9自治体は調査結果の早期発表を望んでいるらしい
8月4日付け日本経済新聞地方経済面1面に「9自治体「赤字隠し」疑い、道内に動揺広がる、釧路・小樽などは反発」の記事。
記事は、総務省が3日、「北海道以外で一時借入金を利用した不適正な運用による『赤字隠し』をしたと見受けられる市町村はなかった」と発表し、北海道分については道が9自治体を精査中と説明したことから、夕張市以外の道内9自治体で「赤字隠し」など不適切な会計処理の疑いが生じ、道内市町村に波紋が広がっており、疑いの目を向けられた釧路市や小樽市などは「不適切な処理はない」と反発していると報じる。財政再建団体の申請を決めた夕張市は本来、年度内に返済するはずの一時借入金を原資に会計間で資金をやり取りして赤字を隠し、負債の極端な膨張を招いており、道は総務省が示した方針に基づき「一時借入金の残高がピーク時で年間収入(標準財政規模)の50%以上」など三つの基準を設け、いずれかに該当する24自治体の調査を進めており、さらに道独自の基準として16年度の出納整理期間(昨年4―5月)に会計間などで資金をやり取りしていた自治体について、さらに調査が必要と判断したとのこと。しかし、精査の対象とされた自治体からは「赤字隠しなどしていない」との声が相次いでいて、釧路市では出納整理期間中、魚揚場、下水道など3会計との間で資金のやり取りがあったが「一般会計からの貸し付けは予算書にも載せている」(企画財政部)と「赤字隠し」を否定しており、下水道事業会計からの償還があった北見市も「一般会計から下水道会計への貸し付けは制度で認められている」(企画財政部)と反発しており、小樽市も出納整理期間に病院会計から一般会計に40数億円の償還などがあったが「不正という認識はない」(財政部)としており、同様の処理があった苫小牧市や石狩市も正規の対応と強調しているとか。一方、道は「9自治体が赤字を隠していると疑っているわけではない。すべて問題ないという結果もありうる」(幹部)とし、少なくとも大規模な赤字隠しはないという見方とのこと。違法性のある無許可起債を続けていた空知地域の6市町は、夕張市以外の5市町でも是正策次第では一部で財政再建団体への転落懸念があるが、今回の一時借入金調査では、5市町とも「精査対象の9自治体には含まれていない」(財務担当者)と口をそろえるとか。それだけに9自治体の間で深刻な赤字隠しが発覚すれば、新たな財政悪化の例が浮上することになり、道は8月末までに調査をまとめる考えだが、市町村の間では早期に公表するよう求める空気が強まっていると記事は伝える。
国民年金保険料の不正免除問題に関する社保庁の報告書
読売は8月3日に「年金保険料の不正事例は38万件…社保庁最終報告書」を配信。
記事は、国民年金保険料の不正免除問題で、社会保険庁が3日、全国調査の最終報告書を公表したと報じる。不正な手続きにかかわり、処分対象となる職員は、全国の社会保険事務局と社会保険事務所、さらに社保庁本庁を合わせて1700人~1900人に上ったとか。また、これまで明らかになっていた事例とは別に、納付率引き上げのために、不在者登録をする必要のない被保険者を不在者扱いにしていたケースなど約16万件の新たな不正事例が判明し、最終的な不正事例は計38万5440件に達したとのこと。一連の問題の監督責任を取り、川崎厚労相は、今月以降の大臣給与を全額返納し、村瀬清司・社保庁長官も給与の一部を自主返納するとか。職員の処分は、行為の内容や職責などを総合的に判断して8月末に行う予定だが、停職が最も重い処分となる見通しで、埼玉社保事務局長については、局主導で不正を行ったうえ、調査に対して虚偽報告を行ったとして、4日付で更迭するとのこと。報告書によると、不正な手続きは社保事務局・事務所が独自に発案したり、他の社保事務局・事務所の先行事例をまねたりして全国に拡大し、本庁職員については「不正事例の端緒をつかみながら未然に防げなかった」と、問題があったことは認めたが、不正事例の了承や黙認はなかったとして、積極的・組織的な関与を否定したとのこと。不正手続きが行われた被保険者に対しては、免除の意思確認を進めているとか。
公表資料:国民年金保険料の免除等に係る事務処理に関する調査結果等について (2006(平成18)年8月3日)
17年度の年金運用は景気回復を反映
8月4日付け日本経済新聞朝刊5面に「昨年度、厚生年金2年ぶり黒字――株高で8兆9500億円、国民年金も赤字抜け出す」の記事。
記事は、社会保険庁が3日に発表した17年度の厚生年金と国民年金の決算について、厚生年金が株価回復などを背景に8兆9500億円の黒字になったこと、国民年金も6600億円の黒字となり、いずれも2年ぶりに赤字を脱したこと、黒字額はともに過去最高であることを伝え、今後も好調な資産運用が続けば、保険料引き上げ幅の圧縮など制度改革に影響を与える可能性があると報じる。市場運用が12年度以降、株価低迷で元本割れだったが、15年度に回復し、17年度は14.37%と過去最高の利回りとなったとか。資産運用が好調なら、その分、年金会計に振り込まれる剰余金が増えることになり、社保庁は「単年度の決算だけを見て財政を見直すべきではない」と目先の制度改正には慎重だが、息の長い景気回復を受け好調な運用が今後も続けば、保険料率の見直しにつながる可能性もあると記事は評する。
政務調査費をマイカーのローン返済に充当してリース代として処理
朝日は8月1日に「政務調査費でマイカーのローン返済 兵庫県議を書類送検」を配信。
記事は、議員の調査研究活動のための政務調査費をマイカーのローン返済に充てていたとして、兵庫県警捜査2課が1日、虚偽公文書作成などの疑いで、同県芦屋市選出の県議(57)=自民=を神戸地検に書類送検したと報じる。調べでは、県議は15、16年度に政務調査費からマイカーのローン返済として約110万円を支出しながら、県には「車のリース代」と虚偽の報告をした疑いで、同県尼崎市の市民団体が住民監査請求をし、県警に告発していたとのこと。県議は監査請求後、ローン返済分を県に返還しているとか。
北海道の9自治体について追加調査
8月3日付け日本経済新聞朝刊1面に「「赤字隠し」、北海道9自治体に疑い――総務省、道に再調査指示」の記事。
記事は、北海道夕張市の財政破綻を受けて総務省が実施した調査で、夕張市以外にも北海道の9自治体で一時借入金を使った「赤字隠し」の疑いがあると報じる。総務省が不適正な会計操作がなかったかどうか、道に再調査を指示したということをこのように報じたもので、道は月内に自治体名を含めた調査結果を公表する方針とのこと。夕張市は膨らみ続ける赤字額を金融機関からの一時借入金で穴埋めして、表面上は黒字決算を装っており、総務省は夕張市に似たケースがないか、都道府県を通じて全国の市町村を対象に一時借入金のピーク時の総額や、税収と地方交付税をあわせた標準的な収入額に占める割合などを調査して3日に概要を公表するとか。この中で北海道以外の自治体については、一時借入金を使った赤字隠しなど不正な会計処理はなかったと結論付けるが、北海道については(1)一時借入金の規模が収入額に比べて大きい(2)歳出に占める貸付金の割合が大きい――など、「赤字隠し」を疑わせる自治体が九つあり、道を通じて詳細な調査を進めるとのこと。道は一時借入金の利用目的や、複数年度にわたって利用されていないかなどを重点的に調べており、月内に調査結果を公表すると記事は伝える。関係者によると、調査対象の9自治体のなかには、事実上の破綻にあたる財政再建団体入りが濃厚な自治体も複数あるもようとか。一時借入金は年度内の返済を基本とするつなぎの短期資金で、本来は一時的な資金不足を補う目的で使われるが、予算書には借り入れ可能な限度額が記載されるだけで、実態がつかみにくいと記事は評する。北海道は他の地域に比べて公共事業への依存度が高く、景気回復の勢いも鈍く、財政状況が悪化している自治体が多いにもかかわらず、補助金依存体質が根強く、合併も進んでいないとのこと。
青森市文化スポーツ振興公社の使途不明金問題について市が調査報告
デイリー東北新聞社サイトは8月1日に「青森市公社不正流用で使途不明金1億4千万円」を掲出。
記事は、青森市文化スポーツ振興公社の使途不明金問題で、市が31日、市議会に同問題に対する調査結果を報告し、公社会計における元主幹の不正な引き出しが12年度から行われていたほか、使途不明金が、公社が6月に発表した約1億6百万円を上回る、約1億3922万円に上ることを明らかにしたと報じる。さらに市は、使途不明金を生じさせた不正経理は元主幹単独によるものとし、上司の指示や他の職員による不正経理の事実はないと否定したとか。市の報告によると、使途不明金の主な内訳は、一般会計約2598万円、事業会計約111万円、職員互助会会計約4584万円、職員からの公社預かり金(歳入歳出外現金口座)約4807万円などで、 元主幹は(1)正規の額から水増しした申告書をもとに公社に請求し、公金を引き出す、(2)水増しした申告書で請求したほか、税務署からの領収証書を偽造、(3)架空の請求をした上、領収証書を偽造、の手口で不正な引き出しをしたとのこと。元主幹は市側の聞き取りに対し、不正経理は単独の行為で、使途については、私的口座への入金や、互助会から市に納付する自動販売機の電気料・使用料などを挙げたとか。報告の中で、市は不正経理への組織的関与を否定したが、公社のずさんな現金や公印の管理実態などを挙げ、「組織風土として、不正が行われやすい環境があったのではないか」と言及し、その上で、公社の支出において決裁権を持つ常勤役職員について、行為に直接関与していなくても、理事長から事務委任を受けており、責任は重い―と指摘しつつ、理事長については「非常勤であり、日常的な支出について理事長に判断を仰ぐ例はほとんどない」とし、責任を問われる立場にない、との見方を示したとか。報告を受けた議員からは「理事長は非常勤だが、報酬を得ている。責任を問わない理由にはならない」などの追及の声が出たと記事は伝える。
夕張は人口あたりの職員数が類似団体平均の2倍弱、人件費負担は2倍強
北海道新聞サイトは8月2日に「夕張市 人件費、水準の倍 道が指摘「スリム化行われず」」を掲出。
記事は、北海道が1日の道議会総合企画委員会で、財政再建団体入りする夕張市の職員数と人件費が、人口規模や産業構造が似た「類似団体」の2倍の水準であると報告したと報じる。道側は「社会環境の変化に対応した組織のスリム化が行われていない」と指摘し、夕張市の人件費削減の取り組みが不十分であるとの認識を示したとか。類似団体は、総務省が全国の市町村を人口や産業構造などで分類したもので、夕張市の類似団体は同市を含め36団体あり、道内では夕張のほかに、芦別、赤平、紋別、名寄、三笠、砂川の6市があるが、道によると、16年度末の人口千人あたりの職員数は、類似団体が平均10.2人なのに対し、夕張市は20.1人で、36団体中最多、住民一人あたりの職員人件費負担は、類似団体9万5千円に対し、夕張市は20万円だったとか。道は夕張市の17年度決算各会計の実質赤字額も報告し、「普通会計の実質赤字額33億8千万円と、病院事業の39億4千万円が財政再建計画のベースになる」と述べ、両会計の実質赤字を解消することが再建計画の最低限の目標になるとの認識を示したとか。
政府系金融機関の不良債権は14%減
朝日は8月1日に「政府系金融3機関、当期赤字に 不良債権は6兆8千億円」を配信。
記事は、九つの政府系金融機関の18年3月期決算が31日に出そろい、公営企業金融公庫など6機関が当期損益で黒字を確保したが、中小企業金融公庫など3機関が赤字だったと報じる。不良債権の総額は前年同期比14.7%減の6兆8743億円で、民間金融機関が融資しにくい分野に貸し出した事情があるものの、民間に比べると依然として高水準と記事は評する。9機関の当期損益の合計は1544億円の黒字で、赤字だった前年同期から約3000億円改善したが、政府から経営安定のために5000億円近い支援を受けており、実質的には赤字が続いている形とか。貸出残高の総額は「肥大化」批判を受け、同5.8%減の136兆円と縮小したが、貸出残高に不良債権額が占める割合は5.0%と、民間の3.0% (全国銀行協会調べ)を上回るとか。9機関のうち住宅金融公庫は19年4月に独立行政法人に移行し、残る8機関は20年10月に統廃合・民営化されて、政府系金融機関は一つになると記事は伝える。
官製談合防止法に基づく職員に対する損害賠償請求
8月1日付け日本経済新聞朝刊38面に「談合関与の歴代技術審議官、退職金自主返納ゼロ」の記事。
記事は、防衛施設庁の官製談合で、北原巌男長官が6月の内部調査結果発表の際、官製談合に関与した歴代技術審議官らに退職金相当額の自主返納を求めると表明したが、今のところ返納額がゼロで、損害賠償請求も検討する考えと報じる。同庁の内部調査は官製談合事件について「OBの再就職先確保と再就職したOBへの配慮があった。技術審議官らが申し送りしてきた悪質で組織的な行為」と断定しているが、実際に責任を取ろうという動きはまだ見られず、また、談合が認定された工事の落札率は軒並み90%を超えていたが、予定価格の漏洩を認めた職員は一人だけとか。官製談合防止法では、談合に関与した職員に故意や重大な過失があり、国などに損害が出た場合、職員に対し損害賠償請求しなければならないことになっており、同庁は損害額が確定すれば、OBらに損賠請求を検討するとか。
<参考>入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律(平成十四年七月三十一日法律第百一号)
(職員に対する損害賠償の請求等)
第四条 各省各庁の長等は、前条第一項又は第二項の規定による求めがあったときは、当該入札談合等関与行為による国等の損害の有無について必要な調査を行わなければならない。
2 各省各庁の長等は、前項の調査の結果、国等に損害が生じたと認めるときは、当該入札談合等関与行為を行った職員の賠償責任の有無及び国等に対する賠償額についても必要な調査を行わなければならない。
3 各省各庁の長等は、前二項の調査を行うため必要があると認めるときは、公正取引委員会に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
4 各省各庁の長等は、第二項の調査の結果、当該入札談合等関与行為を行った職員が故意又は重大な過失により国等に損害を与えたと認めるときは、当該職員に対し、速やかにその賠償を求めなければならない。
〔5項以下略〕
国税の滞納残高が7年連続で減少
記事は、17年度の所得税や法人税など国税の滞納残高が、前年度比4・4%減の1兆7844億円と7年連続で減少したことが国税庁のまとめで分かったと報じる。消費税は、3000万円から1000万円への免税点引き下げなどに伴い、徴収対象額が6000億円以上増えたが、滞納残高は同0・2%減の4875億円となり、増加に転じることはなかったとか。国税庁は「納税資金をためておくよう事前に呼び掛けたり、滞納者には電話で督促した効果があった」としていると記事は伝える。17年度に新たに発生した滞納は同3・4%増の9298億円で、これに前年度以前の滞納分を加えた2兆7972億円のうち、1兆128億円を徴収するなど処理したとのこと。