先月、広島市内の小学校で、教職員研修『自己肯定感を育てるために(第2回)』を行いました。
その小学校では、自己肯定感を高めることを、学校経営計画の柱に据えているとのこと。昨年も同様のテーマで研修を行ったところ、今年も是非ということで、ご依頼を頂きました。
日本の子どもたちは、諸外国と比べて自己肯定感が低いと言われています。
その小学校でも、行動を起こす前から「ムリ」「できない」とあきらめる子や、「どうせ自分なんて……」が口癖の子や、注意するとすぐにキレたり、褒めても素直に受け取らないといった子どもたちがいるとのことでした。
子どもたちの様子を、しっかり見ておられる学校だなと思いました。
では、「自己肯定感」とは何でしょうか?
人は皆、喜びの多い人生を生きたいと思っています。
人が喜びを感じるためには、そのベースに「安心」が必要です。不安や恐怖があっては、喜びを感じる余裕がありませんから。
そして、その安心を得るために必要なのが、「自己肯定感」です。
自己肯定感とは、自分の存在を肯定的にとらえる感覚のことです。「ありのままの私に存在する価値がある」と感じることです。
私は子どもたちには、「自己肯定感」のことを、『”私は生きてていいんだ”と感じる心』と説明しています。「私は生きてていいんだ」と思うわけですから、「生きることへの安心感」とも言えます。
自己肯定感がある子は、安心を感じているので、外に目が向きます。好奇心、意欲がわき、自ら行動します。楽しいこと、嬉しいことが増えていきます。自分を好きになり、周りの人を思いやるようにもなります。
でもどうでしょう。「自分は生きてていいんだ!」なんて言う子、見たことないですよね。
大丈夫、それでいいんです。もし今、やりたいことがたくさんあって、「今日も楽しかった」と思えるなら、「生きてていいんだ」と、ちゃんと感じているということです。
「私って、生きてていいんだろうか?」と考えるのは、どちらかというと、自己肯定感をなくしている時です。
「生まれてこんかったらよかった」
「生きていてもしょうがない」
「消えてしまいたい」
……苦しんでいる子どもたちがよく口にする言葉です。
そんな時、子どもは自己肯定感を失っています。
自己肯定感が低い子は、「私は生きてていいんだろうか」という不安があるので、常に生き辛さを感じています。
その不安が大きくなると、不登校、ひきこもり、リストカット、家庭内暴力、自殺……そういった悲しい出来事につながっていきます。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、自己肯定感を感じている子がいい子で、感じられない子がいけない子ではないということです。
私たち大人だって、いつも自己肯定感を感じて生きているわけではありません。
すべての人は、「生きてて良かった」と感じる力を持っています。ただ、それを感じられない時もあるだけなんです。
ある高校で話をした時、『自己肯定感が高すぎても、いばってばかりいてよくないと思います』という感想を書いてくれた子がいました。
その子には、次のように返事をしました。
実は、自己肯定感のある人は、いばったり、人を見下したりしません。
「自己肯定感」とは、「自分は人より偉い」と思うことではなく、「ありのままの自分でいいんだ」と感じることです。ありのままの自分でいいと思っているので、威張ったり強がったりする必要がないのです。
いばったり、人を見下したりする人は、むしろ自己肯定感が低いことが考えられます。
ありのままの自分に価値があると思えないので、いばったり、人を見下すことで、自分の価値を感じようとしているのです。
自己肯定感のある人は、自分は価値ある存在だと感じています。同じように、まわりの人もそれぞれが価値ある存在だと感じることができるのです。
( 「第383話」へつづく)
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