公会計の動向 -128ページ目

林業公社の経営難

 共同は10月14日に「林業公社の借入金1兆円 国産材低迷、解散の事例も」を配信。

 記事は、林野庁が14日、都道府県などが出資し、造林事業を行う林業公社などの長期借入金残高(今年3月末現在)の現状をまとめたと報じる。借入金残高は40公社で、総額は1兆801億円に上ったとのこと。国産材の価格低迷で造林収益が見込めず、大半の公社が自力で借入金を返済するめどが立たない状況で、公社の解散を決めたケースもあるほか、多くの公社が組織や経営の見直しを進めているとか。林野庁が都道府県を通じて全国42公社を対象に、返済期間が1年を超える借入金の残高を調べたところ、残高が最も多いのは「おかやまの森整備公社」の705億円、次いで「びわ湖造林公社」(大津市)の637億円、「石川県林業公社」(金沢市)の563億円などだったとか。北海道と島根の2公社は借入金がゼロとか。解散が決まっているのは岩手、大分両県の公社で、長野県も解散の方針を打ち出しているとか。岩手、大分両県は公社林を引き継いだ上、国土保全などを目的とした県有林として一括管理する方針を決めているとのこと。一方、岡山の公社の場合は今年3月、県が公社が抱える山林面積が広い上、県営林の管理も公社に委託している事情などを考慮し、金融機関からの借入金を全額肩代わりして返済し、存続させたとか。また、福島県の公社は解散も検討したが県が存続を決めたとか。借入先は政府系金融機関の農林漁業金融公庫と都道府県が大半で、林野庁は来年度予算の概算要求に、同公庫の公社への資金貸し付けの償還期限延長を盛り込んでいると記事は伝える。

NHKの受信料徴収について会計検査院が何かを言うらしい

 毎日は10月15日に「<NHK受信料>徴収徹底を要求へ 会計検査院」〔斎藤良太〕を配信。

 記事は、NHK受信料の支払い拒否・不払いの件数が増加している問題を巡り、会計検査院がNHKに対し、受信料徴収を徹底するなどの対応を求める方針を固めたと報じる。検査院がこうした指摘をするのは初めてで、不払いの増加による減収で、公共放送の運営に支障が出ることを懸念したとみられると記事は伝える。NHKによると、不祥事が発覚した昨年7月以降の受信料の支払い拒否・保留件数は、先月末現在で約126万6000件で、料金未納や以前からの滞納分などを含めると、放送法で支払い義務のある世帯や事業所の約3割が、何らかの形で受信料を支払っていないことになるとのこと。今年度上半期の事業収入見込み3362億円の96%を受信料収入でまかなう予定だったが、当初見込みより約237億円下回っており、NHKは人員削減などの経費節減と営業活動の強化を行う一方、簡易裁判所を通した督促など法的措置も検討していると記事は伝える。

財投機関は3機関で債務超過

 朝日は10月15日に「財投貸付先、昨年度3機関が債務超過 最大は住宅公庫」を配信。

 記事は、財務省が14日、財政投融資の主な貸付先である34の特殊法人と独立行政法人について、16年度の財務諸表を財政制度等審議会の財投分科会に報告したと報じる。民間並みの会計基準を適用した結果、34機関のうち住宅金融公庫など3機関が債務超過で、機関全体では資産超過でも勘定が債務超過だった例も一つあったとのこと。債務超過額が最大だったのは住宅金融公庫の3685億円で、関連の財団法人が保証した債権について貸し倒れ引当金を積み増したことが主因とのこと。15年度の646億円の資産超過から一気に4331億円も悪化したとか。零細業者向けの無担保融資が多い国民生活金融公庫は2年度続けての債務超過で、貸し倒れ引当金などによる債務超過額は1216億円だったとか。阪神高速道路公団は、今年10月の民営化に備えて土地などの評価方法を見直した結果、1620億円の債務超過に転落し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、全体では2526億円の資産超過だが、中小の海運業者に融資する船舶勘定が458億円の債務超過だったとか。

ゆうパックの箱が過大調達の疑念

 読売は10月12日3時4分に「ゆうパック大量在庫、旧型の箱や紙袋1億8千万円ムダ」を配信。
 記事は、日本郵政公社が16年10月から、郵便小包(ゆうパック)の包装用に郵便局で販売している箱や紙袋を刷新するに当たり、旧タイプの品物を13支社で計約216万個廃棄処分していたと報じる。金額にすると約1億8000万円分にあたり、郵政公社は「どのくらい売れるかは予測できない面もあり、仕方なかった」としているとのこと。郵政公社は昨年、「重量制」で設定していたゆうパックの料金体系を、民間の宅配便と同様に荷物の縦、横、高さの大きさで決める「サイズ制」に変更したが、それに伴い、郵便局で販売している包装用品の規格やロゴマークも刷新し、それまでの料金体系では、一般小包の場合、重さごとに12段階に分かれていて、包装用品は箱4、紙袋2の計6種類を販売していたが、刷新後は、サイズごとに7段階の区分となり、箱と紙袋は計6種類のままだが、それぞれ大きさやデザインが変わったとのこと。旧タイプは昨年9月30日までに販売をやめ、翌10月1日から新しいものに移行しているが、郵政公社によると、新タイプへの移行は、昨年3月の時点で決まっていたのに、昨年9月末、各支社で大量の在庫が発生し、とくに多かったのは、近畿の約4300万円分で、関東も約2800万円分、東京も約2500万円分、中国も約2200万円分が不用になったとのこと。こうした包装用品自体の単価のほか、廃棄処分にも、費用がかかっていたとか。この問題に関しては、会計検査院も無駄な発注があったのではないかと見て、調べている模様で、郵政公社は「理想的には、最終的に在庫がゼロに近い状態にすべきだが、お客様が購入したい時に品物がない事態を避けるため、やむを得ない措置だったと考えている」としているとのこと。

職員への医療費自己負担分助成

 朝日は10月16日に「都道府県職員の「厚遇」医療費補助、10県で廃止」を配信。

 記事は、全国47都道府県と14政令指定都市を対象に、教員や警察官を除く一般の行政職員を中心とした互助組織への公費支出を朝日新聞社が調べたところ、北海道、愛知、大阪など全国の13道府県が、職員と家族の医療費の自己負担分の一部を、職員互助組織への補助金や交付金を通じて公費で負担していることが分かったと報じる。栃木、香川、熊本などの10県は今年度から同様の医療費補助を撤廃していたとのこと。大阪など3府県も今後、撤廃する方向で、自治体の職員厚遇への批判を背景に、制度の見直しが進む実情が明らかになったと記事は伝える。職員の医療費は、加入する各自治体の共済組合が7割を負担し、残り3割が自己負担だが、41道府県と静岡市の互助組織が、自己負担分の一部を補助する制度を持っていたとか。このうち13道府県で、職員の掛け金だけでなく、自治体からの公費を補助に充てていたとのこと。民間企業の健康保険や自営業者らの国民健康保険では考えにくい「厚遇」と言えると記事は伝える。13互助組織が17年度に職員と家族に支払う予定の医療費補助の総額は約17億円で、自治体から受ける補助金や交付金の総額は約29億円とか。自治体の補助は医療費補助以外にも使われるため、具体的にどの程度が使われるかはわからないが、関係者は「医療費補助の2~5割程度を公費が占める」と見ているとの由。

万博協会への補助金で精算残り

 朝日は10月14日に「万博協会、補助金4億円返さず 事業費の余り、精算怠る」を配信。
 記事は、9月に閉幕した愛知万博(愛・地球博)を運営した万博協会に対する国の補助金のうち、会場へのアクセスのための鉄道の整備など4事業で使われずに余った計4億円余が返還されていないことが協会関係者らの話でわかったと報じる。13~15年度に国が支出した計約25億円の補助金の一部で、協会が各年度末に国や事業者との間で精算しておらず、事業者の手元に残った状態とのこと。国と協会は対応を検討していると記事は伝える。複数の関係者によると、協会職員が補助金の精算手続きを十分理解していなかったとか。

地方債の引き受けシ団に外資系証券会社が参画

 10月12日付け日経金融新聞1面に「銀行と自治体変わる関係(上)銀行、地方債撤退相次ぐ――外資系証券参入目立つ」の記事。

 記事は、親密さを象徴していた地方債の引き受けを巡って、銀行と自治体の関係は大きく変化したと報じる。縁故債と呼ばれる銀行等引受債や市場公募債について、銀行が引き受けを取りやめる例が相次ぎ、自治体はより良い発行条件を求めて金融機関の選別を急いでいるとのこと。市場公募債は通常、銀行や証券会社でシンジケート団をつくって引き受けるが、これは、シ団に入れば公金の取り扱いや基金の運用など他の自治体ビジネスにつながる可能性があるためで、ある銀行の担当者は「地方債はもうけが少ない」と指摘して「最近はお断りするケースが増えた」と話しているとか。静岡県は9月下旬、市場公募債の引受シ団の構成を大幅に入れ替え、中央三井信託銀行、三菱信託銀行、藍沢証券が脱退したとか。県は「良い発行条件の金融機関に引き受けてもらいたい」(財政室)と冷静で、代わりにゴールドマン・サックス証券など外資系証券7社などが加わったとか。地方債協会によると、16年度の市場公募債のうち、銀行の引き受け分は合計で約25%だが、年々、低下傾向にあり、抜けた銀行の引き受け分を証券会社がカバーしており、特に地方債を日本での債券ビジネスの糸口にしようと、外資系証券会社の参入が目立つとのこと。ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券はすでに13自治体のシ団に参入。日本では地方債の引受額が社債を上回ったとか。

「実質公債費比率(仮称)」の話が出てきた

 10月12日付け日本経済新聞朝刊1面に「地方債発行、財政難の自治体に制限――総務省、新指標で格付け」の記事。

 記事は、総務省が来年度から都道府県や市町村が税などの収入のどれだけを借金返済に充てているかの指標をつくり、債務負担の重い自治体の地方債発行(起債)を抑える制度を導入すると報じる。財源に対する地方債返済額の割合に応じて自治体を3グループに分け、財政が良好なら自由な起債を認め、数値が悪いと制限するとのこと。財政力に連動して国に頼らず資金調達する自治体を増やす考えと記事は伝える。地方債は自治体の借金であり、来年度からは国が起債を許可する仕組みから、国に報告すれば自治体が原則自由に起債できる「事前協議制」に移行することが決まっており、国が認めない起債も可能になるが、国が認めない起債が増えると、地方財政の一段の悪化を招くとの懸念もあるため、総務省は全国約2千の自治体ごとに機械的に算出した数値で、自由な起債を認めるかどうか判断するとのこと。設けるのは「実質公債費比率(仮称)」といい、自治体の債務負担がどのくらい歳入を圧迫しているかを明らかにするもので、自治体が毎年返す借金の負担額を税収などの財源で割って出すとか。借金には地方債の返済費や返済に備える積立金などを含め、来秋には全自治体の確定値をそろえるとのこと。総務省は健全さを示す基準値をどのくらいに設定するか検討中だが、目安となるのは10―20%程度で、この基準値をもとに区分し、(1)上位クラスは自由な起債を認め、(2)中位は引き続き国の許可を得て起債させ、(3)下位は基本的に起債を認めない、などと格付けするとか。

 同日付けの5面には「地方債に新指標、健全な自治体間も競争激化(解説)」があり、総務省が地方自治体の債務負担割合を示す新指標で地方債の発行を管理する方針を打ち出したのは、地方財政への市場の信認を高める思惑があると伝える。国がお墨付きを与えた健全な自治体には市場から安定して資金が流れ込む一方、借金を返す余力の乏しい自治体には地方債の増発を認めず、市場からの調達は遠のくことになる。地方財政を支える国からの資金は先細りが避けられず、自治体は国に依存せず資金を集める姿勢が欠かせないが、市場メカニズムにさらせば、国の関与が乏しくなることでほかの自治体よりも高い金利を設定され、円滑に債券が消化されないおそれがあるため、必要な資金を調達できない自治体も出てくるおそれがある。このためかえって過疎地の自治体を国が抱え込み、町村の国への依存が強まる可能性さえあると記事は評する。一方で自由な起債が認められる自治体間では競争が激化し、国に加え市場での選別と淘汰が加速する公算が大きいとも。


 今とどう違うのかを説明できないなら記事を書くべきではないだろう。

農業経営基盤強化措置特別会計の状況

 共同は10月8日に「利用少なく剰余金8百億 04年度、検査院が調査」を配信。

 記事は、農業の経営規模拡大や新しく農業を始める人を支援するための資金を無利子で貸し付ける農水省の「農業経営基盤強化措置特別会計」で、制度の利用が少なく16年度の剰余金が約800億円に上ることが会計検査院の調べで分かったと報じる。検査院は14年にも13年度の剰余金が約1230億円に達していると指摘していたとのこと。農業人口の減少に加え、景気低迷で農家の投資意欲が下がっていることが背景にあるとみられ、農水省構造改善課は「効率的、安定的な農業経営を育てるため資金の有効活用を図りたい」としているが、国会で剰余金の一般会計繰り入れも議論され、見直しが求められそうだと記事は評する。農水省によると、この特別会計で16年度に約800億円の予算が組まれたが、実際には約430億円しか使われず、貸付金の繰り上げ償還が増えて、剰余金はさらに膨らみ約800億円となったとか。この特別会計で農地を集約し規模を拡大するための「農地保有合理化促進対策費」は、都道府県の農地保有合理化法人に、離農者から農地を買い取る資金として無利子で融資する財源だが、地価下落で売り手が少なく貸し付けが伸び悩んでいて、約542億円の予算のうち約150億円が使われなかったとか。農作業用車両の購入費や生産設備の建設費を貸し付ける「農業改良資金貸付金」は約140億円の予算があったが、実績はわずか2億円、新たな就農者に準備金を融資する「就農支援資金貸付金」の予算約96億円も、約75億円が手付かずのままだったとも。

国土交通省が指名競争を工事希望型指名競争入札に限定するらしい

 朝日は10月8日に「指名競争入札、国交省が原則廃止 橋梁談合受け防止策」を配信。

 記事は、国土交通省が同省発注の公共工事について、通常の指名競争入札を14日から原則として取りやめると報じる。橋梁(きょうりょう)談合事件を受けた再発防止策の一環で、戦後の公共工事の入札の原則とされ、数々の談合の舞台となった方式が、最大の発注官庁の工事からほぼ消えることになると記事は伝える。災害復旧のような緊急の工事や、特殊技術が必要な工事など一部を除き、ほとんどが対象となるとか。同省は現在、予定価格1億円未満の工事の入札について、業者側の受注意欲の有無に関係なく、国側の裁量で10社程度を指名する指名競争方式を採用しているが、14日以降に手続きを始める入札は、十数社から20社程度の業者に受注希望を聞き、入札したい業者がすべて参加する「工事希望型指名競争入札」に切り替えるとのこと。受注意欲のある業者ばかりを参加させることで入札の「本気度」を高め、談合を防ぐのがねらいとか。