胡蝶の鏡 建築探偵桜井京介の事件簿/篠田 真由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:479P
発売日:2012年08月

4年前、父親の反対を押し切ってヴェトナムに嫁いだ四条彰子が、
京介と深春に助けを求めてきた。
一家の長老、レ老人との軋轢がその理由だ。
なぜか日本人を嫌うレ老人。
その原因は90年前の事件にあるらしい。
当時、レ家に寄宿していた日本人青年が謎の死を遂げ、
直後に令嬢が出奔。
令嬢の弟で8歳だった少年は、愛する二人を同時に失い、
心に深い傷を負ったのだ。
歴史の波に翻弄されながら、レ家は命脈を保ってきたが、
レ老人の心から悲劇の記憶が離れることはなかった。
京介らはハノイに飛び、90年前の事件を解き明かそうとするが、
その目前で再び事件が起きた。 
建築探偵桜井京介の事件簿、第3部開幕!

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先日、絶対城先輩を読んだ時に、前髪で目を隠してるという
それだけの共通点で、つい京介を連想してしまって
全く全然違うんだけど、想像したら会いたくてね(^◇^;)

第3部に突入ですね。シリーズ11作目(通算15)

さて、今回のお話は、先に短編集の櫻闇の中の

「塔の中の姫君」読んだ方がいいです。

この時の登場人物が今回のヒロインなのですよ。
ちなみに単発で桜闇を読むのはお勧めしません。
発行順に読んでください。

母と少しでも一緒の時間を過ごすため、大学を休学して
母の傍で生活をしている蒼。
用事で東京に来た蒼を呼び出した深春は、最近の京介が
おかしいと蒼に相談する。
最初はいい傾向なのか?と思っていた蒼だったが
さすがに驚いて、とりあえず様子を見ようという事に。
深春と蒼が初めて会った時の事を思い出したりして
なんか懐かしかったなぁ~

さて、そんなある日、京介は深春を京都に誘う。
そこで二人を待っていたのは、過去の事件で知り合ったお姫様。
母になった四条彰子だった。
何かを話そうとしていながら、話せずにいる。
子供と、義弟が同行しているため、躊躇しているのか・・・
結局、詳しい話を聞けないままにベトナムに帰ったのだが
その後、お姫様から電話が掛かってきて・・・
更に、義弟から、お姫様が行方不明になったと連絡が。
深春と京介がベトナムに向かうと、偶然を装って
日本人の女子大生が接触してきて、成り行きで
お姫様の嫁ぎ先のレ家に行くことになるのだが。

レ家の祖父は、何故か日本人を嫌っている。
意地悪をしているわけではないのだが・・・
それは、90年前の事件が深く関わっていた。
更に、お姫様の旦那様と、義弟の間もギクシャクしていて
旦那様は仕事が忙しいらしく、関わろうとしない?
それはお家騒動にまで発展するのだが、その最中に
事件が勃発。
レ老人に付添っている看護師が亡くなった。
京介達は殺人だというが、義弟は事故死と言い切る。

90年前の事件から、レ家には何が起こっていたのか。
京介が絡まる糸を解きほぐしていきます。
建築探偵ってくらいだから、もちろん
そっちの方の話もあるので、期待していいです♪

あぁ~久しぶりに読んでも、すんなり物語に入れるなんて
やっぱり思い入れのあるシリーズはいいですねぇ~
後半の緊迫シーンには、久しぶりに力入りましたよぉ
短編集の時のように、見事な騙しっぷりでした。

日本に帰った後、レ老人と義弟が京都を訪れ
そこで90年前の事件の真相が語られます。
もつれ、歪んだまま凝り固まった思いは
ようやく解かれ、突き付けられた真相は、あまりにも
苦しいものだった。

マンションに戻った京介と深春は、部屋に明かりが
付いているのを見て、先を争って駆け上がります。
本当に蒼の事が大好きなんだからぁ~
そしてそして・・・
なんというか、すごくすごく心配したんだけど
最初の頃に戻ったような二人の優しさが
本当に温かくて、ホロリとしました。

 

★建築探偵桜井京介の事件簿
第一部
シリーズ1作 「未明の家」
シリーズ2作 「玄(くろ)い女神」
シリーズ3作 「翡翠の城」
短編集「桜闇」
シリーズ4作 「灰色の砦」
シリーズ5作 「原罪の庭」

第二部
シリーズ6作 「美貌の帳」
シリーズ7作 「仮面の島」
番外編「センティメンタルブルー」
シリーズ8作 「月蝕の窓」
シリーズ9作 「綺羅の柩」
番外編 angels 天使たちの長い夜
番外編  Ave Maria
シリーズ10作 「失楽の街」