事務費支払もキャッシュバックで飲食代に充当
読売は9月3日に「岐阜裏金作りで料亭も利用、架空経費請求し業者が保管」を配信。
記事は、岐阜県庁の約17億円に上る裏金問題で、県職員らが裏金の一部を岐阜市内の料亭や事務用品店などに預け、外部の関係者との懇談会の経費だけでなく県庁職員間の飲食費までも、その「預かり金」で賄っていたことが、第三者機関として設置された検討委員会の調査報告でわかったと報じる。預かり金の存在を知っていた幹部職員の一人は、読売新聞の取材に、数年前まで県庁近くの飲食店にも預かり金をプールし「店を“財布代わり”にしていた」と証言しており、職員組合や個人での保管以外に、民間も巻き込んで裏金を隠していた実態が明らかになったと記事は評する。検討委によると、職員の証言などから、「預かり金」は、岐阜市内の一流料亭など、少なくとも県内の13店・業者が保管していたとみられ、このうち4業者は保管の事実を認めているとのこと。「預かり金」は各課の庶務担当者が、料亭や飲食店から白紙の請求書をもらい、架空の会議や交流会の経費として請求して作っていたもので、「全く架空の会議もあれば、人数や金額を大幅に水増しして請求するケースもあった」とか。決裁がおり、県から代金が店側に支払われると、その金が「預かり金」に化け、職員らが次回、その店で飲食した際、この金で精算していたとのこと。ま た、事務用品店や印刷会社にプールされた「預かり金」も、同様に白紙の納品書や領収書をもらい架空請求するか、直接、現金を戻させ飲食代に充てることもあったとか。
総務省研究会は9月中に一定の方向
8月31日付け日本経済新聞夕刊2面に「総務省研究会、自治体再建法制導入へ初会合、監視体制など検討」の記事。
記事は、総務省が31日午前、財政が悪化した地方自治体に適用する再生型破綻法制(再建法制)の導入に向けた有識者による「新しい地方財政再生制度研究会」の初会合を開いたと報じる。財政破綻を未然に防ぐ早期是正措置の具体的な制度設計や、財政健全度を測る新たな財政指標、チェック体制などを検討するもので、9月中に基本的な方向をまとめる予定とか。研究会は宮脇淳北大教授が座長を務め、行政法や破産法の専門家など5名で構成され、早期是正措置に加え、財政が破綻した自治体の債務整理や、再建の手法も検討課題とし、早ければ来年の通常国会に現行の地方財政再建促進特別措置法の改正案を提出するとのこと。研究会の冒頭であいさつした竹中平蔵総務相は北海道夕張市の財政破綻で表面化した一時借入金を使った赤字隠しに触れ、「決算そのものが法律違反になるのではないかという疑問を持っている」と指摘し、一時借入金を巡る法律上の問題点も議論するよう求めたとのこと。自治体破綻法制を巡っては、竹中総務相が設置した懇談会が7月に3年以内の導入を提言している経緯がある。
9月1日付け日本経済新聞朝刊5面の「総務省研座長、自治体再建手法「例外なく議論」」は、「新しい地方財政再生制度研究会」の宮脇淳座長(北大教授)が記者会見し、財政が悪化した地方自治体の再生手法を「例外なく議論したい」と述べたと報じる。自治体に債務調整の仕組みを導入するかどうかは「一定の移行期間が必要」としながらも検討を進める考えを表明し、財政悪化の初期段階で再建を促す早期是正措置とあわせ9月中に一定の方向性をまとめるとか。宮脇座長は「地方財政は議会や住民のチェックが十分働いていない。透明化が必要」と指摘し、新財政指標の検討を急ぐ考えを表明したと記事は伝える。
持ち家の場合に生活保護を自宅担保の貸付方式に変更する方向
毎日は9月2日に「<生活保護費>自宅担保の貸付方式に変更 65歳以上持ち家」〔吉田啓志〕を配信。
記事は、厚生労働省が19年度から、65歳以上の生活保護対象者のうち、持ち家に住んでいる人については生活保護費を支給せず、自宅を担保とした生活費貸付制度の対象に切り替えると報じる。融資を受けていた人が死亡すれば自宅を売却し、売却額を返済に充てる方式(リバースモゲージ)を導入することで、国民が漠然と抱く「不公平感」を解消するのが狙いとか。現行制度では、自宅の土地、建物の資産価値が当該地域の生活保護基準額(生活扶助、住宅扶助)10年分(全国平均2300万円)以下なら、不動産を売却しなくても生活保護を受給できるが、扶養義務を果たさなかった遺族が、資産相続だけはするケースも少なくなく、見直しを求める声が相次いでいたとのこと。19年度からは、65歳以上の生活保護受給者で1000万~2300万円程度の資産価値がある自宅に住む人については、生活保護費の支給を停止し、土地、建物の抵当権を都道府県の社会福祉協議会に設定して、担保に見合う金額を融資するとのこと。1カ月の融資額は生活保護費と同水準とし、融資額が担保額を超えた時点で生活保護に切り替え、自宅には死ぬまで住むことができるとか。16年度時点で、65歳以上で生活保護を受けている約52万5000人のうち、自宅のある人は5%程度で、実際に担保価値がある資産を持つ人はさらに少ないとみられ、生活保護を融資制度に切り替えても、年間2兆円を超す生活保護費の削減効果は極めて小さいとか。このため厚労省は19年度、母子家庭に一律支給している母子加算や、都心部に手厚い仕組みとなっている加算(級地)を縮小し、20年度には生活保護費の基準額そのものの見直しに着手したい考えと記事は伝える。
岐阜県のプール資金問題検討委員会の報告書
9月2日付け日本経済新聞名古屋朝刊21面に「岐阜県裏金17億円、信頼回復道のり険しく、前知事の公職退任要求」の記事。
記事は、岐阜県庁の裏金問題で、1日に提出された「プール資金問題検討委員会」(幅隆彦委員長)の調査報告書について、裏金総額が17億円、梶原拓前知事ら幹部らの責任は重大、と組織ぐるみの裏金づくりの実態を厳しく批判したと報じる。「(職員には)必要悪という意識があった」とも指摘された裏金だが、県は返還や処分などの検討に入るものの、失われた信頼を回復するための道のりは険しいものになりそうと記事は評する。報告書によると、不正な経理で資金がつくられ始めたのは昭和40年代はじめごろで、裏金の金額が推計できる4年度からの3年間には、毎年約4億6600万円の裏金が捻出されたとか。4年度には、知事部局の約7割の部署で裏金づくりが行われたと指摘し、情報公開条例が施行された7年度以降は抑制されたものの、裏金づくりそのものは15年度まで続き、総額では約17億円にまで膨れあがったと推計しているとのこと。裏金は官官接待、職員間の懇談、慶弔費などに使われたほか、学校人事課では処理に困り「焼却」と書いた段ボールに約4百万円を入れて焼却用のごみとして出したケースもあったとか。返還額については、利息を含めて19億2千万円と算定し、うち14億5千万円については、退職した管理職(1400人)が6割、現職管理職(8百人)が4割を負担するよう提言し、残りの4億7千万円は職員組合や個人で保管している職員らが返すように求めたとのこと。県はこの提言に基づき分担などを具体的に決めると記事は伝える。8年度に三重県や愛知県などで不正経理が明らかになり、当時の副知事だった森元恒雄氏が梶原前知事に、裏金問題を点検せずに、事態の推移を見守ることを進言し、梶原知事も了承したとのこと。10年度末ごろ、森元氏は当時の知事公室長に集約を指示し、相談を受けた当時の出納長は、県の監査の及ばない県職員組合の口座に集めることを提案したとの由。その後、当時の職員組合の幹部が11年1月11日、金融機関に口座を開設し、17年度までの間、知事部局や教育委員会で計約3億1500万円が振込などでプールされたとか。ただし、「組合集約に関しては梶原前知事が認識していたとは認められなかった」とか。報告書は、岐阜県の将来を考えるならば、知事自身が批判を受けたり、職場に混乱が生じたとしても、総点検を行っていれば、今回のような事態を招かなかった可能性が高いと指摘し、「委員会がほかの幹部にまして、重大な責任があると考えるのは梶原前知事」としたとのこと。その上で、梶原前知事や森元前副知事ら当時の幹部5人の刑事責任や処分を検討し、刑事告発は立証などの問題から、困難とし、県関連の公職からの退任を求めたとのこと。梶原前知事は「検討委の結果をよく吟味した上で会見をしたい」とコメントしているとか。委員会は、裏金づくりの関係者で、個人的な流用が強く疑われる数人は刑事告発の対象になりうるとも指摘しているが、報告書では名指しを避けているとのこと。
同面の「岐阜県裏金隠ぺい工作、元監査委員が黙認――職員の個人保管、総額1億4800万円」は、岐阜県庁の裏金問題で、10年度に裏金を県監査の及ばない県職員組合に集約する際、出納長(当時)が代表監査委員(同)に相談をしていたことが、県の設置した「プール資金問題検討委員会」(幅隆彦委員長)の調査で明らかになったと報じる。チェック機関が隠ぺい工作を認識しながら黙認したことになると記事は評する。報告書によると、10年度当時、各課に1億円にのぼる裏金があることを知った森元恒雄元副知事は、私的流用などの不祥事が起きないように知事公室長に集約を指示し、知事公室長から相談を受けた出納長が代表監査委員に相談のうえ、職員組合の口座に集めさせることを知事公室長に提案したとのこと。その後、組合は裏金の受け皿となる銀行口座を設けたとか。この代表監査委員は県OBで、7年から11年まで代表監査委員を務めたとのこと。また、総額約17億円の裏金のうち職員が個人名義の口座や現金で1億4800万円保管しており、検討委は「使う意図を持って個人口座に保管すれば業務上横領罪が成立する可能性がある」としているとか。
19年度の地方債は4年連続のマイナス
8月31日付け日本経済新聞朝刊1面に「地方債引き受け、郵政公社が廃止、来年度、民間資金の割合上昇」の記事。
記事は、総務省が30日まとめた19年度の地方債計画で、日本郵政公社が19年度から新たに発行する地方債の引き受けをやめていると報じる。来年10月の民営化をにらんだ措置で、郵便貯金や簡易保険で集めた資金による地方債の引き受けは13年度には全体の16%を占めて、公的資金の一翼を担ってきたが、民営化に伴いその役割を終えると記事は評する。今年度、郵政公社が引き受ける地方債は4800億円で、このうち郵貯の資金が1700億円、簡保が3100億円を賄い、地方債全体(約13兆7千億円)に占める郵政公社資金の割合は3.5%と、17年度(7.7%)に比べて大幅に抑制していたとのこと。法案成立が遅れて民営化の時期は来年10月と半年ずれ込んだものの、当初の計画通り19年度から引き受けを廃止するとのこと。19年度は郵政公社分がゼロになるため、財政融資資金など公的資金による地方債の引受額は18年度と比べ10%減り、4兆5500億円となり、一方、民間資金による引き受けは1.0%増の8兆7741億円で、民間資金の割合が増えることで、統一金利の廃止など地方債に市場の実勢を反映させる流れが加速するとみられると記事は伝える。民間資金の内訳は市場公募が前年度並みの3兆5千億円で、銀行などによる縁故債引き受けは1.6%増の5兆2741億円を見込んでいるとのこと。この結果、民間資金による引き受けの割合は3ポイント上昇して66%となり、5年前の4割程度と比べて徐々に拡大してきたとか。総務省は公募地方債の横並び金利をやめるよう地方自治体に通知するなど、かつて「護送船団」といわれた地方債にも市場メカニズムを適用させる環境作りを急いでおり、民間資金の引き受け拡大もこの一環とか。19年度の地方債発行計画額は公営企業借換債を除き、前年度比3.1%減の13兆3241億円で、地方単独事業の削減などで、4年連続のマイナスとかる。
7月までの税収進捗は前年を下回る
9月2日付け日本経済新聞朝刊5面に「たばこ税収、7月44%増、駆け込み購入膨らむ」の記事。
記事は、財務省が1日発表した7月の税収実績によると、たばこ税の税収が前年同月と比べ44.4%増の1108億円となり、単月では10年12月以来の高水準と報じる。7月の税収は6月の国産たばこ出荷分が反映され、7月からたばこ税が販売価格1本あたり1円引き上げられたのを前に駆け込み購入が膨らんだためとか。国税収入全体では、一般会計ベースで15%減の3兆4827億円で、予算額に対する年度当初からの進ちょく割合は13.8%と、前年同月の14.4%をやや下回って推移しているとのこと。
19年度予算と財投計画が報じられた
8月30日付け日本経済新聞夕刊1面に「一般会計、82兆7300億円、来年度概算要求」の記事。
記事は、財務省が30日、19年度一般会計予算の概算要求の見込み額を公表したところによると、一般会計の総額は今年度予算に比べて3兆4百億円増の82兆7300億円で、長期金利の上昇を見込むと国債の元利払いに充てる国債費が1兆9300億円増えると報じる。各省庁からの概算要求は31日に締め切り、9月上旬の閣議に報告するとのこと。国債費は10%増の20兆6900億円で、算定の根拠となる新発十年物国債の想定金利は、今後の金利上昇局面に備え、昨年の概算要求に比べて0.2%高い2.9%に引き上げたとのこと。国債費のうち、元本の返済に充てる債務償還費は4%増の10兆4千億円としたのに対し、利払い費は想定金利の引き上げを受け、17%増の10兆1600億円と大幅に増やしたとか。国から地方自治体に配分する地方交付税交付金(地方特例交付金も含む)は6700億円増の15兆2300億円で、好調な景気を反映して法人税収が増えると見込んでいるとか。公共事業や社会保障などの政策的経費に充てる一般歳出は、7月の概算要求基準(シーリング)で今年度より4400億円多い46兆8100億円程度となることが決まっているとか。
同紙2面の「財投、29年ぶり15兆円下回る来年度要求額」は、財務省が30日に、19年度の財政投融資計画の要求額が、18年度計画比2.5%減の14兆6300億円程度になるとの見通しを公表したと報じる。減少は12年度から8年連続で、15兆円を下回るのは昭和63年度以来で29年ぶりとか。民間企業の社債にあたる「財投機関債」は、24の財投機関が6兆3千億円程度を発行する予定で、前年度比5%増とのこと。国民生活金融公庫などの特殊法人や独立行政法人向けの財投は、借り換えが膨らむ影響で前年度比1.6%増の10兆3200億円程度を要求するが、そのうち中小企業の融資などを手掛ける機関では、民間銀行が貸し出しを増やしていることを背景に8.1%減の3兆1800億円程度とか。地方自治体向けの財投の要求額は11.1%減の4兆3100億円程度になるとのこと。
大阪市が補助金の支出方法の見直しなど16項目の再発防止策
日経ネット関西版は8月29日に「補助金支出見直しなど、16項目の再発防止策──大阪市」を掲出。
記事は、大阪市は、補助金の支出方法の見直しなど16項目の再発防止策を発表したと報じる。9月から、職員の法令順守意識を徹底させるため、職員全員を対象に階層別の「コンプライアンス研修」を始め、今年度中には日常的に職員が弁護士に相談できる窓口を設けるほか、抜き打ちで公金支出の内部監察を実施するとのこと。補助金については支出手続きなどが適正かどうか全件調査に着手し、10月に結果を公表するとのこと。補助金のあり方のガイドラインも策定し、来年度予算から反映させるほか、補助金や貸付金の支出について、9月から所管局の裁量だけでは支出できないよう、財務局との合議を義務づけるとか。
農水省がBSE補助金で20億円の返還命令
毎日は8月29日に「牛肉偽装事件:全肉連へ補助金20億円返還命令」を配信。
記事は、国の牛海綿状脳症(BSE)対策事業をめぐる名古屋市の食肉卸大手「フジチク」グループの牛肉偽装事件で、農林水産省が29日、補助金の不正受給額は20億9796万円だったとして、事業の実施主体である全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)に対し返還を命令したと発表したと報じる。同省によると、フジチクの元社長、藤村芳治被告らは13年、全肉連を通して架空の牛肉や輸入肉を事業対象の肉として申請し、保管費用や処分費用を不正に受け取ったもので、名古屋地裁は今年3月、藤村被告に懲役8年、罰金3億円の判決を下している。地裁判決で不正申請は456トン、不正受給額は約13億8000万円と認定されたが、その後の農水省の調査で、不正申請は1051トンに上ることが判明し、これに対応する補助金の返還を命じたとのこと。
金融機能強化法に基づく公的資金の申請
8月29日付け日本経済新聞朝刊7面に「公的資金、優先株で300億円前後――紀陽HD、来月上旬に申請」の記事。
記事は、紀陽銀行(和歌山市)と和歌山銀行(同)を傘下に持つ紀陽ホールディングス(HD)が28日、9月上旬に金融機能強化法に基づき公的資金の注入を申請すると発表したと報じる。金額は3百億円前後で、傘下の2行が合併する10月10日までに金融庁の認可を得て、優先株で年内に注入を受けるとのこと。同法の初適用となる見通しで、今後同法の活用が広がり、地域金融機関の再編が加速しそうと記事は伝える。大阪市内で会見した片山博臣・紀陽HD社長は「自己資本の健全性に懸念はないものの、リスクを取って貸出資産を増やすのには十分でない」と説明し、「内部留保で資本を積み上げる手もあったが、競争が激化するなかで猶予はなく、公的資金で時間を買う決断をした」と述べたとのこと。紀陽HDが同時に公表した中期経営計画によると、3百億円の公的資金が注入されると、連結自己資本比率は9.52%から11%台に上がり、自己資本の増強をてこに今後ベンチャー企業向け融資や経営不振企業の再生融資などに積極的に取り組み、周辺の大阪府や奈良県にも本格進出する一方、インターネット上に「仮想支店」を設けて預金の獲得や投資信託の販売を拡大するとのこと。紀陽HDは中期経営計画をベースに収益目標などを盛り込んだ経営強化計画を策定し、公的資金の申請と同時に金融庁に提出し、同庁は会計士など専門家を交えた第三者機関「金融機能強化審査会」で計画の内容を審査したうえで、注入を正式に決める見通しとか。ただ、公的資金の注入が経営拡大に直結するわけではなく、紀陽、和歌山の両行が地盤とする和歌山県は、景気回復が他地域に比べて遅れ気味で、貸し出しを伸ばすのは容易ではないと記事は評する。金融機能強化法は金融機関の経営体力を強化するため、公的資金を予防注入できる法律で、2004年8月の施行後、適用実績がないが、主に再編に取り組む地域金融機関を対象としており、西日本シティ銀行と資本提携する豊和銀行(大分市)も今後注入を求める方針で、地域金融機関の間で申請が相次ぐ可能性もあると記事は解説する。