美貌の帳 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)/篠田 真由美
¥790 Amazon.co.jp
伝説の名女優・神名備芙蓉(かんなびふよう)が
28年ぶりに復活。
伊豆の会員制高級ホテル(オテル・エルミタージュ)で
三島由紀夫の『卒塔婆小町』を演じ、老婆から美女へ
見事に変身してみせる。
だがその後、演出家の失踪、ホテルオーナー
天沼龍麿(あまぬまたつまろ)の館の放火、
芙蓉への脅迫と怪事件が相次ぎ、さらなる惨劇が!?
京介の推理が40年に亘る愛憎を解く!
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シリーズ第6作 2部スタート
このシリーズ、3部まであるらしいっすよ(; ̄ノ・ ̄)
16作目がラストらしいっす
番外編も蒼が主人公の奴と神代教授が主人公の話しがあって
短編集もあるらしいっすよ(  ̄ノ∇ ̄)
どうするんだよmokko・・・(〃゚д゚;A アセアセ…
1996年10月
京介は27歳になっております。
前2作の京介が19歳と20歳だったので
かなり驚いてしまいましがた、3巻の「翡翠の城」で
京介は修論の仕上げに入ってたから、当然と言えば
当然なんだけど・・・
しかもフリーターらしい・・・(-。-;)
もちろん深春は・・・当然か・・・(^◇^;)
何より驚いたのは蒼が高校に通っておりました。
そんなに急いで大人にならないでくれよぉ~と
もの凄く淋しい気持ちになったりして・・・
でも、学校では浮いた存在になっていて、苦悩してます。
本名を名乗っているけれど、それも辛い事なんだよね・・・
相談したいのに我慢してる健気な蒼。
それをわかっていながら手を出せずにいた京介の背中を
ぶっ叩くのは、やはり深春なんですねぇ~
この3人のコンビが崩れない事を切に願います!
さて、今回のお話は1巻「未明の家」で知り合った
杉原静音さんから京介が天沼龍麿に紹介され
その縁?で演劇鑑賞に行くことになる。
高校生活に悩みを抱えた蒼も同行するのだが
訪れたホテルには京介が高1の時の先輩、遠山がいた。
まるでホモのように京介に迫る遠山。
パーティーで娘の暁と京介を従えて登場する
ホテルオーナーの天沼。
京介Wピーンチ!!
蒼と一緒になってハラハラしました。
唯一、ほっとさせてくれたのが「未明の家」で
蒼と仲良しになった遊馬朱鷺。
天沼家とも深い付き合いがあるので、招待されてました。
イケイケのパワフルシスターとでも言うのでしょうか
蒼とは本物の姉と弟みたいで、二人の会話に和みます。
演出家の失踪、天沼家の放火、芙蓉への脅迫電話
遠山からの相談、そして殺人。
前から言ってますが、このシリーズはトリックを暴く事を
楽しみにしてる人には向きません。
犯人の目星もある程度つきますし・・・
建築探偵とはいっても、ジョサイア・コンドルの話と
鹿鳴館が登場するものの、あくまでも建物は脇役で
捻れた思いと愛憎を京介が紐解いていくという感じです。
そして薬屋探偵と似た様な読み方になってきました。
リベザルに感情移入するのと同じくらいに
蒼に感情移入してしまう。
どちらも「置いていかれる淋しさと悔しさ」を想像し恐れている。
この気持ちが痛いほどわかる。
そして京介も似た様な切なさを抱いているのよね・・・
過酷な世界を吸収するするために、我が身を包む夢の帳。
この二人、いや深春を含めて3人が一緒にいられることを
切に願います。
京介の謎がほんのちょっと見えたような見えないような・・・
これもまた楽しみであったりします。
さて次は、短編集を読んだ方がいいらしい。
読む順番を間違えないようにしないと・・・
それにしても、あとがきに書いてあって驚いたけど
作品に出てくる架空のホテルについて、
設備が法規に合っていないと突っ込む人もいるのねぇ~