産業再生機構が栃木の旅館の再建に目処をつけた
5月8日付け日経金融新聞8面に「再生機構、栃木の旅館支援終了――「家業から企業」転換にメド」〔宇都宮〕の記事。
記事は、産業再生機構が5月末までに、経営再建を支援していた栃木県内の温泉旅館8社の株式や債権を大和証券グループの投資会社などに売却すると報じる。財務と経営管理について課題達成のメドがついたと判断し、これまで共同で再建を進めてきた企業などに今後のかじ取りを委ねるとのこと。足利銀行の一時国有化を受けた同県内の温泉旅館の再生支援事業は一つの山を越えたと記事は評する。機構は、あさやホテル(日光市)や鬼怒川温泉山水閣(同)など旅館6社の所有株40%のうち、25―39%を大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ(大和PI)に売却(金額は非公表)し、残る保有株式は旧経営陣である総支配人や営業本部長などの社員に売却するとか。旅館再生支援の業務委託会社、旅館マネジメントサポート(RMS、宇都宮市)の株式40%も併せて大和PIに売却するとのこと。残る旅館2社のうち金精(日光市)は顧客ら個人に、鬼怒川グランドホテル(同)は同ホテルの再建請負会社フレンドシップカンパニー(宇都宮市)にそれぞれ保有全株式を売却し、とちぎインベストメントパートナーズ(TIP、宇都宮市)が運営する県版地域企業再生ファンドも2社の所有株(40%)を各売却先に譲渡するとのこと。機構は当初、支援期間を3年間としていたが「財務と経営管理という最大の課題でメドがついた」(機構の渡辺美衡執行役員)と判断し、大和PIはTIP運営のファンドに出資するなど当初から支援に加わっており、現行の再建計画を踏襲するには最適として、入札ではなく一括譲渡を選んだとのこと。大和PIも、株が分散せず主要株主として再建を進められ、再建を果たして、5年以内の売却を目指すとか。機構は15年4月に設立され、機構を通じて政府が1兆円の公的資金を投入し、企業再生に取り組んでおり、県内で同年11月の足利銀行破綻を受け、温泉旅館などが支援を受けていたとの由。
金融機関に公的資金投入
4月28日付け日本経済新聞朝刊1面に「大分の第二地銀、豊和銀に公的資金――金融庁検討、ペイオフ解禁後初」の記事。
記事は、金融庁が27日、大分県の第2地方銀行である豊和銀行に対し、百億円超の公的資金を注入する方向で検討に入ったと報じる。豊和銀行は不良債権の追加処理で過小資本に陥ったが、九州の大手地銀、西日本シティ銀行から30億円の出資を受け入れる資本提携で合意したため、経営再建が可能だと判断したとのこと。地域金融機関の再編を国が支援する金融機能強化法を初適用するもので、昨年4月のペイオフ全面解禁で預金の全額保護をとりやめて以来、公的資金注入の第1号となるとのこと。豊和銀は金融庁の検査により、地元の建設業向けなどで不明朗な融資が相次ぎ発覚し、2005年9月末の自己資本比率を8.5%だと発表していたが、不良債権処理で国内最低基準の4%を下回る水準へと大幅に下がったとのこと。金融庁はすでに4月中旬に同行に検査結果を通知し、自己資本の増強が急務となっており、金融庁は経営の健全化を求める早期是正措置を近く発動すると記事は伝える。
鳥取県の三セクが三セク鉄道で全国初の配当
時事は4月20日に「3セク鉄道で初めて配当へ=鳥取県の要請受け-智頭急行」を配信し、兵庫、鳥取、岡山の3県が出資する第三セクターの智頭急行(本社鳥取市)が20日の取締役会で、株主に配当すると決めたと報じる。同社は16年度まで7年連続の黒字だが、これまで無配だったとのこと。筆頭株主の鳥取県の強い要請を受け、1株当たり1000円の配当に踏み切ると記事は伝える。3セク方式の鉄道会社で構成する「第三セクター鉄道等協議会」(東京都墨田区)によると、同方式の鉄道会社が配当するのは初めてとか。
朝日がアンケートで公立病院の未収状況を調査
朝日は4月9日に「公立病院の治療代未払い急増 低所得者の増加など影響」を配信。
記事は、都道府県と政令指定都市が運営する全国248の公立病院で、患者から支払われていない治療代(未収金)が昨年3月末で1病院あたり約3300万円に上っていることが、朝日新聞社の調査で分かったと報じる。過去3年間で1病院あたり1000万円も増え、1億円を超える病院もあったとか。自治体の多くが低所得者の増加と医療費の自己負担引き上げが原因と回答しており、15年度のサラリーマン本人の負担増など、国の医療制度改革も未収金急増に追い打ちをかけた格好と記事は伝える。病院経営の圧迫要因にもなりかねず、各自治体とも対策に苦慮しているとか。計62自治体に質問票を郵送し、1年以上未払いの治療代などを尋ねたところ、61自治体が回答し、その結果、未収金の総額は昨年3月末で80億7686万円で、1病院あたり、14年3月末に2250万円だったが、15年2650万円、16年2941万円、17年3256万円になっていたとのこと。病床数や開設診療科などによって病院ごとのばらつきはあるが、自治体ごとに1病院平均をみると、沖縄県(病院数7)は1億3093万円、仙台市(同1)は1億7862万円、札幌市(同1)は1億3860万円で、一方、北海道(同9)は839万円、福岡県(同5)は770万円、熊本県(同1)は98万円だったとか。未収になりやすいケースとしては、高額の手術や入院、救急患者、出産時の入院などが挙がったおり、「国民健康保険料の滞納で保険証を交付されず、保険適用分も含めて、いったん全額を払わなければならない人の未払いも目立つ」と答える自治体もあったとか。未収金発生の原因(選択式、複数回答)では、「低所得者の増加」が74%で最多。具体的には「生活保護には至らないが、生活が困窮している患者」(埼玉県)、「年金生活者、多重債務者、無保険者、失業中の人」(鳥取県)などで、貯金ゼロや生活保護世帯の急増が背景にあるとみられると記事は伝える。次いで「医療費の自己負担増」が64%で、高齢者の1割負担徹底(02年10月)▽サラリーマン本人負担の2割から3割への引き上げ(03年4月)▽高額な医療費の負担上限を上げた高額療養費制度の改定(13~15年)といった政策との関連を各自治体とも指摘しており、「02、03年ごろの負担割合引き上げから顕著」(福井県)、「負担増に伴って増加傾向」(横浜市)などとする見方が多かったとか。「患者のモラル低下」は31%で、治療後、連絡がとれなくなる例もあったとか。未収金が経営に及ぼす影響(選択式)については、41自治体が「(経営難の)要因の一つ」と回答しており、簡裁を通じた督促や訴訟などの法的措置をとる自治体も出てきているとか。同時に聞いた「病院経営での累積赤字」の総額は8011億円に上っていると記事は伝える。
所詮はアンケート。少額の病院の中には免除したり償却したりしている病院もあるのではないか。また、未納対策をどの程度やっているかも確認すべきだろう。
勤労者福祉施設の処分が完了
読売は4月9日に「建設に4406億、127億で売却…勤労者福祉施設」を配信。
記事は、雇用保険料で建設された勤労者福祉施設の売却処分が3月末に終了し、買い手のついた1976施設の売却総額は約127億円で、全施設の建設費の2・9%にとどまったことが厚生労働省のまとめで分かったと報じる。92施設については、買い手がつかずに取り壊され、新たに約20億円の解体費用がかかったことも判明したとか。勤労者福祉施設の建設は、サラリーマンの福利厚生のためとして、当時の雇用促進事業団により昭和36年にスタートし、計4406億円を投じて、体育館や保養・宿泊施設など2070施設が平成13年までに建てられたが、特殊法人の整理合理化の一環として、11年に全施設の売却方針が決まり、同事業団を引き継いだ厚労省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」(横浜市)が処分を進めてきたという経緯。厚労省によると、買い手がついた1976施設の売却先は、主に市町村や財団法人などで、売却総額の約127億円は、2070施設の建設費総額の2・9%で、不動産鑑定評価の総額721億円に対しても17・6%にとどまったとのこと。維持管理費や将来的な改修、解体費などの負担を買い手側から嫌われ、資産価格が下がったとみられると記事は伝える。全施設の72・5%にあたる1501施設が10万5000円以下で売却され、このうち「1050円」「1万500円」という超安値での売却も863施設に上ったとか。厚労省は「雇用保険料で建てた施設は国有財産と同様で、無償譲渡はできない」として、最低限の売却額を設定し、売却収入は雇用保険に還元されるとのこと。また、92施設については、老朽化や、遠隔地にあることなどから、買い手がつかず、土地所有者の自治体などに、更地にして返す義務があるため、同機構は11年度から解体を進め、昨年度も、「いこいの村びわ湖」(大津市)など4施設を解体して処分を終了したとのこと。1施設当たりの解体費用は390万円~1億8260万円だったとか。残り2施設は、就職支援施設などとして同機構が引き続き運営するとの由。雇用保険料からの解体費の支出について、厚労省職業安定局は「地元自治体に買い取ってもらおうと努力したが、結果的に売れなかったので、やむを得ない」と説明しているとのこと。
埼玉県が幹部職員のボーナスに成果主義導入
4月8日付け日本経済新聞地方経済面40面に「埼玉県、管理職員に“成果主義”、賞与に格差、課長級、最大30万円」の記事。
記事は、埼玉県が7日、年間2回支給する管理職員のボーナスに勤務成績を反映させる方針を決めたと報じる。全体の支給総額は変えずに、課長級で年間最大30万円前後の差をつけるとか。7割の職員は現状よりも支給額が下がるのが特徴で、民間企業同様に“成果主義”を導入することで職員のやる気を引き出し、行政サービスの向上につなげたい考えと記事は伝える。6月と12月に支給するボーナス(期末手当と勤勉手当)のうち、勤勉手当に新制度を導入するもので、対象は課長級以上の知事部局管理職員約390人で、教職員などは除くとのこと。18年度は実験的に最大格差を半分にとどめ、19年度から本格導入するとか。県は14年度から所属長による面談の導入を柱とした人事評価制度を主幹級以上の約2500人に実施しており、従来、この評価制度を基に昇級などで給与の差は付けていたが、ボーナスなどは一律に支給していたとのこと。具体的には、1回の勤勉手当の平均支給月数0.925月分から、0.05月分を拠出し、それを原資に成績を五区分に分け、「特に優秀」とされた職員1割に1.125月分、「優秀」の2割に1.0月分、「標準」に0.875月分を支給し、それ以下の職員(2区分)への支給月数については今後詰めるとか。標準以下となる約7割の職員のボーナスは従来より下がる計算で、勤勉手当で最大約3割、ボーナス全体で年間約1割の差がつく仕組みとのこと。評価は年度初頭に職員が書く「評価シート」を基に、達成度や困難事案の取り組み状況などを基準にして、所属長が複数で区分分けをし、最終的に県知事が決めるとのこと。今後、県は状況をみながら、対象を一般職員に広げることも検討する方針とか。総務省によると、幹部職員に対して成果主義を導入している都道府県は16年度時点で23自治体あるとのこと。
JR東海が完全民営化
読売は4月4日に「JR東海が自社株買い発表、完全民営化へ」を配信。
記事は、JR東海が4日、東京証券取引所の5日朝の時間外取引で、最大30万株(発行済み株式の13・4%)の自社株買いを行うと発表したと報じる。買い付け価格は4日の終値である1株115万円、取得総額は最大3450億円になるとか。これに対し、28万6000株(同12・8%)のJR東海株を保有している独立行政法人、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(東京都港区)は、保有株すべてを売却する見通しで、JR東海は完全民営化されると記事は伝える。JR東日本、JR西日本はすでに完全民営化されており、JR発足から19年で上場3社の完全民営化が実現することになる。JR東海は当面、買い付けた自社株を自社で保有する方針とか。
郵貯の定期は利 率引上げだが、定額は据え置き
4月3日付け日経金融新聞2面に「郵貯「定額」金利上げ保留――民業圧迫批判に配慮?(霞が関風速計)」の記事。
記事は、日本郵政公社が3日から、約5年半ぶりに郵便貯金の金利を引き上げることについて、日銀の量的緩和解除を受け、民間金融機関が相次ぎ定期預金の金利を上げたのに追随するものだが、今回対象としたのは定期貯金だけで、主力の定額貯金の引き上げを見送ったのは、民営化を控えながらも「民業圧迫」批判におびえているからと解く。郵政公社は通常、翌週に適用する金利を週の半ばに議論するが、今回、関係者には「地方の信用金庫や農林漁業系まで、全国すべての金融機関が金利を上げているわけではない」と、「引き上げはゆっくりすればいい」との雰囲気が強かったとか。郵貯の金利は法令に基づいて目安が定められており、定期貯金が参考にする民間金融機関の定期預金の平均金利は先週、すでに0.1%台半ば(3年物)に上がっていて、定期貯金の0.06%という「超」低金利を引き上げるのはある意味当然だが、今回は「かなり高度な経営判断を求められた」(郵政公社幹部)とのこと。その背景には、民間金融機関にくすぶる「民業圧迫」批判があり、郵貯は30日に残高が2百兆円を割り込んだが、それでも大手都銀の2倍に達する規模で、顧客サービスを考えれば金利を上げたいが、突出すれば「郵貯が顧客を奪う」と批判され、その批判をかわす微妙なバランスの着地点として、主力の定額貯金の金利引き上げを一度、保留するという結果と記事は伝える。定期貯金の金利が上がったため、定額貯金の金利が上がるのも時間の問題だが、待ちの姿勢を見せれば民間金融機関への配慮がにじむとか。郵政公社からは「民営化するのだから、民業圧迫ではない」との声も漏れるが、金利の上げ下げ一つをとっても、民間企業並みの経営判断とはいかない郵政の悩みが見えると記事は締めくくっている。
金融所得の損益通算が検討項目に
4月3日付け日経金融新聞2面に「金融「損益通算課税」が浮上――株軽減税率で攻防も(霞が関風速計)」の記事。
記事は、株式の譲渡益や預貯金利子に課税する仕組みを見直すべきだとの意見が政府・与党内で浮上してきたと報じる。19年末に株式譲渡益への軽減税率が期限切れとなるのにあわせ、税率や課税方法を抜本改正する構想だが、証券界を中心に「税制変更は株価回復に水を差す」との意見が根強く、議論は曲折がありそうと記事は伝える。自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)が3月下旬にまとめた「検討項目案」には、「金融所得課税の整備」が盛り込まれており、これは、株式に譲渡損失が発生した場合に、預貯金利子から納める税金を軽減する「損益通算制度」の導入を意識したものと見られるとのこと。日銀のゼロ金利解除が取りざたされるなかで、預金金利が上昇すれば、税負担の軽減度合いは大きくなり、「貯蓄から投資へ」という流れを後押しするためにも、導入が必要と考える政府関係者は少なくないとか。問題となるのは、政府・与党が導入の条件に「適用税率の統一」を掲げている点で、株式譲渡益への軽減税率(一〇%)を撤廃、預貯金利子と同じ二〇%にしたうえで損益通算すべきだとのこと。金融商品によって税率が異なる複雑な現行税制を簡素化する狙いがあるとか。実現すれば税率が上がり、投資家によっては実質増税となるため、証券界は「損益通算の導入より軽減税率を延長してほしい」というのが本音で、金融庁などを通じて、現行税制を変えないように求めると見られると記事は評する。自民税調や財務省にも、「証券界の協力がないと税制改正は成功しない」との見方が少なくないため、19年度改正では論点とはなるが、大幅改正は難しいとの観測が出ているとか。とはいえ、今秋に発足するポスト小泉政権がどのような税財政運営に乗り出すか見えないと、議論は深まらず、金融税制の見直しも消費税論議と同様に政局にらみとなりそうと記事は締めくくる。
読売が民主党の資料で幹部公務員の再就職先への国費支弁を調査
読売は4月3日3時1分に「天下り先へ、国費支払い6兆円超…延べ1078法人」を配信。
記事は、中央省庁などの幹部OBを天下りとして受け入れた法人のうち、契約事業の受注や補助金などにより国から16年度に1000万円以上の支払いを受けたのは延べ1078法人にのぼり、支払総額は6兆円を超えていたことが、読売新聞などの調べでわかったと報じる。また、契約事業の9割以上が随意契約だったとか。これら法人の天下り受け入れ数は計3441人で、防衛施設庁を舞台にした官製談合事件では、天下りOBの受け入れ企業に工事が重点的に配分されていたことが判明したが、中央省庁全体でも、天下りと契約や補助金交付との間に密接なつながりがあることをうかがわせていると記事は伝える。調査対象は、全府省庁と公正取引委員会や最高裁判所などを含めた計17の機関で、民主党の要求を受け、各機関が、OBが役員に就任している公益法人と独立行政法人や、課長・企画官相当職以上で退職した幹部OBを受け入れた民間企業など各種法人のうち、公共工事などの事業受注、物品調達、補助金などで、年間1000万円以上の支払いを国から受けた法人について出した資料を調べたとの由。それによると、法人数は延べ1078で、これらの法人に在籍している天下り幹部OBは、役員2604人、職員や社員が837人、これらに対する支払は計5万2054件、総額6兆1686億円、このうち、業務などが随意契約で発注されたケースが4万9320件で全体の95%を占めたとのこと。支払総額は、国の今年度一般会計予算規模の約8%に達しているとか。金額について見ると、最も多いのが補助金・交付金などの支払いで、4兆1015億円、契約事業1兆7970億円分については、随意契約が1兆6601億円で92%を占め、指名競争入札は935億円(5・2%)、一般競争入札は434億円(2・4%)で、競争入札による契約はごくわずかだったとか。例えば、防衛庁の場合、天下りOBの数が多い法人ほど、支払額も増える傾向にあったとのこと。また、国土交通省所管の社団法人「関東建設弘済会」は133億円分全額が、農林水産省所管の財団法人「林野弘済会」は受注した26億円分のうち20億円分が、それぞれ「技術業務」や「コンサルタント業務」などの名目で随意契約で発注されていたとのこと。