PCR検査に制限を設けていることに関する誤解が,マスゴミを中心に,未だに蔓延しています。”感染者数を意図的に減らすために,PCR検査(Polymerase Chain Reaction)に制限を設けている”と,荒唐無稽な陰謀論も未だに流布しています。
しかしながら,工学的アプローチの立場からして,日本の厚生労働省がPCR検査に制限を設けていることは,非常に理にかなった方法です。
残念ながら,現在のPCR検査は,ウイルス量が少ない無自覚感染者にたいしては,検出見逃し確率(偽陰性),誤警報確率(偽陽性)が大きくなります。一説によると,検出見逃し確率(偽陰性)が40%以上となるようです。これでは,検査数を増やしても,あまり意味がありません。
このような,検出見逃し確率(偽陰性)が大きい場合に対して,検出見逃し確率(偽陰性)を小さくするには,どうするか?このような場合,工学でも,付帯条件によって検出対象の絞り込みを行い,いわゆる”条件付き確率”とすることによって,検出見逃し確率(偽陰性)を低下させています。。
今回のコロナ禍の場合,日本の厚生労働省が,37.5℃の体温が4日以上続く,コロナ肺炎の兆候が見られる,感染者と濃厚接触を行った,などの条件を設けています。これは,工学でいう付帯条件による検出対象の絞り込みに相当します。従いまして,日本の厚生労働省がPCR検査に制限を設けていることは,工学的な観点からも非常に理にかなっています。
議論すべきは,PCR検査に制限を設けていることではなく,どのような付帯条件を付加すると,誤警報確率(偽陽性)が大きくすることなく,検出見逃し確率(偽陰性)を低下させることができるかにあります。