「実質公債費比率(仮称)」の話が出てきた
10月12日付け日本経済新聞朝刊1面に「地方債発行、財政難の自治体に制限――総務省、新指標で格付け」の記事。
記事は、総務省が来年度から都道府県や市町村が税などの収入のどれだけを借金返済に充てているかの指標をつくり、債務負担の重い自治体の地方債発行(起債)を抑える制度を導入すると報じる。財源に対する地方債返済額の割合に応じて自治体を3グループに分け、財政が良好なら自由な起債を認め、数値が悪いと制限するとのこと。財政力に連動して国に頼らず資金調達する自治体を増やす考えと記事は伝える。地方債は自治体の借金であり、来年度からは国が起債を許可する仕組みから、国に報告すれば自治体が原則自由に起債できる「事前協議制」に移行することが決まっており、国が認めない起債も可能になるが、国が認めない起債が増えると、地方財政の一段の悪化を招くとの懸念もあるため、総務省は全国約2千の自治体ごとに機械的に算出した数値で、自由な起債を認めるかどうか判断するとのこと。設けるのは「実質公債費比率(仮称)」といい、自治体の債務負担がどのくらい歳入を圧迫しているかを明らかにするもので、自治体が毎年返す借金の負担額を税収などの財源で割って出すとか。借金には地方債の返済費や返済に備える積立金などを含め、来秋には全自治体の確定値をそろえるとのこと。総務省は健全さを示す基準値をどのくらいに設定するか検討中だが、目安となるのは10―20%程度で、この基準値をもとに区分し、(1)上位クラスは自由な起債を認め、(2)中位は引き続き国の許可を得て起債させ、(3)下位は基本的に起債を認めない、などと格付けするとか。
同日付けの5面には「地方債に新指標、健全な自治体間も競争激化(解説)」があり、総務省が地方自治体の債務負担割合を示す新指標で地方債の発行を管理する方針を打ち出したのは、地方財政への市場の信認を高める思惑があると伝える。国がお墨付きを与えた健全な自治体には市場から安定して資金が流れ込む一方、借金を返す余力の乏しい自治体には地方債の増発を認めず、市場からの調達は遠のくことになる。地方財政を支える国からの資金は先細りが避けられず、自治体は国に依存せず資金を集める姿勢が欠かせないが、市場メカニズムにさらせば、国の関与が乏しくなることでほかの自治体よりも高い金利を設定され、円滑に債券が消化されないおそれがあるため、必要な資金を調達できない自治体も出てくるおそれがある。このためかえって過疎地の自治体を国が抱え込み、町村の国への依存が強まる可能性さえあると記事は評する。一方で自由な起債が認められる自治体間では競争が激化し、国に加え市場での選別と淘汰が加速する公算が大きいとも。
今とどう違うのかを説明できないなら記事を書くべきではないだろう。