公会計の動向 -129ページ目

8月の税収は所得税、法人税が好調

 共同は10月3日に「8月税収は4・4%増」を配信。

 記事は、財務省が3日発表した8月の税収実績によると、一般会計税収は前年同月比4・4%増の3兆8367億円となり、3カ月ぶりに前年実績を上回ったと報じる。8月までの累計では前年比0・1%増の10兆8784億円で、当初予算額に対する割合は24・7%となったとか。8月は、夏のボーナスや株式配当が好調で所得税が5・2%増、法人税も17・0%増となり、一方、酒税は税率が低い「第3のビール」へのシフトが続き、4・1%減少したとか。消費税は2・5%減ったが「前年並み」(主税局)と説明したとのこと。


公表資料:平成17年度8月末租税及び印紙収入、収入額調

財務相が納税者番号制に積極姿勢を示す

 共同は10月3日に「納税者番号制導入に前向き 衆院予算委で財務相」を配信。

 記事は、谷垣禎一財務相が3日午前の衆院予算委員会で、年金一元化に関連し、納税者番号制の導入について「税制全体を合理化していく上で大きく役立つ、意味がある制度だ。きちんと議論していきたい」と述べ、将来の導入に前向きな姿勢を示したと報じる。一方で「納税者番号制度を導入すれば(所得など)すべてがきれいに捕捉でき、きれいに整理ができるという議論もあるが、それはやや過大な期待ではないかと思う」とも指摘したとか。

会計検査院が独立行政法人を検査している

 共同は9月29日に「国費の効果疑問と指摘 水産大や海技大に検査院」を配信。

 記事は、水産業を担う人材を育成する水産大学校(山口県下関市)や船員を養成する海技大学校(兵庫県芦屋市)など教育関連の独立行政法人5法人について、教育目的と関係の薄い分野に就職する卒業生が半数を超えたり、一部学科で定員割れが10年も続くなど問題点があることが、会計検査院の調査で分かったと報じる。こうした調査は初で、国が運営費交付金を負担する必要性やその効果に疑問を投げ掛けた形で、統廃合や民営化に向けた議論が高まりそうだと記事は評する。検査院によると、水産大では、水産業が主業務の会社などに就職したのは13-16年度で30-40%台で、船員を養成する海員学校(静岡市)は海運会社などに就職したのは50%台だったとか。海技大学校の海技士科では、入学者が定員の40%に満たない状態が10年以上続いていることが判明し、水産大の専攻科や農業者大学校(東京都)の本科も定員割れが続いていたとのこと。パイロットを養成する航空大学校(宮崎市)は卒業生の90%以上が航空会社に就職しているが、新人パイロット全体では航空大卒業生の占める割合は30%前後で、20%を割り込んだこともあるとか。航空会社の養成施設出身者や外国人パイロットなど民間での養成に押されている状態とのこと。中退率は、海員学校の本科で約20%と最も高く航空大が約10%だったとか。教育関連5法人での施設整備費を含む学生1人当たりの教育経費は、海技大で年間約500万円、最も多い航空大で同約2000万円で大半が国費で、海技大などの学生を受け入れる航海訓練所(横浜市)は同約1000万円で、検査院は「訓練所経費を含めると海技大の経費はさらに高くなる。各法人とも経費の節減を」としたと記事は伝える。検査院は13年4月に発足した教育、研究などを手掛ける45法人を検査しており、国は16年度までの4年間で45法人に計約7000億円の資金を交付していると記事は伝える。

 同日の共同の配信「11億円余分に国費交付 収入を過小に見積もり」は、会計検査院が調査した45の独立行政法人(独法)の中には、特許権や著作権に伴う知的財産権収入などの自己収入を過小に見積もって国に伝え、約11億円の国費を余分に受け取っていた法人があったと報じる。独法は国から業務に必要な財源を運営費交付金として受け取っているが、この交付金見積額を算定する際、37法人が自己収入を控除し、8法人は控除をせずに見積もるなど、自己収入の扱いは法人によってまちまちだったとか。37法人のうち、8法人の収入は実際の金額が1000万円以上も見積額を上回っていたことが判明しており、放射線医学総合研究所(千葉市)は16年度、自己収入は実際は約18億円なのに7億円として国に伝え、交付金約11億円を“余裕資金”として受け取っていたと記事は伝える。交付金を算定する際、実際の収入に見合う額を国に説明すれば、交付金は少なくて済むことになり、余裕を生じる算定手法は国費が無駄になるおそれがあり、検査院は「自己収入の設定は適正にするべきだ」としているとか。


 自己収入の過少申告の話なのか、算定式の話なのか不明。

地方公営企業の16年度収支

 共同は9月29日に「公営企業は4年連続黒字 04年度の総収支」を配信。

 記事は、総務省が29日に公表した16年度の地方公営企業の決算速報によると、自治体が運営する全国の1万959の公営企業全体の総収支は前年度比1058億円増の2540億円で4年連続黒字だったとのこと。黒字額の大幅拡大は千葉、兵庫両県で宅地造成事業について外部監査の指摘を受けて分譲、造成途中の資産を清算したことが大きな要因だが、一方、個別には病院事業などを中心に13・7%が赤字とのこと。全体の事業数は、市町村合併や民間への譲渡などで前年度に比べ過去最高の1517減で、実質の職員数も5930人減の40万566人とか。事業別に収支を見ると、診療報酬の改定などにより病院事業が1261億円と赤字額が膨らんだとのこと。

地方の純債務額は過去最悪

 9月30日付け日本経済新聞朝刊5面に「地方の財政負担、最悪に――昨年度末残高2%増137兆円、税収不足など響く」の記事。

 記事は、地方自治体に生じる将来の財政負担額が16年度末で137兆円に達していることが、総務省が29日に公表した調査結果(速報値)でわかったと報じる。前年度末より2%増え、過去最悪の水準を更新したとのこと。地方の財政負担は、地方債の残高などから財源不足などに備えて積む基金の残高を差し引いた額で、内訳は都道府県分が14年連続増の80兆5876億円(前年度末比2.4%増)、市町村分が5年連続増の57兆3461億円(1.7%増)で、人件費などの固定経費は税収など一般的な地方財源の9割を占め、自治体が自由に財源を使う余地は乏しいと記事は伝える。

17年度の財投債発行は減額

 共同は9月30日に「国債発行を3兆円減額 05年度、財投資金に余裕」を配信。

 記事は、財務省が30日、17年度の国債発行額を3兆500億円減らすと発表したと報じる。財投債の発行を減らすためで、新規財源債と借換債、財投債を合計した05年度の国債発行額は、166兆4551億円となるとのこと。財投債の発行を減らすのは、都市再生機構などが予定より多く財政投融資からの借入金を繰り上げ返済し、財投の資金繰りに余裕が出たためで、財務省は、郵便貯金や簡易生命保険、年金資金運用基金に引き受けの減額を要請したと記事は伝える。財政投融資改革で、財投は13年から郵貯や簡保、年金の全額預託制度を廃止、市場から調達する方法に変更しており、市場への影響を緩和するために設けられた、財投債の一部を郵貯などが直接引き受ける特別措置は19年度までの経過措置。

16年度決算は常会提出

 時事は9月28日の配信「04年度決算、通常国会に先送り=今会期内に間に合わず」で、政府・与党が28日、16年度決算の国会提出を年明けの通常国会に先送りする方針を固めたと報じる。特別国会会期末の11月1日までの提出は難しく、その後に臨時国会を開く予定もないため、先送りせざるを得ないと判断したとのこと。


参考: 財政法(昭和二十二年三月三十一日法律第三十四号)

四十条  内閣は、会計検査院の検査を経た歳入歳出決算を、翌年度開会の常会において国会に提出するのを常例とする。
○2  前項の歳入歳出決算には、会計検査院の検査報告の外、歳入決算明細書、各省各庁の歳出決算報告書及び継続費決算報告書並びに国の債務に関する計算書を添附する。

大阪市の改革

 9月28日付け日本経済新聞大阪朝刊16面に「大阪市、市政改革本部マニフェスト案の要旨」の記事。

 記事は、大阪市の市政改革本部が27日に公表したマニフェスト案の要旨を伝える。「マネジメント改革」では、「財務リストラクチャリング」として、「身の丈(市税に対するコストの比率)に合わせ、経常経費の二割削減が必要。当面五年間、削減困難な扶助費や公債費などを除く部分で総額九百億円の削減を目指す」などが示されている。


公表資料: 市政改革マニフェスト(市政改革本部案)を公表しました 〔大阪市サイト〕

財政制度分科会で18年度予算の議論を開始

 毎日は9月29日に「財政制度分科会:06年度予算編成に向け、議論を開始」〔吉田慎一〕を配信。

 記事は、財政制度等審議会が28日、財政制度分科会(会長・西室泰三東芝相談役)を開き、18年度予算編成の建議(意見書)を取りまとめる11月に向け、議論を開始したと報じる。18年度予算編成では、医療費見直しなどの社会保障制度改革による一段の歳出削減や、国と地方の税財政改革(三位一体の改革)の仕上げなどが焦点になると記事は伝える。西室会長は、道路特定財源の見直しについても議論する方針を示し、谷垣禎一財務相はあいさつで「財政再建に向け土台を固めた予算といわれるようにする」と述べているとのこと。

公表資料:財政制度分科会9月28日3部会合同会議議事要旨配布資料

道路公団の不正通行車対策

 朝日は10月1日に「高速道の通行料不払い「20万件」 会計検査院が指摘」を配信。
 記事は、日本道路公団の高速道路を通行したのに料金を払わない「不正通行」が16年度に全国で20万件を突破し、試算上の被害額が5億円を超えたと報じる。不正通行について調べた会計検査院は「通行料の徴収対策を強化する必要がある」としており、公団は料金所での取り締まり強化など不正通行の一掃に向けた対策を強化するとのこと。公団によると、不正通行は12年度に9万1000件あったが、13年度には10万件を超え、14年度15万3000件、15年度は15万6000件に上っていたとのこと。不正通行の多くは料金所で通行券を示さずに通過してしまい、このため車がどのインターから高速道路に入ったのかわからず、被害額が確定できず、公団が16年度に確認できた不正通行の通行料金は9200万円で、徴収できたのは130万円だけとか。公団の高速道路の場合、1台あたりの平均通行料金は1000円前後で、検査院などはこれに不正通行車両の台数を掛け合わせ、道路整備特別措置法の定めで正規料金の3倍の金額を請求できることを参考にして被害額は5億円に達すると算定した模様だと記事は伝える。検査院の指摘を受けた公団は料金所での対策強化などを検討しており、1日の新会社移行後、不正通行車のナンバーを特定するため移動式のビデオカメラを導入したり、自動料金収受システム(ETC)の出口にある防御バーをETC以外の出口にも設置したりしていくことを決めたとか。不正通行は、通行料金の支払いを拒否する「無料通行宣言車」と強行突破の車に分かれ、以前は右翼の大型街宣車が軽自動車料金で通行することが多く、13年度は3500件に上ったが、全国の警察が取り締まりを強化し、16年度は3件だけになり、「宣言車」も横ばいで16年度は年間1万6000件程度だったが、12年度に9万1000件だった強行突破が14年度から急増して13万件を超え、16年度は18万7000件になったとのこと。公団は不正通行に対して同措置法の規定に沿って料金を強制徴収するなどしてきたが、民営化移行に伴って1日からは強制徴収できなくなり、このため罰則を新たに盛り込んだ改正道路整備特別措置法が1日に施行されて、新会社は不正通行車両を刑事告訴できるようになるとか。