民営郵政には船頭が多い | 公会計の動向

民営郵政には船頭が多い

 8月21日付け日経金融新聞2面に「民営郵政、船頭多く――最高責任者が乱立(霞が関風速計)」の記事。

 記事は、郵政民営化の準備企画会社、日本郵政が民営化後の経営方針の骨格を公表したが、住宅ローンや医療保険への参入などの業務拡大案とともに注目された四つの事業会社に置く最高執行責任者(COO)などの人事について、記者会見では西川善文社長が「郵便局会社には地域COOを設けたい」とまで発言しており、民営郵政には「最高責任者」がずらりと並ぶと揶揄する。郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の四社に就任するCOOを発表した会見で、西川社長は「最高経営責任者(CEO)を会長、COOを社長と呼ぶことにします」と日本流の呼び名を説明したとか。CEOはすべて民間企業の出身者だが、COOは三人を元官僚から選んでおり、「CEOはお飾りか」との疑問を打ち消すため、西川社長はあわてて「経営のトップはあくまでCEO」と付け加えたと記事は伝え、そもそも「最高責任者」が多すぎないかと疑問を呈する。日本郵政CEOの西川氏をはじめ、各事業会社に二人ずつおり、規模の大きい郵便局会社に置くことになる「地域COO」を加えると、十人を超えるのは確実と、記事はCEOとCOOの違いを意図的に無視する。さらに、持ち株会社の日本郵政だけでなく、上場を目指すゆうちょ銀行とかんぽ保険は「委員会設置会社」とし、経営トップを選ぶ指名委員会などを置くが、銀行と保険も当面は日本郵政の全額出資子会社であり、日本郵政が反対するような経営戦略や人事を実現できるはずがなく、委員会の役割もよく分からないと記事は専門組織の存在価値を否定してみせる。四つの事業会社のCEOを人選する段階では、「新社長が来たとしても、西川氏に話を通さなければ何も決まらないから」、ゆうちょ銀の社長は西川氏が兼務すべきだとの意見が日本郵政公社にあったとか。新体制を見る限り、民間企業並みの迅速な意思決定をするには、どうも船頭が多すぎるようだと記事は締めくくっている。