年度当初より3600億円減り1兆円を割り込むとの見通しを明らかにしたと報じる。「トヨタショック」など、モノづくり産業の業績悪化を受けたもので、1兆円割れは7年度以来、14年ぶりとのこと。財源不足は、これまでの3500億円を下方修正し4900億円としたとか。神田知事は定例会見で「国の三位一体改革により税源移譲されていた1400億円程度を除くと、県税収入の水準は1988年度に戻る。思いもつかない財政危機だ」と述べたとか。県の試算では、県税収入の4割を占める法人2税は、20年度当初の5598億円からほぼ3分の1の2000億円弱にまで落ち込み、減収額は、昨年12月県議会で示した2700億円よりも、さらに900億円減になると算定したとか。業績が大幅に悪化した企業への法人2税の還付金が大幅に増えることから、歳出でも昨年12月の見込みより500億円増の1300億円に拡大するとのこと。県税収入の減少額と歳出増とを合わせた財源不足4900億円に対し、県は貯金にあたる基金700億円の全額切り崩し、借金にあたる「臨時財政対策債」500億円の発行で対応するが、それでも3700億円足りず、このため、17年度以来となる地方交付税の交付団体への“転落”は避けられないとみているとか。神田知事は「もはや自治体の歳出削減の努力だけではいかんともしがたく、国に財源不足への対応を要請したい」と話したと記事は伝える。

市税事務所を設置し始めた指定市

 朝日は1月5日に「指定市が独自「税務署」続々立ち上げ 徴収率アップ狙う」〔寺西哲生〕を掲出。

 記事は、全国の指定市に、独自の「税務署」を設ける動きが広がっていると報じる。19年秋に大阪市と神戸市が設置したのに続き、北九州市が今月開設するほか、今後3年で札幌、川崎、名古屋の各市が検討中とのこと。区役所ごとに行っていた徴税業務を市税事務所に集中させることで、人件費削減と徴収率アップの両立を狙うものであり、不況で地方税収が大幅に減り、徴税の重要度が高まっていることも拍車をかけると記事は伝える。大阪市の船場法人市税事務所(中央区)の滞納整理担当者(42)は「徴税能力は区役所時代に比べ確実に上がっている。今後は能力の高い府税、国税とも良い勝負ができる」と語っているとか。同市は19年10月、市内7カ所で市税事務所を立ち上げ、これまで24区の税務課が行っていた徴税や賦課業務を集約したが、同市によると、分散していた人員を集中することで徴税能力が高まる利点があるとのこと。例えば、税金を滞納した企業が倒産した場合、府税事務所や国税局よりも早く企業や企業の支店、法務局などにかけつけ、不動産や預金などを先に差し押さえられるかが勝負になり、船場法人市税事務所では、区の税務課職員を集約させることで、倒産情報をキャッチしてすぐ、10人以上が一斉に動けるようになったとか。同市全体の差し押さえ執行件数は19年6~11月に2582件だったのが、20年6~11月では9093件と3.5倍に跳ね上がっており、担当者は「滞納者に対しても、市民サービスの前線基地である『区役所』を名乗るのと『市税事務所』を名乗るのでは与える圧力が全然違う」と話しているとのこと。本庁内に滞納整理業務などを集約させた神戸市も、19年9月に設置してから一定の効果を上げているとか。先進地の実績を受け、ほかの指定市も続々と後に続いており、22年4月に市内3カ所での開設を目指す名古屋市は、11年度から減り続けていた未収額が19年度に増加に転じていて、新年度は、「トヨタショック」による税収減を約300億円と見込んでおり、徴収率向上は緊急の課題とか。同市では、全体の2.4%の滞納者が滞納額の41.5%を占めていることから、高額滞納に特化したチームの立ち上げも検討しているとのこと。北九州市は今月開設していて、7区を市内2カ所に集約しており、札幌市は22年秋に、川崎市も23年10月の立ち上げを検討しているとのこと。背景には19年の税源移譲もあり、所得税(国税)の一部が住民税(県、市税)に移され、県や市町村が徴収する税額が増えており、また、不況により自治体の職員削減が進んでいて、効率化も求められるとか。一方、集約化により、サービス低下を指摘する声もあり、名古屋市は1138人の税務職員を2割削減し、21億円の人件費削減を見込むが、「職員が減ることで窓口対応がおろそかになるのでは」との指摘も上がってて、同市は督促業務の外部委託や税務証明の発行業務を区役所にも残すなどしてサービス維持を図る考えと記事は伝える。

公園遊具の補修に国が補助金を出す予定とか

 共同が1月3日に掲出した「公園遊具の更新を国が支援 老朽化による事故多発で」は、国土交通省が、都市公園内の老朽化したブランコなどの遊具を入れ替える地方自治体に対し、費用の半額を補助する制度を21年度に創設することを決めたと報じる。老朽化した遊具の倒壊による子どもの事故が後を絶たない一方、自治体の財政難で更新が進まないためで、保護者にも朗報になりそうと記事は評する。創設するのは「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業」で、21年度予算案に約30億円を盛り込んだとか。


 公園遊具の補修は国の仕事とは思えないのだが。

公務員の不正な会計処理に罰則の方向

 読売は12月30日に「不正経理防止法案、罰則は懲役3年以下…与党のみで提出へ」を掲出。
 記事は、与党が検討している公務員の不正な会計処理に罰則を設ける「不正経理防止法案」(仮称)で、調整が残っていた違法行為に対する罰則が、「3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」とすることになったと報じる。与党は民主党との共同提案は難しいと判断し、次期通常国会には与党の議員立法で提出し、その後、国会審議などを通じて接点を探る考えと記事は伝える。法案は与党の「会計検査院に関するプロジェクトチーム(PT)」がまとめたもので、罰則の対象を、予算や補助金などの目的外流用や業者にプールする「預け」と呼ばれる手法などで裏金作りにかかわった国や地方の公務員と規定しており、支出先に虚偽の請求書や領収書を要求した行為でも罰則を適用するとしたとか。罰則は懲役5年以下の案もあったが、「重すぎる」との異論に配慮し、「3年以下」で決着したとのこと。一方、民主党は〈1〉会計検査院の事務官の増員、〈2〉政府調達の事後的検証などを行う「政府調達監視等委員会」の設置、〈3〉不正経理に直接関与していない職員も懲戒処分対象に拡大、などを検討中で、関連法改正案の国会提出を目指すとか。

三セクの経営状況はやや悪化

 日経が12月25日に掲出した「第三セクター、33.9%が赤字 総務省調査、経営改善進まず」は、総務省が25日に地方自治体が出資する第三セクターの20年度調査結果を公表し、これによると、経常損益が赤字になった三セクは2170法人と全体の33.9%にのぼり、前年度調査に比べ0.6ポイント悪化したと報じる。債務超過の状態にある三セクは367法人と、全体に占める割合が前年度比横ばいの5.7%で、一部の地域の三セクで経営改善が進んでいない実態が浮き彫りになったと記事は評する。調査は各自治体が持つ三セクや公社、地方独立法人について20年3月末時点で経営状態をまとめたとか。


公表資料:第三セクター等の状況に関する調査結果

高速道路6社がそろって最終減益

 日経が12月22日に掲出した「高速道路6社、そろって最終減益 4―9月、原油高で通行量減」は、高速道路会社6社が22日に発表した2008年4―9月期の連結決算について、全社が最終減益だったと報じる。ガソリン高や景気悪化の影響で高速道路を走る自動車の数が減少しており、節約志向から自動料金収受システム(ETC)の割引を使う人が増えたことが収益を押し下げたと記事は伝える。高速道路の通行台数は全社で前年同期を下回っており、北海道などを管理する東日本高速道路では前年同期比2.9%減で、夏休み時期の8月は前年同月比5.8%の大幅減となったとか。九州などを担当する西日本高速道路のETC利用率は前年同期比4.9ポイント上昇の69.8%で、通行台数は2.2%減だが、通行料金は4.8%減っており、ETCの利用率が高まって収益を下押しした格好とか。中日本など3社は高速道路の完成などで営業収益が前年同期を上回ったとのこと。

復活折衝ではなく首相裁定の形

 日経が12月22日に掲出した「09年度予算の重要課題枠、社会保障に手厚く 首相が指示」は、麻生太郎首相が22日午前、21年度予算編成を巡り中川昭一財務相と会談し、3300億円の重要課題推進枠の内訳を決定したと報じる。首相は財務相に、「生活防衛」「地方の底力」「雇用対策」「科学技術」「外交力強化」――の5分野に重点配分するよう指示しており、財務省が同日午後に各省庁に予算の上乗せ額を内示し、24日に閣議決定するとのこと。首相が特に重視したのが社会保障で、医師確保やドクターヘリの拡充、妊婦健診の無料化、出産一時金の引き上げなどに数百億円を追加配分するとのこと。財務省原案の段階で、今年度当初予算比6%減となった公共事業費にも500億円規模の予算が上積みされる見込みとか。3300億円に加え、財務省が調整財源として確保した200億円が各省庁に再配分される額との由。