公会計の動向 -126ページ目

財務省が職員のささやかな小遣い稼ぎ?に厳格な処分

 朝日は10月28日に「税関・国税職員が不適切な旅費請求、113人処分」を配信。

 記事は、財務省が28日、地方の税関や国税庁などの職員が実際より高い航空賃を請求し、出張旅費の過払いを受けていたと発表したと報じる。不適切な請求による過払いの事例は過去5年間で328人の579件、1108万円にのぼり、このうち故意に不適切な請求をした113人について国家公務員法や内規に基づき減給などの処分にしたとのこと。全額を同日までに返還させたとか。不適切な請求をしていた113人の内訳は、税関が140人(618万円)、▽国税庁137人(360万円)、▽財務局43人(108万円)、▽財務省8人(22万円)。発覚したのは、今年3月、会計検査院が沖縄地区税関で、航空機を使った出張の旅費を調べたところ、半券に小さく印字されたアルファベットで各種の割引サービスが分かるのに、正規の運賃を請求していた旅費があったためで、検査院の指摘を受けた同省が過去5年分の旅費を調査した結果、(1)チケットを正規の値段で購入後にキャンセルして、払い戻しを受けて割引券を購入したのに、当初受け取った正規の値段の領収書を旅費請求書に添付していた、(2)航空券販売店に頼んで割高な領収書を書いてもらっていた、などの例が各地で見つかったとのこと。最も多額の不正があったのは沖縄地区税関の課長補佐で14回で計約19万円、東京税関の課長も5回にわたり計約13万円多く受け取っており、2人とも最も重い減給10分の1(3カ月間)の処分を受けたとのこと。財務省は故意の113人について、今後、必要に応じて司法当局と刑事告発の相談をする方針と記事は伝える。


 日経の28日の配信「税関や国税局で1886万円の旅費不正請求・113人処分」では、会計課長のコメントも載っている。「予算を査定する立場として大変遺憾で厳粛に受け止めたい」と陳謝し、「組織ではなく不届きな個人の問題で、管理責任はない」とのこと。

成田管制塔襲撃事件に係る債権管理

 毎日は10月27日に「<成田管制塔襲撃>元活動家が賠償金約1億円を納付へ」〔長谷川豊〕を配信。

 記事は、成田空港開港直前の昭和53年3月に起きた管制塔を襲撃した事件(開港予定の4日前に発生。活動家が空港内に侵入し、管制塔を占拠し、機器類を鉄パイプや火炎瓶などで破壊するなどした。事件により、開港は約2カ月延期された。)に関連した過激派の元活動家らが27日、裁判で支払いを命じられた賠償金約1億300万円を来月中旬に現金で納めることを決めたと報じる。納付先は、国と成田国際空港会社(当時・新東京国際空港公団)で、元活動家らは支援者からカンパを集めるなどして賠償金を用意したとか。事件をめぐり、国などは破壊された機器などの賠償を求めて提訴し、最高裁が平成7年7月、4384万円の支払いを元活動家ら16人に命じる判決を出し確定したものの、支払いはなく、国側は民法上の時効を停止させるため今年7月、元活動家の一部の給与を差し押さえるなどして協議を続けていたとのこと。賠償額は法定利息で膨らんだとか。

非市場性国債の導入が検討される模様

 朝日は10月25日に「安定消化につながる「非市場性国債」の導入検討 財務省」を配信。

 記事は、財務省が、満期までの保有が前提で市場での売買が制限される「非市場性国債」の発行を検討すると報じる。一般の国債は、市場価格を財務諸表に反映させる必要があるが、非市場性国債はその必要がなく保有しやすいため、財務省は国債の安定消化につながるとして、早ければ18年度の発行を視野に入れているとのこと。この日の投資家による懇談会で、複数の金融機関から非市場性国債の発行を求める意見が相次いでいるとのこと。地方債には、証券の代わりに証書の形式をとり、市場で流通しない債券もあり、財務省は「国債発行の多様化という観点から、幅広く検討したい」と発行に前向きと記事は伝える。

地方への税源以上で増税になるケースがある!

 NHKは10月27日に「「住宅ローン減税」 税源移譲で効果薄に 国交省 救済求める」を配信。

 記事は、いわゆる三位一体の改革に伴って、国から地方へ税源を移すことで住宅ローンの残高に応じて所得税が減税される「住宅ローン減税」の利用者の税負担が増えかねないとして、国土交通省が来年度の税制改正に何らかの救済措置を盛り込むよう財務省などへの働きかけを強めることにしていると報じる。政府は、いわゆる三位一体の改革で国から地方に税源を移すのに伴って、来年度の税制改正で所得税や住民税の税率の見直しを行うことにしているが、国土交通省によると、住宅ローンの残高に応じて所得税が減税される住宅ローン減税を利用している世帯では税源の移譲に伴って住民税が増えることなどから、所得税と住民税を合わせた納税額が逆に増える場合があるとか。例えば、住宅ローンを借りている夫婦と子供2人で夫の年収が5百万円のサラリーマン世帯の場合、8万2千円分、納税額が増えるなど年収が5百万円から7百万円前後の世帯を中心に数十万世帯で税負担が増えると見られているとのこと。国土交通省では、三位一体の改革のしわ寄せで住宅ローン減税の利用者の税負担が増えるのは理解が得られないとして、財務省や総務省に対して来年度の税制改正に何らかの救済措置を盛り込むよう働きかけを強めると記事は伝える。

「架空予算」の報道は日経×で朝日が○

 10月28日付け日本経済新聞朝刊5面に「今年度の予算執行、各省庁自主点検、94億円ムダ発覚――経産省がワースト」の記事。

 記事は、財務省は27日、各省庁に今年度予算の執行状況を調べるよう求めたら、総額94億円のムダが発覚したと発表したと報じるが、話は執行されていない予算に関してのことであり「ムダ」という表現は当たらないはず。もちろん財務省も「ムダ」とは言っていないと思われる。記事は、各省庁は18年度予算の概算要求を見送ったり減額したものの、自主点検だけに氷山の一角と評するが根拠は不明。民間ではムダ追放の取り組みが根付いているが、消費税率の引き上げなど国民負担の増加が迫るなかで、市場規律が働かない政府部門のムダ追放が課題となっていると記事は伝える。この調査は、財務省が各省庁に今年度予算に計上されている一定額以上の事務費や事業費について、(1)過去3年間で1円も使われていない、(2)当初と異なる目的に使われている、(3)過去2年にわたり予算が50%未満しか使われていない、の3基準で洗い出しを要請したもので、その結果、全省庁合計で324件、94億5200万円のムダが見つかったとか。経済産業省では石炭火力発電を天然ガスに転換するための補助金が過去3年に1度も使われていないのに、今年度も24億円の予算が計上されているとか。財務省でも課税資料収集のための「家屋利用状況照会経費」が同様に6300万円計上されるなど合計10億円のムダが見つかったとも。基準を広げ、調査を徹底すれば予算のムダはさらに拡大するとみられると記事は伝える。背景には予算査定の問題もあり、細川興一財務次官は同日の記者会見で「個々の経費の内訳にも踏み込むのが予算査定の原点だが、徹底の仕方が足りなかった」と反省し、「査定は全体の額を厳しく抑制することに重心が置かれ、個別の無駄遣いには目が行き届かなかった」(幹部)と記事は伝える。記事は、事後チェックの機能も甘いとし、財務省による予算執行調査は散発的で、会計検査院の取り組みは法令違反が中心と評するが、これも誤り。予算執行調査は4月から6月まで集中的に行われるものであり、また、会計検査院の取組が法令違反中心だったことは設立以来ないはず。もともとは明治政府の財政窮迫と薩長独走に対処するために設置された機関。


☆財務省サイトの27日の次官会見

☆財務省の予算執行調査

☆会計検査院サイトの検査の観点 の説明


 日経に比べると朝日の27日の配信「各省庁の「架空予算」、計324件に 財務省まとめ」は真っ当。「各省庁の予算が実際には使われていなかったり、使われ方が計上した項目と異なったりしている「架空予算」の問題」と正確に把握していて「ムダ」などという表現は採っていない。記事は、少額の架空計上がほかにもあると見られており、財務省は今年末までの査定で洗い出しを進め、結果を再公表する方針と伝えている。架空予算は8月に各省庁が主な事例を公表しており、財務省は今回の調査で、(1)3年連続で要求どおりに使われた実態がない、(2)2年連続で要求と異なる使われ方をしていた、(3)2年連続で使った金額が予算額の半分に満たなかった、の3基準で集計し直したとのこと。324件の予算額の単純合計は約139億円で、件数の多い順では外務省の76件、厚生労働省の56件、財務省の42件となっているとか。廃止・縮減額では経済産業省が約43億円と飛び抜けて多く、電源開発促進対策など特別会計がらみの事業が大半を占め、特別会計予算の査定の甘さも浮き彫りになったと記事は評する。

宮城県は県警報償費執行停止を解除する方向

 毎日は10月24日に「<宮城知事選>初当選の村井氏、県警捜査報償費停止を解除」〔石川貴教〕を配信。

 記事は、23日の宮城県知事選で初当選した村井嘉浩氏(45)が24日、仙台市内で記者団に対し、浅野史郎現知事が執行停止している県警捜査報償費について「就任したその日(11月21日)に解除する」と明言したと報じる。理由について村井氏は「知事として考えなければならないのは県民の安心安全。(報償費として執行された)過去の分の確認は監査委員に指示したい」と説明したとのこと。村井氏は報償費の凍結問題について選挙中から「過去と将来は分けて考えるべきだ」と解除に前向きな姿勢を示していたとの由。

衆議院内閣委員会が捜査費不正支出問題で26日に集中審議するとか

 共同は10月24日に「捜査費調査を内閣委に説明 愛媛県警本部長ら=差替」を配信。

 記事は、愛媛県警の捜査費不正支出問題で、粟野友介県警本部長と吉村典子公安委員長が24日、松山市で衆院内閣委員会の佐藤剛男委員長(自民党)ら8人に問題の経緯や調査状況を説明したと報じる。内閣委は説明内容などを基に26日、捜査費問題について集中審議する方針とのこと。内部告発した県警巡査部長仙波敏郎さん(56)からの聞き取り調査は与党委員が反対しており、民主党など野党委員だけで24日午後に行うとか。愛媛県警の捜査費問題は県監査委員が今年2月、特別監査の結果から、県費の捜査報償費のうち35件(約14万円)は、執行が適正か疑問が残ると指摘し、県警は6月、事件解決の慰労会用に買ったビール券を別の慰労会に使うなど14件(計約8万円)が不適正だったと認めたとの由。仙波さんは1月、捜査費の不正などを内部告発し、県警は内部調査して6月、告発内容を否定したとのこと。

NHKの9月末受信料が発表になったとか

 毎日は10月21日に「<NHK>未納が2万件増の132万件 9月末受信契約状況」を配信。

 記事は、NHKが21日、9月末現在の受信契約状況の確定値を発表したと報じる。先月20日に発表した見込み値に比べ、受信契約はあるが口座の解約によって徴収できていない「未納」が2万件増の132万件、放送法に定められた受信契約を結んでいない「未契約」が3万件減の955万件となったとのこと。受信料を支払っているのは3243万件となり、予算に対する収入不足は当初予想より3億円改善され、217億円となったとか。


公表資料:受信料の支払い拒否・保留件数(平成17年9月末)等について

商工中金を民営化する方向

 朝日は10月21日に「商工中金民営化へ 政府系金融改革で政府・与党方針」を配信。

 記事は、政府・与党が、政府系金融機関の一つで経済産業省が所管する商工組合中央金庫(商工中金)を民営化する方向で関係者と調整に入ったと報じる。見直しが検討されている政府系金融8機関のなかで、商工中金は政府と民間が共同出資する「半官半民」の組織であり、経営も健全なため、政府出資を段階的に廃止しても融資先である中小企業への影響は少ないと判断したとみられると記事は評する。商工中金は昭和11年の設立で、資本金5172億円のうち78.4%を政府、21.6%を中小企業組合が出資しており、平成17年3月末の貸出残高が9.5兆円、不良債権比率が5.3%で、同様に中小企業向け融資を行っている中小企業金融公庫の14.0%に比べて低く、資金のほとんどを預金や債券で自力調達しているとのこと。同様に「半官半民」の組織だった農林中央金庫が昭和61年に政府出資を廃止して完全民営化しており、また、国民生活金融公庫や中小企業金融公庫も中小企業への低利融資を行っているため、経済財政諮問会議の民間議員らからは、商工中金への公的関与の必要性を疑問視する声が上がっていたとか。商工中金側は「政府出資がなくなると資金調達費用が上がり、貸出金利に影響しかねない」として民営化に強く反対しているほか、日本商工会議所なども反対していると記事は伝える。

農林公庫の林業公社向け融資

 朝日は10月22日に「農林公庫、森林法人に貸付4400億円 返済猶予認めず」を配信。

 記事は、経営悪化が目立つ全国の森林整備法人に対し、「メーンバンク」にあたる農林漁業金融公庫が16年度末で4433億円を貸し付けていると報じる。同公庫の貸付残高の13%にあたるとのこと。金利減免や返済猶予を申し出る法人もあるが、公庫は「損失は地元の県が補償する契約」と応じない方針とか。政府系金融機関の改革論議がヤマ場を迎えるなか、不良債権の増加を避けたい公庫の姿勢は強硬で、県側が支払わない場合、資産の差し押さえも辞さない構えをみせていると記事は伝える。森林整備法人は戦後の木材需要を賄うため、県などが出資して各地に設立されたもので、近年は木材価格の下落で経営悪化が目立ち、16年度末時点では全国で40法人が計1兆2000億円を借り入れているが、「主取引金融機関」である農林公庫以外の借入先は、自治体が大半と記事は伝える。公庫が貸し付けているのは39法人で、多くの自治体貸し付けは無利息だが、公庫利率は平均年2.38%となっていて、公庫の試算でも、23法人は金利負担などで長期収支が赤字を免れない見通しとか。公庫の16年度の収入、費用はともに1527億円で、決算は毎年度、経常損益、当期損益ともほぼゼロとなっているが、収入には政府からの「補給金」が貸付利息などとともに計上され、費用と同額になる仕組みになっているしの由。16年度の補給金は511億円で、森林法人からの元利返済が滞り、公庫の収入が落ち込めば補給金は膨らむことになるが、一方で、公庫が実際に取り立てを強行すれば、公的な資金の出し手としての公庫の意義が問われるのは必至と記事は評する。


公表資料:農林漁業金融公庫のIR情報