公会計の動向 -102ページ目

夕張市が過年度更正の補正予算

 北海道新聞サイトは8月18日に「違法処理「更正」 一般会計239億円 夕張市が補正予算案」〔夕張〕を掲出。

 記事は、財政再建団体入りを決めた夕張市が17日、人件費の削減案などを審議する18日の臨時市議会に提出する本年度の一般会計などの補正予算案を公表したと報じる。人件費2億8千万円を削減する一方、昨年度分として会計処理しながら、実際は出納整理期間(4、5月)後に違法処理した収入支出を計上したため、一般会計の補正予算は128億円が239億円に膨れ上がったとか。新規事業がまったくないのに一般会計の補正予算案が大幅に増えたのは、17年度の出納整理期間後に会計処理した分を本年度分に「更正」したためで、一般会計と五つの特別会計間の貸付金と返還金を「更正」し、一般会計は歳入で102億6千5百万円、歳出で104億8百万円を追加計上し、これに伴い、一般会計など6会計で昨年度決算が赤字となって、本年度の各会計補正予算案で、繰り上げ充用を行うとのこと。補正額(繰り上げ充用額)は観光会計で52億円、一般会計でも8億5千5百万円に達するとか。一般会計では、「更正」により歳出が歳入を1億4千万円上回り、これに繰り上げ充用分を足した約10億円と、人件費削減分の2億790万円との差額7億9千万円について、市は予算上、市所有地の売却益を充てるとのこと。起債が認められにくい中での苦肉の策といえ、市は「どの土地を売るとか、決めてはいないが、財産はあるので計上した」と説明しているとか。

新生銀行の公的資金残額は2千億へ縮小

 読売の8月16日の配信「新生銀、公的資金1200億円分返済へ」によると、新生銀行は16日、国が保有する同行の普通株式約2億株を、17日朝の東京証券取引所の時間外取引で買い入れると発表したとのこと。国が注入した公的資金3368億円のうち、1200億円分を返済することになるとか。

教育訓練給付金の不正受給

 読売は8月16日に「教育訓練給付金、不正受給は3926件6億3千万円」を配信。

 記事は、失業予防や再就職支援を目的に創設された「教育訓練給付金」の不正受給が、11年度の給付開始以降、計3926件、総額約6億3000万円に上ることが、厚生労働省の調査でわかったと報じる。昨年度だけで約16万人が利用した同制度を巡っては、組織的な不正受給が相次いでおり、愛知県警が7月に摘発した事件では、同省の認定額をすでに大幅に上回る被害が見込まれており、受給者本人に不正の有無を確認する厚労省の調査には限界があるため、判明分は氷山の一角とみられ、制度のあり方そのものが問われることになりそうと記事は伝える。厚労省によると、11年度~15年度に判明した不正受給額は、70万~2000万円だったが、16年度には一気に約3億7000万円(2323件)に急増しており、昨年度は約2億2000万円(1266件)だったとか。これらの大半は、受講者に謝礼を支払う見返りに協力を求めた、組織的な不正受給とみられ、情報処理の通信講座を開設した大阪府内の業者の場合、「自己負担は不要」などと広告して受講者を集めては、ニセの講座修了証明書を発行、受講者に支払われた給付金を回収していて、不正受給額は、山形県や大阪府内で計170件、5000万円近くになるとのこと。一方、愛知県警が捜査する事件では、講座運営会社の「パソコン検定合格講座」などが悪用され、受講者には負担金として約6万円を支払わせてパソコンと教材を支給するが、実際には「講座そのものが架空」(同県警)だったとか。犯行の手口は、ニセの講座修了証と受講料の架空の領収書を用意、本人に受給申請させ、給付金約23万円の全額を同社に振り込ませており、同社は12年~16年にかけて受講者3700人を集めていて、同県警では、不正受給額は8億2000万円に上るとみているとか。厚労省はこの事件に絡み、全国の労働局に調査を指示し、受講者に出頭を要請したり、不正の有無を照会する「確認書」を郵送したりしたが、確認できた不正受給は約400件、約6700万円にすぎないとのこと。労働局の担当者は、「不正受給の疑いがあっても、本人が講座を受けたと主張して、修了証や領収書があれば、それ以上追及できない」と調査の限界を認めるが、厚労省雇用保険課は「給付額の引き下げや、申請時の甘いチェック体制を改めており、不正受給は減るはずだ」と話しているとか。

米国の議会には予算局がある

 8月18日付け日本経済新聞朝刊7面に「米財政赤字、来年度から再び拡大、議会予算局見通し――中間選の争点にも」〔ワシントン=藤井一明〕の記事。

 記事は、米議会予算局(CBO)が17日に米国の財政赤字の見通しを発表し、それによると、2006会計年度(05年10月―06年9月)は税収が好調で前年度に比べ18%減の2600億ドルに縮小するものの、その後は高水準の支出が続いて再び膨らみ、09年度は3040億ドル、10年度は3280億ドルに達すると伝える。ブッシュ大統領は足元の赤字の縮小を実績として訴えるとともに、長期的な財政運営に楽観的な立場を取っているが、これに対し、民主党は赤字の再拡大を描くCBOの推計が「現実的だ」として財政見通しの厳しさを強調しており、11月の中間選挙に向けて論議が高まりそうと記事は評する。CBOによると、05年度に3180億ドルだった赤字は06年度にいったん縮小した後、07年度は前年度を10%上回る2860億ドルに拡大し、08年度は2730億ドルとなり、09年度から2年間、3千億ドルを超えるとか。税制は今後の政権や議会の意向によって改正があり得るため赤字の見通しも変わる可能性があり、また、イラク戦争の関連経費などが不透明な負担要因として残るものの、1946―64年生まれのベビーブーマー世代が大量退職の時期を迎えることも社会保障関連の支出増として長期的に響くとのこと。


 ちなみに、CBO はGAOと異なり、れっきとした議会の機関

総務省が地方債の条件を自治体ごとに交渉するようにとの通知を出した

 8月18日付け日本経済新聞地方経済面1面に「地方債利率、「横並び是正」道困惑――利払い負担増に懸念(窮迫地方財政)」の記事。

 記事は、総務省が地方債の利率などを横並びで決める方式を見直すよう指示したことに、北海道が困惑していると報じる。市場で公募する地方債の発行条件は一部自治体を除いて一律で決まってきており、横並びが崩れると、財政悪化が目立つ道は利払い費負担が膨らむ可能性が高く、今後は他の自治体とも相談して対応を検討するが、道の財政再建に不安要素が一つ加わった格好と記事は評する。総務省は14日、文書で横並びを改め個別に金融機関と交渉して条件を決める方式への移行を検討するよう求めており、次の条件決定日は9月6日で、道は「次回に方式を変えるには時間的余裕がない。文書にどこまで強制力があるかも分からない」(財政課)として対応に苦慮しているとか。道は他の自治体や取引金融機関と協議し、8月末までに次回から個別決定に移行するか、移行までの時間的猶予を総務省に求めるかなどの対応を決める方向で、同様に移行の検討を求められている札幌市も、金融機関などと対応を協議するとのこと。個別決定方式に移ると自治体ごとの信用力を反映する形になり、道債の利率は従来よりも高めに決まる可能性が高く、金融機関の間では「実勢を反映するようになる」との声も聞かれると記事は伝える。

中小企業の事業承継制度を強化する経産省

 8月15日付け日本経済新聞朝刊5面に「贈与・相続一体課税、親の年齢制限撤廃、中小の事業承継円滑に、経産省、要望へ」の記事。

 記事は、経産省・中小企業庁が19年度の税制改正で、中小企業の事業承継を円滑に進めるため、生前贈与の場合に税を軽減できる「相続時精算課税」で、事業承継に限って親の年齢制限の撤廃を要求する方針と報じる。また後継者を巡る企業の「お家騒動」を予防するため、経営にタッチしない議決権のない株式には相続税の評価を20%軽減し、議決権のある株式を後継者に集中できるようにするとも。贈与税と相続税の一体課税制度である「相続時精算課税」は、株式など資産の生前贈与を進めやすくする仕組みで、経産省は「65歳以上」という親の年齢制限を事業承継に限って撤廃し、50歳代や60歳代前半で引退する経営者が、事業を子供に計画的に継承しやすくする制度改正を打ち出すとのこと。同制度は高齢者の資産を若年層にシフトすることを目的に導入されたが、スムーズな事業承継の推進にも役立つとみて、年齢制限の撤廃を求めるもので、資産の贈与先である子供の年齢は、現行制度通り20歳以上に据え置くとか。また中小企業の事業承継で兄弟などが経営権を争う「お家騒動」を防ぐため、議決権のない株式の相続税の評価を、議決権のある普通株式に比べて20%軽減し、資本は継いでも経営を引き継がない子供の税負担を軽くし、経営をスムーズに継承できるように税制面から支援する仕組みを整えるとのこと。また、都市部より景気回復が遅い地域経済の活性化策として、農水産・工芸品など特産品を扱う新事業の設備投資を対象に、税額控除または特別償却制度を適用できる特例措置を要望する方針で、鋳造など地域を代表する技術も対象とするとか。税額控除の場合は設備投資額の7%を法人税から控除し、特別償却制度では、償却初年度に投資額の30%を通常の減価償却とは別に償却して、初年度の法人税負担を軽くする仕組みを提案するとも。中小企業庁は19年度の税制改正要望にこうした事業承継推進策と地域経済の活性化策を盛り込み、早ければ来春の制度導入を目指すと記事は伝える。17年度版の中小企業白書によると、年間約29万件に上る中小企業の廃業のうち、約4分の1は後継者難が理由で、中企庁は弁護士や税理士などが参加する「事業承継協議会」を設立し、財産分与や後継者教育などの手引きとなる「事業承継ガイドライン」を6月にまとめているとのこと。

官製談合が消えて談合が成立した事例

 朝日は8月11日に「首都高談合、「天の声」消え代替策」を配信。

 記事は、旧首都高速道路公団(現首都高速道路)のトンネル換気設備工事をめぐる入札談合疑惑で、荏原製作所などのメーカー各社が大規模な工事が相次いで発注される直前の16年春、過去の実績などをもとに落札予定の工事を急きょ割り振っていたと報じる。以前は首都公団側が受注業者を指定する「官製談合」が長年続いていたが、12年ごろを最後に明確な指示はなくなったため、各社は、「天の声」に代わる新たなルール作りを迫られたと記事は伝える。公正取引委員会も経緯を把握している模様で、荏原など4社に課徴金の納付を命令する手続きを進めているとか。関係者によると、首都公団発注工事では公団の課長級の技術系職員が代々、談合の仕切り役だった荏原の担当者に受注業者の意向を伝える慣行が続いていたが、9年に料金所などの建設をめぐる談合で公取委が排除勧告を行い、公団職員が公団側の意向として受注業者を指定したり、設計価格を漏らしたりしていたとして、公団に対しても監督体制の見直しを求め、その後、官製談合への批判が高まったこともあり、徐々に公団側による明確な業者の指定はなくなったとか。ところが都心の迂回路として地下を掘削し、建設されている中央環状新宿線では、久しぶりに大規模工事の発注が見込まれ、数十億円規模の5件の工事の発注を前にした16年3月ごろ、各社は工事の受注を分け合うことで合意し、5件の工事だけを対象にした限定的なルールで、過去の実績が多い順に、予定価格の高い工事を受注することを基本としたとのこと。荏原の担当者が原案を作り、各社の意見調整で中心的な役割を果たし、「分け前」にあずかれないメーカーから異論も出たが、「次の機会で配分する」などと説得したとのこと。同年6~11月に行われた実際の入札では、さらに各社の意向で受注工事を調整し、価格の高い順に荏原、日立製作所、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工業が60億~29億円で落札したとの由。

市の財政当局が指摘した問題が無視された件

 朝日は8月10日に「虚偽資料、市長も追認 職員大量処分へ 旧芦原病院問題」を配信。

 記事は、17年に経営破綻した旧芦原病院(大阪市浪速区)の運営資金を捻出するため、大阪市が破綻前にりそな銀行(大阪市中央区)に虚偽の資料を示して融資2億円を引き出した問題で、担当の市健康福祉局が融資直前に、関淳一市長ら市幹部に融資申し込みについて相談し、承認を受けていたことが関係者の話でわかったと報じる。当時、同病院の民事再生法の申請が検討されており、財政局は健康福祉局に対し「返済不能のおそれがあり、不適切だ」と指摘したが、結果的に市の中枢部が追認した格好になっていたと記事は伝える。市は、この2億円融資をめぐる経緯を含め、市の同和対策の医療拠点だった同病院の補助金不正流用や飛鳥会事件など同和行政の一連の問題で、今月下旬、同病院の経営破綻当時の健康福祉局長ら市職員を大量処分する方針と記事は伝える。市や関係者によると、同病院は80年代から毎年、りそな銀行とみずほ銀行(東京都千代田区)から短期で運転資金の融資を受けており、みずほは16年6月に市の外郭団体を迂回させる形で2億5千万円を融資して以降、新規の融資を断っていたが、りそなは健康福祉局との交渉で17年6月に2億円を融資したとか。その祭、健康福祉局は、みずほから17年度にも9月以降、計4億円の融資が受けられるとした虚偽の収支見込み一覧表を作成して、りそなに示して融資を求めていたとのこと。さらに、融資が決まると、6月9日付で健康福祉局長名の「借入金返済確認書」を差し入れ、返済を事実上約束していたと記事は伝える。関係者によると、この確認書が差し入れされた17年6月上旬、同局が市長、助役、財政局とりそなの融資について協議しており、この協議には、りそな向けの虚偽の収支見込み一覧表や、10月に民事再生の適用を申請するという内容の局独自の計画表も提出されたとか。財政局はこの協議の場で「借り入れた2億円は返済できなくなり問題がある」と指摘したが、健康福祉局は同病院の資金ショートを恐れて借り入れに踏み切り、関市長も助役も同局の計画を受け入れていたとのこと。旧芦原病院はこの融資の半年後の17年12月に民事再生法の適用を大阪地裁に申請し、りそなからの融資は2億円全額が今も返済されていないとか。 市は今年7月21日、関市長が求めていた同病院に関する監査結果を明らかにしており、これでは、健康福祉局がりそな銀行に提出した収支見込み一覧表については、同病院を経営していた医療生協が作成すべき資料を市職員がつくっていた点について「不適切」と指摘し、返済確認書の交付についても「はなはだ不適切な行為」と批判しているが、破綻直前に2億円の融資を受けて返済不能に陥っていることについては、市の会計に被害が出ていないことなどを理由に言及していないとか。関市長は今月3日、一連の同和行政の問題の責任を取って、自らを減給50%(6カ月)とすることを明らかにしているとのこと。

公的研究費不正使用対策

 毎日は8月10日に「研究費不正防止:研究機関に経費管理体制の整備求める」〔下桐実雅子〕を配信。

 記事は、早稲田大理工学部教授の公的研究費不正使用で発足した文部科学省対策チームが10日、大学など研究機関に経費管理体制の整備を求めるなどの不正使用防止策の骨子をまとめたと報じる。同省はこれをもとに年内に外部識者により、大学内部の経費管理基準を示すガイドラインをまとめるとのこと。骨子では、大学は内部管理体制を整備し、その内容や不正取引した研究者への処分方針などをホームページで公表し、不十分な点について文科省が指導し、改善しない場合は公表したり、大学の研究資金の一部を減額するなどの措置をとるとか。大学内に不正告発窓口を設置し、調査を開始した段階で文科省などに報告することも求めたとのこと。一方、文科省は研究者に研究費の使いにくい点をアンケートし、資金によってばらつきのある経費使用のルールを統一し、使いやすい制度に整えていく方針で、省内に「競争的資金執行指導室」(仮称)を新設し、告発や研究費使用について相談できる窓口を設置すると記事は伝える。

請負会社の社会保険加入率が低い

 朝日は8月10日に「非正規雇用者の社会保険加入を徹底へ 社保庁が実態調査」を掲出。

 記事は、工場で働く請負労働者ら非正規雇用の人たちの多くが正規の社会保険に入っていないとして、社会保険庁が実態調査に着手したと報じる。社会保険は強制加入が原則だが、請負業界では保険料負担を免れるための加入漏れが目立ち、請負業界全体の未加入者が10万人単位ともいわれていて、製造業の現場で横行する偽装請負も未加入の一因になっているとか。社会保険庁は事業所への立ち入り調査を強化し、加入を徹底させる方針と記事は伝える。低賃金で不安定な非正規雇用の分野では企業で働く人向けの健康保険や厚生年金保険に入らない人が多いといわれるが、実態ははっきりしないため、社会保険庁は今年度から全国の社会保険事務所を通じて請負や派遣労働者の人数や勤務実態を調べているとか。対象は、厚生年金保険に加入する全事業所の4分の1に当たる約40万カ所で、この中には、請負会社や人材派遣会社のほか、人材を受け入れている側の大手メーカー工場なども含まれていて、未加入者がいれば、加入を指導するとのこと。非正規雇用の中でも請負は加入率が低いとみられており、これは、派遣の場合は受け入れ企業側に加入を確認する責任があるが、請負ではないためとか。厚生労働省が製造業の請負労働者5000人を対象に昨年行った調査でも、回答があった554人のうち健康保険の加入率は82%にとどまったとのこと。請負大手のクリスタルでは、グループの製造請負部門全従業員の加入率が16年3月時点で約7割と、1万数千人が未加入で、改善に努めているが、今春でも加入率は7割台後半とか。大手の日研総業でも、加入資格がある人の加入率は現在約8割で、7000人程度が未加入で、同社は「100%加入に向けて取り組んでいる最中」と説明しているとか。約8000人の加入資格者を抱える高木工業は7月末現在97%と高いが、昨秋以降に各地で社会保険事務所の調査を受ける前は約7割だったとか。業界では保険料負担を避けるため加入させない例が後を絶たないが、労働者側にも問題があり、月数万円の自己負担を嫌って加入を断る人も少なくないとのこと。大手請負業者は「加入を勧めると、やめて中小業者に移る人もいる」と漏らしているとか。社会保険庁が未加入対策を強化する背景には、昨秋、会計検査院に「調査や指導が不十分」と指摘されたという事情もあり、業界内には「事務手続きが膨大で、全員加入には時間がかかる」との声もあり、改善が順調に進むかは不透明と記事は伝える。