公会計の動向 -101ページ目

開発後の残物件の業者保管を問題視する朝日

 朝日は8月28日に「F2試験機材など、開発4社が無償保管」を配信。

 記事は、約3700億円の開発費をかけた末に、性能不足と高コストを理由に調達が打ち切られた航空自衛隊のF2支援戦闘機をめぐって、開発事業を受注した大手メーカーが、開発で使われた大量の試験機材などを、防衛庁技術研究本部(技本)の依頼に応じて最長13年間にわたって無償で保管していたと報じる。国の調達品の管理を所管する財務省主計局は「無償での保管は癒着関係を想起させるもので早急に改善すべきだ」と指摘しており、天下りの受け入れと同様に、独占的な契約の見返りとしての業者による官側への便宜供与が浮き彫りになった形と記事は評する。F2の開発は元~12年までかかり、機体などは三菱重工業、富士重工業、川崎重工業、米ゼネラル・ダイナミックス(現ロッキード・マーチン)、エンジンは石川島播磨重工業、レーダーや電子関係は三菱電機が、それぞれ随意契約で請け負ったが、技本は各種試験後、三菱重工や三菱電機、富士重工、川崎重工に対し、試験装置や試作用の機体の一部など計約3000点の無償での保管を依頼したとのこと。朝日新聞記者に対し情報公開した15年2月12日付「次期支援戦闘機関連不用物品一覧表」などによると、技本が廃棄処分を決めた後の16年2月まで、三菱重工2538点、約65トン▽川崎重工45点、約0.6トン▽富士重工391点、約12トン▽三菱電機13点、約1トンをそれぞれ保管し、同月に廃棄したとのこと。試験装置の中には試作用の機体に荷重を加える装置など10トンを超えるものや、10メートル近い主翼などもあり、主な試験は8年ごろまでに終了したが、その後も約8年間保管させていたとの由。4社は工場内や、倉庫を借りるなどして保管したが、保管費用については「自社のものと一緒に保管しており、算出不能」(三菱重工、川崎重工)、「納入価格に転嫁している」(富士重工)、「いっさいお答えできない」(三菱電機)としているとか。無償保管について、三菱重工関係者は「防衛庁から受注した時だけにやっている異例なもの」としたうえで、同社幹部も「次の契約をもらうためにやっている」と話しているとのこと。別のメーカー関係者は「(無償保管は)天下りの受け入れと同じで、仕事を受注するための見返り」と証言しているとか。無償保管について技本会計課は朝日新聞の取材に対し、「事業の効率的な推進のため、メーカー側に保管を依頼している」と文書で回答したが、無償についての言及はなかったとのこと。

法人税収の見積もり方法を改善へ

 朝日は8月27日に「財務省、税収見積もりの方法改善へ 調査対象を増加」を配信。

 記事は、財務省が国の税収が当初予測を3年連続で大きく上回ったことを受けて、18年度の補正予算から税収の見積もり方法を改善する方針を固めたと報じる。法人税の見積もりで参考にする調査対象企業を増やすほか、専門家の協力を得て精度を上げるとのこと。税収見通しが正確でないと、「財政再建のために消費税の増税が必要」と説明してきた根拠が揺らぎかねないからと記事は伝える。17年度の国税収入は44兆円の当初予測に対し実際は49兆円で、政界からは「歳入見通しが5兆円狂ったりしているときに、10年後(の歳入不足)を本当に読み切れるのか」(自民党の中川秀直政調会長)と批判が強まっているとか。予測が外れる主因は法人税で、企業の利益にかかる税なので、景気動向でぶれやすく見通しにくいとか。財務省主税局は毎年11月ごろ、約1200社を対象に収益見通しなどを聞いて、補正予算や翌年度当初予算の見積もりに役立てているが、一気に対象企業数を増やすのは難しいので今秋まず数十社増やし、その後も段階的に増やすとのこと。聞き取りをする外部の調査機関や専門家の数を増やすことや、政府内外の経済モデルの活用なども検討するとか。

千葉市が市税滞納繰越額ヲ修正して交付税を返還する動き

 8月26日付け日本経済新聞地方経済面39面に「千葉市が公表値修正、市税滞納繰越額、04年度78億円増」の記事。

 記事は、千葉市の市税滞納繰越額過少公表問題で同市が25日、市議会総務委員会で12―16年度の繰越額と市税収納率を滞納オンラインシステムが記録した数値に合わせて修正すると報告したと報じる。16年度の繰越額は従来の税務統計に比べ78億3400万円多い190億1900万円、収納率は4.2ポイント低い88.3%となり、今年度発行予定の統計書などで変更するトノコト。収納率の下方修正を受け、総務省は今月末にも、行政改革の実績に基づく交付税の過剰給付分(加算金を含む)の返還命令を千葉市に通知する見通しト記事は伝える。

科学研究費補助金の事務費を増額する方向

 秋田魁新報社サイトは8月25日に「事務、監査の予算倍増へ/研究不正防止で文科省」を掲出。

 記事は、早稲田大の研究費不正受給問題などを受け文部科学省が、資金管理の一元化や、公認会計士の監査などに使える科学研究費補助金(科研費)の間接経費を本年度の約143億円から約311億円に倍増することを決めたと報じる。早稲田の問題を受けて全国の大学を調査した結果、資金の不足から大学当局が十分な会計監査の体制を整備できていない実態が浮かび上がったための措置とか。別の調査では、多くの大学で研究者自らが会計処理や予算獲得のための資料づくりに忙殺され、研究自体に支障が出ている現状も分かったため、研究者を補助する事務職員の確保にもこの経費を充てられるようにするとのこと。同省によると、米国では国の研究に対する補助金に上乗せされる間接経費は国と大学との交渉で決まるが、おおむね45-60%に上り、大学当局による研究費管理に大きく貢献しているとか。

東京都が財政再建計画の目標を達成

 8月25日付け日本経済新聞地方経済面15面の「都の昨年度、経常収支比率、85.8%に改善」は、東京都が24日、17年度の普通会計の決算を発表したと報じる。財政の硬直度を示す経常収支比率は85.8%と前の年度に比べ6.8ポイント改善(低下)しており、年度末の都債残高は3.4%減の7兆3468億円だったとか。経常収支比率は、借金返済に充てる公債費や人件費などの経費が一般財源に占める割合を示し、数値が高いほど財政の健全性に欠けるもので、税収増などから財政再建計画の目標(90%以下)を達成したと記事は伝える。

自治体の給与の官民格差は民間給与が低いところほど大きい

 8月23日の日本経済新聞朝刊に「民間より21%高額、地方公務員給与・財務省調べ」の記事。
 記事は、財務省が17年の全国47都道府県の地方公務員の給与を調べたところ、各地域の民間企業の給与と比べて平均で約21%高いことが分かったと報じる。国家公務員の給与は約6%高で、東北や九州では3―4割弱高い自治体も目立ち、地方公務員の給与水準が民間とかけ離れている実態が改めて浮き彫りになったと記事は評する。民間給与は厚生労働省が各地域の従業員100人以上の企業を対象に集計した金額を採用しており、地方公務員給与は、各都道府県の人事委員会が各自治体の首長らに勧告した額を用いていて、実際の給与を勧告より減額している自治体もあるとか。調査では全都道府県で地方公務員の給与が民間給与を上回り、平均給与は地方公務員が39万5000円、民間が32万7000円で、民間との差が目立つのは、民間給与が低い東北や九州で、青森の場合、公務員の36万2000円に対して民間は26万3000円で38%も公務員給与が高かったとのこと。差が最小だったのは東京の0.7%(約3000円)だったとか。

競艇を公営企業化する動き

 nikkansorts.comサイトは8月20日に「競艇を公営企業に/競艇」を掲出。

 記事は、競艇を主催する地方自治体や所管する国土交通省が、収益性改善のため競艇事業を自治体の行政部門から切り離し、地方公営企業化を進める方針を決めたと報じる。国交省などが来年の通常国会で関係法などを改正し、実施体制を整えるとのこと。競艇事業は全国112市町が組合をつくるなどして開催しているが、約3分の1が売り上げ減を理由とした赤字を公金で穴埋めしているのが現状で、改革が急務となっており、舟券発売、払い戻し業務の委託解禁を検討していて、現在売上金の3・3%を拠出している日本財団への交付金の一定期間猶予措置、交付金法定率の引き下げ、他公営競技より高額な選手報酬の見直しも検討事項として、年内に結論を出すとか。

7道県に集中する雇用対策を検討

 読売は8月23日に「雇用助成金、改善遅れの7道県に重点配分へ」を配信。

 記事は、厚生労働省が、雇用の改善が特に遅れている北海道、沖縄など7道県に対し、集中的に雇用対策の助成金を投入できる制度を整備する方針を固めたと報じる。都道府県の雇用情勢の格差が急激に拡大し、2極化が進んでいるためで、全国均等型の助成金の仕組みにメリハリをつけるとのこと。19年の通常国会に地域雇用開発促進法改正案を提出し、19年度中に実施する考えと記事は伝える。雇用の改善が遅れているのは北海道、青森、秋田、高知、長崎、鹿児島、沖縄の7道県で、今年4~6月期の有効求人倍率では、青森の0・42倍が最低で、沖縄(0・45倍)、高知(0・51倍)が続いているとか。雇用が好調な愛知(1・87倍)、東京(1・65倍)と比べると、3~4倍以上の開きがあるとのこと。愛知、東京も13年の求人倍率は0・7倍台にとどまっており、ここ数年で7道県との格差が一気に拡大したとか。厚労省によると、7道県には、〈1〉公共事業依存型の経済、〈2〉強力な基盤産業がない、などの特徴があるとか。現行の地域雇用開発促進法は、新たに事業所を設置・整備して雇用を増やした企業に対し、新規雇用者数や事業所の設置・整備費に応じて最大750万円の助成金を払うなどの仕組みで、18年度予算では39億円を計上しているが、複数の市町村で構成する地域が主な助成対象で、都道府県自体の雇用情勢はあまり考慮されていないとか。改正案では、有効求人倍率が長期低迷している都道府県を最優先の助成対象とする方向で検討するとのこと。具体的には、〈1〉雇用を増やした企業への助成金の増額、〈2〉Uターン就職の促進、観光振興など、各都道府県が提案した雇用創出案に国が助成する制度の新設、などを検討するとか。詳細な制度設計は、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論し、年内にも報告書をまとめる見通しと記事は伝える。

兵庫労働局不正経理で元職員に対して国が損害賠償請求訴訟

 神戸新聞サイトは8月19日に掲出した「国が元職員を提訴 1億3千万賠償請求 兵庫労働局裏金」は、兵庫労働局をめぐる裏金問題で、国が、元同局職員(45)に対し、架空工事の発注などで詐取した国庫金と弁済分の差額約1億3千万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたと報じる。同被告は収賄、詐欺罪などで一審実刑判決を受け控訴中とか。訴状などによると、同被告は備品納入業者と共謀し、架空工事の発注や架空、水増し請求などで公金約1億8千万円を詐取したとされ、国は今年6月、同被告に裏金の捻出(ねんしゅつ)を指示した元職員(53)に対しても、約2800万円の損害賠償を求める訴訟を起こしているとのこと。

民営郵政には船頭が多い

 8月21日付け日経金融新聞2面に「民営郵政、船頭多く――最高責任者が乱立(霞が関風速計)」の記事。

 記事は、郵政民営化の準備企画会社、日本郵政が民営化後の経営方針の骨格を公表したが、住宅ローンや医療保険への参入などの業務拡大案とともに注目された四つの事業会社に置く最高執行責任者(COO)などの人事について、記者会見では西川善文社長が「郵便局会社には地域COOを設けたい」とまで発言しており、民営郵政には「最高責任者」がずらりと並ぶと揶揄する。郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の四社に就任するCOOを発表した会見で、西川社長は「最高経営責任者(CEO)を会長、COOを社長と呼ぶことにします」と日本流の呼び名を説明したとか。CEOはすべて民間企業の出身者だが、COOは三人を元官僚から選んでおり、「CEOはお飾りか」との疑問を打ち消すため、西川社長はあわてて「経営のトップはあくまでCEO」と付け加えたと記事は伝え、そもそも「最高責任者」が多すぎないかと疑問を呈する。日本郵政CEOの西川氏をはじめ、各事業会社に二人ずつおり、規模の大きい郵便局会社に置くことになる「地域COO」を加えると、十人を超えるのは確実と、記事はCEOとCOOの違いを意図的に無視する。さらに、持ち株会社の日本郵政だけでなく、上場を目指すゆうちょ銀行とかんぽ保険は「委員会設置会社」とし、経営トップを選ぶ指名委員会などを置くが、銀行と保険も当面は日本郵政の全額出資子会社であり、日本郵政が反対するような経営戦略や人事を実現できるはずがなく、委員会の役割もよく分からないと記事は専門組織の存在価値を否定してみせる。四つの事業会社のCEOを人選する段階では、「新社長が来たとしても、西川氏に話を通さなければ何も決まらないから」、ゆうちょ銀の社長は西川氏が兼務すべきだとの意見が日本郵政公社にあったとか。新体制を見る限り、民間企業並みの迅速な意思決定をするには、どうも船頭が多すぎるようだと記事は締めくくっている。