両手の役割:自分や相手の体を支える | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

今回から、ティール組織で重要になる「役割」について記載していきたい。「役割」については以前から記載しているように、10もしくは12の役割という、数字にこだわった方が良い。つまり、6や7の役割だけに留めても生命体が動かないのである。逆に、15、16などのように多すぎても今度は組織として上手く機能しなくなるという事で、当研究会では、10もしくは12の役割にすることを推奨しているが、基本は12の役割としている。

 

・12の役割の場合

・腎臓の役割② 役割①

・両足の役割③ 役割② 役割①

・脊髄の役割② 役割①

・脳の役割④ 役割③ 役割② 役割①

・顔の役割② 役割①

・口の役割② 役割①

・両手の役割② 役割①

・心臓の役割①

・膵臓の役割② 役割①

・腸の役割② 役割①

 

それでは、これらの役割を1つずつ体験するという意味で、見てみたい。今回は、”両手”の役割について、1つずつ項目を確認していくことにする。

”両手”の役割

・身の周りの事物を操作する。

・首や頭をコントロールする。

・呼吸機能を高める。

・視野を確保する。

・危険物等から全身を守る。

・全身のバランスをとる。

・物などを渡す、受け取る。

・感覚器官として事物を感じ取る。

・自分や相手の体を支える。

・情報を探索する。

・体を移動させる。

・摂食を補助する。

・コミュニケーション機能として感情表現する。

 

これほどたくさんの役割項目があり、全てを完璧にこなしていると、”両手”の役割1級となれるのだが、1/3にも満たない項目しかこなせないようでは、”両手”の役割5級となる。役割等級制度にて、等級が運用されていくのであるが、各項目について、難易度は異なるので、1つずつ見ていきたい。

 

・自分や相手の体を支える。

私たちの体にある関節のうち、唯一、骨がぶら下がる構造をしている肩関節は、その構造の特徴から懸垂関節と呼ばれている。人間の腕は、僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋、三角筋など、肩関節の周りの筋肉によって吊り下げられている。これらの筋肉には、腕の重みで常に大きな負担がかかっているため、肩こりが起きやすいのだ。下図はこちらより抜粋

肩こりとは

たとえば、筋肉自身が疲労しやすい状態であったり、疲労回復が遅れたりして肩こりを起こすこともある一方で、筋肉が引っ張られることによって、その間に挟まれた神経や血管が圧迫されることから引き起こされる肩こりもある。また、一般的に女性は男性に比べて筋肉が小さいことなどから、肩にはより大きな負担となるし、筋肉疲労の回復時間がかかるために肩こりが起きやすいと考えられている。これらは肩こりが男性より女性に多い理由と考えられている。

 

≪肩甲骨の特徴≫
・腕の一部:付け根と考えて意識すると動きが力強く、大きくなる。
・動きの自由度が高い:胴体とのつながりは鎖骨→胸骨→肋骨→脊柱(胸椎)。肩甲骨と胴体は直接的には肩鎖関節という小さな関節を介してやっとつながっていて、宙に浮いたような状態で、背中に位置している。筋肉がその位置を決めていると言える。
・周囲の筋肉の炎症も起きやすい:自由度が高いということはそれだけついている筋肉も多い。

 

結局は、手と腕と肩が一体となって動くことで、体を支えることができる。そのため、肩までが腕の一部とみる方がよい。そういった意味でも、肩甲骨は人間の体にとって、とても重要な役割を果たしているのである。例えば、下図のように体を移動させるには、両手と両腕と両肩甲骨で支えることで、体をスムーズに移動させることができるのだから。下図はこちらより抜粋

 

肩関節は、ヒトの関節の中で最もよく動く関節である。よく動くということは逆に不安定にもなりやすい関節とも言える。この不安定になりやすい肩を安定させる役割を担っているのが、肩のインナーマッスルである。肩のインナーマッスルは、1つの筋肉のことではなく、4つの小さな筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成されている。4つの筋肉は、それぞれ役割を持っているが、バランスよく力を出し合うことにより、不安定な肩関節の安定させ、スムーズに肩が動くように働いている。

 

これらは筋肉だから、鍛えなければ衰える。筋肉が弱くなれば、その分だけ肩関節の安定性が悪くなるということである。日常生活程度であれば心配はないが、体を支える時やスポーツ競技となれば話は別だ。ケガのリスクが高くなったり、パフォーマンスの低下をもたらす。また、日常生活においても筋力低下はデメリットがある。肩の動きが悪くなり、肩こりのような痛みの原因に繋がる。そのため、肩まわりの筋肉トレーニングは欠かすことなく取り組んだほうがよいであろう。

 

組織でも同じで、両手の役割の担当者の可動域が広がれば広がるほど、しっかりと筋肉をつけないと支えられなく、不安定になるのである。筋肉をつけるとは、知識をつけ経験を積むことであろう。両手の事務担当者ほど知識武装しておかねばならない担当者なのであり、しっかりと学び、研修なども率先して受けてもらわねばならないのだ。よく組織の中で、事務担当者は庶務担当者であり、新卒や若い女性を配置する組織があるが、それはまったく逆なのだ。両手の事務担当者ほど、知識武装して経験を積んでおかないと、不安定になり、肩こりの原因になる。つまりは、組織が上手く稼働しなくなる原因になるということだ。ここを誤解している人が多いのもまた事実だ。

 

・事例

例えば、脳の担当者が事業部長で、口の担当者が営業担当者で、両手の担当者が事務担当者であったとしよう。法改正についてのセミナー参加案内がFAXで届いたとする。セミナーに参加できるのは1社で3名までという制限があったとしよう。

 

その際に、誰に参加してもらうのかを事業部長は悩み、結果的には、顔の担当者である課長と、両手の担当者である事務担当者の3名にて参加してもらう事にした。顔の担当者である課長は、今後の実務のマネジメントのためにも必ず参加はしてもらいたいと思っており、両手の担当者の二人は、今後の実務を行う上でも参加はさせたいと思ったのであった。もちろん、膵臓の担当者や腸の担当者も重要なキーパーソンであるのだが、真っ先に知識武装してもらいたいという意味では、両手の事務担当者ということになった次第だ。

 

何を対応せねばならないのか、どんな書類が必要なのか、実務を行う上でしっかりとセミナーでその知識を吸収して、それを社内に展開していくのであった。それは全国の他の支店や関係各部署へも展開されていき、最終的には、対応マニュアルのようなもので全メンバーに落とし込まれる。その対応マニュアルを作成していくのも、両手の担当者である事務担当者の役割だ。もちろん、事務担当者だけでは作成できないので、腸や膵臓や心臓や脊髄の担当者にも手伝ってもらいながら、最終的な対応マニュアルは完成する。

 

この後、対応マニュアルに沿って、運用していく段階でも、両手の担当者は大活躍する。入力漏れのチェック、書類不備のチェック、などを各担当者分をそれぞれチェックしていき、漏れていたら督促したり、どうしたら回収できるかの相談をしたり、運用に乗せるまでにも苦労は絶えない。時には、パワープレーで、事務担当者がやってしまうということもなくはないが、それをしてしまうと、他の担当者は、やらなくていいんだ!と思ってしまうので、タブーであるが、時と場合によってはそのパワープレーも発動させるということもあるのだ。

 

このように、両手の担当者こそが、知識武装し、実務を推進していくキーパーソンになるので、決して新人や庶務担当者では難しいということが理解できるであろう。そのような新人が両手の担当者になったなら、その組織は両手が無い、活動も支えることもできない不自由な組織になってしまうということだ。

 

・オンボーディング・プロセス

実務を運用に乗せる際に、人に書類を回収させる、入力させるということがどれほど難しいか、体験してもらうのがオンボーディングプロセスだ。

 

何かの法改正の対応マニュアルの事例を持ち出し、その対応マニュアルを皆に対応してもらうために、実際にどのように運用していくのかを決めていく。入力する項目が多いのならば、選択式にするのか、フリーワードにするのか、1つのエクセルシート内なのか、ファイルを分けていくのか、などの運用を考えていく。もっとも効率的にもれなく運用できる方法というのは正解はない。メンバーの特質によってもその運用方法は変わるのであろうから、実際に色んなメンバーと組んでやってもらう。

 

こうして、運用に乗せていく大変さを学ぶことで、さらなる知識武装の意欲が湧くのだ。もっと説明が上手にならないと伝わらないとか、もっと他のデータと交えていかないと複雑になり過ぎるとか、肌感覚で理解するためにはもっと勉強が必要だと感じるのだろう。それがモチベーションとなって、両手の事務担当者は、さらに知識武装に勤しむのである。

 

 

いかがであろうか。今回は、自分や相手の体を支えるについて記載した。両手の役割の担当者がしっかりと知識武装し、説明上手で、運用も上手であればあるほど、組織は上手く回る。これが管理職が考えた運用フローだと、やらされ感が出てしまい、上手く行かないのだ。それほど両手の担当者は運用において、重要な役割をになっているということだ。