公的研究費不正使用対策
毎日は8月10日に「研究費不正防止:研究機関に経費管理体制の整備求める」〔下桐実雅子〕を配信。
記事は、早稲田大理工学部教授の公的研究費不正使用で発足した文部科学省対策チームが10日、大学など研究機関に経費管理体制の整備を求めるなどの不正使用防止策の骨子をまとめたと報じる。同省はこれをもとに年内に外部識者により、大学内部の経費管理基準を示すガイドラインをまとめるとのこと。骨子では、大学は内部管理体制を整備し、その内容や不正取引した研究者への処分方針などをホームページで公表し、不十分な点について文科省が指導し、改善しない場合は公表したり、大学の研究資金の一部を減額するなどの措置をとるとか。大学内に不正告発窓口を設置し、調査を開始した段階で文科省などに報告することも求めたとのこと。一方、文科省は研究者に研究費の使いにくい点をアンケートし、資金によってばらつきのある経費使用のルールを統一し、使いやすい制度に整えていく方針で、省内に「競争的資金執行指導室」(仮称)を新設し、告発や研究費使用について相談できる窓口を設置すると記事は伝える。
請負会社の社会保険加入率が低い
朝日は8月10日に「非正規雇用者の社会保険加入を徹底へ 社保庁が実態調査」を掲出。
記事は、工場で働く請負労働者ら非正規雇用の人たちの多くが正規の社会保険に入っていないとして、社会保険庁が実態調査に着手したと報じる。社会保険は強制加入が原則だが、請負業界では保険料負担を免れるための加入漏れが目立ち、請負業界全体の未加入者が10万人単位ともいわれていて、製造業の現場で横行する偽装請負も未加入の一因になっているとか。社会保険庁は事業所への立ち入り調査を強化し、加入を徹底させる方針と記事は伝える。低賃金で不安定な非正規雇用の分野では企業で働く人向けの健康保険や厚生年金保険に入らない人が多いといわれるが、実態ははっきりしないため、社会保険庁は今年度から全国の社会保険事務所を通じて請負や派遣労働者の人数や勤務実態を調べているとか。対象は、厚生年金保険に加入する全事業所の4分の1に当たる約40万カ所で、この中には、請負会社や人材派遣会社のほか、人材を受け入れている側の大手メーカー工場なども含まれていて、未加入者がいれば、加入を指導するとのこと。非正規雇用の中でも請負は加入率が低いとみられており、これは、派遣の場合は受け入れ企業側に加入を確認する責任があるが、請負ではないためとか。厚生労働省が製造業の請負労働者5000人を対象に昨年行った調査でも、回答があった554人のうち健康保険の加入率は82%にとどまったとのこと。請負大手のクリスタルでは、グループの製造請負部門全従業員の加入率が16年3月時点で約7割と、1万数千人が未加入で、改善に努めているが、今春でも加入率は7割台後半とか。大手の日研総業でも、加入資格がある人の加入率は現在約8割で、7000人程度が未加入で、同社は「100%加入に向けて取り組んでいる最中」と説明しているとか。約8000人の加入資格者を抱える高木工業は7月末現在97%と高いが、昨秋以降に各地で社会保険事務所の調査を受ける前は約7割だったとか。業界では保険料負担を避けるため加入させない例が後を絶たないが、労働者側にも問題があり、月数万円の自己負担を嫌って加入を断る人も少なくないとのこと。大手請負業者は「加入を勧めると、やめて中小業者に移る人もいる」と漏らしているとか。社会保険庁が未加入対策を強化する背景には、昨秋、会計検査院に「調査や指導が不十分」と指摘されたという事情もあり、業界内には「事務手続きが膨大で、全員加入には時間がかかる」との声もあり、改善が順調に進むかは不透明と記事は伝える。
兵庫労働局の不正行為に判決
朝日は8月9日に「元主任に実刑判決 兵庫労働局の公金詐欺、贈収賄事件」を配信。
記事は、厚生労働省兵庫労働局の裏金事件で、出入り業者と水増し取引などを繰り返し、計約1億4千万円の公金を詐取したなどとして、詐欺や収賄などの罪に問われた同労働局の元職業安定課主任(45)の判決公判が9日、神戸地裁であり、裁判長は「公務員に対する国民の信頼を裏切るとともに、深刻な社会的影響を及ぼした」などとして、懲役4年、追徴金527万円(求刑懲役5年、追徴金同)を言い渡したと報じる。判決で、裁判長は「局内で裏金作りが慣行化し、決済裁や審査なしに支出行為ができるずさんな公金管理態勢が事件の背景にあった」などと指摘したとか。判決によると、被告は12年7月ごろから14年4月ごろにかけて、業者と共謀して同労働局に物品購入代金を水増し請求するなどし、計約1億4千万円をだまし取り、さらに、物品納入を特定業者に受注させるなどした見返りに、16年3月ごろ、計約580万円分の自宅リフォーム代などを業者に負担させたとのこと。
国の庁舎の耐震性不足
8月12日付け:日本経済新聞朝刊5面に「国の庁舎、耐震基準不足3割、新制度での建て替え急ぐ」の記事。
記事は、国土交通省が整備する国の庁舎などの約3割が耐震性能を満たしていないと報じる。庁舎は災害時の拠点として震度6強から7程度でも継続的に業務が行えるよう耐震基準を一般より高くしているが、延べ床面積で約270万平方メートルが基準に達していないとか。政府は耐震性を高める目的に限って建て替え費用を確保できる新制度などを活用し、整備を急ぐと記事は伝える。国交省は国の庁舎や研修所など約820万平方メートルの営繕を手掛けているが、うち中央官庁のある霞が関地区や地方の出先機関などの約3割が基準不足だったとか。地方の庁舎については、棟数ベースで約2割の約1500棟が耐震改修の必要があると総務省消防庁の調査で明らかになっているとのこと。今年4月には改正国有財産法が成立し、耐震目的のための庁舎の建て替えがしやすくなっており、財務省は集約に伴う庁舎跡地の売却益などを使って、国の庁舎の建て替えを急ぐ方針とのこと。
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〔06/08/27追記〕
8月26日付け日本経済新聞朝刊42面の「官庁・出先機関、建物の3割、震度6強で倒壊の恐れ」は、国土交通省が25日、中央官庁や地方の出先機関など393棟の耐震診断結果を公表したと報じる。耐震性が建築基準法で定められた基準を下回ったのは全体の29%で、このうち32%は耐震基準の半分未満で「震度6強程度の地震で倒壊の危険性が高い」と診断されたとか。一般の建物より厳しい官庁施設向けの基準は全体の45%が満たしていなかったとのこと。耐震診断結果が公表されたのは、国交省が所管し、災害応急対策に必要か危険物を保管する施設で3階以上、延べ面積千平方メートル以上のもので、国会や裁判所、防衛庁などは所管外であるため含まれないとのこと。国交省は震度6強程度の大規模地震に対し(1)倒壊の危険性が高い(耐震基準の50%未満)、(2)倒壊の危険性がある(同50―100%未満)、(3)倒壊の危険性は低いが、必要な機能が確保できない恐れがある、(4)機能が確保できる、4段階に分類し、その結果、耐震基準の半分未満で最低ランクの(1)と診断されたのは36棟あり、東京では、▽内閣本府、▽経済産業省別館、▽中央合同庁舎第1号館、▽総務省第二庁舎など、地方では▽札幌管区気象台、▽大阪府警察学校本館、▽四国地方整備局、▽福岡第1地方合同庁舎などで、最も低かったのは名古屋港湾合同庁舎別館で、基準の16%しかなかったとか。(2)は78棟、(3)は62棟、(4)は217棟とか。このうち内閣本府は6年度、経済産業省別館と中央合同庁舎第1号館は8年度に耐震診断を終えており、耐震性が低いと判明しながら長年改修されていなかったことも分かったと記事は伝える。(1)と(2)はどの施設も現行の耐震基準になった昭和56年以前に建てられており、国交省は「震度5強程度の地震で損傷しないことを求めた旧耐震基準は満たしている」としているとのこと。同省は10年前から施設の耐震診断を実施してきたが、これまで個別施設の結果は公表していなかったとか。今後、耐震性が著しく低い施設や災害時に重要な建物を中心に耐震改修を進める方針と記事は伝える。
つくば市の小中学校の発電風車について市が報告書
東京新聞サイトは8月11日に「つくば・風車 改善『不可能』」を掲出。
記事は、茨城県つくば市の小中学校に設置された小型風力発電機が計画通り発電しない問題で、同市が10日、計画通りとなるよう設置機種を改善することは不可能との報告書を環境省に提出し、これを受け同省が、国から支出済みのこの発電機設置事業への交付金1億8500万円について、返還命令を出すかどうかの検討を始めたと報じる。報告書は環境省側が市に提出を求めていたもので、この中で市は、実際の発電量は基本計画の約4分の1にとどまり、「予測と現実との差を改善によって埋めることは、不可能と言わざるを得ない」などとしているとか。風車をめぐっては、基本計画を作った早稲田大に対して、つくば市が損害賠償を求めて提訴しており、一方、同市住民も、ずさんな計画で事業を進めたとして、市の責任を問う住民訴訟を起こしている状況。環境省環境計画課は、補助金適正化法に基づく交付決定取り消しと返還命令について、「報告書をしっかり読んだ上で対応を考える」と話したとか。 つくば市の市原健一市長は「発電量予測と現実との乖離(かいり)があまりにも大きい。補助金の取り扱いは、環境省と協議していく」とコメントしたと記事は伝える。
犯罪解決情報への懸賞金を公費負担する方向
8月10日付け日本経済新聞朝刊34面に「公費の懸賞金制度、警察庁が検討」の記事。
記事は、事件の犯人逮捕に結び付くような有力情報を得るため、警察庁が重要未解決事件などを対象に、公費による懸賞金制度を検討していると報じる。犯罪捜査での懸賞金はこれまで、警察関係団体や遺族が出資してきたが、警察庁は「重要、凶悪な事件の捜査を強化する狙い。遺族らの経済状態や意思に左右されない公的な制度が必要と判断した」と説明しており、対象とする事件や支払い基準などについて詰めの検討を急いでいると記事は伝える。警察庁によると、国内の犯罪捜査で懸賞金が初めて導入されたのは、昭和57年に松山市で起きたホステス殺害事件で、時効1年前の平成8年8月に百万円がかけられ、時効直前に容疑者を逮捕し、情報提供者二人に懸賞金が贈られたとのこと。最近も7年に東京都八王子市で起きたスーパー強盗殺人事件や 、昨年12月に栃木県で発生した女児殺害事件で有力情報に2百万―3百万円が支払われることが発表されるなど、これまでに33事件で懸賞金がかけられてきたとか。
公的資金注入行の経営は順調
8月11日付け日本経済新聞朝刊4面に「公的資金注入行、前期は抵触なし――収益計画に対する「3割ルール」」の記事。
記事は、金融庁が10日、早期健全化法に基づき公的資金を予防注入した12の銀行や銀行グループの経営健全化計画の達成状況を発表したと報じる。2006年3月期決算に基づく実績では、最終利益など収益が計画値を3割以上下回る「3割ルール」に抵触したところはゼロで、すべての注入先が1999年の注入開始以来初めて国に対し配当金も出したとか。早期健全化法は経営破綻を未然に防ぐ目的で公的資金を予防注入する法律で、ピーク時の03年3月期には23行・グループに注入されていたが、景気回復を背景にメガバンクグループを中心に返済を終え、注入先の数は三井住友やりそな、あおぞら、西日本シティなど12に半減しているとのこと。各行が3割ルールに抵触した場合、金融庁は業務改善命令などを発動することになり、03年3月期には15銀行・グループに対し、業務改善命令を出しているが、その数は05年3月期に3行まで減り、今回初めてゼロになったとか。健全化計画では、中小企業向け貸し出しについても目標を求め、金融庁が達成状況を点検しており、全12行・グループを06年3月末の残高ベースで見ると、11行・グループが計画を上回っており、琉球銀行は前年同期比で減少して計画値を下回っていて、金融庁は同行に対し近く発生した原因などを報告するよう求めると記事は伝える。
公表資料:経営健全化計画の履行状況報告について
JR3島会社とJR貨物に対する支援措置は継続する方向
8月7日付け日本経済新聞朝刊1面に「JR三島会社、来年度以降も支援継続――与党検討、貨物も、1―5年で調整」の記事。
記事は、与党が北海道、四国、九州の旅客鉄道(JR)「3島会社」と日本貨物鉄道(JR貨物)への固定資産税減免措置などの経営支援について、来年度以降も継続する方向で検討に入ったと報じる。昭和62年の国鉄の分割・民営化以来、続けてきたが、計画では18年度末で打ち切ることになっていたが、鉄道運輸収入などが依然として厳しいとの判断から支援継続するもので、延長期間は1―5年の幅で調整するとのこと。国土交通省が月内にまとめる来年度の税制改正要望などに盛り込み、来年度予算案や与党税制改正大綱に反映される公算が大きいとか。3島会社とJR貨物による経営の完全な独り立ちが当初見通しより遅れることになり、一層の経営努力を求める声が広がりそうと記事は伝える。3島会社とJR貨物は経営基盤が弱いため、民営化した昭和62年以降、国鉄から引き継いだ線路などを対象に、固定資産税の減免措置を受けており、当初は平成8年度までの10年間の時限措置だったが、これまで2回延長されている。JR東日本、西日本、東海の「本州3社」は9年に対象から外れているとか。国土交通省によると、17年度の減免額は4社合計で100億円で、これが打ち切られれば、17年度ベースでJR九州は税負担が47億円増えるほか、JR北海道が27億円、JR貨物15億円、JR四国11億円の負担増とか。3島会社が国鉄からの分割・民営化時に得た経営安定基金を活用した支援措置も継続する方向で、この制度は、3島会社が同基金の資金を独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に高い金利で貸し付けることができ、有利な運用益を得るというもので、計画通り今年度末で新規貸し付けをやめれば、国債などの自主運用の比率が高まり、低金利の状況下では運用益の目減りが懸念されるとか。JR3島会社の中でも北海道、四国は域内の高速道路整備や人口減の影響で本業の鉄道運輸収入が減少傾向であり、慢性的な営業赤字を同基金の運用益で穴埋めしていると記事は伝える。
堤防の耐震化に着手
共同は8月5日に「堤防の耐震化、5年で促進 津波防止で国交、農水省」を配信。
記事は、国土交通、農水両省が5日、全国の海抜ゼロメートル地帯や大地震発生の恐れがある地域で、十分な耐震性がない海岸の堤防について19年度から5年程度で耐震改修を実施することを決めたと報じる。両省が所管する総延長約9400キロの堤防のうち耐震性を確認しているのは27%で、残りの14%は耐震改修が必要とされ、59%が未調査のままとなっており、地震で堤防が壊れると、直後の津波で深刻な被害が出る可能性があることから、緊急の調査、改修が必要と判断したとか。対象は東京、大阪、名古屋の3大都市圏などのゼロメートル地帯と、政府が定める東海、東南海・南海、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の防災対策強化・推進地域で、堤防の背後に市役所や警察、消防、病院など地域の中枢機能が集まっている地区とのこと。
日銀の航空賃支給の精算過大に関する調査結果
8月5日付け日本経済新聞朝刊5面に「日銀、旅費過払い7340万円、41人処分発表」の記事。
記事は、日銀が4日、11年4月から18年1月までの7年間に、航空機を使った国内出張で旅費の過払いが7340万円に上ったとの調査結果を発表したと報じる。退職者を含めた1334人が正規料金と格安料金などの差額を受け取っており、内部規定の不備や法令順守の意識が欠如していたことを理由に41人を処分し、過払い分は返還させるとのこと。会計検査院の指摘を受けて、航空機で国内出張した2185人を調査し、その半数以上が差額を受け取っていたことがわかったとか。最も差額が多かった職員は80回の出張で計140万円で、50万円以上も他に2人いたとか。福井俊彦総裁ら役員への過払いはなかったとのこと。処分は内部規定を所管する文書局長と同局長経験者のほか、法令順守に高い見識を持つべき管理職で過払いを受けていた職員が対象で、福井総裁ら役員は内部規定の運用に直接関与していないとの理由で処分を見送ったとのこと。日銀の内部規定では、航空運賃は実費支給とされているが、実際には事前に正規料金を支給し、領収書などの提出は求めておらず、実務マニュアルには格安航空券を使う場合の精算方法が明確に示されておらず、7年間で差額が返還された例は1件もなかったとか。日銀は再発防止策として、10月1日までに内部規定を見直し、航空券を含めたすべての交通費を実費支給に変え、事後精算を義務付けるとのこと。同時に出張費を削減するため、割安な運賃の利用を促進するとか。