こんにちは。人財育成研修プリュクレールの由美子先生です。

 

近年、多くの企業が「人手不足」に悩んでいます。

帝国データバンクによると、「人手不足倒産」の件数は、2024年度上半期(4-9月)で163件に達しました。

  

少子高齢化や人件費高騰の影響で、労働市場が急速に変化し、適切な人材の確保が難しくなり、商品力はあるのに、生産が追いつかない、また営業時間を短縮せざるを得ない企業が増えているのを実感します。

 

 

また、採用した人が短期間で辞めてしまうことも少なくありません。

特に中小企業では、退職者が出ると残った社員に業務の負担が増え、それがさらなる退職の連鎖を引き起こし、大きな打撃となることもあります。

 

 

このような状況の中で、

企業が髪色や服装の規制を緩和するケースが増えています。

転職サイトでも業界や職種に関わらず、「髪色自由・服装自由」というフレーズを見かけることが多くなりました。

 

 

一方で、伝統的な価値観を大切にし、変わらない良さを評価される顧客層を持つ企業では、髪色自由化に慎重な姿勢が見られます。

 

そんな中、私のクライエントの中にも、人材不足の折、髪色自由化をご提案している企業がありますが、なかなか悩ましいものです。

そこでの課題を一緒に考えた経験があります。

 

今回は、髪色自由化のメリット、リスク、そして慎重に進めるための具体的な提案についてお話しします。

 

 

 髪色の自由化のメリット

 

多様な人材を引きつける


髪色を自由にすることで、個性を重視する若い世代にとって、働きやすい環境を提供できます。

これにより、企業は「個性を尊重する職場」という姿勢をアピールし、幅広い求職者からの関心を集めることができます。

 
 

企業のイメージアップ


柔軟で多様性を重視する姿勢は、企業のイメージアップにもつながります。SDGsやダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)が重視する企業として、社内外にポジティブなメッセージを発信することができます。

 

 

従業員のモチベーション向上


髪色や外見の自由を認めることで、従業員は自分らしさを表現でき、リラックスした状態で働くことができます。これによりモチベーションが向上し、パフォーマンスの向上にもつながります。

 

 

 

 

 髪色の自由化のリスク

 

 

顧客からのイメージへの影響


長年の顧客を持つ企業では、髪色の自由化がネガティブな印象を与えるリスクがあります。

顧客から「職場の雰囲気が緩んでいる」と思われ、顧客の期待するイメージや雰囲気を崩し、信頼感を損なう可能性も考えられます。

 

 

社員の戸惑い

 

髪色の自由化に伴い、これまでの厳しい規則を誇りに思っていた社員は、新しい自由度に戸惑い、不満が生じることがあります。

また「自由すぎる」と感じる社員と「自由でいいんじゃないか」と感じる社員が、対立する可能性も考えられます。

 

 

社風との整合性


髪色の自由化が、企業の持つブランドイメージや社風にそぐわない場合、企業全体の方向性が不明確になるリスクがあります。

特に、伝統的な価値観を大切にしてきた企業では、急激な変化は社内の混乱を招く可能性があります。

 

私が教えるホテル学科の学生に話を聞いたところ、「きちんとした従来通りのスタイルに憧れ、就職したい」という声も多くありました。自由化には十分な検討が必要です。

 

 

 自由化の戦略

 

試験的な導入と顧客反応の確認

 

まずは、髪色自由化を社内で試験的に実施し、社内や顧客の反応を慎重に確認することが重要です。

例えば、非接客部門やバックオフィスの従業員から自由化を始め、段階的に接客スタッフにも広げていくことで、顧客に与える影響を最小限に抑えることができます。

 

 

顧客への安心感 ーー 変化を好ましい驚きに

 

そもそも身だしなみは顧客の期待やイメージに沿ったものであったはずです。これを変えるわけですから、お客様は、「これをきっかけにかつての良き雰囲気は崩れていってしまうのではないか?」という不安があるのではないでしょうか。

 

顧客が不安に思う変化を、好ましい驚きに変える工夫が重要です。例えば、髪色が自由でも、これまで以上に清潔感のある丁寧なサービスを提供することで「見た目は変わっても、何も変わらない。サービスは以前にも増して良くなった」と新鮮な驚きを感じてもらえるようにしましょう。

 

あなたの企業が顧客から求められることは何なのか?を今一度考えることが大切です。

 

 

社員教育を通じたリスク管理と安心感

 

社員が自由な髪色で働く際にも、サービスの質が維持されることを保証するために、社内教育を強化することが求められます。

 

外見だけでなく、顧客対応や接遇マナーにおいて一貫した品質・品位を保つことで、顧客の信頼を失わないようにすることができます。

 

「髪色自由 = サービスの低下」と短絡的に考えないことが大切です。

また、社員が安心して働けるよう、明確なルールの整備や定期的な見直しが必要です。

 

 

まとめ 髪色自由化と企業ブランド


 

今後、多様性を尊重する動きがさらに広がる中、髪色のみならず、服装や外見の自由化は企業にとって競争力を高める要素となるかもしれません。

 

特に、若い世代の求職者は「自分らしさ」を重視する傾向が強まっており、こうした自由度の高い企業は新たな人材確保の面で優位に立てる可能性があります。

 

 

一方で、伝統的な顧客層を大切にする企業は、自由化とブランド価値の調和をどのように実現するかが鍵となります。

 

急激な変化ではなく、段階的に導入し、顧客の反応をつかみ、信頼関係を保ちながら変革を進めることが良い場合もあります。

 

皆様はどう思われますか?

ご意見をお寄せいただければ、今後のサービス向上に役立てます!

 

 

プリュクレールについて

 

石井由美子 

プリュクレール代表


航空会社のCAを経て、人財育成研修講師・コンサルタントとして11年目。

「人の成長が組織の成長をつくる」
「働く時間を幸せなものに」

 

プリュクレールは「輝きをプラスする」という思いを込めて、企業や組織の持続可能性をサポートします。カスタマイズされた少人数の研修を得意とし、とくに中小企業を応援します。


「髪色、外見に左右されない顧客満足研修」、

今どきの管理職について」の研修をご提供します。

時代をキャッチアップして、若い人財が定着し成長するにはどうしたらいいか。

「今どきの管理職について」の研修もご提供しています。時代に合わせた管理職のあり方、セクハラにならない指導方法、多様性への対応、部下の成長支援など、貴社のニーズに合わせた研修を設計し、成果を上げます。特に中小企業の管理職を応援いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

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