ページ数:646P
発売日:2015年08月
1980年秋、突然の養父の死。
神代宗は傷付いた心を埋めるため訪れた北の町で、
謂れなき殺人の罪をきせられてしまう。
疑惑が晴れぬまま土地を支配する久遠家の「館」に軟禁され、
血塗られた過去を目撃することに。
謎の美少年・アレクセイが悲劇の真相を語り始めたとき、
銃声が轟く!
ついに物語はクライマックスへ加速する。
---------------------------
シリーズ14作目(通算18)
深春に別れを告げた京介は、とある屋敷にいた。
その部屋を訪れた女が猫なで声で言う「お兄様」
む・・・虫唾が走る・・・(-_-メ)
その時の京介の姿に、怒りがこみ上げて震えたわ!
なんてことしてくれるのよぉ~!!!
前作で鏡平の別荘に客として滞在していた中にいた女。
それを深春に告げられた京介が東京から急遽
鏡平に行ったのは、ピンときたからだったのね・・・
姑息なんてもんじゃない、なんて周到で悪質で悪趣味。
その執着っぷりは半端ない。こんな恐ろしい事はない。
どんな言葉を尽くしても、これ以上に醜い者を知らない。
一方、蒼と深春は神代教授の家に殴り込み?
自分だけの判断で話すことはできないという過去の事件。
しかし蒼の説得で、1件の事件を神代教授が語りだす。
神代教授が35歳の時、養父の死で急遽イタリアから日本に戻り
葬儀も全て片付いたある日、訪ねてきたのは門野だった。
門野の口車に乗って連れていかれたのは、明治以前からある
地図にも載っていない時間の止まった町だった。
町の突き当りにある宿泊施設にチェックインした二人。
紹介された猿橋という男はヒグマが服を着てるような男だった。
しかし、3人が酒を飲みながら話を始め
先に酔いつぶれてベッドで話を聞きながら寝ている間に
猿橋が殺された?
戻ってくると言い残して門野は姿を消していて
神代は、殺人の罪をきせられ、連れていかれたのは
町よりも更に奥にある久遠家の屋敷だった。
全てはお館様の指示通りに・・・
そこで初めて出会った美しい少年。
極めて精巧に作られた人形のような久遠アレクセイ。
10歳とは思えない大人びた口調。
そして姿を見せない久遠家当主と、出戻りの妹、
アレクセイと腹違いの妹、専属の医師?
広すぎて迷う増築を繰り返した館。
中を探ろうとすれば帰れなくなるという警告
跡継ぎとして決められたアレクセイ
財産を密かに狙う泥沼の攻防
続く殺人と殺人未遂
神代自身も3度殺されそうになり・・・
久遠家の数百年に及ぶ歴史・・・
まるで町ぐるみの牢獄のような異質な世界
アレクセイの母、ソフィアの死・・・
歪み切ったまま時間の止まった町
神代は、どう立ち回るのか・・・
門野の役割とは?
館での事は全て語られない。
もう一つ、何か事件があったらしいのだが
そこは次回に持ち越しって感じ。
京介の過去がわかる1冊で、10歳の京介の描写に
うかつにも萌えそうになってしまったけど
シリーズで小出しにされていた京介の過去を
うかがわせる内容が話の中に出てきて、たまらないぃ~!
ここまで聞いて、深春と蒼が動かないはずがない!
残すところ、あと1冊。
何がどうしてどうなったか、教えてもらおうじゃないの!
建築探偵桜井京介の事件簿
第一部
シリーズ1作 「未明の家」
シリーズ2作 「玄(くろ)い女神」
シリーズ3作 「翡翠の城」
短編集「桜闇」
シリーズ4作 「灰色の砦」
シリーズ5作 「原罪の庭」
第二部
シリーズ6作 「美貌の帳」
シリーズ7作 「仮面の島」
番外編「センティメンタルブルー」
シリーズ8作 「月蝕の窓」
シリーズ9作 「綺羅の柩」
番外編 angels 天使たちの長い夜
番外編 Ave Maria
シリーズ10作 「失楽の街」
第三部
シリーズ11作 「胡蝶の鏡」
シリーズ12作 「聖女の塔」
シリーズ13作 「一角獣の繭」
シリーズ14作 「黒影の館」