郵貯の定期は利率引上げだが、定額は据え置き
4月3日付け日経金融新聞2面に「郵貯「定額」金利上げ保留――民業圧迫批判に配慮?(霞が関風速計)」の記事。
記事は、日本郵政公社が3日から、約5年半ぶりに郵便貯金の金利を引き上げることについて、日銀の量的緩和解除を受け、民間金融機関が相次ぎ定期預金の金利を上げたのに追随するものだが、今回対象としたのは定期貯金だけで、主力の定額貯金の引き上げを見送ったのは、民営化を控えながらも「民業圧迫」批判におびえているからと解く。郵政公社は通常、翌週に適用する金利を週の半ばに議論するが、今回、関係者には「地方の信用金庫や農林漁業系まで、全国すべての金融機関が金利を上げているわけではない」と、「引き上げはゆっくりすればいい」との雰囲気が強かったとか。郵貯の金利は法令に基づいて目安が定められており、定期貯金が参考にする民間金融機関の定期預金の平均金利は先週、すでに0.1%台半ば(3年物)に上がっていて、定期貯金の0.06%という「超」低金利を引き上げるのはある意味当然だが、今回は「かなり高度な経営判断を求められた」(郵政公社幹部)とのこと。その背景には、民間金融機関にくすぶる「民業圧迫」批判があり、郵貯は30日に残高が2百兆円を割り込んだが、それでも大手都銀の2倍に達する規模で、顧客サービスを考えれば金利を上げたいが、突出すれば「郵貯が顧客を奪う」と批判され、その批判をかわす微妙なバランスの着地点として、主力の定額貯金の金利引き上げを一度、保留するという結果と記事は伝える。定期貯金の金利が上がったため、定額貯金の金利が上がるのも時間の問題だが、待ちの姿勢を見せれば民間金融機関への配慮がにじむとか。郵政公社からは「民営化するのだから、民業圧迫ではない」との声も漏れるが、金利の上げ下げ一つをとっても、民間企業並みの経営判断とはいかない郵政の悩みが見えると記事は締めくくっている。