金融所得の損益通算が検討項目に | 公会計の動向

金融所得の損益通算が検討項目に

 4月3日付け日経金融新聞2面に「金融「損益通算課税」が浮上――株軽減税率で攻防も(霞が関風速計)」の記事。

 記事は、株式の譲渡益や預貯金利子に課税する仕組みを見直すべきだとの意見が政府・与党内で浮上してきたと報じる。19年末に株式譲渡益への軽減税率が期限切れとなるのにあわせ、税率や課税方法を抜本改正する構想だが、証券界を中心に「税制変更は株価回復に水を差す」との意見が根強く、議論は曲折がありそうと記事は伝える。自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)が3月下旬にまとめた「検討項目案」には、「金融所得課税の整備」が盛り込まれており、これは、株式に譲渡損失が発生した場合に、預貯金利子から納める税金を軽減する「損益通算制度」の導入を意識したものと見られるとのこと。日銀のゼロ金利解除が取りざたされるなかで、預金金利が上昇すれば、税負担の軽減度合いは大きくなり、「貯蓄から投資へ」という流れを後押しするためにも、導入が必要と考える政府関係者は少なくないとか。問題となるのは、政府・与党が導入の条件に「適用税率の統一」を掲げている点で、株式譲渡益への軽減税率(一〇%)を撤廃、預貯金利子と同じ二〇%にしたうえで損益通算すべきだとのこと。金融商品によって税率が異なる複雑な現行税制を簡素化する狙いがあるとか。実現すれば税率が上がり、投資家によっては実質増税となるため、証券界は「損益通算の導入より軽減税率を延長してほしい」というのが本音で、金融庁などを通じて、現行税制を変えないように求めると見られると記事は評する。自民税調や財務省にも、「証券界の協力がないと税制改正は成功しない」との見方が少なくないため、19年度改正では論点とはなるが、大幅改正は難しいとの観測が出ているとか。とはいえ、今秋に発足するポスト小泉政権がどのような税財政運営に乗り出すか見えないと、議論は深まらず、金融税制の見直しも消費税論議と同様に政局にらみとなりそうと記事は締めくくる。